2015
09.04

あー、間違えた…。

Category: ★精神科生活
 昨日、精神症状への漢方薬の講演会をクラシエさん主催のもとで行ないました。以前に記事にしていた超小規模な講演会のうちの1つです。

 60分喋りどおしで、かつ自分は声がどもりがちでなかなか遠くまで聞こえないと良く言われるため、ちょっと意識して大きな声でお話。そうしたら、帰宅後には喉が痛くなってガラガラ状態に…。いやー疲れました。ツムラさん主催でも同じような話をする予定ですが、それは何と90分ですよ…。こりゃ大変。ちなみに、声を出しすぎてそんな状態になった時は、麦門冬湯を頓服的に飲むと、結構効きますよ。1回2包くらいで。なので、カラオケで歌いすぎてガラガラになった時は、ぜひ麦門冬湯をその日の寝る前と翌日の朝に飲んでみてください。お湯に溶かして染み渡らせるようにするとより良いかと思います。

 さてこの記事は、その講演会でのミスのご報告です。

 ”芎帰調血飲”という漢方薬のお話を少ししたのですが、そこの構成生薬で”香附子”とすべきところを”香”が抜けてしまっていて”附子”と記載しておりました…。全く異なる生薬ですよねぇ。。。

 香蘇散と合わせて出した経験をしゃべっていて、芎帰調血飲のスライド(”香”が抜けている)を見ながら「香蘇散には香附子がありますね。芎帰調血飲にも香附子は入っていますが、、、あれ? あ、入ってませんね。失礼いしました」と言ってしまいました。正しくは、芎帰調血飲にも香附子は含まれており、香蘇散の香附子を上乗せすることで理気作用を強めたと言いたかったのであります。すみませんでした。資料でお渡しした基本的な方剤とその派生処方のところには、きちんと生薬の部分で”香附子”と記載しておりますので…。

 しかも事態は良くないことに、今回の講演は「録画して社内教育で使わせてもらうかも」とのことでした。つまりは、自分のミスが繰り返し流れるということではありませんか(赤面)。ということで、もし役に立つ内容と考えてくださって流していただくのならこちらもとてもありがたいのですが、あのちょっとの混乱っぷりは「むむむ…」と自分でも思ってしまいます。

 よって、何かテロップでも入れてもらうとか、もしくは最後に”間違い探し”的な扱いにしてもらうととっても嬉しいです…(よろしくお願いいたします)。

 また、クラシエさん主催にもかかわらずクラシエさんが扱っていない漢方薬を処方例でバンバン提示したのは、空気を読まない感じがとっても出ていたと思います。四君子湯とか四逆散とか清暑益気湯とか香蘇散とか…。でも、どこが主催でも関係なく出席した先生と患者さんに役に立つ知識を提供(と言うとおこがましいですが)するのが演者の役割と思っております。漢方薬はツムラさんが最大手で扱っている漢方薬も最多なので、どうやってもツムラさんのものが出てくるのはご勘弁。そもそも、どんな講演会でも


製薬会社の宣伝を入れた時点でその講演は聞く価値がない


 という信念はありますが、ただ自分が頑固なだけかもしれません。家族からは「あぁたは一回呼ばれて講演しておしまいになるパターンやで」とからかわれております(ブラックリストに載る的な?)。 講演会の場であからさまに批判するようなことはしませんが、主催の製薬会社のお薬を明確な根拠もなく推奨するのは悪しき行為。話すにしても「今日は○○さん主催の講演会なのでこの薬のことも大人の事情で含めますが~」など、聞く人に強弱が皮肉的に分かるようにすると良いですね。

 ただし、主催する製薬会社のお薬でとても優れていると思うものは、ちょっと説明します。これは企業努力を評価する点と、よりその良さを出席する先生がたに知ってもらいたいという点によります。例として先日の講演会では、補中益気湯という漢方薬であればツムラさんよりもクラシエさんのものが適切だとお話ししました。これは講演させてもらったからという義理のような理由ではなく、補中益気湯の構成生薬が実は両者で異なり、かつクラシエさんのものの方が合理的だと思うためでございます。こういうのは評価に値すべきだと考えます。

 「こいつは融通が効かんなぁ」と思うかたもいるかもしれません。もちろん、話す機会を与えてくれる製薬会社さんにはとても感謝していますし、その気持に嘘偽りはありません。しかしながら、その気持と実際の処方はやっぱりベツモノであり、一線を画すべきだと思います。患者さんという存在を考えるのなら、そこを第一にしてお薬を組み立てる(使わない、という判断も含めて)というのが、医者としてのプライドではないでしょうか。
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コメント
こうゆう公演好きです。聞いてる人にとっては空気を読まない感じは信頼度が増すような気がしますし、この人はきちんと患者のことを考えてる先生だと伝わる気がします。ブラックリストに載ろうともその信念ステキだと思います。
ノラdot 2015.09.04 21:45 | 編集
補中益気湯。
ほう…
試してみます。
正直薬は、先発後発、光学異性体含めまして、どれが良いとか効くとか
患者さんにもよりますし、先生方の見立てもあるでしょう。

どんどん、そういう情報は流していただきたいです。
(先生の立場が悪くならない範囲で)

さくらdot 2015.09.05 00:08 | 編集
このコメントは管理人のみ閲覧できます
dot 2015.09.05 16:00 | 編集
>ノラさん

ありがとうございます。
どの製薬会社の主催でも、正しい情報を提供するのが大事な役目だと思っています。
あからさまに攻撃するのは大人としてどうかとは思いますが、製薬会社の太鼓持ちにはなりたくないものです。
m03a076ddot 2015.09.07 21:33 | 編集
>さくらさん

ありがとうございます。
そうですね。何が効くのかは本当に分からない部分があります。
同じお薬でも不眠になる人もいれば過眠になる人もいますし。
情報は大事ですね。今の時代は情報の洪水になってしまって処理しきれない人も多いですが。。。
m03a076ddot 2015.09.07 21:36 | 編集
管理人用閲覧コメントをくださったかた、ありがとうございます。

まさか”香附子”を”附子”と記載していたとはこちらも気づきませんで、失礼いたしました。
せっかくの芎帰調血飲が、ちょっと残念な形になってしまったのは心残りでございます。
漢方の講演会はその先生の”色”が強く出るものだと思っています。それが良いかどうかは難しいところで、色々な講演を聞いた先生は結局「何が正しいのかますますわからなくなった」と仰っていました…。
その部分が漢方の弱点と言えば弱点かもしれませんね。。。
できるだけ、一定の質の診療を担保出来るようなスタイルが出来てくれれば、と考えています。
m03a076ddot 2015.09.07 21:40 | 編集
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