2012
07.01

補足:血液培養のグラム染色でブドウ球菌を見る

 S. aureusとS. epidermidisに代表されるCNSとの鑑別は重要です。患者背景も加味する必要がありますが、グラム染色で目星をつけられたら非常に大きな武器になることでしょう。以前、感染症のレクチャーシリーズではその2つの見え方として“CNSの方が丸々としていて少し大きいかな?”的なことをお話していましたが、これは培養をかけずに検体を直接染めたものからの経験を教えてもらった内容でした。

 今回は、血液培養ボトルの血液検体をグラム染色した時の見え方。コレが何と好気ボトルではS. aureusの方が大きく見えるということで、恥ずかしながらそれを知りませんでした。。。血液培養検体と非培養検体とでは見え方が異なるのか、それとも非培養検体の“CNSの方がちょっと大きく見える”というのが実は違っていたのかは分かりませんが、このままでは自分の記事を読んだ方々が間違って覚えてしまうかも。そうなると大変なので、ここで1つ記事を作ると同時に、以前の記事を少し修正しておきました。

 血液培養は機械を使って行いますが、主にBacT/ALERTシステムとBACTECシステムの2つがあります。このシステムの違いで少し見え方は異なってくるようです。まずはBacT/ALERTの方から。

Rapid identification of Staphylococcus aureus from BacT/ALERT blood culture bottles by direct Gram stain Characteristics; J Clin Pathol 2004;57:199–201.

 参考文献は上記。ここではこの様な基準を設けました。

みわけ1

 見え方はこんな感じ。

みわけ2

 確かに嫌気ボトルではS. aureusは劣勢という印象がありますね。この基準で行くと、何とほぼ正確にS. aureusをCNSから鑑別できるそうです。感度89%、特異度98%とのこと。凄いですね。。。

 そして次はBACTECの方です。参考文献は以下のもの。

血液培養液中のブドウ球菌属の塗抹グラム染色による形態学的鑑別; 感染症学雑誌第82巻第6 号

 ここではこんな基準。似たような感じですね。

みわけ3

 見え方はかように。

みわけ4

 BACTECシステムにこの基準を用いると陽性尤度比11.4と出ているようです。これもナイスな数字ですね。

 これらの2つ基準は似たようなものですが、互換性はないとのこと。Bact/ALERTで培養されたブドウ球菌にBACTECの基準を用いても駄目であると参考文献では記されています。

 ただし、この基準を盲信は出来ないんでしょうね。Rule outにはやや弱いか、という印象です。いずれにしてもmecA遺伝子同定とPCRをかけることは必要と思います。




追補:S. epidermidisを最近までS. epidermisと勘違いしていました。。。レクチャーシリーズでもずっとepidermisと記載しておりました。失礼いたしました。

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