2014
01.08

くやしいね

Category: ★精神科生活
 勤めている病院に、2013年12月号のamerican journal of psychiatryが置いてありました。いつもなら軽く見て終了なのですが、この号は表紙に何と”眼底”が載っていたのです。見てくださいこちら。

表紙



お? 精神科なのになぜ眼底?

 と興味を引き、該当する論文を見てみると。。。



なるほどー



 これは個人的にかなり好きになりました。

Meier MH, et al. Microvascular abnormality in schizophrenia as shown by retinal imaging. Am J Psychiatry. 2013 Dec 1;170(12):1451-9.

 まさに眼底を見ておりまして。この背景には、統合失調症では脳の微小血管障害があるのではないかという仮説があります。著者たちは「眼底の血管と脳の血管は構造や機能の点で同じようなものだよな」「脳の血管は直接見られないけど、眼底の血管なら大丈夫だ!」という至極当然の事実を引っさげて、色んな人の眼底を覗いたのでございます。

 すると、統合失調症の患者さん(小児期に精神病症状を経験した患者さんも含む)の眼底では細静脈の拡張が見られたんです! この拡張は脳の酸素不足を反映する微小血管障害であることを示唆しているのでございます。

 これを読んで感動しちゃいまして。著者らの作戦勝ち、発想の勝利ですよね。というか、なぜ自分が眼底の血管を見るという方法に気づかなかったのか。研修医の頃に教わったじゃないか、眼底の血管は唯一非侵襲的に覗ける微小血管であることを。

 悔しいなぁと思うと同時に、この論文の視点に惚れ込んでしまいました。

 お金をかけた研究も素晴らしいんでしょうけど、こういう基本的な身体診察や検査から導き出せる良質の結果というのは、実に格好良いですね(BMJあたりはこういうのを好んでます)。

 ゼニはグラウンドに落ちているという、マッシー池田先生のお言葉を思い出しました。基本姿勢に立ち返って、そこから良いものを生み出すのがなんともクール。
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