2013
05.01

時には昔の話を

Category: ★研修医生活
 1年次研修医の時のお話。

 自分は名古屋大学医学部附属病院で研修を行いました。1年次は麻酔科を3ターム廻るというのが特徴の1つで、挿管もたくさんしますし、A-line確保も慣れてきます。色んな麻酔のお薬に強くなれるので、麻酔科を長い期間廻るのも良い事だとは思います。朝早く手術室に入って色々な準備をして、帰るのも遅い。自分は夏でしたが、冬に廻ると3ターム、すなわち3ヶ月間はお天道さまの顔を見ない生活になります。陽が昇る前に病院に行き、陽が完全に落ちてから家に帰る。そんな生活。なので、麻酔科を廻るなら夏の方が精神衛生上好ましいのではないかと考えます。

 この麻酔科、上述のように様々な手技をさせてもらえます。大学病院というとどうしても手技からは離れるというイメージがあるようで、確かに一理あるかもしれません。しかし、名大病院ではその不足を麻酔科で補えるため、それほど心配はしなくても良いと思います。自分が研修医の頃は救急外来なんかのルート取りも研修医の仕事でした。今は看護師さんがやってくれることも多いらしいですよ。世の中変わりました。


 そんな麻酔科、自分は残念ながら嫌いでして。。。


 そもそも手術室というのがダメで、学生の時もポリクリで外科を廻った時は疲労が著しく、体調が悪くなりました。体力が恐らく同年代と比較して半分ないんじゃないかという状態で、精神科以外だと多分今頃引退していたか過労でぶっ倒れていたんじゃないかなと思っています。

 麻酔科のノリにもついて行けず、手術室に入っただけでお腹が痛くなり、トイレに…。麻酔科のローテはホントに困りました。3ヶ月間地獄を見たと言っても良いでしょう。常に下痢止めを携帯していたことは言うまでもありません。

 ヘロヘロになりながらも3ヶ月しのぎ、ようやっと他の科で病棟に戻って回復。いくつか廻った後は、第2外科の研修でした。そこでは腹腔鏡の電源入れや気腹開始係など、看護師さんの仕事を奪うような外回りをこなし、オペそのものには参加しないというスタイルを出来るだけとっていました。手術要員も結構いたこともあり、自分が入ってもただ邪魔というのが先生方も分かって下さっていたのか、自分の外回り作戦に何も言わずにおりました。そのおかげか手術室に入っても腹痛は起きず、たまにはオペに入ることがあったけれども要所要所で外回り役をこなし、自分としてはまずまずな生活でした。

 しかしある日、麻酔科のT先生がまさに手術を行っている手術室に入ってきて、外回りの自分を見て獲物を発見したかのような表情をしたのであります。



T先生「お。お前何やってん」

自分「あ、どうも。お久しぶりです。今2外廻ってまして」

T先生「ヒマそうじゃん」

自分「いやー、ははは…」

T先生「あ、そうだ。K先生(第2外科の先生)、こいつ借りてっても良いですか?今人足りなくて」

K先生「あーどうぞどうぞ。好きに使って下さい」←あっさり

自分「え?」

T先生「ありがとうございま~す」

自分「え?何するんですか?」

T先生「麻酔だよ」

自分「いやいやいや、もう忘れちゃいましたけど…。K先生?」

K先生「…」←黙々と手術中

自分「K先生~(泣)」

T先生「はい行くぞー。お前は売られたんだよ」

自分「え~…」



 で、その日はずっと麻酔科で使われたのでありました。。。同期からは「何で麻酔やってんの?」と訝しがられ。というか、麻酔科が久しぶりでドキドキでした。

 そのせいか何のせいか、翌日からしばらく手術室に入るとお腹が痛い日が続きました…。

 そんな昔話。本屋さんで研修医フェアをやっているのを見て、その中で麻酔科のマニュアルがいくつか並んでいるのを眺めていたら思い出しました。

 今となっては懐かしい思い出でありますね。
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