2012
08.31

治療抵抗性の慢性咳嗽に抗けいれん薬?

 咳。特に身体に異常はないのに咳がコンコン続いてしまうことがあります。精神科、というよりも心身医学の方では良く分からないけれども咳がずっと出てしまって、咳止めをいくら飲んでも治らない、なんてことがあります。咳に限らず原因の分からない身体症状はプライマリケアではお手上げになって、色んな科に診てもらって、最終的には心療内科や精神科に紹介されてくるというパターンが実に多いです。

 精神科ではまことしやかに言われているのが”身体化”です。誤解を恐れず大雑把に言うと「心が傷つくよりも身体が傷ついた方がまだマシだ」と脳が考えて、苦しさを身体の症状に転嫁してしまうこと。「身体が劇場と化している」と評する医師もいます。そういった身体化の代表例が腰痛ですね。整形外科的には異常がないですよと言われても、痛くて痛くて。。。そういう方の背景には、自分や他者、真面目に診てくれない医療機関への怒りが無意識のうちにこめられていることが往々にしてあります。そこへの気づきを促していくと、徐々に痛みが取れていき感情を感情として認めてあげられるようになります。その怒りをターゲットに、胸脇苦満や腹直筋の緊張がある患者さんに抑肝散を使用すると痛みが良くなることも。

 そういった意味では、この咳にも精神科の介入余地がありそうです。そんな中、Lancetに抗てんかん薬のガバペンチン(ガバペン®)を使用すると症状が改善しましたよ、という報告が載りました。

Gabapentin for refractory chronic cough: a randomised, double-blind, placebo-controlled trial;The Lancet, Early Online Publication, 28 August 2012

 nは少ないのですが、ガバペンチンの方が有意にQOLを改善した、とあります。じゃあプレガバリン(リリカ®)はどうなんでしょうね??気になります。

 日本では漢方が活躍できますね。こういった慢性の咳ですと、気血水の理論で言うと気逆ですとか、五臓の理論で言うと肺陽気虚や肺陰液虚なんかが援用できそうです。

 とにもかくにも、ガバペンが有効というのは患者さんにとっても医者にとっても福音ですよね。
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