2017
07.30

慣れってことで

 8月からはちょっと講演会が続きます。といっても、8-11月にかけて、各月1回ずつなんですけどね。気が早いですが、来年の3月にも1回あります。繰り返しになりますが、自分は精神科医で副業として漢方屋をやっている、という立ち位置。でも後者の講演依頼が圧倒的に多く、ちょっと精神科医として「???」な感じではあります。

 そんな中でも、10月は珍しく漢方ではなく、本業の精神科のお話を看護師さんがたにするのです(@四国!)。5時間のお話で、スライドは予備含めて約620枚。自分は1時間の講演で大体スライド100枚くらい使うので、これくらいあれば十分でしょう、たぶん。精神科ではない一般病棟で見る精神症状にどう対応していこうか? という内容。疫学や疾患のメカニズムなど教科書的なものではなく、どのように患者さんと接していくべきかを重視しました。木村敏先生に依拠した”あいだ”(個人的には”あわい”ですが)の大切さをお伝えできればなぁと考えています。

 それ以外の講演は漢方なのですが、8月は初心者のかたがたに向けて、ベンゾジアゼピン受容体作動薬の代わりに漢方薬はどうでしょう? という内容の講演。やや病名漢方的なお話になります。そして9-11月は、3回シリーズでメンタル漢方の ”総論・抑うつ・不安不眠” 取り上げていくことになりました。こっちは日常的に漢方薬を使っている先生がたへの講演なので、気・血・水や五行論などの理論(仮説?)を組み込んでのお話。自分は五行論ってちょっとシステマティック過ぎてどうなのかなぁと思うところがあるのですが、理論として一部援用するのはアリだと考えております。

 ただ、漢方は用語や概念の定義が人によって異なるのが悪いところ。もちろん柔軟な発想と考えれば良いところなのでしょうけれども、その人の中の定義で話をされると噛み合わないんですよねぇ。自分も ”瘀血” という概念を自分なりに理解していますし、瘀血の中に慢性炎症が含まれていると考えて臨床をしています。だから、あくまでも自分の中の考えであることを意識しておき、他の人に強制はしません。漢方屋さんの中には偏屈な人もおり(むしろ多い?)、自分の定義に当てはまらないと「それは間違ってる」と指摘されるかたも。その人の中では間違っているんでしょうけれども…と思わないわけではありませんが。完全に”ねじれの位置”のような感覚になります。

 でも、色々と講演依頼をいただくのはありがたいことです。発表の機会を与えられ、それによって他の先生がたが「なるほど」と少しでも思ってくれて、それで患者さんにとってプラスに働けば、何よりでございます。その中でお伝えしたいのは、漢方でなんでもかんでも解決しようと思わないこと。例えば明らかに肺炎球菌による肺炎に対して麻杏甘石湯のみで挑むのは前時代的。しっかりと抗菌薬を使用するのが欠かせません。特に漢方を体系的に勉強しない多くの医者にとっては、あくまでサポートとしての限界を設定しておくのがポイントでしょう。講演ではそこをお話することが多いです。後は、漢方薬にも副作用があるので、そこへの注意ですよね。

 ちなみに自分は元々かなりの人見知りで、人と話す、しかも大勢の前でなんてトンデモないと思っていました。大学受験も面接のある大学は真っ先に弾いてましたし。それがねぇ、慣れというのは恐ろしいものです…。ただ、自分の医局の教授の前でプレゼンする時は相変わらずダメダメです。。。それはいつまで経ってもアカンですね。
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