2016
09.10

たいまつは先を明るく照らすもの

 トーチの会、という集まりがあります。

 母子感染の中で、胎盤を介して子どもに障害を与える病原体の頭文字を取って名付けたものをTORCH症候群と称します。母子感染症の中に、一部の病原体の頭文字をとってTORCH症候群というのがあるのですが、その中の特にトキソプラズマとサイトメガロウイルスによる感染症についての患者会、それがトーチの会なのです。こういった感染症は知識があれば防ぐことが出来たり早期に発見ができたりするものですが、いかんせん知名度が低い。これを実際に経験された方々が知らせてくれると、真実味をもって浸透していってくれるのではないでしょうか。

 そして、母子感染は、お母さんに強い罪悪感や後悔の念を抱かせます。「私がもっとしっかりしていたらこの子は…」という思いは誰しも持つことでしょう。そして、子どもに罪は全くないのです。患者会は、その母子感染を経験してしまったお母さんや子どもさんにとって大きな救いになるはずです。こういう患者会を「傷の舐め合いだ」と軽視する人も一部にいます。でも、世界中の何処かで、一箇所でも良いから傷を舐め会える場所って必要なのだと思います。そして、お互いに傷を舐め合えば、治りも早くなるでしょう。理解者がいないとお母さんがたは虚勢を張ったり嘘ぶらないといけなくなります。どこかに「正直に自分の気持を吐露していいんだ」と実感できるところはなければなりません。お母さんの気持に少しゆとりができると、それは子どもにもちゃんと伝わります。

 トーチの会はそれだけではなく、極めて冷静な立場でもあります。”傷の舐め合い”はそれのみになると視野が狭まって社会を敵視してかえって孤立しかねないような状況を自らつくってしまう可能性を持っているのは確かでしょう。そこからこころにゆとりができて、周囲の人たちは自分たちの存在を広げてくれる資源だと感じることが出来るか、が大切。トーチの会はそこが明確に出来ており、敵味方に分けず、みんなで良い社会をつくっていこうという姿勢にあふれています。大きなポイントだと思います。

 そのトーチの会がサイトメガロウイルス感染症に関する本をクラウドファンディングで翻訳出版するとのことで、ちょろちょろと応援しております。防げること防ぐには、正しい知識が必要です。そのためのものであるならば、応援しようと言う気持ちになりました。これから生まれてくる子どもたちやお母さんに悲しい思いをさせないために、そして残念ながらも患者さんやそのお母さんとなった方々の努力が報われるように。トーチの会の活動が、未来に明かりが灯るような松明になってくれることを期待しています。

追記(2016年9月13日):上記のクラウドファンディング、支援が目標額に達成したそうです。1人でも多くの人に読んで欲しい本だと思います。物語として純粋に読んでもらって、その結果として母子感染について知識が深まってくれたら。
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