2014
06.01

キャラクターシリーズ:おさかなエキス

 ロトリガ®という、EPA/DHA製剤があります。色々と噂の絶えないタケダ製薬さんがつくったもの。その分野の先駆者はエパデール®でして、これはEPA製剤。持田製薬さんが作成しました。

 こういったのは、患者さん受けが良いかもしれません。お薬!って感じではなくて日本人が絶大なる健康信仰を持つ”和食”の真髄とも言えるお魚さんの油ですから。しかし、このEPAやDHAというのは心血管疾患の二次予防にあまり効果が無いというのが判明しております(Kwak SM, et al. Efficacy of omega-3 fatty acid supplements (eicosapentaenoic acid and docosahexaenoic acid) in the secondary prevention of cardiovascular disease: a meta-analysis of randomized, double-blind, placebo-controlled trials. Arch Intern Med. 2012 May 14;172(9):686-94.)。エパデール®を売っている持田製薬はJELIS試験(EPAに肯定的な論文)というのを自信満々に語りますが、これはPROBE法というやり方を採用してまして、ここが突っ込みどころ。鵜呑みにしてはいけません、JELIS試験は。だからエパデール®を積極的に健康増進で使う気にはなれません。

 また、タケダ謹製のロトリガ®に含まれる合成DHAに関しては、”天然モノ”とは異なると言われます。合成のDHAは長鎖ではなく短鎖であり、これだと残念ながら期待されるような血管拡張作用がない!とのこと。血管平滑筋にあるKイオンチャネルの活性化をもたらさないようです(Hoshi T, et al. Mechanism of the modulation of BK potassium channel complexes with different auxiliary subunit compositions by the omega-3 fatty acid DHA. Proc Natl Acad Sci U S A. 2013 Mar 19;110(12):4822-7.)。はい、タケダ逝ったー。

 そんなω-3脂肪酸は精神科分野で”抗炎症”という視点から使われることが無くはないでしょうか。ただ効果のある患者さんは限定的なのかもしれませんし、個人的には抗うつ薬への増強として「効いたなー」というのを見たことがなく。。。対象を絞って使うというのが大事でしょうが、今はどうやってそれを絞るのかという方法論が出てこない状態(ただ、C型肝炎に対するIFN-α治療の副作用である抑うつの予防になるんじゃないかという報告もあります)。hsCRPとかサイトカインとかを測定して高いグループのうつ病なら効くかもしれませんね。選択肢としてばっさり消してしまうのはもったいないかも。

 と、ここまで内科的にはやや否定的にとらえてきたロトリガ®ですが、キャラクター(と言えるかどうかは微妙?)が存在します。コチラが付箋ですが、そこに異様なまでにシンプル化されたお魚さんが。

ロトリガ1

 近づいてみるとこんな感じ。手抜き感ハンパない。

ロトリガ2

 上の砂時計的なイラストに目をやると…。

ロトリガ3

 精製してますって感じを出したいんでしょうが「こんな効果の乏しい薬剤つくりやがって…」という、犠牲になったお魚さんたちの憐れな涙に見えてしまう。

 ということで、自分はロトリガ®を出すことはまずないのでした。
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コメント
でも、先生!!タケダさんの株は面白いんです。そこは認めてあげてください!!お魚は痛いですが…
うたdot 2014.06.04 10:46 | 編集
>うたさん

ありがとうございます。
自分はタケダさんあんまり好きじゃなくてですね…。
臨床試験も捻じ曲げてる感ありありですし、うーんと思っちゃってます。
なかなか難しいものでございますね。
m03a076ddot 2014.06.07 17:40 | 編集
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