2012
09.14

そんな消え方?

Category: ★精神科生活
 アルコール依存症の患者さんは、入院してもその事実を黙っていることがあります。検査値ではAST(GOT)優位の肝酵素上昇、γ-GTP上昇、MCV上昇などが疑うきっかけにはなるものの、医療者はそれに気づかないことだってどうしてもあります。

 じゃあいつ気づくか?それは、離脱症状を起こした時。入院数日後から手が震えていたり、何か辻褄の合わないことを言ったり、そして幻視へ。医者が驚いて「何か知らんけど精神科呼べ!」と相談してくる、なんてことがあります。

 以前に他の科から相談を受けた患者さんは、幻視の症状が出てきて、家族に聞いたら初めてお酒のことがリークされたという方でした。対応をお願いします、とのことで赴いてお話を聞くと「トイレの中に魚がうじゃうじゃいる」「何万人という人が通りでパレードをしている」と言う訴えでした。興味本位で有名なリープマン現象をとってみたのですが、それは陰性。このリープマン現象はアルコール離脱症状を出している患者さん全員にやってるんですけどね、一度も陽性になったことがありません。

 その患者さんには、これ以上ひどくならないようにとジアゼパムを処方。この時ばかりはベンゾジアゼピン大活躍です。更に、脳症予防にビタミンもたっぷり点滴で開始。数日後、幻視はすっかり消失しました。良かった良かった。でもその治り方が興味深くてですね、患者さん曰く

「みんな(幻視の人物たち)がもう帰るって言うから、病院の出口まで見送ってきたんだわ。そしたらもう見えなくなっちゃった。ちょっと寂しいね」

 へ、へー…。そんな治り方ってアリなんですね。。。

 アルコールは怖いものです。なんだってそうですが、過ぎたるは及ばざるが如しという諺がそのまま当てはまります。大事なのは、一度依存となってしまったら一般的に根性ではどうにもこうにもならないこと。れっきとした”病気”となっているので、専門の治療プログラムが必要です。

 アルコールは肝臓に負担をかけて、果ては肝硬変にまでなってしまう可能性のあるものです。全否定すべきものではないでしょうが、身体を壊すような飲み方は決してしてはいけません。自分はめっぽう弱く、更に最近は寄る年波に勝てないのか飲む回数が減っております。数ヶ月に1回「ほろよい」を飲むかどうか…?ノンアルコールビールはたまに頂きますが。
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