2017
07.07

ちょっとはマシなんです、たぶん

 ゾピクロン(アモバン®)はベンゾジアゼピン受容体作動薬の1つで、z-drugとも呼ばれています。この特徴は兎にも角にも

苦い

 というやつでして、代謝産物が苦味を持っているらしく、口をゆすいでも取れません。ゾルピデム(マイスリー®)でもたまに「変な味がする」という患者さんもいますが、ゾピクロンはその比ではない。

 そして、その光学異性体としてエスゾピクロン(ルネスタ®)があります。これはゾピクロンよりも睡眠効果がやや長めであり、メーカーさん曰く「苦味が軽くなっています」とのこと。

 ただし、苦味が軽くなっているかというのは、実はガチンコの直接比較をしたわけではありません(そういう論文は少なくとも英語では存在しないはず)。

→訂正:ありました…。探し方が甘すぎた(Clinics (Sao Paulo). 2016 Jan;71(1):5-9. PMID: 26872077)。そこでは、苦味ではなく味覚障害という表現でしたが、エスゾピクロンの方が若干、ホントに若干少ないという結果になっています。エスゾピクロン 3mgで50.78%、ゾピクロン7.5 mgで60%でした。

 自分はあるところで「苦味が軽くなっているのが特徴です」と言ってしまっており、そこは軽率だったと反省しています。これはあくまで経験的なレベルにとどまっていて、この経験的という言葉を入れ忘れていたのが敗因。いつの日か機会があればその言葉をプラスしたいなと考えています。

 しかしいっぽうで、処方する身としては「確かに苦味は減っている」と思います。自分は新しく薬剤を処方する時は飲み心地を必ずと言って良いほど聞くのですが、エスゾピクロンは全員ではないものの80%くらいが「苦味は軽いですね」と答えます。自分も眠れない時に睡眠薬を飲むので、ちょっとエスゾピクロンを飲んでみたんですが、確かに苦味そのものは30% off といった感覚でした。そういうのもあって、「苦味が軽くなっているのが特徴です」と文献的なサポートなしに(軽はずみに)発言してしまったのでありました。これは失態です…。

--------------------

☆☆まとめ☆☆
ゾピクロンに対するエスゾピクロンの苦味減少は…

・比較試験は行なわれていない(→訂正:行なわれており、若干軽くなっているかも)
・あくまでも経験的なもの
・個人的に少し減っている手応えはある

--------------------

 ちなみに、この苦味は減っても減ってなくてもあんまり気持ちの良いものではないのですが、患者さんの中には「慣れてくると、この苦いのが”薬”って感じで良いんですよ」と言う人もいます。確かにそう言われたらそのような気がしないでもない、かな?
トラックバックURL
http://m03a076d.blog.fc2.com/tb.php/2143-8b6bdee1
トラックバック
コメント
管理者にだけ表示を許可する
 
back-to-top