2014
09.29

高血圧は必要なときもある

 今回はまじめな話題。論文を1つ眺めてみました。

van Vliet P, et al. NT-proBNP, blood pressure, and cognitive decline in the oldest old: The Leiden 85-plus Study. Neurology. 2014 Sep 23;83(13):1192-9.

 血圧が高いと、医者は下げにかかります。しかし、超高齢者(85歳以上の the oldest old)において、低い血圧というのは逆に認知機能低下につながることが示されてきています。心機能が低下してしまうと脳へ送り出される血液も少なくなってしまいます。血圧が低ければそれに拍車がかかるというのは想像に難くありません。

 上記の論文は、NT-pro BNPという心不全のマーカーと収縮期血圧の2つを見ながら、85歳に達した患者さんを5年間追跡したもの。結果は、NT-pro BNP高値と収縮期血圧低下傾向が組み合わさった際に、MMSE(認知機能を見るテスト)の点数が低下していった、ということになりました。

MMSE bnp bp

 この論文では、NT-pro BNPがlow(20.8-200.9)、medium(202.7-549.3)、high(552.9-28362.7)の3つに、収縮期血圧も同様にlow(110.0-146.5)、medium(147.0-161.5)、high(162.0-215.0)の3つに分類されています。

 高血圧はすべて悪であり降圧しなければならない、というのではなく、必要があって血圧が高くなっている時もあるという目線も大事なことを示していますね。心機能が弱っている患者さんでは、生理的な代償機構として血圧を高くしていると言えましょう。

 どなただったか忘れたんですが、超有名な先生が血圧について患者さんに聞かれた時「朝気持ちよ~く起きた時の血圧を測ってごらん。それがあなたの一番いい血圧ですよ」というような話をしていました。いいお答えだなーと思ってます。どなただったかしらね…。

 ちなみに、高齢者の脂質異常症治療はJAMAのレビューが参考になります(Strandberg TE, et al. Evaluation and treatment of older patients with hypercholesterolemia: a clinical review. JAMA. 2014 Sep 17;312(11):1136-44.)。眼を通してみると面白いと思います。

 90歳や100歳を超える患者さんの抱える病気を治療する老年医学は、ここ数十年で出来てきたものです。言ってみると、患者さんの中で最も高齢なかたがたを診る科は、医学の中で最も若い。血圧1つとっても今回のようなことが分かってきましたし、これからも様々な新知見が出てくるでしょう。それが患者さんのためになる医学であってほしいと思います。
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コメント
確かに高血圧が何でも悪いわけではないですよね。
何かでコレステロールも似たような 高くても場合によって大丈夫みたいな事を書いてあるのをみました。エスキモーの人は生肉食べてて コレステロール値高くても心筋梗塞になる人いないとか。。。だったかな?(曖昧ですみません。間違ってたら訂正してください♪)
あと昔はそれが良いことでも 今ではダメな事とかもあったりします
あさがおdot 2014.09.29 20:27 | 編集
はじめまして!
http://yuruhuwa2641.blog.fc2.com/

よろしくおねがいします!
ゆるふわdot 2014.09.30 15:46 | 編集
>あさがおさん

ありがとうございます。
コレステロールも敏感になり過ぎると良くないですね。
基準となる値も血圧とコレステロールはコロコロ変わりますし。
m03a076ddot 2014.10.01 06:57 | 編集
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