2011
06.07

精神障害、深部静脈血栓、肺塞栓。

Antipsychotic drugs and risk of venous thromboembolism: nested case-control study
Parker C, Coupland C, Hippisley-Cox J.
BMJ. 2010 Sep 21;341:c4245. doi: 10.1136/bmj.c4245.

 抗精神病薬で静脈血栓塞栓症(VTE)のリスクが上昇する、という論文。これまでも抗精神病薬とVTEとの関連は言われていましたが、この論文によって詳細なデータが出ました。

 リスクが特に高かったのは

・新たに使用を開始してから3カ月以内の患者さん
・非定型抗精神病薬を投与されていた患者さん

など。

 更に、高力価よりも低力価の方でリスクが高いことも分かりました(最もリスクが高かったのがクエチアピン)。また、当然のことながら、複数種類の方がハイリスク。

 精神科かかりつけの患者さんが救急外来に来た、というだけで救急外来のスタッフは思考停止してしまいがち。「息が苦しい」と訴えても、どこか鑑別が疎かになってしまうことが少なくありません。精神科の患者さんでも、精神科の患者さんだからこそ、背後に見逃してはいけない疾患が隠れている。そう考えて、診療に当たらなければならないということも知らせてくれる論文でした。

 ちなみに、ポケットブックでは「精神障害のある救急患者対応マニュアル」というのが秀逸の出来です。精神科医のみならず、救急医の先生方には目を通しておいて頂きたい一冊。個人的には、必読、と言いたいくらいですが、それは精神科医だからかもしれません。

 抗精神病薬がどんな身体疾患を引き起こすのか、というのに興味が沸いた人には「予測して防ぐ抗精神病薬の『身体副作用』」が分かりやすいです。各薬剤の受容体プロフィールによる副作用もとても有用。
トラックバックURL
http://m03a076d.blog.fc2.com/tb.php/1356-e5ae1099
トラックバック
コメント
管理者にだけ表示を許可する
 
back-to-top