2012
09.25

カルテ閲覧強迫症

Category: ★精神科生活
 というのを、今回新たに提唱してみました。

 患者は自分なんですよ、コレ。研修医時代のクセが抜けないのか、担当している入院患者さんの状態が気になって、カルテを見ないと落ち着かない。

 他科の先生なら休日もカルテ見たり回診したりというのは普通ですが、精神科はそれが異常、とまでは言いませんが普通ではない状態。ただし、誤解してはいけないのが精神科医が全員サボりという訳ではないということです。

 1つは、入院患者さんの状態。重篤な身体疾患では日々チェックが必要で、迅速な治療を必要とすることもしばしば。しかしながら精神科の入院患者さんなら、病棟がしっかりしていれば精神疾患そのもので命を取られることはゼロとは言いませんが少ないです(病棟がしっかりしていれば、という但し書きは病棟内自殺や無断離院からの自殺を防ぐという意味で用いています)。

 もう1つは、精神科の特殊性。休日に患者さんを診ると、患者さんの中には”特別扱いしてもらってる””困った時はいつでも診てくれる”という意識を持ってしまう人もいます。他の患者さんは”あの子だけ診てもらってる””あの先生はひいきしている””具合が悪いと言えば駆けつけてくれるのか”と考えてしまうこともあります。そうなるとコンテイナーとしての病棟が機能不全に陥り、患者さんの依存が高まってきます。患者さんの基本テーマが見捨てられ不安であれば、仮に患者さんが困っている時に今度はその医師が診なかったら”見捨てられた””やっぱりこの医者もこれまでの人たちと同じだ”と思ってしまうやもしれません。いわゆる『境界例』に属する患者さんであれば、きちんと診察の枠組みを作ってそこから逸脱しない様に医者側も気をつけねばならないのです。それは例えば”入院中の面接は週に2回。火曜と金曜ですよ”とビシッと決めておきます(ある程度の柔軟性を持ちながらも)。患者さんのために一生懸命というのは大事ですが、一生懸命になりすぎて患者さんに飲み込まれてしまって全く周囲が見えなくなるというのが若手精神科医が気をつけるべき落とし穴です。

 上記の様な理由から、精神科医は休日も病棟に来るということは無い、とは言いませんが少ない。敢えてそうしているのであって、繰り返しですがサボっているわけではありません←ここんとこ大事。

 それでもなお、自分にとって2日間全くカルテを覗かないという事態は落ち着きません。2日連続の当直とかで他の病院に行っているなら不可抗力ですが、そうでなければ土日のどっちかはちょろっと見ます。担当患者さんと、他に病棟で看護師さんが困っている様な患者さん。ただし、実際の診察は極力避けています。それは上記の理由から。

 研修医時代は毎日カルテを見て診察して、というのが当たり前でした(遠い目)。自分はそれが染みついてしまっていましてね。。。看護師さんからは”先生って強迫性障害だよね”と言われ、後輩からは”先生、家帰ってるんですか???”と不審がられ。。。

 だから夏休みもらって1週間病院に行かないとかもう想像しただけでいかんですわ。自分に自信が出てくれば違うんでしょうかね?

 特定の患者さんだけ気になって、というのなら精神分析的に意味を持つんでしょうけど、全員なんです、これが。たぶん何ともないんだろうな、と思いながらも病棟に行ってカルテを見る。ほとんどの場合は”あ~何ともなかったね。そりゃそうだわ”と納得、そして看護師さんや当直の先生と”最近どうですかね”みたいな世間話をして帰る。

 おかしいですよね。おかしいのは分かっちゃいるんですが。。。1日1回のチェックで済むというのがまだまだ病理像の浅さを示しており日常生活も阻害しない(と言っても有休を取るのが何とも不安ですが)。これが何回もとかになったら恐ろしいですな。

 自宅に電子カルテがあったらどんなに楽だろうなぁと夢想し、でもこんなんじゃあなぁとも現実に悩み。。。桂枝加竜骨牡蛎湯でも飲むと違ってくるのかしら。
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コメント
精神科はやっぱり特殊なんだなー。毎日診察するのがダメな場合もあるのか。
やっぱ難しいわ。
たい焼き屋dot 2012.09.27 17:10 | 編集
>たい焼き屋さん 
本当に特殊ですよね。
もちろん柔軟性も必要でしょうが、こういう原則をしっかりと認識することが大事な科だなと思っています。
m03a076ddot 2012.09.28 21:15 | 編集
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