2011
07.10

肺炎、喘息、COPD

Procalcitonin and C-Reactive Protein in Hospitalized Adult Patients With Community-Acquired Pneumonia or Exacerbation of Asthma or COPD
CHEST 2011; 139(6):1410–1418


 近年、抗菌薬は簡単に処方されすぎて薬剤耐性の細菌をポンポン生み出しています。細菌感染のバイオマーカーがあれば、この無駄な使用を減らせるかも知れません。

 この論文では市中肺炎と喘息・COPDの急性増悪との鑑別において、プロカルシトニンとCRPを用いています。
62人の肺炎、96人の喘息、161人のCOPD患者が登録されました。

 プロカルシトニンとCRPは強く相関していて、肺炎でプロカルシトニンとCRPが有意に増加していました。

 肺炎と喘息・COPDの急性増悪とを区別するためのROC曲線下面積(95% CI)は、プロカルシトニン、CRPでそれぞれ0.93 (0.88-0.98) 、0.96 (0.93-1.00)でした。



 そして、CRPが>48 mg/Lの時、つまり日本の単位にしてCRP>4.8mg/dLでは感度91%(95% CI, 80%-97%)、特異度93% (95% CI, 86%-98%)で肺炎と喘息・COPDを区別できるとしています。

 尤度比を計算してみると、LR+13, LR-0.1となりました。結構良い数字ですね。


 ちょっとこの論文は単純すぎる方法で行われていますが、CRP復権の兆し...?

 しかし、CRPは発症から上昇までのタイムラグがかなりあることを忘れてはいけません。最低でも6時間(プロカルシトニンは3-4時間)。これも考慮すると、おそらく発症から早めに受診した患者さんではCRPが上昇してないから抗菌薬投与がされずに帰宅、となるかもしれません。あくまでも血液検査は補助的なものであるという姿勢を崩さないのが大事。患者さんの背景・病歴・診察を細かく追跡することで、検査前確率が大分違ってくることは言うまでもありません。

 でも、使いようによってはCRPは優秀なマーカーです。振り回されずに使いこなすことを覚えるのも大事ですね。

 ちなみにプロカルシトニンガイドの抗菌薬治療も少しずつ浸透してきているようです。PRORATA studyでその地位をがしっと強固なものにした印象はありますが、あんまりcost-effectiveではないような気も。また、何でもかんでもプロカルシトニンガイドというのも、馬鹿の1つ覚えですね。繰り返しですが、診療というのは病歴と診察あってのもの。なので、こういうものを利用するのは「病歴と診察が有用でない時」です。例えば寝たきりで意思疎通の取りづらい患者さん、ICUで鎮静のかかっている患者さんなど。何でもプロカルシトニンを乱発してはダメです。考えるということ、そして患者さんの所に行って話を聞く/診察をするという基本的なことをせずに、値だけ追っかける。これだけは絶対にしてはいけません。
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