2011
11.27

感染症診療 Starter & Booster:第2回~青丸!グラム陽性球菌について

目次→コチラ

 今回はGPCについてです。GPCの分類は、連鎖球菌グループ、ブドウ球菌グループが大きな分け方。肺炎球菌は連鎖球菌グループに属します。また、腸球菌も便宜上このグループに入れておきます。ですが、臨床的に有用なことから、更にその2グループからから薬剤耐性のグループも抽出しておきましょう。薬剤耐性にはペニシリン抵抗性肺炎球菌(PRSP)やメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)、バンコマイシン耐性腸球菌(VRE)などが含まれます。治療薬選択に大きく影響するため、この第3のグループも意識。これらのグループの細かな知識や耐性菌については後々お話ししようと思います。まずは今のところは大枠をとらえましょう。

☆GPCの3分類
・連鎖球菌グループ
・ブドウ球菌グループ
・薬剤耐性グループ


 さて、GPCは大きく言えば皮膚や気道といった身体の表面に馴染みがあり、この部位にそれぞれ常在していると考えます。そしてその表面のバリアが崩れると、そこから感染を起こしてくるのです。逆に言うと、常在部位から遠く離れた場所は苦手としています。誰しも遠くに行くとちょっと寂しくなるもんですね。



 例えば、蜂窩織炎は皮膚のバリアが破れた時に、S. pyogenesS. aureusなどが縄張りである表皮からその近くに移動して起こします。気道も身体の表面なので、肺炎や副鼻腔炎も気道に住むS. pneumoniaeが主な原因菌です。GPCの勢いが強いと、頭の方へ行って髄膜炎を、血流に乗って心内膜炎などを引き起こします。もちろん例外もあり、腸球菌やS. bovisなどは後述のGNRと同様の場所に住んでますし、S. agalactiaeという奴は皮膚にもいるし直腸や女性生殖器にもいるし、あんまり節操ありません。こういうひねくれ野郎はどの世界にもいるのです。

 ただ、細菌にも更なる個性があり、感染を起こすのが得意な臓器はそれぞれ異なっているんです。S. pyogenesは肺に感染を起こすのが苦手。S. aureusも実は苦手な方で、彼らはCOPDやインフルエンザ感染など、大々的な損傷を足がかりにしないとなかなか感染できません。

 この個性や常在部位から離れた部位を苦手とする性格は、GPCに限らずどんな菌にもあります。常在部位・感染を起こしやすい部位・苦手な部位の3つは常に意識しましょう。細菌にも性格があるなんて知ると、少しは親しみが、沸かないですかね…。
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コメント
この前コメントした6年生です!
すごく分かりやすいですね!特に細菌の常在部位を覚えるのが大事だっていうところが新鮮でした。
学生はどうしても感染症じゃなくて微生物学って意識が強いので、先生みたいに臨床の視点からまとめてくれてるのはすごく助かります!
今後のレクチャーも期待してます!!
6年生dot 2011.11.28 01:04 | 編集
>6年生さん 
ありがとうございます。
常在菌を覚えることは感染原因菌を覚えることにもつながるので、大事なんですよ。
確かに学生さんは微生物学と感染症との壁がありますね。以前にもそういうコメントを下さった方がいました。
学生さんにもある程度分かるように説明していきますので、よろしくお願いします。
m03a076ddot 2011.11.29 19:57 | 編集
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