2011
11.05

喘息と抑うつ

 良く読むCHESTから、思春期の喘息とdepressionとの関連について。

Salma Bahreinian, et al.
Depression Is More Common in Girls With Nonatopic Asthma
CHEST 2011; 140(5):1138–1145

 喘息は小児においてdepressionを合併するリスクを上昇させる可能性が指摘されています。これを検証した論文。殆どabstractしか読んでませんが。。。

 この試験はカナダで行われました。11-14歳の小児で、小児アレルギー医により喘息、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎と診断された患者さん。

 カテゴリーを4つに分類しています。

atopic asthma
nonatopic asthma
atopy-no asthma
no atopy or asthma

 抑うつ症状は、the Children’s Depression Inventory-Short Form(CDI-S)により調査。これはDSM-IVに則っており、depressionとはスコア2点以上のものと定義されました。データはロジスティック回帰モデルを使用して、喘息に対する小児のdepressionの尤度を解析しています。

 結果ですが、非アトピーもしくは非アレルギー性喘息の女児は抑うつ症状が健常女児の3倍であったとしています(OR, 2.84; 95% CI, 1.00-8.10; OR, 3.47; 95% CI, 1.30-9.25, respectively)。

 更に、女児では腹囲が10cm増加するにつれて、39% から56%のdepression発症の増加となりました。

 男児では、喘息や腹囲はdepressionとは関連しなかったとしています。

 結論は、喘息合併の女児や過体重の女児をみたときには抑うつ症状がないかどうか確認、合併している場合には治療すべきである、とのこと。



 自分はこのCDI-Sというのを寡聞にして知りません。どのくらいのパワーを持つものなのか知らない上で言うのも気がひけますが、このスコアがカットオフ以上で即depressionと診断するのはちょっと機械的すぎる印象があります(たぶんこの論文、depressionはDSMで言うmajor depressive disorderだと思いますが)。

 DSM自体機械的ですが、どうなんでしょう。この質問紙で閾値を超えたら、一度精神科医に診てもらうというワンクッションを入れても良いような気もします。このCDI-Sが恐ろしいほどの力を持っているものであれば、その限りではないのでしょうが。。。
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追加情報
 CDI-Sの本家であるCDIについては、clinical evidenceに以下の記載がありました。

Self-report questionnaire (administrator may read aloud while child fills in) consisting of 27 items. For each item, the child chooses one of 3 statements describing how they have felt over the previous 2 weeks. Covers most DSM criteria for depressive disorder. Can be used as a depression screening instrument, a confirmatory diagnostic tool, and a measure of treatment response in children. Variable test–retest reliability (0.38–0.87) but sound internal consistency (0.59–0.88).
Items scored on a scale of 0 (least difficulties) to 2 (greatest difficulties). An aggregate score (range 0–54) of 11 or greater is associated with depressive disorder (sensitivity 0.67, specificity 0.60). Items load onto 5 factors: dysphoric mood, acting out, loss of personal and social interest, self-depreciation, and vegetative symptoms.

 uptodateにはこの様に書かれていました。

•Diagnosis should be based upon a formal clinical interview with the adolescent that is supplemented by information from parents and teachers. Standardized instruments such as the Beck Depression Inventory (BDI) , the Child Depression Inventory (CDI), or the Reynolds Adolescent Depression Scale (RADS) are useful as screening tools and to monitor functioning, but they should not be used as the basis for diagnosis.

 感度特異度の点や、診断のために用いるべきではないという記載からすると、CDIでアタリを付けて専門医による診察へ、という流れが良いような気もします。
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