2012
11.06

良いものも新しく

Category: ★本のお話
 救急外来では、研修医になりたての頃は診断が不明確なまま帰宅というのが不安で不安でどうしようもなかった記憶があり、怖くて患者さんを診ることから逃げていた時期もありました。お恥ずかしい。。。研修医が終わっても、その怖さはずっとあって、最後まで不安がありながらの救急外来だったなと思い返しております。

 そんなこんなで、救急外来で良く診るのが”腹痛”ではないでしょうか。いろいろ勉強はしたものの、やっぱりイヤだなぁという印象は拭いきれず。特に高齢者の腹痛なんてのは自分も困って、後輩も困って、上級医も困って。。。ということも多かったですね。

 その腹痛診療で最も大事なのは病歴と身体診察。腹痛に限らずすべての主訴で重要ですが、特に”痛み”系はしっかりとした病歴聴取と身体診察が重要です。

 日本はいつでもCTが撮れるという環境にある病院も多く、検査が最優先される傾向にありますが、その検査も”何のために行うのか”というのをしっかり認識しなければいけません。

 鑑別疾患がきちんと挙がって、その検査前確率を大まかに見積もる。それらをCTでどう動かすことができるのか。これを知っておいて撮るのとただ闇雲に撮るのとでは読影するポイントの強弱も異なります。

 その病歴と身体診察を学ぶ上で参考にすべき本が、Cope先生の『Early diagnosis of the acute abdomen』という名著中の名著です。この原著はやたら読みにくいのでございます。。。幸いな事に『急性腹症の早期診断』という名の下に邦訳が出ています。自分はこの訳書を何度か読み返したのですが、読む度に新しい発見があり、決して退屈させません。研修医が終わって精神科医になってからも、捨てずに本棚にしまってあります。それだけ思い入れのある本。

 そんな本が、この前本屋さんに行ったらなんと改訂されていました!自分が持っているのは原著第20版を和訳したものですが、今回の改訂版は原著第22版の訳。ちょっとページ数も増えています(どちらも300ページ足らずでハンディ)。さすがに新しく買うことはしませんでしたが、まだ持っていないという研修医の皆さんや志溢れる学生さんには是非読んでいただきたい。臨床を経験してから読み返す、ということを繰り返していると、本当に痒いところに手が届くというか、こんなことまで書いてあったのかとオドロキ。だから学生の時に読んでもそれでオシマイにしないで、研修医になってから何度も読み返してください。どんどん深まりを見せていきます。


急性腹症の早期診断 -病歴と身体所見による診断技能をみがく- 第2版急性腹症の早期診断 -病歴と身体所見による診断技能をみがく- 第2版
(2012/11/05)
小関一英

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