2011
11.25

診断推論 Starter & Booster:第1回~鑑別を行う場所

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 第0回に、救急外来に重きを置いてとお話ししましたが、場所によって診断のスタイルは異なるのか?と思うかもしれません。少し説明してみますね。

 診断というのを端的に言うと、主訴から引き出された鑑別疾患を、最終的に1つに絞り込む作業。その作業は、外来と病棟とではとらえ方が少々異なってくるんです。

 外来、特に救急外来や初診では「見逃してはいけない疾患(Critical & Curable)」と「良くある疾患(Common)」に的を絞って診断を手早く進めます。見逃してはいけない疾患はまさに名のごとしでして、見逃したら患者さんに大きな障害を与えてしまいます。良くある疾患は、頻度の高いもの。これを知らずにいたら診療が成り立ちません。この2つを知って臨む、裏を返すと、少々レア感があって見逃しても差し当たり大きな障害はないだろうなーという疾患は頭の中に浮かびません。なので、家族性地中海熱や慢性活動性EBウイルス感染症なんてのは最初から想定しないのです。言ってしまえば、割り切ったお付き合い。当然、問診や診察においてもTop to Bottomの出番はあまりなく、的を絞って想定した鑑別疾患に関連したところをテキパキと攻めます。ただし、「見逃してはいけない疾患」については泥臭くても良いので丹念に調べることが大事になってきますね。大丈夫と思って帰宅させたら...な事態に、というのは避けなければいけません。患者さんに害を与えることは、理想的にはあってはならないことなのです。

 以上の様に、外来では治療可能性と緊急性を重要視するので、どうしても他の疾患群には手が届きません。消極的と言われるかもしれませんが、診断にかかる時間や検査コストなどを考慮すると、そのようにせざるを得ないところはあります。ただ、外来を繰り返しているという状況では、患者さんの持っている疾患が見つからない状況。すなわち徐々にレア感のある疾患にまで手を伸ばしていく必要はあるでしょう。

 対して病棟では、大抵は外来で「原因が分かりませんねぇ。ちょっと入院して調べてみましょうか」という状態です。ということは、どうしても珍しい疾患に思いを馳せますし、問診や診察はフルで行ってわずかな所見でも手がかりとして用います。検査もちょっと手の込んだものを必要とします。もちろん病棟でも新規発症の場合は緊急性を常に考慮することを忘れてはいけません。

 初診外来とそれ以降。2つの立場の違いは明確にしておく必要があります

 それを極端な図にするとこの様な感じに。左端が初診で、右に行くにつれて再診を繰り返し、最後は分からず入院精査ということを示しています。


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