2012
03.31

高血圧患者の血圧左右差

 血圧は左右で測れ!とポリクリの時に(形式的に)教わった記憶がありますが、実際臨床の現場ではそうそう行うものではなく。そんなに大事なんかい?と疑問に思っておりました。

 この前のBMJに載った論文では、その左右差に意味はあるのか、を調べています。

The difference in blood pressure readings between arms and survival: primary care cohort study
BMJ 2012; 344 doi: 10.1136/bmj.e1327 (Published 20 March 2012) Cite this as: BMJ 2012;344:e1327

 高血圧の治療を受けている患者さん230人を対象とした試験で、両腕の血圧を測りながら心血管イベントと死亡を拾っています。フォローアップは9.8年。何とも地味な作業ですね。

 10mmHg以上の血圧左右差は24%に、15mmHg以上の差は9%に見られました。

 全原因死亡の補正ハザード比は以下の様に。

10mmHg: HR 3.6(95%Cl 2.0-6.5)
15mmHg: HR 3.1(95%Cl 1.6-6.0)

 心血管系疾患の既往の無い183名でもこうなりました。

10mmHg: HR 2.6(95%Cl 1.4-4.8)
15mmHg: HR 2.7(95%Cl 1.3-5.4)

無題

 上述のように地味ではありますが、こういう簡単に誰でもできる、かつお金がかからないことで色んな出来事を予測することが出来るというのは、実に大切なことだと思います。池田正行先生も意識障害患者さんの収縮期血圧が頭蓋内病変の予測に役立つという論文を出していましたが(Using vital signs to diagnose impaired consciousness: cross sectional observational study. BMJ. 2002 October 12; 325(7368): 800–802.)、こういう類のものこそが臨床研究!莫大なお金をかけて(しかも製薬会社が主導)大規模トライアルをするのも良いのかも知れませんが、やっぱりグラウンドを大事にしたいですよね。

 ちなみに、左右差をもたらす最大の原因は”動脈硬化”とどこぞで習った記憶があります。
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