2012
10.10

治療抵抗性統合失調症の薬剤治療はどうするか?

Category: ★精神科生活
 統合失調症は現在も精神科で最も重要な疾患(正確には症候群)です。使用出来る薬剤もだいぶ広がりを見せてきていますが、breakthroughは残念ながら起きていない状況。かなり研究はされていますが。。。

 脳の部位によるドパミンのアンバランスというのが現時点では攻める対象となっています。例えば、中脳辺縁系ではドパミンが亢進して前頭前野では低下している、と言う事態が起きています。ただ前頭前野でのドパミン低下は統合失調症に限らず多くの精神疾患に幅広く見られます。他にはグルタミン酸シグナルの変化、抑制性ニューロンの活動低下、ニコチン性アセチルコリン受容体の機能低下などを考えることが重要ではないかと言われます。

 薬剤を使用してもなかなか改善しない患者さんもいます。治療抵抗性統合失調症という言葉があり、それは6週の間に連続する2つの抗精神病薬を適切な用量で試みたものの有意な症状改善の兆候がないということを示します。それに対してどう薬剤治療を組むか????それが頭を悩ませる事態となっています。

 まずすることは何でしょうか?それはですね、、、


診断の見直し!!!!


 これが最重要。強調してもし足りないくらいに大切なこと。今自分が悩んでいる統合失調症の患者さんは、本当に統合失調症なのか?過剰診断していないか?実は早期発症のFTD(前頭側頭葉型認知症)ではないか?SLEなど他の器質性疾患ではないか?ということを見つめなおしましょう。治療に抵抗性なのか、治療が症状を作り出しているのか(医原性なのか)、それをしっかり見極めないと患者さんの人生を狂わしてしまうかもしれません。

 それを除外して初めて治療抵抗性。これはどんな精神疾患でも言えます。治療抵抗性の強迫性障害は本当に強迫性障害なのか?治療抵抗性のうつ病は本当にうつ病なのか?薬による副作用を病気の症状と勘違いして更に薬を乗せてしまう。。。最初に診断をミスしてその後も訂正がされないと収拾がつかなくなります。ま、治療抵抗性っていう言葉は便利ですよね。精神療法的な接近に失敗しても「治療抵抗性だ!」と言い張れてしまう。向精神薬偏重は視野を狭くします。薬剤だけでなく環境や生活というものへの視点を常にもたねばなりません。

 それはそうとして、他疾患も除外して、薬剤以外の駒を動かしてもうんともすんとも。ということは、この患者さんは治療抵抗性の統合失調症と考えて良いだろう。そうなって初めて更なる治療に進みます。この順番は間違えないこと!!!!!!

 ちなみに精神病理学の大家であるシュナイダーさんは、統合失調症の診断に極めて慎重でありました。一級症状があるからと言ってすぐ統合失調症というわけでなく、他の一級症状を起こしうる精神病(主に器質性ですが)がない時に、初めて”控えめに”統合失調症を考えろ!こう指摘しています。

 この記事では、現時点でのエビデンス(精神科にエビデンスはあんまり馴染まない気もしますが…)を参考にしつつ、経験的な部分も見ながら治療抵抗性統合失調症への薬剤治療を考えてみたいと思います。

 あんまりたくさん文献を見てもまとまりきらないので、1つだけここでは挙げておきましょう。

Treatment-resistant Schizophrenia: Evidence-based Strategies
Mens Sana Monogr. 2012 Jan-Dec; 10(1): 20–32.

 さて、まず最も(唯一?)証左のあるものは何と言ってもクロザピン(クロザリル®)です。2012年現在、日本ではまだ使える施設が限られていますが、世界的には使ってみるべき薬剤としての地位を確固たるものとしています。ただ、それでも40%ほどの患者さんは部分寛解状態にとどまるとされ、機能的に完全に回復するのはもっと少ないと言われます。

 クロザピンでもダメ、もしくはクロザピンを使えないところでは、抗精神病薬の併用(combination)か他のクラスの薬剤による増強(augmentation)になります。

 基本的に抗精神病薬の併用は治療抵抗性の陽性症状/陰性症状を抑えるために用います。抗うつ薬や気分安定薬や研究途中の薬剤などは情動の部分や認知機能低下、強迫症状、治療による副作用といったところに。ベンゾジアゼピンは主に急性のエピソード(不安、焦燥、攻撃性)に用います。これらはあくまでも基本で、抗うつ薬でも陽性症状や陰性症状が軽くなることはあります。ミルタザピン(リフレックス®/レメロン®)なんかはそうですね。ただし、統合失調症患者さんに抗うつ薬を使うことにしっかりしたエビデンスはありません。

 抗精神病薬を複数種類使うことで治療成績がどうなるかというのは明らかになってはいません。日本は多剤併用しすぎと言われてはいますが、外国に目を向けても半数くらいの外来統合失調症患者さんは複数種類の抗精神病薬を服用していると言われます。「多剤併用=悪、単剤治療=善」というバッサリな考え方はどうかとは思いますし、抗精神病薬同士も相性があるため、相性の良い物同士を組むということはそれなりに良い結果を出してくれるような気もします。

 クロザピンとオランザピン(ジプレキサ®)は他の抗精神病薬とはかなり色合いが異なり、D2受容体にくっつく力が強くありません。その代わりと言ってはナンですが、中枢性のα1アドレナリン受容体、M1ムスカリン受容体、H1ヒスタミン受容体、5-HT2Aセロトニン受容体、5-HT2Cセロトニン受容体などにペタペタくっつきます。この2つの抗精神病薬は他の抗精神病薬との併用(combination)によく用いられ、かつ研究されています。例えば、ドパミン受容体にあまりくっつかない部分を、amisulpride(アミスルプリド:2012年時点で日本未発売)やスルピリド(ドグマチール®)なんかで補うことが良く行なわれています。アリピプラゾール(エビリファイ®)はD2受容体と5-HT1A受容体のパーシャルアゴニストで、これはクロザピンとの併用が研究されており、有効性が示唆されています。クロザピンに併用するものとして最も研究されているのがリスペリドン(リスパダール®)ですが、なかなかコレといった結果は出ていない様子。肯定的なものも否定的なものもありますね。。。ただ、コンスタという持続性の筋注製剤の併用だとアドヒアランスや再入院率が改善するかもしれないと言われています。Ziprasidone(ジプラシドン:2012年時点で日本未発売)もクロザピンとの併用で割と良好な結果。

 クロザピンとオランザピン以外の非定型抗精神病薬同士の併用も報告があります。例えばリスペリドンやクエチアピン(セロクエル®)単剤で不十分な時にamisulprideを付加したり、他にはアリピプラゾールが様々な抗精神病薬との併用で症状改善に一役買ったりするのではと言われてはいます。

 こういった併用はやってみなきゃ分からない!という部分が強いかもしれません。個人的にはアリピプラゾールにクエチアピンやペロスピロン(ルーラン®)の付加を良く行います。他にはブロナンセリン(ロナセン®)にもこの2剤のいずれかを付加する時があります。オランザピンへのスルピリド付加は行ったことがないので何とも??やってみる価値はあると思いますが。

 さて、陰性症状や感情の制御不全も非常に重要な治療目標です。というか、統合失調症の中核的な部分は陰性症状にこそあると思っています。5%以上の統合失調症患者さんが自殺してしまうことを考えると、感情の部分にはきちんとスポットライトを当てるべきでしょう。そういった観点から、抗うつ薬や気分安定薬が増強として選択される場合があります。ただ、これらはエビデンスとしてはっきりしないものばかりであることは付記しておきます。注意したいのは、陰性症状と言われるものの中には薬剤の副作用による”陰性症状”が多く含まれると言う点。「頑張るよ!」という意欲を出すドパミンを抑える薬剤を使うのですから、量が多くなったり占拠されるドパミン受容体が多くなったりすれば、それは陰性症状とも言えるでしょう。同じく抑うつもそうですね。薬の副作用で抑うつになる、つまりは”無動うつ”になることもあります。他には激しい症状の出た後は脳が疲れるため、それによる抑うつもあります。これは休息期と捉えて休ませることが大事で、抗うつ薬でハッパをかけるのはいかんです。希死念慮がばりばり強くなってしまったら抗うつ薬をちょろっと使うのもありなのかもしれませんが、なかなか効果の程は難しい。抗精神病薬の副作用による見かけの陰性症状には抗うつ薬や気分安定薬は使うものではなく、抗精神病薬の調整をすべき。そうではない真の陰性症状に注意しながら使うことがたまにある薬剤として、抗うつ薬や気分安定薬があります。まずは抗うつ薬から。

 Citalopram(シタロプラム:2012年時点で日本未発売)、デュロキセチン(サインバルタ®)、reboxetine(レボキセチン:2012年時点で日本未発売)、venlafaxine(ベンラファキシン:2012年時点で日本未発売→2015年にイフェクサー®として発売)と言った抗うつ薬は統合失調症の抑うつ症状を改善させると言われています。三環系抗うつ薬は精神病症状を悪化させる可能性があるかもしれないため、使用するならSSRI以降の新規抗うつ薬が望ましい様です。薬剤相互作用には十分気をつけましょう。日本では睡眠薬代わりに良く使われるトラゾドン(レスリン®/デジレル®)も陰性症状に効果ありや?という報告もあります。現時点で最もオススメできるのがミルタザピン。陰性症状と認知機能の改善が指摘されています。陽性症状に対しては肯定的なものもあれば否定的なものもありますね。ノルアドレナリンとドパミンの再取り込み阻害薬であるBupropion(ブプロピオン:2012年時点で日本未発売。ただし数年中に発売されます)は精神病症状を増悪させるのではと以前は考えられていて使用が控えられていましたが、最近は陰性症状や認知機能を改善する可能性が指摘されています。

 抗うつ薬を付加することについては色んな事が言われており、現時点では投与に諸手を挙げて大賛成とはなかなか行きません。個人的にはやっぱり使うのは躊躇われます。。。

 また、抗うつ薬の上乗せについては、患者さんがFTDであった場合は爆発することがあります。ミルタザピンを15mg追加したらその夜中に大不穏になってしまった、、、と言うのが好例。そうなった場合は、この患者さんはひょっとしたら統合失調症ではなくFTDではないか?と考えましょう。もちろん統合失調症の患者さんでも合わない人もいて、ミルタザピンが興奮を産むことがたまにあります。

 気分安定薬も統合失調症治療に欠かせない重要な地位を占めるものです。ここではいつもの記事と異なり、気分安定薬をリチウム(リーマス®)、バルプロ酸(デパケン®/セレニカ®)、カルバマゼピン(テグレトール®)、ガバペンチン(ガバペン®)、ラモトリギン(ラミクタール®)、プレガバリン(リリカ®)、トピラマート(トピナ®)の7種類ということにします。いつもは後2者を外してクロナゼパム(リボトリール®/ランドセン®)を入れていますが。気分安定薬はエビデンスという点では全体的に弱いとされているものの、経験的にはやはり使いたくなりますね。

 リチウム付加は旧来より行なわれています。感情レベルでの波立ちを大人しくしてくれる印象はありますが、質の高いRCTが必要だろうと言われます。この薬剤は面白いもので、アルツハイマーやパーキンソン病、MSAといった変性疾患に対する有効性が最近どんどん論文化されています。理由の一つにオートファジー(自食作用)の促進が言われており、長いコースで使用することで価値が出るかもしれませんね。カルバマゼピンは大暴れを防いでくれます。たまーにバチッと当たる患者さんがいて、これのお陰で処方がシンプルになることも。特に満田先生のおっしゃる非定型精神病には効果が高いです。ただ、これも質の高いRCTがなんたらかんたら。後は血液系に対する副作用があるので、同じような副作用を持つクロザピンとの併用は好ましくありません。ラモトリギンはクロザピン抵抗の患者さんに上乗せすることで利益があるのではと言われます。他の抗精神病薬に上乗せしても目立った改善はないとされますが、経験的に効く人は本当に効きます。プレガバリンは患者さんの不安感(統合失調症では不安感というのが実に強いことがあります)に実に切れ味良く効いてくれます。試す価値あり。ただし、150mg/dayから使用するとふらつきがかなり出るので、最初は25-50mg/dayから使ってちょろちょろ増量というのが安全。トピラマートは明らかに認知機能を落としますし、陽性症状や感情面でもどう転ぶか予測がつかないので、安易に使うのはよろしくないでしょう。過食や衝動性をパシっと止めてくれるのは有難いですが。バルプロ酸は非常に使いやすく、攻撃性や遅発性ジスキネジアに対して良い働きをしてくれます。急性精神病エピソードの際に抗精神病薬へ付加することも行なわれますが、プラセボに対する優位性が今のところ示されていません(意外)。

 その他の薬剤としては、COX-2阻害薬であるセレコキシブ(セレコックス®)やω-3脂肪酸(日本ではエパデール®)やミノサイクリン(ミノマイシン®)が使われます。統合失調症における炎症部分を抑えようという発想。後はPDE-5阻害薬のシルデナフィル(バイアグラ®/レバチオ®)もあるにはありますが、なかなか…と言った感じです。ちょっと前は”カルボニルストレス性統合失調症”というのが話題になりましたね。疾患概念として確立されれば活性型ビタミンB6が良い治療薬になるのかも?また、陰性症状にビタミンB12と葉酸の併せ技が効いたというのもあります。


c.f. 閉経後の女性患者さんであれば、ラロキシフェン(エビスタ®)の付加が有効であったとする報告も(Usall J, et al. Raloxifene as an Adjunctive Treatment for Postmenopausal Women With Schizophrenia: A 24-Week Double-Blind, Randomized, Parallel, Placebo-Controlled Trial. Schizophr Bull. 2015 Nov 20. pii: sbv149. [Epub ahead of print])。エストロゲンは抗炎症作用を有しているので、それを狙ったもの。(2016年1月8日追加)


 統合失調症の症状では、やはり認知機能低下にも注意が必要です。認知機能はコリン系が関与しており、そのコリンの中ではM1ムスカリン受容体やニコチン受容体のαサブユニットがその大部を担っています。コリンが足りなくなるとやばい、という感じ。そういった点から、コリンエステラーゼ阻害薬のドネペジル(アリセプト®)やガランタミン(レミニール®)がアルツハイマー型認知症やDLBに対する薬剤としてあるわけです(保険適応上は2012年時点でアルツハイマー型のみですが、DLBにも少量使うことで効果が出ます→2015年にドネペジルはDLBにも適応が通りました)。しかし、残念ながら統合失調症の認知機能低下に対してコリンエステラーゼ阻害薬は無力!ということが示されています。。。抗がん剤による嘔吐に用いるトロピセトロン(ナバボン®)がα7ニコチン受容体に結合(パーシャルアゴニスト)することで効果を示すのでは?と言われてはいますが、さらなる研究が必要です。このα7ニコチン受容体が認知機能に果たす役割というのが知られており、それを狙った薬剤の開発が急がれています。

 コリンが関与、ということは抗精神病薬の副作用である錐体外路症状を防ぐために用いるビペリデン(アキネトン®)やトリヘキシフェニジル(アーテン®)などは認知機能を落としてしまいます。副作用出たからといってホイホイこれらの抗コリン薬を入れるのはあまりよろしくありません。

 ワーキングメモリや遂行機能、注意、学習といった機能に関しては、NMDA受容体などを介するグルタミン酸の調節が重要と言われます。グリシン、D-セリン、D-シクロセリン、サルコシン(グリシントランスポーター阻害薬)などがNMDA受容体アゴニストとして働き認知機能改善に役立つとされます。先述したミノサイクリン(ミノマイシン®)がグルタミン酸システムの調節をし、陰性症状や遂行機能の改善をもたらすことが分かっています。その一方で、NMDA受容体アンタゴニストであるメマンチン(メマリー®)は効果がなかなか上がりません。個人的にはラモトリギンはある程度の認知機能改善を示す印象を持っています(もちろん症状悪化になることもあるので全例で問題なく使用できるわけではありません)。

 ドパミン仮説では前頭前野におけるドパミン機能不全が認知機能低下、特に遂行機能低下に関連していると言われます。そのためプラミペキソール(ビ・シフロール®)といったドパミンアゴニストが使用されることもありますが、その評価は定まっていません。ここまでくるとドパミンを下げたいのか上げたいのかちょっとぐちゃぐちゃな印象ですね。何をしたいんだ?と思ってしまいます。ブプロピオンは前述のとおりです。もうちょっと研究が必要。上手く前頭前野のみでドパミンを上げる薬剤があれば良いのですが。。。

 上記の神経伝達システム以外では、5-HT1A受容体・5-HT2A受容体・5-HT6受容体の刺激や5-HT1-4受容体サブタイプの調節が学習機能を改善します。そうなると5-HT1A受容体パーシャルアゴニストのbuspirone(ブスピロン:2012年時点で日本未発売)や5-HT3受容体アンタゴニストであるオンダンセトロン(ゾフラン®)、5-HT2A/2C受容体アンタゴニストのritanserin(リタンセリン:2012年時点で日本未発売)の有用性が示唆されています。日本だとペロスピロンやタンドスピロン(セディール®)がひょっとしたらひょっとするかもしれません。

 他に可能性のある薬剤としてはメチルフェニデート(リタリン®/コンサータ®)やアトモキセチン(ストラテラ®)、モダフィニル(モディオダール®)、エストラジオール(ジュリナ®)、アロプリノール(アロシトール®/ザイロリック®)、N-アセチルシステイン(ムコフィリン®)、セレギリン(エフピー®)、イチョウなどなどなど…。どれも推奨できるレベルではありません。アロプリノールは陽性症状に対する増強としても用いられることがあるにはありますが、それにしても力不足な感じです。

 統合失調症で問題となる症状の1つに強迫症状があります。ですが、最近はこの症状が抗精神病薬の抗セロトニンによるものではないかと言われています。しかも時間依存性であり用量依存性らしいです。改善するには、増強や併用をかけることでメインの抗精神病薬の量を減らすのが適切とのこと(プレガバリン、スルピリド、アリピプラゾールなどなど)。これについては自分は本当に意外で、初発が強迫症状で後に統合失調症というのが明らかになることもあるため、全部が全部薬剤の副作用とは言えない気がします。どうなんでしょうね???

 ここからは全部が経験的なものですが、日本には漢方があります。統合失調症は瘀血と考えられるので、通導散などの駆瘀血剤を使うことが多少のスパイスになってくれる可能性はあります。


c.f.抑肝散は興奮を改善してくれることが示されています(Miyaoka T, et al. Efficacy and safety of yokukansan in treatment-resistant schizophrenia: a randomized, double-blind, placebo-controlled trial (a Positive and Negative Syndrome Scale, five-factor analysis). Psychopharmacology (Berl). 2015 Jan;232(1):155-64.)。個人的には、顔を真赤にして怒鳴り散らすような患者さんには抑肝散は効かないように感じており、その時は黄連や黄芩を含んだ黄連解毒湯や、もう少し広く構えた竜胆瀉肝湯(コタローさんの)が良いのではないかと思っています。(2016年1月8日)


 ここでは薬剤治療について述べましたが、もちろんそれ以外の精神療法的関わりが重要になってきます。幻聴については、それの誘因/憎悪因子として≪不安・不眠・過労・孤立≫というものがあります。日常診療の面接では、この4要素に焦点を当てて、どうそれらを解決していくかというのがポイントになってきます。ここは原田誠一先生の著書に詳しい(『統合失調症の治療―理解・援助・予防の新たな視点』)。そして陰性症状についてもは、中核症状と言ったものの、患者さんを守ってくれる作用があります。無理に陰性症状を解こうとすると大爆発になることがあるので、ここは神田橋條治先生の仰る“自閉”の利用を勧めるのが良いでしょうね。相手との距離を保って、自分を守りながら交流を、というスタンスは統合失調症患者さんに対する姿勢で常に必要なものだと思います。だから抗うつ薬もホイホイ使うものではなく、患者さんを守るベールをひょっとしたら無理に剥ごうとしているのかもしれないという認識を持つことが大事かと考えます。

 一時期、EE(Expressed Emotion)という言葉が流行しました。主に家族の感情が患者さんの病気の状態に影響を与えるという考えから来ていて、批判的であったりまきこまれたりなど、感情的な状態がHigh EE、外界のストレスから本人を守るような状態がLow EEと言われます。これについては、とらえようによっては「家族が原因だ!家族が悪化させてる張本人だ!」という間違った認識が生まれてしまわないかちょっと不安です。例えばデイケアや作業所でも場合によっては本人にとってHigh EEであることもあるでしょうし、今の世の中すべてがHigh EE的な状況であることを考えねばなりません。EEの概念は重要で、薬剤以外の治療を考えるには「何が患者さんからゆとりを奪っているのか」を調べねばなりません。ですが、それを全て家族のせいにするのは間違いでしょう。EEは家族に対してだけでなく、広く環境一般に適応するものと思います。
 
 中井久夫先生は、こちらをはっとさせることをおっしゃっています。”分裂病の治療には数年後に効果が現れるという場合がありますから、安定期でも手抜きしていいわけではないのです。改善の努力が今目に見えて現れないからといって治療が無効だとか治療抵抗性だとレッテルを貼って治療者が悲観してしまうのは間違っているということです。その時は、穏やかに現状維持に努めて自然回復力が働いてくるのを待つ時期といいましょうか。「待ちの治療」も重要なのです。「攻めの治療」より重要であるかもしれません。実は「待ちの治療」のほうが気が抜けないものです、第三者には見えないでしょうが”

 この記事の最初の方に、精神科にエビデンスはあんまり馴染まない…などと記載しました。それは、現在の診断基準が正確ではないことが理由にあります。DSMで括られる”統合失調症”は”統合失調症候群”とでも言うべきもので、決して単一の疾患ではありません。”大うつ病性障害”もそうですね。なので、統合失調症にこの薬剤が効くか?と言うことで臨床試験を組んでも、実は色んな疾患が混じっているため、RCTによって平均・確率を出されると特性が消えてしまうことがあります。代表例はカルバマゼピンで、内因性の真の統合失調症にはあまり効果はないのでしょうが、暴れだすと保護室を使わざるをえない様な、例えば繰り返しになりますが満田先生の提唱された非定型精神病の様なタイプなら奏功することが非常に多いのです。そして、内因性の中にも器質性の色合いが強ければ、抗てんかん薬の効果が非常に高くなっていくでしょう。こういう患者さんにはバルプロ酸やラモトリギンは期待できます。精神科の診断というのはかなり雑に括っている、と考えた方が良いと思います。非常に前近代的。そうとらえることで、使う薬剤にも幅が出てきますよ。頼りない診断だなぁと思うかもしれませんが、これが現代精神医学の限界。精神科医もそれをしっかりと意識しましょう。「精神科の診断なんてDSMに当てはめてやりゃあ良いんだろ?」という不届きな考えは持っちゃいけません。従来診断を崇拝するのも良くないですが、先達の方々が100年以上考えぬいて識別していった歴史をDSMの名の下に捨て去るのはもったいない。もちろん、DSMそのものにも「チェックリスト的に使わないで!」と記載されています。

 ということで、治療抵抗性統合失調症に対する薬物治療(Evidence & Experience)でした。薬物以外の関わりも大事でございますよ。特に急性期の患者さんは焦っていてゆとりがありません。その時に治療者がわざとらしいことをせずにそばにいるという姿勢が肝要です。また、症状は患者さん自身の回復力を含むということも忘れてはいけません。
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コメント
いつもこちらを読んで、いろいろ教えていただいております。

最近、「OPC-34712」という新しい抗精神病薬が、治験されているようです。

この薬について、わかる範囲で、また素人にも理解できるように従来の薬との違いを教えてくだされば幸いです。

http://www.otsuka.co.jp/company/release/2011/0516_01.html
海がめdot 2013.03.30 09:06 | 編集
>海がめさん 

コメントありがとうございます。
OPC-34712は、アリピプラゾール(エビリファイ®)と同様にドパミン(D2)受容体のパーシャルアゴニストです。ドパミンのバランスを”ほどよく”すると考えてみると分かりやすいでしょうか。
それだけですと「エビリファイと大した違いはないではないか」と思うかもしれません。
違いは、セロトニン(5-HT)の受容体へのくっつきやすさと考えられています。
特に、5-HT2A、5-HT1A、5-HT7受容体への作用が言われています。
5-HT2A受容体へはアンタゴニスト(ブレーキ役)として作用することで、陰性症状、認知機能障害、抑うつ、不眠を改善します。
5-HT1A受容体へはアゴニスト(アクセル役)として作用することで、不安や抑うつを改善します。
5-HT7受容体へはアンタゴニストとして作用することで、サーカディアンリズムや睡眠、記憶などを整えます。
エビリファイはそれらの受容体にくっつくのが苦手です。5-HT1A受容体のパーシャルアゴニストとしての働きがちょっぴりあるようですが、脇役と考えられます。
OPC-34712は、良く結合します。5-HT2A受容体アンタゴニスト、5-HT1A受容体パーシャルアゴニスト、5-HT7受容体アンタゴニストとして立派に働くようで、これらの作用からも分かるように、治験では最初から統合失調症のみならずうつ病への増強としても行われています。
更にはアドレナリンα1受容体アンタゴニスト(陽性症状改善)、若干のセロトニン再取り込み阻害(抑うつ改善)の作用も言われています。
エビリファイ単剤では、不安の異様に強い統合失調症患者さんの治療に失敗することがあります。OPC-34712は、そういった患者さんや抑うつの強い患者さんへの配慮もなされている、と現時点では考えられています。うつ病の増強についても、エビリファイ以上の働きが薬理学的には期待されます(実臨床ではどうなるか分かりませんが)。
今のところ、OPC-34712について自分が持っている知識はこのような感じになります。
m03a076ddot 2013.03.30 21:55 | 編集
早速の返信有難うございました。

エビリファイが有効な方も増えてきていると聞きます。
この新薬が、ブレーキでもあり、アクセルでもある作用で、いろいろの困難な症状の改善がはかられるのですね。
統合失調症と大うつ病とに有効だそうですが、広汎性発達障害にもとづく種々の症状で苦しんでいる人たちにも良い薬になればと期待します。
海がめdot 2013.03.31 11:21 | 編集
>海がめさん 

エビリファイはアメリカで自閉症に対して適応があることから、このOPC-34712も有効かもしれませんね(ADHDに対しても臨床試験が行われています)。
ドパミン系をほどよくし、かつセロトニンへの配慮から不安や抑うつもカバーできるという点が興味深いと思われます。あくまでも薬理学的には、ですが。実際市場に出てからの手応えというのも大事なのかもしれません。
有用な薬剤がこれからも出てくることを、私も期待しています。
m03a076ddot 2013.03.31 20:47 | 編集
いつも教えていただき有難うございます。
今回の質問は、統合失調症急性期の治療として、リスパダール6ミリのみで、
抗パーキンソン薬が何も処方されていない例があるのです。
まだ、処方開始して5日目です。
常識的には、2~3ミリのアキネトンかタスモリンが処方されないと、錐体外路症状が出てしまうと懸念します。
先生は、このようにリスパダールのみ単剤で、抗パーキンソン薬を処方しないことがあるでしょうか。錐体外路症状は個人差もあるでしょうけれど、何日目ぐらいから出現するでしょうか。
海がめdot 2013.04.10 18:06 | 編集
>海がめさん 

コメントありがとうございます。
錐体外路症状(EPS)は、患者さんにとって全く出現する量が異なるので、一概に何mgで何日目で出現とは言い切れないのが実情です。患者さんの年齢もそうですが急性期であればなおのこと、結構な量を使っているのに出てこない、というのも往々にしてあります。
服用1日目にして出たということもあれば、少し落ち着いてきたらじわじわとEPSが出始めた、ということもあります。人間の脳は分からない、としか言いようがないのかもしれません。
高齢の患者さんですとドグマチール100mgでも出現しますし、ルーランを少し出していたら忘れた頃に出た、というのは良い例でしょうか。リスパダールはEPSが出やすい薬剤ですが、1mgで出てしまった時には「この患者さんにはフィットしない薬剤だったな」と思って使用を諦めます。
抗パーキンソン薬は患者さんの認知機能を下げるのであまり使いたくはないところです。EPSが出現しない患者さん独自の量を探っていかねばならないのでしょうね。
患者さんにはじめて抗精神病薬を出す際は、アキネトンを頓用で少し出すということをします(全員ではありませんが)。その頓用でも治まらなければすぐに病院に電話連絡してもらうようにする、というのが最も安全だと思います。EPSは説明がなされないと患者さんにとっては恐怖そのものです。あらかじめ「こういうことが起こるかもしれません」とお伝えして、それの対応策をお話しするのが良いかなと思っています。
m03a076ddot 2013.04.11 09:00 | 編集
現在ジプレキサからクロザリルに切り替えて治療している二十代女性の母です。診断は統合失調症で治療四年です。
ジプレキサの頃から強迫観念が酷くなり、最後の砦でクロザリルに切り替えましたが、強迫は相変わらずか、かえって酷くなっているようなきがします。
このような現象が起きることに疑問を感じて調べるうちにこのサイトにたどり着きました。
統合失調症の症状というよりも、強迫観念からくる家族への巻き込みに疲弊しており、本人もいつか終わる やめる と言うところからおかしいことにこだわり心が占領される自覚はあるようですが、心が捉われると余裕がなくなり巻き込みになります。主治医の話では、クロザリルは強迫にも効果があるかもしれないので、ということです。
治療の方向性としてはこれでいいのか迷っています。
パソコンで調べると、ジプレキサやクロザリルで強迫の悪化など目にします。娘にとって大事な時期なので時間を無駄にしたくありません。先生の臨床経験からの見解をお聞かせいただけませんでしょうか。
幸福の木dot 2013.06.13 19:32 | 編集
>幸福の木さん

コメントありがとうございます。
娘さんが統合失調症で、クロザリルを使われているということは幻覚や妄想も強いのかもしれないと勝手ながら考えております。
第一に考慮すべきものとしては、診断が統合失調症で合っているかという基本的なところですが、クロザリルを使用される施設なのでしょうから診断はしっかりしているのだと推測します。
以下は統合失調症の患者さんという前提でお話をします。
お薬的な部分では、確かに文献上はジプレキサやクロザリルによって強迫が強くなる(副作用的)という報告もあります。しかし、私はクロザリルの使用経験がなく、またジプレキサで強迫が強くなったという患者さんに会ったことはありません。文献上はその様なことが報告されているのだな、という認識でいます。
副作用だとした場合、行うことはクロザリルの減量ですが、医者としては結構勇気のいることかと思います。症状が良くなっていないのに主剤を減量すると言うのは、感覚的には怖いところです。
それを乗り越えて減量したとすると、それに加えて他の種類の薬剤で増強をかけて強迫を和らげることが必要になるかと思います。
私が統合失調症に限らず強迫症状に用いるものとしては、エビリファイ少量やリリカでしょうか。また、これも文献上ですが、統合失調症患者さんにデプロメール(ルボックス)などのSSRIという抗うつ薬を加えることで強迫を治療したという報告もままあります。ただ、統合失調症患者さんに抗うつ薬を使用すると言うのは非常に抵抗があり、私は経験がありません。
以上、文献と経験からお伝えできるのはここまでかと思います。理論と実際の臨床は乖離があり、理論だけで押しても上手くいかないことは多々あります。
大事なのは、主治医の先生としっかりと相談されることかと思います。実際に娘さんの歴史を知って接している医療者は、主治医の先生です。私がコメントでお話したことは、患者さんの存在しない文献のみということを忘れずにいて下さればと思います。
娘さんが少しでも楽になることを祈っております。
m03a076ddot 2013.06.14 17:21 | 編集
管理人閲覧用コメントを下さったかた、ありがとうございます。

統合失調症と広汎性発達障害は、確かに鑑別が付きにくい患者さんがいらっしゃるというのも事実だと思います。
発達障害ではやはり三つ組の障害(社会性、コミュニケーション、イマジネーション)と感覚過敏の4つが幼少期から続くというところが大事だと考えます。統合失調症ではどこかで明らかな屈曲点が出てきてカタカタっと来ることが多いでしょうか。いわゆる発病前の適応がどうだったかというのがポイントと思います。
強迫を合併した発達障害の場合は、もちろん薬剤も少量使用しますが、患者さんの行動や生活環境のストレス要因をどう取り除くかという部分が大事だと考えています。聴覚過敏があれば静かなお部屋、注意の移りが悪ければ視覚的なスケジュールが必要になってきます。児童精神科の内山登紀夫先生は、生活のスケジュールを視覚的に作ってあげることで患者さんが楽になるとおっしゃっています。
ただ、言うは易く行うは難し、という言葉に集約されると思います。私自身は発達障害の患者さんを診ることが児童精神科の先生方と比べて少なく、また若輩者で臨床経験そのものも浅いので、どうしても理論先行になってしまいます。苦労してらっしゃる先生方からすると「机上で好きに言っている」という思いを抱かれるかもしれません。私もそこは常々自戒しています。
患者さんご本人、そしてご家族が共倒れにならないよう、主治医の先生と連携をとって良い養生を築いていって下さればと考えています。
m03a076ddot 2013.06.15 00:16 | 編集
はじめまして、リクリンといいます。18歳の子供(男子)が統合失調症と昨年9月に診断され入院をしていますが、妄想や話がまとまらない症状が改善されず、こういう状態をを治療抵抗性というのかと思い始めました。これまでジプレキサ、インヴェガ、ロナセンとそれぞれ最大量飲んできましたが、妄想が改善されず、今では主治医は非定型は諦めてハロペリドール等の定形の薬剤を試していますが、興奮は抑えられたものの妄想の状況は変わっていません。子供は発達障害があることも診断されており、若年発症でもあることから主治医からは長い治療がかかる可能性が高いと言われました。陰性症状というよりは、自分は政治家でいろいろ仕事があり忙しい等、理解できないことを話します。自分が高校生である認識はないようです。今入院している病院はクロザピンの治療ができないので、クロザピン治療をさせるために転院を考えるべきかどうか迷っております。どうすればよいでしょうか?
そらdot 2014.02.02 14:48 | 編集
>リクリンさん(そらさん)

はじめまして、コメントありがとうございます。
あくまで純粋な治療抵抗性統合失調症という前提でお話をしますが、クロザピンは効果が確認されています。副作用も怖いものがありますが、指定を受けた病院は入院環境下でゆっくり増やしていき、血液検査をきちんと行うため、早期発見も出来ます。ただ、主治医の先生が他にも選択肢をお持ちなのかもしれません。
ですから、クロザピンの治療についてはしっかりと主治医の先生に聞かれるのが一番良いと思います。大きな決断でしょうから、医者の考えも聞いておくべきかと思います。
しかしその一方で、発達障害という診断も受けているのですね。それが過剰診断なのか適切な診断なのかでちょっと話が変わってくるかもしれません。
治療抵抗性統合失調症を目にすると、医者としては「薬が効かない統合失調症なら、発達障害もあるんじゃないか?」と考えたくなり、それが過剰診断に結びつきます。そのタイプであるならば統合失調症の治療に則って行うのが適切かと思います。
発達障害が適切な診断であった場合、お子さんの妄想が発達障害独自の”ファンタジー(空想の世界)”の可能性があります。この場合、抗精神病薬は効きづらいと言われます。ではどのような治療がいいのかと言われると、自分もまだ臨床経験が乏しくはっきりとは言えません。例えば「自分は一国の主だ」というファンタジーを持っている患者さんには、訪問看護や社会福祉的な支援を固めて世の中の約束事に少しずつ慣れてもらうケアで精一杯でした。
発達障害という診断の根拠や、統合失調症の妄想と発達障害のファンタジーについて主治医の先生がどう考えてらっしゃるのか、もし必要なら発達障害の診療が得意な医者のセカンドオピニオンをしてみることも方法かもしれません。
残念ながら自分は発達障害の診療に慣れておらず、具体的な助言は出来ません。主治医の先生との意思疎通を出来るだけ良くしておくことこそが大きなポイントだと思っています。
m03a076ddot 2014.02.02 19:37 | 編集
早速、ご返事をいただきまして感謝です!主治医の先生との意思疎通が大事であること、よくわかりました。主治医からは、クロザピンの治療はここではできないので、その治療については何も言えない、両親が望むなら他の病院で対応していただくしかない、と言われています。薬で時間をかけてでも折り合いをつけるのがよいということで、電気けいれん治療に関しては考えてもよい、ということでした。発達障害が妄想の原因であった場合、クロザピンの治療をしても効果がないということになるのでしょうか。その場合のほうが、救いがなくて絶望的ですね。主治医とよく相談をし、またセカンドオピニオンを利用することも考えたいと思います。
そらdot 2014.02.02 20:43 | 編集
>リクリンさん(そらさん)

ありがとうございます。
発達障害のファンタジーであれば、やはり発達障害の診療の上手な先生やケアスタッフとの関わりが非常に重要になってくると思います。
いずれにせよ、時間をしっかりかけていくことこそが重要だと考えています。
よろしくお願いいたします。
m03a076ddot 2014.02.03 08:41 | 編集
管理人用閲覧コメントをくださったかた、ありがとうございます。

確かに担当の先生からすると、処方には抵抗を覚えるかもしれません。
明らかな適応外であることと、治療による明確なエビデンス(科学的根拠)に乏しいという点があるでしょう。
確かに論文を当たってみると効果的であったとする報告もあります。しかし、そのエビデンスの質は弱いのです。
グルタミン酸系を調節することは、理論的には良さそうですが、統合失調症においても確実なベネフィットが見いだせていないのが実情です。
高齢者ではない患者さんに使用して実際にリスクはどうなのかというのは皆目検討が付かず、何か合った場合は医者として怖いところです。
もちろん生活がままならず入退院を繰り返すなどであれば話は少しだけ違ってくるかもしれませんが。
m03a076ddot 2015.11.05 16:40 | 編集
管理人用閲覧コメントをくださったかた、ありがとうございます。

漢方のその点は残念ながら分かりません…。
リバウンドについても長期投与によって生じるため、数日などごくごく短期間では恐らく出現しないのではないかと思います。
漢方にかぎらず薬剤はその日の調子や症状の状態によって反応が異なります。
m03a076ddot 2015.11.09 16:33 | 編集
管理人用閲覧コメントをくださったかた、ありがとうございます。

EEは低ければ低いほど”良い”とされています。高いことが、周りとの”ぎくしゃく感”が強いことを意味します。
また、EEは統合失調症に限らず、どのような疾患であれ影響を与えます。
どのような疾患かは自分には分かりませんが、お示ししたお薬の組み合わせをすることもあります。ただ、疾患によりけりだとは思います。
エビリファイ2.5mgで記憶障害というのは自分で記事にした記憶はちょっと無いのですが…。
どういった量が適切かは、人によりますし、同じ人でも状態によって異なります。
その時々に合った量が存在します。少なければ良いというものではありませんので、そこはお間違えなく。
m03a076ddot 2016.01.20 01:55 | 編集
管理人用閲覧コメントをくださったかた、ありがとうございます。

最も大事なのは、ゆとりをもった生活が送れるということです。
その手助けのために存在するのがお薬です。
お薬は患者さんをサポートするもの。”お守り”でもあると思います。
もちろん、飲むことに対して複雑な思いもあるでしょうし、それを一切捨てる必要はありません。
自分なりに落とし所を見つけて、もしくは悩んだままでも良いのかもしれません。
ゆっくりと考えていくのが良いでしょう。
m03a076ddot 2016.01.23 09:52 | 編集
管理人用閲覧コメントをくださったかた、ありがとうございます。

悩みや不安はあるかと思いますが、それを蹴散らそうとしないことが大切かと考えています。
主治医の先生ともよく相談しながら進めていってください。
m03a076ddot 2016.01.27 01:08 | 編集
管理人用閲覧コメントをくださったかた、ありがとうございます。

お薬についてゆったりと話せるような環境があれば良いのですが、なかなか忙しい外来では難しいかもしれませんね。
担当の先生にはその先生の流儀があるのだと思いますが、お薬の意思疎通は少しずつでも良いのでするようにした方がメリットになるでしょう。
医者はあれこれ言いますが、服用するのは患者さん自身ですから。
m03a076ddot 2016.01.31 09:39 | 編集
管理人用閲覧コメントをくださったかた、ありがとうございます。

しっくりくる診断がなされたとのこと、非常に良かったと思います。
行動をしてみたことが素晴らしい結果に結びついたのでしょう。
今後、ゆとりを持った生活が出来てくると良いなと思います。
m03a076ddot 2016.02.03 22:37 | 編集
管理人用閲覧コメントをくださったかた、ありがとうございます。

こころにゆとりをもって、取り組んでいきましょう。
m03a076ddot 2016.02.06 11:28 | 編集
管理人用閲覧コメントをくださったかた、ありがとうございます。

良い関係性を築ける医者に巡り会えることはとても大事ですね。
ほどほどの距離感でいられることが今後より重要になってくるのだと感じます。
m03a076ddot 2016.02.09 09:39 | 編集
管理人用閲覧コメントをくださったかた、ありがとうございます。

関係性、の定義がお互いで違うのかもしれませんね。
良い医師の”良い”というのも、自分はそれまでのその人の関係性から生まれるという認識ですし、人としての最低限の知識も”関係性”から育まれると考えています。
関係性そのものもちょっと違った雰囲気でとらえているので、食い違いがあるのだと感じました。
どちらが当たっている間違っているということではないのでしょうね。
ご自身のお考えを大切にして下さい。
m03a076ddot 2016.02.16 00:44 | 編集
管理人用閲覧コメントをくださったかた、ありがとうございます。

残念ながら私はクロザリルの使用経験がないため、今後どのようにすべきかはイメージが湧きません。
ただ、薬剤を急にスイッチ(変更)すると、それにより身体がびっくりして症状が落ち着かなくなる時期があります。
クロザリルは数多くの受容体に結合しますが、ロナセンは結合する受容体が限られています。
ロナセンに切り替えたことで受容体への結合が外れて、リバウンド症状を起こすことがあります。その後にクロザリルに戻しても一時的にはそれがおさまらないこともあります。
もし現在の状態がリバウンド症状であるならば、我慢して半年ほど薬剤を変更せずに治療を続けていると、じきに改善されてきます。
また、お薬で効果が認められない場合、電気けいれん療法で改善を図ることもあります。疾患の勢いが強すぎる時はお薬が追いつかないこともあり、まずは電気けいれん療法で勢いを挫いておくのも方法の1つだと思います。
あとは、症状によっては身体疾患によることもあるでしょうか。
今後の状況次第ではありますが、もしセカンドオピニオンなどを希望されるのでしたら、クロザリルを使っている施設に聞いてみるのが大事かもしれません(同じような患者さんを経験しているかもしれないので)。
m03a076ddot 2016.03.11 09:53 | 編集
管理人用閲覧コメントをくださったかた、ありがとうございます。

ガバペンは気分安定薬としては弱い部分があるものの、疼痛や不安などには効果を発揮することが多いかと思います。
投与量が難しいところで、600mg以内で効く人もいれば2000mg前後必要な人もいます。
そして、効くかどうかはやってみなければ分からない部分もありますので…。
絶対に効くから使え、絶対に効かないからやめておけ、とは残念ながら言えません。
こればかりは担当の先生のお考えもあるでしょうから、実際にそっと聞いてみる以外はないのかなと思っています。
m03a076ddot 2016.06.16 22:53 | 編集
管理人用閲覧コメントをくださったかた、ありがとうございます。

どんなお薬でもあまり多くの種類を出すのはちょっと気がひけるところではあります。
ただ、抗てんかん薬や気分安定薬は複数種類の処方をする必要のある患者さんがかなりいますし、それは他のお薬でも言えます。
やはり患者さんの特性を見ながらどう使うか、という点に尽きるのかなぁとも感じてしまいます。
m03a076ddot 2016.06.19 14:06 | 編集
管理人用閲覧コメントをくださったかた、ありがとうございます。

主治医の先生に聞くことも大事です。
エビデンスのない世界だと個々の医者の経験や考え方が大きく処方決定に影響を与えると思います。
対話がしっかりとなされると良いですね。
m03a076ddot 2016.06.24 17:37 | 編集
管理人用閲覧コメントをくださったかた、ありがとうございます。

そのような合わせ技は確かにすることがありますが、それが万人に有効かというのは残念ながら分かりません。
やってみて感触がどうか、主治医の先生の経験としてどうか、などが左右するかと思います。
基本的にはあまり多種の薬剤を重ねるよりは、シンプルにしていくことが大切かとは思いますが。
ドパミンを抑えるのはいい点もあれば悪い点もあります。
お薬を足すのではなく、整理するという気持ちが大切かもしれません。
頭重感であれば、睡眠時無呼吸症候群や慢性副鼻腔炎、甲状腺機能低下症などの身体疾患も気にかけてみてもいいかもしれませんが。
m03a076ddot 2016.09.21 01:15 | 編集
管理人用閲覧コメントをくださったかた、ありがとうございます。

何となく頭が重かったり身体がすっきりしない時は、睡眠時無呼吸症候群を一度は考えた方が良いかと思います。
薬剤についても主治医の先生とうまく話し合いながら進めてみることが肝要です。
m03a076ddot 2016.09.23 20:01 | 編集
治療抵抗性という言葉を聞くだけで、精神科医としては頭が痛くなります。
クロザピンもダメ、mECTもダメ、家族からも疎遠となり行き場のない人が慢性期病棟を占めます。

イタリア方式で、多少困難があってもこのような方は病院の外で過ごしてもらったほうが経過が良いのではないかと思うのですが、少なくとも私のいる地域ではとても許されないのが現状です。

日本が真に先進国であるためには、精神科の医療体制も進歩的でなければならないと思います。

慢性期病棟の患者さんを退院させたいという思いとは裏腹に、地域への移行は遅々として進みません。ああ、無情、、、
秋宮薫dot 2017.01.16 15:42 | 編集
>秋宮薫先生

ありがとうございます。
本当に治療抵抗性統合失調症は頭を抱えてしまいますね…。
定型にしてみるとかLAIを使うとか、グルタミン酸系をトコトン狙ってみるとか、一酸化窒素の効果を狙ってニトロダームを使うとか。。。
それこそ糸川先生のカルボニルストレス統合失調症なのかもしれませんね。
活性型ビタミンB6の治験がうまくいきますように。
院外というのは確かにそうかもしれませんが、治療抵抗性だとそもそも保護室からなかなか出られないというのもありますし…。
あとは退院後の地域の協力が必要ですね。
日本は良くも悪くも精神疾患を精神病院が預かることが長く続いていたため、地域の方々の受け入れ準備が貧弱だということがあります。
地域に患者さんをお返しする際には地域の方々の受け入れ体制が整っていなければなりません。
精神科医や行政が働きかけていく必要があるのでしょうね。
m03a076ddot 2017.01.17 23:01 | 編集
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