2012
01.21

感染症診療 Starter & Booster:第9回~抗菌薬について知っておくこと-7

第9回目次→コチラ

7)多剤耐性への切り札?アミノグリコシド系、アズトレオナム
 アミノグリコシド系は細胞内のリボソームに作用し、ゲンタマイシン(ゲンタシン®)、トブラマイシン(トブラシン®)、アミカシン(ビクリン®)などがあり、血中濃度をモニタリングして使用します。この薬剤は好気性GNR、特にP. aeruginosaを代表とするSPACE+αのためのものと考えましょう。大事なこととして、嫌気下では効力を発揮しない、すなわち嫌気性菌にはお手上げな点ということがあります。低pH下も苦手なので、膿瘍もダメです。単独でGPCに立ち向かうというのも無謀です。髄液移行性はありません。しかし多剤耐性のGNRにも効くことがあり、今後は少しその場面で活躍するかもしれません。

 こうして見ると、市中感染で使うような代物ではなさそうです。この薬剤、現在は単剤で使われることはあまりなく、多くは重症感染症への併用で目にします。ただし併用が格段優れているという実証に乏しいのも事実。IDSAの発熱性好中球減少症ガイドラインからは、併用療法が推奨から外されました。主に使われるのはGPC感染、それも主に腸球菌感染ですが、それに対しては、腸球菌がゲンタマイシンに高度耐性でなければβ-ラクタム系との併用を行います(GPC感染に併用するアミノグリコシド系はゲンタマイシン一択と考えておきましょう)。

 アミノグリコシド系は少し前までは1日複数回投与だったのですが、時間依存性と濃度依存性の原則から、1日1回投与が最近はなされることも多くなりました。副作用、特に腎毒性も1日1回の方が軽くなっています。ただし、1日複数回投与が推奨されているものもあり、感染性心内膜炎や重症感染症がその例です。また、アミカシンは他のアミノグリコシド系に耐性のGNRにも使用できるという特徴があります。

 アズトレオナム(アザクタム®)はモノバクタム系に属し、広い意味でのβ-ラクタム系です。ペニシリン系やセフェム系にアレルギーがあっても使用可能。スペクトラムはアミノグリコシドから副作用を取り除いたものと覚えておくと良いかもしれません。なら使いやすいじゃないかと思って乱用すると、すぐ耐性が出来てしまいます。あくまでも、代替薬がない時にのみ使いましょう。
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