2013
04.17

私はどこから来ているの?

 お薬で大事なのは、効果もさることながら、やはり顔にもなる




名前




 ではないでしょうか。この薬はどうしてこんな名前なんだろう??と由来を探ってみるのも医学の楽しみであります。製薬会社が祈りを込めて付けるものですよね。

 とはいうものの、ジェネリックはどこかぶっ飛んだ感じの名前が多いです。睡眠薬では”グッドミン®”とか”ミンザイン®”とか。。。直球勝負なのが逆に新鮮。先発でもアセトアミノフェン(カロナール®)なんかは容易に想像がつきますね。

 ここからは色々と調べてみましょう。薬剤師の先生に教えてもらったんですが、薬剤の名前の由来は”インタビューフォーム”というのに載っています。Google先生で”(知りたい薬剤の名称) インタビューフォーム”と入れてもらえれば大体の薬剤は出てきますよ。


 自分が不安や強迫に用いる薬剤の1つであるプレガバリンは、その販売名がリリカ®と言います。英語ではLyricaであり、この”y”がおしゃれ。ちなみに、3月まで勤めていた某病院の薬剤師の先生(上述)。なんと彼の娘さん、名前がリリカちゃんです(漢字教えてもらったけど忘れちゃいました)。もはや職業病ですな。。。第二子はトピナちゃんなんてのはいかがでしょうと言ったら苦笑してましたが。。。”跳飛奈”という漢字で案を出してみたら「飛びそうですね」とコメントをいただきました。すごくビッグになりそうな予感がしますでしょ。

 さてそんなリリカですが、この名前の由来は


QOL改善のイメージが可能であり、読み、聞き、書いた場合に印象が良い言葉「Lyric:叙情詩(Music)」、「Lyrical:叙情的な」を由来とする。


 となっています。ふーん、考えてるんですね。

 では、これまた頻用するクエチアピン(セロクエル®)はどうでしょう?


serotoninの「セロ」及びquetiapine(一般名)の「クエ」に由来している。


 あー、言われてみれば確かに。

 ならば、うつや強迫の増強としても威力を発揮する大塚製薬のアリピプラゾール(エビリファイ®)は?


Abilify(~することができるようにする)
Ability(~することができる) + fy(~にする)



 ほー。患者さんが回復することを願った感じですね。

 ちょっと他の抗精神病薬の影に隠れていますが、自分はたまに使うペロスピロン(ルーラン®)はと言いますと…。


「lull」赤ん坊をあやしたりなだめる、波・暴風雨などを和らげる


 あら、何か良いじゃない。”赤ん坊をあやしたりなだめる”なんて実に精神科的。ビオン先生が喜びそうな由来ですよね。母親のコンテイナー機能を想像した様な名称。これを聞いたらルーランを処方したくなる、かも?

 原点回帰ということで、クロルプロマジン(コントミン®/ウインタミン®)行ってみましょう。まずは吉富薬品の作るコントミンから。


コンコンと眠る
TOMIN→ヨシトミのアミン



え???

なにそれ。。。じゃ、じゃあウインタミンは…。


winter(冬)+ amine:人工冬眠にちなんで命名された。


 あ、そっか。もともとは麻酔の前投薬で使われてましたもんね。だからコントミンも眠る系の名前なんですね。びっくりしました。

 精神科領域ばっかりじゃ面白くないですね。とは言っても他にあまり思いつかず。じゃあドンペリドン(ナウゼリン®)行きましょう。


強い制吐作用も有することからnausea(吐き気)と関連づけて命名


 …。これなら吐き気をもよおす薬みたいですが。。。

 うーん。ならよく使う降圧薬のシルニジピン(アテレック®)は?


Arteriosclerosis(動脈硬化)の音からの造語


 …だからそれだと動脈硬化起こしそうじゃないっすか。。。

 しっかりと効果効能を込めた名前としては、カスポファンギン(カンサイダス®)があります。それは


Candida(カンジダ)、cidal(殺菌的)、Aspergillus(アスペルギルス)のからCANCIDAS®と命名した。


 これでもう効果を忘れませんね!関西とは関係ありませんでした。

 下剤であるセンナエキスのヨーデル®はもう狙い撃ちという感じですが


スイスのヨーデルの爽やかな感じをイメージさせるため。


 これだけ?絶対に”便が良く出る→よぅ出る→よーでる→ヨーデル”という部分もあるでしょ。。。インタビューフォームに全てが記載されていない気がして、下剤なのにスッキリせずに消化不良みたいな。とうかスイスもいい迷惑でしょうね、まさか下剤の名称にヨーデルが使われるなんて。

 こんな風にインタビューフォームを調べると面白いものです。アモバン®とかラシックス®は「特になし」となっており、逆に謎が深まっていくのも。。。だってゾピクロンとアモバンなんて全然被らんやないか。フロセミドもどうやったらラシックスになるんでしょ。そんなのを無視して「特になし」と言われても、ねぇ。。。

 みなさんも出している薬、もしくは飲んでいる薬の名前がどこから来ているのか、ちょっと調べてみると意外な発見があるかもしれません。
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コメント
管理者閲覧用コメントをくださった方、ありがとうございます。

早い段階からどの科になろうというのが決まっているんですね。
名大病院の研修を考えてくださっているようで、これまたありがとうございます。激務か否かという点ですが、名大病院はその様な傾向にありません。麻酔科は3か月あり確かに疲れますが、体力のかけらもない私がクリアできたのでほとんどの方は大丈夫だと思います。寝る暇もない、なんてこともありません。大学病院の弱点とも言われる手技の少なさも、この科でしっかりカバーできます。科によって温度差はありますが、麻酔科に比べたらどの科もそれほどきつくないですし、結構ゆとりはあります。
名大病院は研修医の自主性を重んじるので、自分自身で勉強する時間があります。裏を返せば、サボれるので勉強次第で差がかなりつきます。そこはご注意ください。
中年、という点ですが、名大病院は”来るもの拒まず”です。私が研修医の時は、30代後半や40過ぎの方もいました。「年とってるから採用しないよ!」なんてことは決してありません。研修医として熱意のある方なら大歓迎です。同期はおそらく30歳未満が多いでしょうから、肩身が狭くない、とは正直なところ言えないかもしれません。ただし、そこはどの病院でもそうでしょうし、一般的に言うと「自分は年齢が上だから」と自ら壁を作ってしまうことも一因となるでしょう。同じ研修医としてフランクに接する気持ちがあれば大丈夫だと思います。
仕事量についても、上述のように市中病院と比べてゆとりのある研修ですから、心配する必要はないと考えています。
ただ、ちょっと心配なのは救急です。名大の救急科、特に松田先生のEM-ICUは主治医制なこともあり、ハードと聞きます。私の同期も1名救急科に入局しましたが、生気の無い顔つきになっています…。ですので、名大で研修をするのなら、是非ICUを長めにローテートしてみてください。自分にとってきつい部類なのかそれともやっていけるのか、体感してみることが大事かなと思います。
学部生の生活もまだまだ長いでしょうが、勉強することすべてが将来の患者さんのためになっていきます。頑張ってくださいね。
m03a076ddot 2013.04.18 20:43 | 編集
どういたしまして。
名大病院はコモンディジーズも救急外来や老年科で診ることもできるため、バランスは良いかなと思っています(名大病院の研修も記事にしているのでご参照ください←2009年8月3日の記事)。
集中治療は難しいですが、病態が刻一刻と動くダイナミックさは魅力的ですね。私の同期はまじめ過ぎるところがあり、気を抜いて良い時にも抜けない性格です。だから疲れちゃうのかしら…とも思っています。onとoffははっきりとして、自分自身のことも大事にして行くと良いかなと思います。
松田先生と色々とお話をしてみてください。SIRSやARDSの治療について実に深く理解してらっしゃる先生ですので。
医師として活躍されるのを期待してます。
m03a076ddot 2013.04.18 23:58 | 編集
管理人用閲覧コメントを下さったかた、ありがとうございます。

確かに気持ちの悪い感じが続くのは不快なものでしょうが、”効いてくれればそれでいい”というのはちょっと違うかもしれません。お薬と言うのはあくまでサポートするものですので。
身体の病気がないかをまず考えなければならないので、しっかりと内科や耳鼻咽喉科を受診されることをまずおすすめします。
m03a076ddot 2014.06.18 08:39 | 編集
管理人用閲覧コメントを下さったかた、ありがとうございます。

嘔気を抑えるお薬はいくつかあります。スルピリド、ミルタザピン、オランザピン、漢方薬などが好例でしょうか。
おそらく医者によって出すものは異なるかと思います。内科の先生ではスルピリドが出しやすいとは思いますが。ただ嘔吐反射だとちょっと手探りでやってみないと分からない部分があると重います。
現在の主治医の先生によく相談をして、治療、場合によっては適切と思われる科を紹介してもらうというのが良いかと思います。
m03a076ddot 2014.06.21 11:48 | 編集
ナウゼリンで検索して参りました。
吐き気でナウゼリンを処方されましたが、頓服で飲むのと
1日3回飲むのでは薬の効き目は後者の方が強いですか?
SC6Ddot 2014.06.26 17:38 | 編集
>SC6Dさん

ありがとうございます。
決まった回数飲むというよりは、吐き気が出てきた時、出てきそうな状況の時に頓服で飲むのが良いかと思います。頓服で1日1回飲むより定期的に1日3回飲んだ方が確かに持続的な効果と言う点では違うでしょうが、1日3回飲む必要があるかどうかだと思います。
吐き気はあれど頓服が1日1-2回で済むなら、それに越したことはないかと。
m03a076ddot 2014.07.02 08:05 | 編集
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