2014
01.31

グルタミンは駄目だったか

 栄養療法はなかなかこれと言った良いものが無く、皆さん手探り状態。アルギニンが良いんじゃない? ω-3脂肪酸が良いんじゃない? などなど盛んに議論されましたが、結局は”過ぎたるは及ばざるがごとし”的な感じに落ち着いています。栄養療法が本当の栄養”療法”になるにはまだ時間がかかりそう。そんな中では重症患者さんへのpermissive underfeedingという概念が非常に良いパラダイムシフトをもたらしくてくれたと考えています。まだ臨床医の中にはこれを認めず(知らず?)カロリーをなんちゃらの式とかに当てはめて過剰栄養にしている人が多いですが…。こういった重症患者さんのみならず老年患者さんでも注意すべきポイントだと考えています。高齢者を見る専門である老年科でも、中心静脈栄養をしている患者さんに結構な量を投与して溢水にさせたり血糖値を跳ね上げてしまってインスリン使ってたり。。。必要なカロリーは人によってもっと少なくて良いはずで、このpermissive underfeedingはきちんと理解すべき点だと思います。

 さてさてそんな栄養投与について、グルタミンはしぶとく生き残っており「これは良いんじゃないか?」と言われていました。しかしそんな中、以下の論文が。

Heyland D, et al. A randomized trial of glutamine and antioxidants in critically ill patients. N Engl J Med. 2013 Apr 18;368(16):1489-97.

 重症患者さんにグルタミンと抗酸化物質を投与しても無効なだけでなく、グルタミンが死亡率を上昇させてしまったというのです…。

 グルタミン投与、抗酸化物質投与、グルタミン+抗酸化物質投与、プラセボ投与に割り付けての試験。グルタミンは経口と経静脈で約60g/day程度。抗酸化物質は静注でセレニウム、経口でセレニウム、亜鉛、βカロチン、ビタミンE、ビタミンCを投与。

 グルタミンですが、28日死亡率は32.4% vs. 27.2%(p=0.05)と死亡率が上昇し、院内死亡率、6ヶ月死亡率ではグルタミン群で有意に死亡率の上昇。。。抗酸化物質は28日死亡率が30.8% vs. 28.8%(p=0.48)となり、ほとんど差が出ませんでした。

 期待されていたグルタミンですが、残念ながら。なぜこのような結果になったかは不明らしいですが、1つのものを強化する方法はやっぱり不自然なんでしょうかね。。。

 ちなみに抗酸化物質も褒められたものではありません。抗酸化物質のサプリメントは効果がなく、中には死亡率を上昇させるものもあるという論文が出ております(Bjelakovic G, et al Antioxidant supplements to prevent mortality. JAMA. 2013 Sep 18;310(11):1178-9.)。普通に食べ飲みできる人ならば、変にサプリとかは取らないことをオススメしておきます。やっぱりほどほどが一番なのか(不足しているのが明らかならば摂取に意味はあると思います。全てダメという訳ではありません)。
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