2014
05.08

ヴィパッサナー瞑想が効果的なことも

Category: ★精神科生活
 ある障害の患者さんで、仕事で集中できない・言い間違いをしてしまう、ということに苦しんでいる人がいました。

 ノルトリプチリン(ノリトレン®)を飲むとやる気は出るけどフラフラする…とのことで飲めず。

 外来の中で「●●選手の本を読んで、瞑想みたいのがあったんですよ」と語りだしました。

 曰く、自分の輪郭を辿っていくようなもので、それをしていると集中力が増す気がする、と。

自分「瞑想とか抵抗はないんですか?」
患者さん「大丈夫ッスよ。先生なんか良いの知ってます?」
自分「おー。何か宗教じみてるから言うのを控えてたんですけど、実は…」

 ということで、患者さんに”ヴィパッサナー瞑想”のことをお話ししました。テーラワーダ仏教で行われているものでして、動作の中にも取り入れることが出来るのがポイント。

 自分はACT(アクセプタンス&コミットメントセラピー)も好きでして、ちょっと仏教とか禅とか、そんな考え方をしてます。アメリカには”禅センター”なんてものがありましてね。

 ただ、日本では”禅=宗教”という理解なので、患者さんにそういうことを話すと「この先生宗教じみてるわー」と思われるんじゃないかと思ってあんまりお話はしてません。あと、自分は無宗教です。1つの宗教を信仰していると言うことはありません。

 この患者さんは瞑想に親和性がありそうだったので「ヴィパッサナー瞑想をやってみてくださいな。ちょっとアヤシゲですけど」とお話ししてアルボムッレ・スマナサーラ先生の『心を清らかにする気づきの瞑想法』をオススメしました。

 その次の外来で「いやぁー最初の部分がアヤシイっすねぇ。でもやってると自分を遠くからキャッチできるみたいで、人と話してても自然な感じになりました」と。

 なかなか好感触。その瞑想をどんどん続けてもらい、また「スマナサーラ先生の本もたくさん出てるからちょっと読んでみんさい(言ってることはどれも結構似てます)」と後押し。

 で、調子は随分と良くなって「薬よりも●●選手とこのヴィパッサナー瞑想の方が効きますね」とのことでした。

 瞑想って言うと「この医者大丈夫か…」と思われることもありますが、これは自分の体験からも勧めることが出来ます。不安や抑うつに限らず、症状にとらわれている患者さんは多くいます。そういう患者さんに、自ら、そして”今この瞬間”への気づきを得てもらい、症状をなくすことではなく症状との関係性を見つめなおすような、そんな方法だと思ってます。もちろん一朝一夕には行きませんが。

 ということで、アヤシイでしょうけど騙されたと思ってトライをしてみてはいかがでしょうか。外来でも”瞑想外来”なんてつくると面白いんじゃないかしら。でも誰も近寄らないかも…。

〔新版〕心を清らかにする気づきの瞑想法(DVD Book)〔新版〕心を清らかにする気づきの瞑想法(DVD Book)
(2013/10/28)
アルボムッレ・スマナサーラ

商品詳細を見る

トラックバックURL
http://m03a076d.blog.fc2.com/tb.php/1745-060aeaf0
トラックバック
コメント
こんにちは。
今双極性2型の治療をしています。
自分の中では躁状態を自覚していなかったためあまり納得はしていないのですが…
抗うつ剤での治療していた時の状態ですが、
よくなる、落ちる(6:4位の割合)で波がありました。
なので今はラミクタールでの治療になりました。
ラミ単剤へ移行してくため抗うつ剤との併用から徐々に減らしていきました。一時よくなるのですがまた落ちる事はあるのでその度増量してくという流れをとっています。
今現在、精神科で治療し始めてから初めての5ヶ月鬱です。(長くても2ヶ月)ラミは効いてるのか微妙です。鬱に効く薬ってありますか?ブログを読ませて頂いて先生の勉強熱心なお姿が信頼できたので質問させて頂きました!
miyukidot 2014.05.09 21:39 | 編集
ちなりに今ラミクタールは150ミリです。
miyukidot 2014.05.09 21:41 | 編集
最中先生 お邪魔します。

瞑想の話題のブログを書かれたので一言
先生、瞑想もノーリスクじゃないことご存知ですよね。

指導を誤ると目的意識のない霞を食らう仙人まで昇華すること
禅宗高僧白隠禅師が襲われた禅病(自律神経失調症?)なることもあるそうです。

私の主治医に言わせれば、モリタセラピーの方がマシだそうです(>_<)
余計なこと申し上げてm(_ _)m
アルバトロスdot 2014.05.12 20:59 | 編集
>miyukiさん

ありがとうございます。
双極2型として話を進めますが、うつ病相の予防にはラモトリギン(ラミクタール)は優れていると思います。一般的には200mg/dayが目標になります。
双極性障害の患者さんに抗うつ薬はあまり使わないかと思います。
うつ病相であれば、クエチアピン(セロクエル)を300mg/dayを目標に使うことの有効性が示されています(糖尿病があると使えません)。

> こんにちは。
> 今双極性2型の治療をしています。
> 自分の中では躁状態を自覚していなかったためあまり納得はしていないのですが…
> 抗うつ剤での治療していた時の状態ですが、
> よくなる、落ちる(6:4位の割合)で波がありました。
> なので今はラミクタールでの治療になりました。
> ラミ単剤へ移行してくため抗うつ剤との併用から徐々に減らしていきました。一時よくなるのですがまた落ちる事はあるのでその度増量してくという流れをとっています。
> 今現在、精神科で治療し始めてから初めての5ヶ月鬱です。(長くても2ヶ月)ラミは効いてるのか微妙です。鬱に効く薬ってありますか?ブログを読ませて頂いて先生の勉強熱心なお姿が信頼できたので質問させて頂きました!
m03a076ddot 2014.05.13 01:17 | 編集
>アルバトロスさん

ありがとうございます。
そうですね。特に解離を起こしやすい患者さんに日本の禅的な瞑想は向かない場合もあるでしょう。副作用のない治療法はありませんし。そういった副作用は『瞑想の精神医学』という本にも書かれていますね。
ただ、ヴィパッサナー瞑想については動作を交えるので、activeな部分を強調すると解離は生じにくいと自分は思っています。要は患者さんに合わせた方法を上手く使っていくということだと考えています。
m03a076ddot 2014.05.13 01:28 | 編集
お忙しいのにお早いお返事ありがとうございました。
セロクエルですね。糖尿病のリスクなど考えると気が重いですが、主治医と相談してみます。
また疑問があったら質問させて下さい。
miyukidot 2014.05.13 12:07 | 編集
>miyukiさん

ありがとうございます。
あくまでもセロクエルはガイドライン的な選択になります。体重増加も起こし気になる患者さんも多いですし、合う合わないもあるでしょう。
主治医の先生はまずラミクタールを200mg/dayまで増やそうと思っているのかもしれませんし、何が何でもセロクエルという訳ではありませんので、ご承知おきください。。
m03a076ddot 2014.05.14 08:28 | 編集
受診した所、まだうつなら200から効果を期待できると思うからと、ラミクタール175ミリになりました。
早くうつから脱出したいです。
ありがとうございました。
miyukidot 2014.05.15 22:06 | 編集
>miyukiさん

ラミクタールは良いお薬ですので、200mg/dayまで使ってみるのは良いことだと思います。
焦りはありながらも一歩一歩取り組んでいきましょう。
m03a076ddot 2014.05.16 23:03 | 編集
こんにちは。双極性の2型で、セロクエル合ってますね。体重増加はありませんし、そのかわりサインバルタをマックスで使用しています。人それぞれですよね。

瞑想ですが…私は宗教めいているとは思わないんですよね。結局気づきの一つの方法なので。私は確実に過去を書き留める事で気付きを得られましたが、瞑想も無意識にやっていました。森田療法も取り入れていた部分もありますね。ですが、最大だったのは、「夜と霧」ですね。あれが一番でした。解離もありましたね。なかなか壮絶な体験でしたが、戻るコツもありました。神田橋先生いわくの感の目を持つ方法の一つなんでしょうね。
うたdot 2014.05.17 19:24 | 編集
>うたさん

ありがとうございます。
セロクエルは非常に良いお薬だと自分も思います。
患者さんの中には宗教と考える方々も結構いまして…。
なかなか難しいところです。
m03a076ddot 2014.05.19 22:08 | 編集
こんにちは。

最近マインドフルネスをよくしているのですが、離人感?や抑うつ感などが出てきてしまい、一時中断しようと考えています。

確かに不安に効果はあったのですが、思いもよらない副作用にビックリしています(^_^;)
何とか上手く使って不安を軽くできないでしょうか?
匿名1dot 2017.02.01 16:58 | 編集
>匿名1さん

ありがとうございます。
マインドフルネスは不安をなくすために行なうのではなく、今ここの瞬間への気づきをうながすものです。
不安をなくそうと思えば、こころが空っぽになり今ここの自分も離れてしまいます。
そうではなく、今ここに集中することがマインドフルネスのポイントなのだと再認識することが重要でしょう。
今ここへの気づきを得て生活を送るようにすると、あくまでもその結果として不安が背景化するのです。
第一の目的を不安消去になってしまっては、マインドフルネスではなくなってしまいますので。
離人感に対しては、どっしりとした、大地とつながるようなイメージを持って今ここに集中します。
抑うつはそのものを味わうようにするなどがあるでしょう。
感情に気づいて受け止める(そして理解して慈しむ)ということが大事です。
m03a076ddot 2017.02.02 16:09 | 編集
ご回答ありがとうございます。

そうでした、マインドフルネスの主旨をいつの間にか不安の除去へとすり替えていました(^_^;)
ACTの本でちゃんと勉強したのに…トホホです(;´д`)

離人感に対処する方法として、イメージを持つ事などがあるのですね。
勉強になりますm(_ _)m
ACTではこのような事にはならなかったので、地に足を付けることが大切だと思いました。

今は怖い思いをしたばかりなので控えて、余裕がある時にまたマインドフルネスをやってみようと思います。
その際はどのような感情も否定せずに、ありのままを捉えるという意識で。

しかし、上記でコメントしている方がいますが、最近マインドフルネスや瞑想などは、気軽に1人で取り組めるものとして、その名が独り歩きし過ぎているようにも感じます。
良い面ばかり強調するのでなく、リスクもしっかりと周知していく必要があるのでしょうね。
匿名1dot 2017.02.02 17:10 | 編集
>匿名1さん

ありがとうございます。
おっしゃるように、マインドフルネスの独り歩きが目立ちますね。
流行っているためか、いい加減な本も増えてますし。
しっかりと取り組むことが大事だと思います。
m03a076ddot 2017.02.06 17:17 | 編集
管理者にだけ表示を許可する
 
back-to-top