2015
12.17

型を覚えて臨床力up

Category: ★本のお話
 最近は本の紹介をしていなかったので、ここで1冊。

 学生さんや研修医の先生にとって大事なのは、カルテ記載です。カルテは、患者さんの言葉や診察項目や検査結果、そして医者側の推論の両者で成り立つもの。患者さんと医者の”あわい”に立ち上がると言っても良いかもしれません。

 このカルテには、臨床力の差が如実に表れます。診断への道筋がしっかりと立っている、診断に結びつかなくてもこう考えている、という思考の過程が書かれているのは、こちらが読んでも「お、勉強しているなぁ」と感心してしまいます。

 いかにアウトプットするかが大事で、カルテは、自分はこう考えたんだというアタマの中を他人に見てもらうことになります。しっかり勉強している人はカルテもしっかりしてますし、そうでない人はカルテもちょっと読んでいて「??」と思います。

 勉強が不足している人も、ただ勉強していないというわけではありません。どこをどう勉強すれば良いのかが分からないということもすごく多いと思います。そういう時は、カルテを見てみましょう。それによってどこをどうすればもっと伸びるかという点が明らかになりますよ。そして、中には勉強しているけれどもうまくまとめられないという人もいますが、そういう人もまとめられるようになると自分のアタマの中もすっきりしてきます。

 つまりは、カルテを見ると「どこをどうすれば良いか」が分かるのでございます。カルテのしっかりしている人はやはりそれなりに理解が行き届いております。これは、カルテを長く書けと言っている訳ではありません。中には何ページにもわたって書く医者もいますが、それは冗長とも言われるでしょう。必要なことを書き、不必要と思われることは捨てるのも技術です。

 ということで、慣れるまではある程度の”型”が必要になってきます。その”型”に沿って書くことで、自分にとって必要なことが分かってくるようになりますよ。カルテには強弱が必要ですが、それを地力で見つけるのはとても大変。カルテの”型”を通して臨床の”型”も身に付くと考えると分かりやすいですね。

 カルテの書き方についてはいくつか本が出ていますが、個人的にはこの本が良いと思っています。


「型」が身につくカルテの書き方

カルテ


 2015年に医学書院さんから出た本。臨床能力もすごく高くて、かつ教育を重視している先生なのだなぁというのが良く分かる1冊。研修医や学生さんの分からない点を熟知しているのでしょうね。

 ”型”は身に付くまですごく時間がかかります。自転車だって思い起こせばそうですよね。しっかり乗れるようになるまでたくさん練習して転んで…の繰り返し。最初からうまくいくなんてことはありません。でも練習をたくさんすることで、”型”は身に付きます。それは決してセンスではなく、みんなが達成できます。”型”が身に付けば、基盤(自分は臨床のOSなんて呼んでますが)がしっかり身に付くことにもつながりますよ。

 カルテの書き方がちょっと良くわからないという学生さん、症候や疾患をどう勉強すれば良いのかな…と悩んでいる研修医のみなさんにもお勧めできる本。
トラックバックURL
http://m03a076d.blog.fc2.com/tb.php/1971-ea70bafa
トラックバック
コメント
管理者にだけ表示を許可する
 
back-to-top