2017
11.05

てんかん学会前哨戦

 11月2日、京都に行きました。てんかん学会が11月3日から5日の午後まであったのです。精神科医として色々と診療をしていると、どうしてもてんかんの勉強は避けられなくなった、と実感しました。知識がなかったために適切な治療を行なえない、なんてのは医者として致命的。もちろんてんかん専門医のようなレベルまでは到達できませんが、特に精神症状との関連(精神疾患との鑑別含め)は勉強し尽くすくらいの気持ちが必要ですね。そんなことで、てんかん学会に来たのであります。

 11月2日は学会前日なのでふらふらお散歩。夜に京都についたのでそんなに長時間ではありませんが。

 まず荷物をホテルに置きます。今回のホテルは”ユニゾイン京都河原町四条”というビジネスホテル。地下鉄の市役所前の近くなので、三条名店街、寺町通、新京極などなどが徒歩圏内。ホテルの入口は京都らしい感じですね。

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 中に入ると、これまた「京都っぽさを出しました」感が。

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 新しいホテル(2017年7月開業)なだけあって、お部屋も綺麗。 

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 おぉっ! お水が”飛騨の雫”! 前回の香川のホテルと同じやんか…。3泊なので3本あらかじめもらっています。この水は色んなホテルを支配してるの? 京都のプライドはないのか!

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 その日は新京極をぷらぷらとするくらいで。

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 なつかしいですね。大学生の頃に京都へ比較的長期の旅行をしたことがありますが、こうやって通りを歩くのはそれ以来かな? どうかな?

 お夕飯は親子丼にしました。

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 ではでは

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 んまい!

 「やっぱり京都、親子丼も美味しんだろうな」と思ったあなたにこちらを。

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 ”なか卯”なんですけどね。

 いや、でもなか卯の親子丼って美味しいですよ。自分は好きです。歩いていると色々お店がありすぎて、かつどのお店も人がたくさん入っていて、結局安定のなか卯になってしまった。

 その日はそれを食べてホテルに戻って寝ることに。明日の朝のビュッフェはどんなものか、それは次の記事となります。

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2017
11.02

さいごの高松

 今、京都におります。てんかん学会が金曜~日曜にかけてありまして、そのために前日の木曜日から泊まることとなっています。木曜日、今日ですけど、産業医をしてその足で京都。つまり荷物が非常に多く、産業医先の会社から「どうしたんですかその荷物」と聞かれることあまた。学会は京都国際会館で行なわれるので、京都駅から交通機関でそこに到達するあいだのホテルを探し、”ユニゾイン京都河原町四条”というビジネスホテルを見つけました。いやー、連休なのでどこもかしこも混んでるし高いし…。しかも正直なところとっても疲れてます。香川の疲労がとれなくて、そして京都。うーん。

 今日は高松の3日目、最終日の記事でございます。

 ホテルクレメント高松の朝食。会場はこんな感じ。初日のホテル(リーガホテルゼスト高松)よりも種類は多いですね。

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 和食中心にしました。

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 主菜をアップ。小さな肉まんが可愛らしい。

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 2ターン目はケーキやゼリーなど。もうお腹いっぱい。

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 あとはチェックアウトして電車の時間までフラフラするだけ。ホテルって、朝食の後、チェックアウトまでお部屋で過ごす時間がいちばん苦しい気がする。なぜって食べすぎているから…。

 その日向かったのは、栗林公園(りつりんこうえん)というところ。高松随一の景勝地です。高松駅からバスでそんなに時間はかかりません。ここの写真はまた後日に、ということにしますが、実に素晴らしいところでした。外国の方々が非常に多くいらっしゃってましたよ。ホテルに泊まった時、外国からの人々が多かったので「香川県に何しに来たんだ…? おうどん目的ってわけでもないよなぁ」と訝しがっていたのですが、これが目的だったんや、と納得。『ミシュラン観光ガイド』では「わざわざ訪れる価値のある場所」として最高評価3つ星、アメリカの庭園専門誌『Journal of Japanese Gardening』の”日本庭園ランキング”で、2011年に3位ゲット、とのこと(毎年1位は足立美術館、2位は桂離宮)。自分は全然知らなかったです、この公園。

 そこを高速で回ったあとはお昼ごはんで最後のおうどん。栗林公園といえば”竹清”ですが、その日は月曜なので定休日。よって、バスで兵庫町(高松中央商店街の一部)あたりに戻り、”植田うどん”で食べることにしました。朝ごはんがまだお腹の中に残っている状態ではありましたが、せっかくの四国なので…。

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 食べたのは、”温玉肉ぶっかけ”というおうどん(小)。

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 お肉が甘くて、おつゆも若干甘め。おうどんは温かくてもコシがあって美味しかったです。あ、やっぱりおでんもある。当然の風景なんですね。

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 時間まで歩いて観光。やや、ゴミ箱が吐き出しそうなカエル状態。今の自分のお腹もこんな感じ。

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 駅に戻って、瀬戸内海を見てみましょう。

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 フェリーや。あー、小豆島とか行ってみたかったな…。

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 フェリーを見ると、さだまさしの”フェリー埠頭”を思い出します。あれは名曲。”指定券”と”最終案内”とこの”フェリー埠頭”で”別れの陸海空”と呼ばれていますね。どれもこれも素晴らしい曲。情景が目に浮かぶようで。

 そんな後ろ髪をひかれながら、電車で帰ることになりました。高松駅では何とアンパンマンの駅弁(アンパンマン弁当)が売られていたので、つい買ってしまった。マリンライナーに乗っている最中にちょっと出して撮影。さすがに食べるのは家に帰ってからですな。

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 瀬戸大橋を走るマリンライナーから眺める瀬戸内海。その日は台風一過ということで晴れてました。

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 多くは、こういう構造物が視界に入ります。

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 その日のマリンライナー、平日ということもあってか1号車の1番A-Dの席は自分だけでした。

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 でもみなさん、マリンライナーのグリーン席、1番はアカンです。2-9番、かつ窓側にしましょう。窓側なのは景色を見るためですが、2-9番は1番と同じグリーン席でも階段を昇って少し高い位置にあってより景色が見やすい。一般の指定席は1番より低く、階段を降ります。実に中途半端なのが1番。だから皆さん嫌って乗らなくて、自分だけだったのかな…?

 岡山駅で新幹線に乗り換え。そこで”ぐでたま”先生の岡山限定メモ帳を買ってしまった。

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 だいぶ疲れて、ほうほうの体で到着。その日のお夕飯はアンパンマン弁当です。中身はこんな感じ。

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 ちょっと顔の再現度が低いぞ…。特に向かって右。

 値段は、向かって左が1300円、向かって右が1200円。結構なお値段ですが、これは容器代ですよね。ちなみにキャップの付いている飲み物容器(水筒)は中身カラです。向かって右のお弁当に入っているアンパンマンの黄色いソース入れもカラ。徹底したコスト削減を行っている様子…。「欲しいのは容器なんでしょ? 中身は入れないでおいたからありがたく思え」という声も聞こえてきそうな。お弁当そのものは子どもの好きそうな味でした。そしてエビフラはほぼ衣でした。どうやったらこんなに衣を熱く出来るのか、ある種の芸術かも。

 ということで、香川県高松市の講義兼旅行はおしまい。後日に栗林公園の記事をアップできればなぁ。でもしばらくは京都の記事になりそう。
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2017
10.31

ちらり駅前

 高松旅行(?)の2日目。まずは朝ごはん。”リーガホテルゼスト高松”の朝食ビュッフェでした。

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 品数はそれほど多くなく、和食中心。

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 主菜のアップ。

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 2ターン目は定番のオムレツ(ラタトゥイユ入り)。

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 その日は台風がやって来ており、朝は大変でした…。何とかタクシーに乗って会場に。お昼ごはんはそこのお弁当。

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 そこの担当者のかたとお話をしたのですが、香川のおうどん屋さんは平日のお昼ちょっとの間だけやっているセルフ式のところが美味しいのだそう。駅から離れていることも多く、車や自転車があったほうが良い、とのこと。そうなのかー。香川のおうどんと言えば、元(?)道民としては”水曜どうでしょう”のお遍路を思い出してしまう。そういえば、高松市で駅から数駅だと”竹清”というところも番組で出てましたね(栗林公園北口あたり)。自分は、寒さにめっきり弱くなって、道民のプライドも何もあったもんじゃありません。味噌ダレに侵食されてしまった。

 講義は10-16時までの講義。お昼休みを挟んで5時間。1時間毎に10分休憩を入れて進めたのですが、午後はもう声が枯れていて、カラオケで熱唱した後のような感じ。合間に龍角散ダイレクト(トローチタイプ)をせっせと服用していたのですが、及ばず。龍角散は桔梗湯の派生処方ですね。声枯れには桔梗湯や麦門冬湯といった潤す系の漢方が良いでしょう。枯れて痛くて少し炎症がありそうなら桔梗石膏とかもね。

 講義は”一般病棟で気になる精神症状への対応”というお題目でしたが、5時間でぜんぶを話すのは無理だなぁと実感。ある程度の広さで話そうとすると浅くなるし…。参考図書をずらずらと挙げたので、それで固めてねとお伝えしておきました。自分は講演の配布資料もスライド形式なのですが、講義スライドと同一ではなく、読むために文字を多めにして圧縮しています。講義スライドはもうスッカスカというか字が大きいので…。講義スライドで全部説明すると文字だらけで視認性の問題が強く、必要最小限のものを文字にしてあとは口頭での説明。配布資料はその説明部分も入れるので、文字は多いですね。テキスト的な感じで読んでもらおうと思っています。こちらは夢の跡的な写真。

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 龍角散ダイレクトのトローチって、包装の仕方がなんだかリボトリールみたいですね。

 講義が終わる頃には雨がやんでいて、台風が過ぎたようでした。良かった。2日目のホテルは場所を変えて駅近くの”ホテルクレメント高松”に。

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 お部屋はこんな感じ。1日目のホテルよりもちょっと古いかな? どうかな?

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 窓から高松城跡を見る。

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 台風が過ぎていく様子。向かって左はもう晴れてますね。

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 荷物を置いて駅周辺をぶらぶら。講義で疲れていたので遠出はできません。

 高松駅の外観はこんな感じ。広場があってさっぱりとしていますね。

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 2階の飲食店に杵屋が入っているのがウケる。

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 杵屋って大阪でしたっけ、本店。まったく香川じゃないんですよね。しかもお客さんが結構入っているのを見ると、観光客が「駅に入っている=讃岐うどん」と勘違いしているか、実は讃岐うどんも関西のおうどんも出汁以外はそう大して違いがないとか…。

 駅から出て、徒歩1分くらいで”サンポート高松”という、見た目は都会的な建物に侵入。

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 そこの1階はお土産屋さん。やっぱりお遍路の衣装は”どうでしょう”だな…。

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 こんなのを見つけてしまった。

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 ”うどんのゆで汁から造った台所用石鹸”とな…。おうどんへの執念は狂気すら感じる。おうどん(+天ぷら+おにぎり)ばっかり食べてるから糖尿病になるのではないだろうか、香川県の皆さんは。香川県は糖尿病患者さん多いですからねー。

 そしてお夕飯は、おうどんではなく(あれ?)、ハマチの漬け丼を選択。

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 うむ、美味しかった。でもご飯とお味噌汁の大きさが何だか逆じゃないか?と思わなくもない。サンポート高松の3階、”海おやじ”というお店でした。でも名物が”北海道産”のいくらをつかった”イクラめし”だそうです…。

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 2日目は大人しく過ごし、翌日の月曜日(10月30日)に名古屋に帰ることとなったのであります。実はですね、火曜水曜と名古屋で休んだあと、すぐに木曜日はてんかん学会のために京都に行かねばならないのです。すごい強行日程だ…。
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2017
10.28

瀬戸大橋を渡りました

 今、香川県は高松市に来ております。名古屋から新幹線で岡山に行き、そこから快速マリンライナーで高松に。3時間弱の所要時間でした。

 瀬戸大橋からの風景はいかがなものか?と思っておりましたが、あいにく台風が近づいており、雨と雲で何とも寂しいものになりました。灰色がのしかかってくる感じです。

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 岡山経由で高松駅に到着。

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 ぱっと外に出てみると、この辺りは都会っぽい。

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 2泊する予定なので、ここは明後日名古屋に帰る前に行こうか、それとも明日の夜に行こうか。まずは荷物もあるので、ホテルに向かいます。

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 徒歩10分弱で”リーガホテルゼスト高松”に到着。今日泊まるところです。明日は”ホテルクレメント高松”にしました。本当は2日ともホテルクレメント高松にしたかったのです。なぜなら、高松駅から徒歩1分という好立地だったから。歩くの疲れるんですよね…。でも今日は満室とのことで、リーガホテルゼスト高松になりました。

 お部屋はツイン。1人旅なのですが。ホテル側が、ツインに空きがあるとのことで変更してくれたとのこと。ありがたや、広くなりました。

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 む? これは…。

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 香川のホテルなのに、お水は岐阜であった。四国のプライドはないのか!

 それはそうと、荷物を置いたのでお夕飯を食べにふらふらと出かけます。商店街が結構な規模ですよ。

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 ちょっと寂れているようにも見えますが、少し進むと小綺麗に。

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 兵庫町、丸亀町、南新町などなど、高松中央商店街はずっとアーケードが続きます。調べたら、総延長が日本一だそうです。なるほどねぇ、歩けどもずっと続いてたもんね。こういう商店街は全国どこも旗色が悪くお店が撤退しております。高松中央商店街も例外ではないようですが、何とか歯止めがかかったらしいです。現在再開発中とのこと。

 あらー、”バナナ問屋”なんて、なかなか古いですよ。ホントにバナナも売ってる。

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 お夕飯は、コテコテではありますが香川なのでおうどんを。”さぬき麺業”というお店にしました。

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 釜揚げうどんととり天のセット。

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 正直なところ、自分はそんなにおうどんを食べていなくてですね、基準になる味が不明なのでした…。しかも今ちょっと風邪気味で、鼻の調子がいつにも増してよろしくなく…。でも、おうどんの味はしました、はい。

 おや、おでん…?

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 香川のおうどん屋さんでは、おでんを売っていることが多いそうです。へー、知らなかった。

 せっかくなので、もう1件行ってみよう! さぬき麺業で食べたのは18時前だったのです。だから色々と散策をして別のお店に入ろうかなと。でもすでにお腹はいっぱいですが。

 商店街から高松駅の方に戻って”めりけんや”というおうどん屋さん。

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 ここでは、釜玉うどん! 熱々のおうどんに落としたたまごのタンパクが熱変性して固まって、良いですね。

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 ここの釜玉も美味しい。さっきのお店と比べると、コシが強めかも。同じ釜玉で比較しないとダメかもしれませんが。というか、お腹がもう…。これ、腹部CT撮ったら胃の中がニョロニョロと大変そうですね。

 そんなこんなで、初日は過ぎていきました。明日は講義をして、 もう一泊です。その前に朝食のビュッフェがどんなのかが気になりますね。
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2017
10.24

ベンゾもたまには役に立つ

Category: ★精神科生活
David Hui, et al. Effect of Lorazepam With Haloperidol vs Haloperidol Alone on Agitated Delirium in Patients With Advanced Cancer Receiving Palliative Care A Randomized Clinical Trial. JAMA. 2017;318(11):1047-1056. PMID: 28975307

 緩和ケアを受けている進行がん患者さんのせん妄(過活動タイプ)に対して、ハロペリドール単剤とハロペリドール+ロラゼパムの併用との比較。論文ではハロペリドール2 mgとロラゼパム3 mgを使用しており、結果は併用群の方がより低いRASSとなりました。

 ロラゼパムは代表的なベンゾジアゼピン受容体作動薬でして「え? せん妄にベンゾ?」と思ったかもしれません。確かにベンゾは単剤で使用するとせん妄が悪化したりせん妄そのものの原因の1つとなったりします。大事なのは、ハロペリドールと併用した、というところ。大学病院にレジデントとして労働していた頃は、上の先生から「ルートの取ってある患者さんなら、せん妄にハロペリドールとフルニトラゼパムを混ぜて使うと良いよ」と教えられていました。ハロペリドールの商品名はリントン®もしくはセレネース®で、フルニトラゼパムはロヒプノール®ですね。それぞれ注射液があり、ハロペリドール1Aが5 mg、フルニトラゼパム1Aが2 mgです、たぶん。当時は「ほーん」と思いながらそのまま行なっていましたが、今回のJAMAで「やっぱ効果あるんやなぁ」と納得したのであります(ただし、ロラゼパムをそのままフルニトラゼパムに置き換えても良いのかどうかは不明なのですが)。

 ハロペリドールとフルニトラゼパムという作用機序の異なるものを使うことで、1+1が2ではなく3になったようなものでしょうか。あわせ技一本みたいな。ドパミンを抑えてGABAを賦活して、という感じ? GABAの賦活だけだとせん妄によろしくないこともあるのですが、不思議ですね。せん妄は ”夢うつつ” みたいなもので、そこで様々な不安や恐怖が先鋭化します。治療はもちろん原疾患の解決なのですが、端的に言うと当座として”しっかり覚醒・しっかり睡眠”の2つが方法になります。メリハリが大切、ということ。ベンゾのGABA賦活だけでは ”しっかり” が出てこずモヤッとさせる、ということなのかしら。ベンゾでは俗に言う ”浅い睡眠” が増えますしね。ちょっと短く言い過ぎて誤解を生みそうではありますが、あくまでもイメージ的なものとしてお考えください。

 ただ、ちょっと残念なのは日本にロラゼパムの注射液がない! という点。これは本当にどうしようもないなぁと実感しているのです…。洋書を読んでいると「ロラゼパムを打て」と書いてある部分がとても多いのですが「ねぇんだよなぁ…」と肩を落とします。致し方なくフルニトラゼパムを使用しますが、これは半減期が長い(睡眠・覚醒の切り替えがうまくなされない)のと呼吸抑制の問題が大きいというのがあります。せん妄に対しフルニトラゼパムとレボメプロマジン(ヒルナミン®/レボトミン®)を併用すると明らかにSpO2が落ちるという文献もあるのです(J Clin Psychopharmacol. 2000 Feb;20(1):99-101. PMID: 10653217)。その文献ではハロペリドールとフルニトラゼパムの併用では特に問題はありませんでしたが、身体的に弱っている高齢患者さんだとちょっと心配ですよね。

 なので、大学病院にいた頃のオーダーは

リントン0.5-1A・ロヒプノール0.5-1A・生食100mL
100mL/hrで落とす
寝たらストップ、起きたら再開
呼吸状態モニタリング

 という感じだったように覚えています。患者さんの年齢や身体状態に合わせて1Aとするか0.5Aとするかを考慮。”呼吸状態モニタリング” は入れておくべきでしょう。

 自分としては、ハロペリドール5 mg(1A)でおさまらないようなせん妄に対してさらにハロペリドールで押してもあまりメリットはないように思います。ハロペリドールは錐体外路症状を起こしやすい定型抗精神病薬ですし、注射液だとQT延長のリスクが高いのです。複数のQT延長リスクの薬剤が入っていたら、ちょっと怖いですよね(キノロンとか)。せん妄も根本的な機序が分かっていないので、ドパミン受容体を抑える方法である程度頑張ってうまくいかないのであれば、それ以上ドパミン受容体を駆逐しても効果は乏しいかも。静かになったと思ったら実は錐体外路症状で動けなくなっていた、なんてのは冗談にもなりません。ちょっと他の方法も考えたほうが良いでしょう。昔、外科の先生から「リントン3A落としたけどせん妄おさまりません」と言われることがありましたが、ハロペリドール3A(15 mg)はちょっと怖いと思います。慢性期統合失調症でずっと使用しているならともかく、身体疾患で弱っている患者さんにハロペリドール15 mgは、うーん。その時は確かバルプロ酸のシロップをちょっと入れたらうまく整った記憶があります。確か2 mL(バルプロ酸100 mg)くらいだったかなぁ、使ったのは。せん妄対処の薬剤的引き出しを数多く持っていると、精神科医っぽく見られます(精神科医なんですけどね)。もちろんほとんどが経験的なものではありますが、上の先生にちょっとしたコツなどを教えてもらうといざという時に役立ちます。

 ベンゾは”使いよう”だと思います。不安や不眠にだらだらと使うのであれば不適切ではありますが、ここぞという時にスッと使うと大きな威力を発揮してくれます。ベンゾを出すから悪い医者、という単純なことでは決してありませんよ。もちろん、ここぞという時に処方する時も、こちらの祈りにも似た精神療法をベンゾに乗せていく必要はあります。”うまく使う”というのは、漫然と処方する立場やベンゾを絶対に出さないという立場からは決して見えてはこないのでしょう。自分も出す時は出しますし、飲む時は飲みます。

 自分はせん妄に対し「ハロペリドールは1Aまで」というマイルールがあり、使うならフルニトラゼパムと併用して少しでもハロペリドールの投与量を少なくしようとしています。予防には文献的にも経験的にもラメルテオン(ロゼレム®)やスボレキサント(ベルソムラ®)が良いですね。特にスボレキサントはラメルテオンよりも優れている印象ですが、ガチンコ対決の論文が出ると面白いかも。漢方では酸棗仁湯が好きです。軽いせん妄ならこれにしており、抑肝散はあまり使わないかな?

 いずれにしても、なかなか改善しないせん妄は精神科医のウデの見せ所でもあります。でも忘れちゃいけないのは、基本は原疾患の治療ということ。原疾患が良くなって患者さんもうまく覚醒と睡眠のバランスが取れてくると、せん妄は改善します。精神科医の役割はそれまでの”つなぎ”ですよ。決して精神科医が”なおす”ものではありませんので誤解なきよう…。そこは色んな科や看護師さんに勘違いされているので、苦しいところでございます。。。
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