2013
12.14

知ったら飲まない?

131117_1057~01

 皮膚科の漢方治療は、自分は大の苦手。上手くいかないことが多いな、と感じています。

 この領域で外せない漢方薬に”消風散”があります。あの華岡青洲がつくった十味敗毒湯と双璧をなしておりまして、大雑把な感覚としては

・ジュクジュク系には消風散
・カサカサ系には十味敗毒湯

 です。でもそんなにスパっと分かれることもないので、消風散と十味敗毒湯の両方を出してその配合比を変えることだって往々にしてあります。しかも十味敗毒湯は抗炎症の作用が弱いので、そこを強めるために他の漢方をプラスすることも(炎症や充血が強いと黄連解毒湯、滲出性なら消風散や越婢加朮湯など)また、消風散は冷ます傾向にあり、十味敗毒湯は温める傾向。こういったところも考慮が必要。

 さてこの消風散、生薬を見てみると…

荊芥(ケイガイ)、防風(ボウフウ)、蒼朮(ソウジュツ)、木通(モクツウ)、石膏(セッコウ)、知母(チモ)、苦參(クジン)、地黄(ジオウ)、当帰(トウキ)、牛蒡子(ゴボウシ)、胡麻(ゴマ)、蝉退(ゼンタイ)、甘草(カンゾウ)

 といった感じで、結構色々はいってます。蒼朮や木通が水バランスを整えるので、湿潤した状態や水疱に効きます。石膏や知母が冷ます代表格の生薬で、滲出性の炎症に用いられます。炎症で組織が浮腫っている部分をターゲットにしていると言えばいいでしょうか。乾燥にも一定の配慮があって、当帰や地黄や胡麻がそうですね。他は痒み止めの生薬。炎症と言えば黄連や黄芩もありますが、それらは毛細血管が拡張して真っ赤な感じの時に。滲出性で腫れててでも赤くなって痒い!という時は消風散に黄連解毒湯を併せることもあります。漢方製剤は一種類しか出さないという主義の先生もおられますが、自分は組み合わせるのが好きでして。ここは考え方に依るんでしょうね。

 そんな消風散ですが、この生薬で”蝉退”というのがあります。これは痒み止めの生薬ですが、何と正体は



セミの抜け殻



 これを患者さんに言ったら飲むのを拒否されそうな…?

 ということで、これはシークレットでございます。というか、何でこれを使おうとおもったんでしょうね、古の人は。
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