2013
03.05

ちょっと覗きに東京へ

 2013年3月2日は、第49回日本東洋心身医学研究会が品川インターシティホールにて開催されました。

 名古屋から新幹線で揺られること約1時間30分で到着。暇だろうからと持っていった本を読んだら少しだけ酔いました。。。

 さて、品川に到着して歩くと、それらしい感じのものが。。。

PA0_0540.jpg

 一番下の催事ご案内を見ると。。。

PA0_0541.jpg

 これですね。

 サイコオンコロジーに関する漢方の有用性というのをテーマにしていました。癌研有明病院の星野惠津夫先生のお話が印象的。補気剤と駆瘀血剤と補腎剤を使われるそうですが、腹診をかなり重要視しているようです。自分は腹診って少し怪しいもんだと思っていたんですけど、反省。あとは、がん患者さんの不眠に桂枝茯苓丸を使うっていうのが意外な発見でした。

 それはそうと、自分は勤めている病院の血液内科のコンサルテーション・リエゾンに関わっているのですが、白血病の治療では全処置と移植が行われます。その際に患者さん自身の免疫を根絶やしにする必要があります。結構きつい治療で、患者さんはヘロヘロになることもしばしば。明らかに補剤を使いたい!と思わせるところなのですが、補剤って免疫を高めるという作用があるんです。だから、白血病でそのような免疫根絶やし作戦に入っている患者さんに補剤を使うということは、治療に反することになるんじゃないかな?とずっと思っていてこれまで使用したことはありません。3月2日のお話でも固形がんの話題で白血病のことはなかったので、そこは心残り。聞いてみたかったんですけど、ちょっと動悸がして聞けずじまい。まぁいつもこんなもんです。

 あと、うーんと思ってしまったのが、一般演題。開業されている精神科の先生のお話があったんですが「私は向精神薬が嫌いで」とのっけからおっしゃっていました。殆ど使わないそうですよ。治療に漢方を使うのは悪いことではないですし、自分も積極的に使っています。でも精神科医が「向精神薬が嫌い」というのはいかがなもんでしょ。いわゆる重い患者さんは向精神薬をしっかり選んでしっかり使ってあげないといけません。嫌いで使わないのでは、それは”自信がなくて使えない”ことになりませんか?というか、重症な患者さんを診たことがないんでしょうか?精神科医であるならば、向精神薬の良いところ悪いところをしっかり考えて、使うべき患者さんに使うということをしないと、いたずらに病期を長めてしまいますし回復も難しくなります。その先生のところは軽症の患者さんが行くのかもしれませんし、それなら漢方でも対処可能でしょう。例えそうであっても、精神科医がそんなことを言うのは勉強不足なんじゃないのか、とちょっと同業者ながら変な気分になってしまいました。でも勉強不足でかつ向精神薬を乱発するような精神科医よりもマシなのかも、と今になって思い返しています。うーん、複雑だ。。。

 それはそうと、終わったあとは夕食。近くの杵屋という、東京に来てなぜか全国チェーンのうどん屋さんに入り、”あおさと白魚天のうどん定食”を食べました。930円、結構良いお値段。

PA0_0539.jpg

 あおさの醸し出す磯の香りが何とも良いですね。白魚天の味は良く分からなかった。。。衣が厚くて。

PA0_0538.jpg

 結構しょっぱくて天ぷらの衣が胃にもたれ、結局少し残してしまった。。。残念。

 で、その日のうちに名古屋にとんぼ返りです。ちょっと疲れましたけど、持っていった本を全部読めたし良かった良かった。

 ちなみに、持っていった本はコレ↓

ウィニコットがひらく豊かな心理臨床―「ほどよい関係性」に基づく実践体験論― (明石ライブラリー)ウィニコットがひらく豊かな心理臨床―「ほどよい関係性」に基づく実践体験論― (明石ライブラリー)
(2012/03/28)
川上 範夫

商品詳細を見る

 クラインやビオンとの違いもしっかり記載されてあり、何よりもウィニコットが関係性というのが最初にあり、そこから母親と子どもが成り立ってくるという風にとらえていたということが分かりやすく書かれていたのが良かったです。関係性を重視する、というのは日本人的でもあり、木村敏先生は”あいだ”が先にあって人と人が生起してくるという風におっしゃっていました、確か。だから意外なところでつながったんじゃない?ウィニコットと木村敏って。というような空想か妄想か分からんことを帰りの新幹線の中で考えていました。
トラックバックURL
http://m03a076d.blog.fc2.com/tb.php/1601-88bff4a4
トラックバック
コメント
精神科医は向精神薬を熟知して使用すべきですね。その科の専門医がその科の薬剤を嫌って使わないというのは残念でなりません。
軽症患者かもしれませんが、軽症に見えて実はそうでなかったということも多いというのは良く経験されると思います。
しかし、向精神薬を乱れ打ちするような精神科医も確かにおり、薬物依存をつくってしまうことも事実でしょう。おっしゃるように、そんな精神科医よりは実害が少ない分だけ遥かにましだと言わざるを得ないでしょうか、悲しいことですが。
中堅dot 2013.03.06 09:00 | 編集
>中堅先生
コメントありがとうございます。
そうですね、非常に複雑な思いになりました。
漢方も副作用がありますし、決して安全とはいえない部分もあるかと思うのですが。
盲信している人は自然由来のものは全て安全だと勘違いしてしまっている節もあるように思えます。
どんな薬剤であれ、良い部分と悪い部分とをしっかりと意識しようと再認識しました。
m03a076ddot 2013.03.06 23:27 | 編集
こんばんは。

ベンゾの減薬は何とか順調?に進んでいます。
自分は今、ベンゾ以外の向精神薬を飲んでいますが、これらもいずれは止めたいと思っています。
勿論、慎重に減薬して止めていくつもりですが、仮に向精神薬を全く飲まなくなってら、あとは精神療法で治療していくというスタンスでいいのでしょうか?

また、向精神薬を一生服薬しなければならない患者さんはどのくらいいますのでしょうか?
匿名dot 2014.07.07 20:13 | 編集
>匿名さん

ありがとうございます。
精神療法とは何なのか、という疑問もありますが、お薬を使わない治療法にも副作用というのはあります。
マスコミが認知行動療法をさも万能のように取り上げたため、認知行動療法が素晴らしい治療法のように思われているフシがあるようにも思います。
最も大切なのは、ナントカ療法とかいうものではなく、患者さんの日常生活での養生です。理想的には、お薬をやめて医者から離れて、生活の中で自身の調子を見てアクセルとブレーキを使い分けることだと考えています。
お薬を一生続けなければならないのは、現時点での精神医学の見地では、統合失調症と躁うつ病の2つだと思います。ただ、統合失調症についてはお薬が長期的な患者さんの予後を変えないのではないかとも言われており、今後の研究が待たれるところです。
m03a076ddot 2014.07.08 11:20 | 編集
確かに認知行動療法はここ数年でマスコミに頻繁に取り上げられるようになってきたと思います。
しかし、精神療法にも副作用があるのですね!!
ちょっとビックリしています。

患者の日常生活での養生が一番大切という先生のお言葉、とても納得できます。
自分自身色んなことに頑張りすぎたために、精神科を受診するようになったので、アクセルとブレーキを上手く使い分けようと思います。

こんな自分でも薬を止めて、医師から離れられるのでしょうか?
やはりどんな患者さんも最終的にはそれを望んでいると思います。
匿名dot 2014.07.09 12:14 | 編集
>匿名さん

ありがとうございます。
お薬はずっと飲むものではなく、松葉杖として使ってもらい、癒えたら手放すものと考えています。現代の精神医学でお薬が一生必要と考えられる方々であっても、必要最小限にとどめたいものです(時代が進めば一生ではなくても良くなるかもしれません)。
それに向けて生活をどう整えていくか、というのが大事になってきますね。
m03a076ddot 2014.07.12 19:28 | 編集
管理者にだけ表示を許可する
 
back-to-top