2014
05.19

画像診断を考える 第2版

Category: ★本のお話
 画像診断は全科が避けて通れない大事なもの。特にこれを生業とするのが放射線診断医の先生方です。

 その画像診断については色んな本が出ておりますね。胸部レントゲンの読み方やCT/MRIや…。今回紹介するのは、そういうHow to的なものではなく、画像診断への姿勢というのを説いた異色のテキスト。

画像診断を考える 第2版: よりよい診断のために画像診断を考える 第2版: よりよい診断のために
(2014/04/17)
西村 一雅、下野 太郎 他

商品詳細を見る


 放射線診断のトップを走る先生方が、どの様にご自身が成長してきたかなどを語ってくれています。お勧めのWebサイトやテキストも紹介してくれており、ためになる1冊。

 放射線科医のみならず、広く”診断”に関わる医師、つまりは全員ですが、その人たちにお勧め出来ます。診断というのは科での違いはあれど根本は同じ。その診断にトコトンこだわり、かつ日本屈指の先生方が思いを述べています。

 良い本っていうのは書いた人の熱意が分かります。UpToDateなんかの二次文献が発達した今では、教科書に最新の情報を求めるのはなかなか難しい。だからといって教科書が不要という訳ではなく、その医者としての責任と矜持と熱意、これがひしひしと伝わるような、そんな本が重要なのかもしれません。この『画像診断を考える』はそれを地で行く感じで、診断ということを改めてじっくりと考えなおす良い機会を与えてくれます。忙しさに埋没しているとついつい診断も作業になりがちなんですが、1人の患者さんの一回性という新鮮さを味わおうではないか、という初心に戻れるような本。

 この本を読んで、精神科診断も同じなんだなと思いました。自分はどこか「精神科は特殊だからなぁ」と、自分の科を卑下しつつもその裏に「他とは違うんだよ」という、一種の閉鎖的な部分を良しとしていたことに気づかされました。そうではなく、どの分野であれ診断をする立場の医者はみんな、患者さんの来し方行く末に思いを馳せつつ現在の置かれている状況を”診断”するのだ、この本はその様に感じさせてくれました。

 また、放射線科においても症例報告が少なくなっているとのお話がありました。自分は症例報告を読むのが好きで、特に質の高いものは生々しさというか臨場感というか、「お~」と思わせるものがあります。いわゆる大規模臨床試験ではそういうのが全くなく、ちょっと無機的。ガイドライン的な治療のためには大規模臨床試験が必要なのは重々承知していますが、症例報告が少なくなって質も下がってきているのはなんとなくさびしいものでございます。

 そしてさらにこの本を読んで思うところは、テツガクするこころを医者はみんな持たねばならないということ。メルロ・ポンティを学べとか西田幾太郎を読めとか、そんな本気の哲学を勉強しろというわけではありません。そうではなく、患者さんの生の言葉を感じ取り、医者として患者さんの人生を思い描く、そんな個別性の”テツガク”を持って接するべきですね。精神科はその色合いが強いんですが、何もこの科に限ったことではない、画像というものを通してもそれはなされるのだと実感しました。

 ということで、診断の本質を教えてくれるとっても素敵な本だと思います。みんなコスモを燃やして聖闘士星矢になれそうな、そんな熱意を感じさせてくれます。興味があれば是非。
トラックバックURL
http://m03a076d.blog.fc2.com/tb.php/1749-6f2c8a73
トラックバック
コメント
抗うつ薬の選び方のページですい臓がんについて質問させて頂いたゆうじです。

コメントありがとうございます。
現在、地元のクリニックの腹部エコーでしゅようらしきものが見つかり、現在の予定では、次回、同じクリニックで造影剤CTをやり、もしがんならば、がん治療の病院に紹介となります。

もなか先生、また他の科の事で申し訳無いですが、ご存知でしたら下記、教えて欲しいです。

1、一般的に、紹介元のクリニックでCTを撮っていても、紹介された病院(例えば名大病院など)は、再度その病院(例えば名大病院など)でCTなどを撮るのでしょうか。
又は、地元の病院で撮ったCTを使って、診断や治療を行うのでしょうか。

(以前、全然別の医師の方に、造影剤CTは放射線を当てるので、短い期間の撮影は一回にした方がいいと伺った事があり、もし、2度も撮るなら、地元のクリニックで造影剤CTを撮る前に、がん治療の病院に紹介状を書いて頂き、そちらでCTなどの検査をした方が良いのかと考えたりします。)

2、地元のクリニックの先生に、○○病院の○○先生(例えば中尾先生宛)に紹介状を書いてもらえれば、一般的にその先生が主治医となって、執刀もして頂ける頂けるのでしょうか?

お手数お掛けしすみません。
ご回答頂けたらありがたいです。
ゆうじdot 2014.05.26 09:26 | 編集
もなか先生、ひとつ前の2014-05-26 09:26 #1869で質問させて頂きました件、確認しまして分かりました。
お手数お掛けしました。
ご回答無くて大丈夫です。
また、報告します。
ゆうじdot 2014.05.28 01:33 | 編集
>ゆうじさん

ありがとうございます。
主治医の先生や病院に聞いてみるのが最も適切な答えを得るために重要だと思います。
なにぶん自分は専門外なのではっきりとしたことが言えません…。
m03a076ddot 2014.06.01 08:43 | 編集
管理人用閲覧コメントを下さったかた、ありがとうございます。

例えば名大病院ですと、精神科医や心理士がバックアップで付くようになっています。
精神科がない病院ですと、ご家族やご本人から主治医の先生に相談をしてみることが大事です。
看護師さんの中でもがん患者さんのメンタルケアの訓練を受けているかたがいらっしゃいます。治療している病院にそのようなシステムがあれば、そこでの介入が可能かもしれません。
それ以外であれば、やはり近くの精神科クリニックや病院を紹介してくれることが多いです。
ただ、どんな人も憂鬱になることは多いです。それが正常な抑うつ気分なのか、精神疾患のうつ病なのかというのはかなり分かりにくく曖昧な部分が多いようにも思います。
精神科医も判断は慎重にならざるをえないのが実情でしょうか。
m03a076ddot 2014.06.24 09:47 | 編集
ご回答ありがとうございます。
色々教えて頂きありがとうございます。
分かりました。
ゆうじdot 2014.06.24 10:45 | 編集
>ゆうじさん

ありがとうございます。
ご家族も知らないことが多くて不安になると思いますが、一定の見通しと言うのを先生や看護師さんから教えてもらうことは大事かと考えます。
m03a076ddot 2014.06.26 08:21 | 編集
先生、いつもご親切に教えて頂き、感謝しております。
ありがとうございます。

教えて頂いている、父親の件ですが、大手術であったため、手術は成功ですが、術後で、まだまだベットから出るのもしんどい日が多く、とても病院の外に出るのは無理な状態です。
術後、レンドルミンDを飲んでも、あまり眠れない事が多いです。2時間位の睡眠など。

この場合、もなか先生でしたら、睡眠について、どうされますでしょうか?
薬を中時間型のユーロジンなどに変更されますでしょうか?
又は眠れなくても我慢した方がいいでしょうか?

病院に精神科専門の先生がいらっしゃらないので薬の選択や、不眠に対する処置が心配です。
ゆうじdot 2014.06.28 23:39 | 編集
いつもありがとうございます。
ここ数日、まあまあ眠れているようなので(おととい4時間位、昨日は時間不明ですがまあまあ)、様子を見ようと思います。
ゆうじdot 2014.07.01 23:22 | 編集
>ゆうじさん

ありがとうございます。
今は少しずつ眠ることが出来ているとのこと、安心しました。
ただ、具体的な薬剤名ですと、さすがに実際診察をしていない患者さんに対しては出来かねるところがあります。
患者さんの身体的・心理的状態やもちろん血液検査などなど、実際に診てみないとお薬をお伝えすることはできません。診察もせずに言うだけ言う医者と言うのは、患者さんに対し無責任であると考えています。
m03a076ddot 2014.07.02 08:26 | 編集
もなか先生、いつも大変ありがとうございます。
父親の件ですが、術後、下痢が続いており、腸の動きを確認するため随時、聴診器で腸の動きを見てもらっています。
今後、退院後など、自分で聴診器で腸の動きを確認したりするため、聴診器を購入します。
聴診器でお勧めのメーカーと型番ありましたら、教えて頂けますでしょうか。
目的は、
多少高くてもいいので、良いものを希望です。

お手数お掛けしますがよろしくお願いします。
ゆうじdot 2014.07.09 18:36 | 編集
ひとつ前の2014.07.09 18:36のコメントの「目的は、」以降の記載が消えてしまったので、再度書き込みます。コメントが連続のコメントになってしまいすみません。


もなか先生、いつも大変ありがとうございます。
父親の件ですが、術後、下痢が続いており、腸の動きを確認するため随時、聴診器で腸の動きを見てもらっています。
今後、退院後など、自分で聴診器で腸の動きを確認したりするため、聴診器を購入します。
聴診器でお勧めのメーカーと型番ありましたら、教えて頂けますでしょうか。
目的は、腸の動きの音を聞く事です。
多少高くてもいいので、良いものを希望です。

ゆうじdot 2014.07.09 23:00 | 編集
>ゆうじさん

ありがとうございます。
腸の音を聞くのであれば、聴診器の質はほとんど関与しないと考えます。高いのを買うのであれば、少し価格を抑えて浮いたお金でお父様に素敵な贈り物をするのが良いのかもとも感じます(食事が食べられるようになったらちょっと豪華な外食なんかも良いですね)。
また、医学的な質問はまずやはり主治医の先生のいる病院に聞いてみることが大事です。患者さんや患者さんのご家族が何をどう思っているのかというのは、病院側にとって大事な情報です。”質問をする、それに答える”という間柄を日ごろから作っておくことはどんなことにおいても重要な下地になりますので。
m03a076ddot 2014.07.12 19:35 | 編集
ご返信ありがとうございます。
分かりました。

全然話が変わりますが、家族の膵臓がんは、再発率が高く、生存率が低いので、つらいです。
この世の中から、病気が無くなって欲しいと心から思います。
ゆうじdot 2014.07.13 19:13 | 編集
>ゆうじさん

ありがとうございます。
確かに膵臓がんは、がんのなかでも非常に厳しいものです。患者さんとご家族はこれまでの生活が一変してしまうものと思っています。
不謹慎な発言で申し訳ありませんが、患者さんはその中でこれからをどう生きていくかという最大のテーマを、今後は悩みながら見つめていくことと考えています。ご家族もともに悩みながらその援助をされていくのでしょう。つらく苦しい道のりだと思いますが、医療者にできないサポートをご家族はすることが出来ます。ご自身の健康にも配慮してそれを続けていただければと思います。画一的な答えはないのでしょうが、ともに悩むということそのものが大事なのだと感じます。
m03a076ddot 2014.07.15 08:05 | 編集
管理者にだけ表示を許可する
 
back-to-top