2012
03.30

栄養療法 Starter & Booster:第0回~目次

 さて、今回は栄養について。なかなか学生のうちは学ばない栄養。研修医になっていきなり必要に迫られて慌てて勉強する分野の1つかと思います。

 医食同源、という言葉がありますが、食事はとても大事。栄養摂れなくてヘロヘロになると傷の治りも遅くなるし褥瘡が出来やすくなるし感染症にも罹患しやすくなるし…。逆に多すぎるといわゆるメタボになっちゃいますし。適切な栄養というのは生活の基盤です。これは言い過ぎでは決してありません。入院患者さんにとっても、その患者さんに合った栄養というのを抜きにすることは出来ません。絶食の期間を可能な限り短くして早期に栄養を摂ることを開始してもらう。これが大事。軽視されがちですが、縁の下の力持ち的な存在です。栄養“療法”であることを意識しましょう。

 とは言っても、勉強していないと食事のオーダーも何となく言われたとおりにはいはいっと出してしまう。ちょっとやるか、と本を見ると病態ごとに注意点がたくさんある。。。血圧が高かったり心不全だったりなら塩分制限というのは分かるけれども、COPDの患者さんには炭水化物を抑えて脂肪を多くする…?脂肪って悪いんじゃないの?などなど。

 そして、経腸栄養の患者さんの栄養剤や、中心静脈栄養の製剤の種類に圧倒され。。。とにかくエンシュア®とかフルカリック®とかやっていれば良いのかな???とその場しのぎに。

 このように、分からないことがどんどん出てくるのが栄養療法。なにせ学生の頃はノータッチですからね。研修医になってからも積極的に勉強はしないし。更に、ちょっと興味が湧いて勉強しだすと、この栄養療法はまだまだ完成されたものではない!というのが嫌というくらい分かります。ガイドラインを見てもエビデンスレベルの低いものばかりが目立ちます。フロンティアなところが多いのが栄養の難しい所でもあり、面白い所でもあるのかしらと思います。だから自分がこれから言うことも、数年後にはひっくり返ってるかもしれません。

 特に最近は侵襲の大きな状況にあるCritically ill patientでは、現在の栄養療法では過剰栄養(overfeeding)になってしまって逆に良くないのでは???と言われています。彼らは体内で異化が起こり、それによりエネルギー供給がなされます。今まではその異化によるエネルギーを考慮せずにこちらが投与する栄養で必要カロリーをすべて賄うものと考えていました。また、そうすることで異化も最小限に喰い止められるとされていたんです。

 しかし残念ながら現実は甘くなく、いくら栄養療法を積極的に行なっても異化は抑制できず、かえって投与された栄養、特に糖が高血糖や栄養ストレスを与えてしまっているということが分かってきています。

 栄養療法が本当に”療法”になるためには、もう少し時間がかかるかも知れませんね。。。

 今回のレクチャーでは病態別までは入りません。あくまでも総論にさらっと触れて、後は急性期の患者さんの栄養療法について少しお話ししましょう。ただ、栄養療法の総論は誰が書いても大体似たような内容になってしまいますね。差別化を図るわけではありませんが、ここ数年注目されている急性期を重視して行こうと思います。本と違い、すぐ記事に出来るのがブログの利点かと。

 各項目について記事にしていきます(ここではリンクを貼っていきます)。
・栄養状態の評価→コチラ
・栄養投与経路の決定→コチラ
・必要エネルギー量の推定→コチラ
・栄養投与量の配分→コチラ
・栄養剤の分類概観→コチラ
・重症患者さんに対する栄養療法→コチラ
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