2012
03.16

研修医のための心電図・循環器治療薬のテキスト

Category: ★本のお話
 循環器用のお薬は、どの科に行っても使うと思います。代表としては高血圧。これくらいは全科の医師が治療出来なければ行けないと考えています。せっかくスーパーローテート制なんですから、糖尿病には及び腰になっても、高血圧や脂質異常症はきちんとした治療を行いたいですね。

 他に、救急外来に目を向けるとやはり循環系薬剤は知っておかねば行けません。どこから専門医に任せるかというのは難しいですが、そして無理は禁物ではありますが、血行動態の安定している不整脈への薬剤の知識くらいは欲しい。これは上級医も研修医も同じ。

 そして心電図。こればかりは読めなければ医師として成り立たないと言っても過言ではないでしょう。自分のいる精神科という、身体からは最も離れていて何やってるか良く分からないと思われている科でも、心電図を取ります。そして、正しい解釈も必要です。

 循環器薬剤と心電図。この知識は研修医のうちに身につけておくべきもの。そのための本を紹介。前回は循環器内科ローテート時のマニュアルを紹介しましたが(”循環器内科ゴールデンハンドブック”)、今回はきちんと勉強するための本。

 まずは心電図。これは、学生時代に各波の成り立ちを知っているものとして、実際の読み方に関する本を。もしまだ機序とかが分からん、と言う人は、”図解心電図テキスト”などで勉強しましょう。

図解心電図テキスト―Dr.Dubin式はやわかり心電図読解メソッド図解心電図テキスト―Dr.Dubin式はやわかり心電図読解メソッド
(2007/01)
デイル デュービン

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 心電図のメカニズムは知っているけど、実際読むことになったらナカナカ上手く行かない、、、自信がない、、、という研修医の先生。是非この本を。

3秒で心電図を読む本3秒で心電図を読む本
(2010/03/25)
山下 武志

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 ”3秒で心電図を読む本”です!これは素晴らしいとしか言いようがありません。実際に3秒で読めなくても良いですが、実際の臨床でどの点に着目して読めばいいか、ということが書かれています。洋書にもこんな良い本ありません。

 更にコチラ。

あなたが心電図を読めない本当の理由(わけ)あなたが心電図を読めない本当の理由(わけ)
(2008/10)
村川 裕二

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 これも白眉の出来。”続””続々”とありますが、まずは最初のこの本を。これも臨床で割り切った読み方をするための本。この2冊を是非読んで下さい。これで良いのかと肩の荷が降ります。

・心電図は症状と必ず併せて評価すること。
・心電図は心臓の形態を知るには不適。右房拡大とか左室肥大とか、そういうのはエコーの出番。心電図で評価するものではありません。
・心電図の得意分野は不整脈。虚血の大まかな予測にも使えます。裏を返せば、それ以外は苦手。
・心電図は読むと言うより”見る”もの。定性的な評価の意識を持ちましょう。
・ぱっと見て「この心臓元気そうだな」とか「何か前壁あたり元気なさそう」とかが分かると良い。
・電気的には、右室は紙みたいなもの!ぺらぺらなことを意識。

 自分はそう思っています。で、この2冊で読み方(見方)を学んだら、実践。

判読ER心電図: 実際の症例で鍛える Ⅱ 応用編判読ER心電図: 実際の症例で鍛える Ⅱ 応用編
(2011/06/30)
A. マトゥー、W. ブラディ 他

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 基本編と応用編とがあります。基本編はAmazonでNO IMAGEだったので、画像のある応用編を載せました。まずは基本編を使って、実際に”3秒で心電図を読む本”と”あなたが心電図を読めない本当の理由(わけ)”で学んだやり方で試合をしてみましょう。そうやって勉強していくと、ぐんぐん分かってきます。

 特に”3秒で心電図を読む本”は眼からウロコが落ちまくりなので、初期研修医の皆さんは早めに読みましょう。心電図の理解について、肩の荷が降りてくれますよ。

 次に循環器薬剤ですが、何と第2版が出ました。

循環器治療薬ファイル -薬物治療のセンスを身につける- 第2版循環器治療薬ファイル -薬物治療のセンスを身につける- 第2版
(2012/03/15)
村川裕二

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 上手い、の一言。説明が上手すぎます。分からないことを分からないと言えるのは、すごく大事なこと。濁さずに臨床に即して書かれてあります。エビデンスも十分量記載されてますが、何よりも村川先生が臨床で頭を悩ませながら頑張っている姿が眼に浮かんでくるようで。。。素晴らしい出来で唸ってしまいます。

 そして、不整脈ではコチラ。

不整脈治療薬ファイル ―抗不整脈薬治療のセンスを身につける―不整脈治療薬ファイル ―抗不整脈薬治療のセンスを身につける―
(2010/09/01)
村川裕二

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 これも村川先生ですが、割り切って不整脈治療薬を使うにはどうすれば良いか、が書かれてあります。この2冊は、満点を狙うための本ではなく、外さないための本。悪くない選択を実際にするための、非常にプラクティカルな本。内科へ進もうと思っている研修医の皆さんは是非。

 まずはこの2冊。それで外さない治療が出来るようになることが最も大事です。最新のエビデンスを追い求めるのは良いですが、エビデンスは簡単にひっくり返ります。しっかり地に足を付けて、持っている薬剤でどう上手く立ち向かうか、それが重要です。

 ICUでも循環器に作用する薬剤は必須。その観点からは大野先生の”ICU/CCUの薬の考え方、使い方”が秀逸。これはICUを廻る研修医の必読本と言いたいくらい。

ICU/CCUの薬の考え方、使い方ICU/CCUの薬の考え方、使い方
(2011/03)
大野 博司

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 他、循環器の病態を掴む本を以下に列挙します。

不整脈で困ったら不整脈で困ったら
(2009/03/25)
山下武志

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Revolution 心房細動に出会ったらRevolution 心房細動に出会ったら
(2011/03/25)
山下 武志

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循環器病態学ファイル―循環器臨床のセンスを身につける循環器病態学ファイル―循環器臨床のセンスを身につける
(2007/03)
村川 裕二、岩崎 雄樹 他

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 山下先生と村川先生の本ばっかりになってしまいましたが、このお2人が最も研修医や非専門医のことを考えた教科書作りをしてくれている気がします。現在の治療の有用性と限界性の両方をしっかりと教えてくれるんじゃないかな、と考えてます。
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