2011
05.18

スルピリドとスルトプリド

 抗精神病薬に「スルピリド(商品名:ドグマチール、アビリット、ミラドールなど)」というお薬と「スルトプリド(商品名:バルネチールなど)」というお薬があります。

 一般名も商品名も似ている2剤。添付文書上の投与量は


 スルピリドは、統合失調症に対し「スルピリドとして、通常成人1日300~600mgを分割経口服用する。なお、年齢、症状により適宜増減するが、1日1200mgまで増量することができる」

 スルトプリドは「スルトプリドとして、通常成人1日300~600mgを分割経口服用する。なお、年齢・症状により適宜増減するが、1日1800mgまで増量することができる」


と、これまたほとんど同じ。

 しかし、スルトプリドに関しては添付文書に従うと大変なことになります。

 これに関しては自分の属している精神科の教授も注意するように述べており、下記の文献をレジデントに配布していました。

The antipsychotic sultopride is overdosed – a PET study of drug-induced receptor occupancy in comparison with sulpiride
International Journal of Neuropsychopharmacology (2006), 9, 539–545. Copyright f 2005 CINP doi:10.1017/S1461145705006103

 この論文は、スルピリドとスルトプリドが、どの用量で大脳皮質D2受容体をどのくらい占拠するかをPETで調べたものです。一般に、受容体占拠率70%前後が最も精神病症状に効果的で、80%を超えると錐体外路症状(EPS)が出てしまいます。この2剤で調べた結果は以下の図のよう。



 スルピリドはD2受容体を70-80%占拠するのに1010-1730mg必要だったのに対し、なんとスルトプリドは20-35mgで済んでしまうのです!!!!

 添付文書に従うと、初期投与量だけでほぼ100%のD2受容体を占拠してしまいEPSが出現。。。

 ですので、スルトプリドを使用する時は、投与量に気をつけましょう。
トラックバックURL
http://m03a076d.blog.fc2.com/tb.php/1352-a197e444
トラックバック
コメント
仕事の重圧で食事が採れず、ドグマチールを処方されました。
このお薬はどういったお薬なんですか?食事が食べられるようになるの
ですか?
佐竹dot 2014.04.18 13:42 | 編集
>佐竹さん

ありがとうございます。
ドグマチールは少量(30-150mg/day)使うことで消化管の動きを良くしたり食欲を少しアップさせたりすることがあります。
内科の先生がよく使うお薬です。
150mg/day以上だと手のふるえや足のそわそわ感、血液検査では高プロラクチン血症というのが出ることがあります。特に高齢者では出やすいので、そういった症状が出たら主治医の先生に相談をしてみてください。

> 仕事の重圧で食事が採れず、ドグマチールを処方されました。
> このお薬はどういったお薬なんですか?食事が食べられるようになるの
> ですか?
m03a076ddot 2014.04.20 17:25 | 編集
お返事ありがとうございます。少し食欲を増やすとのことですが、
ドグマチールより食欲が増すお薬はありますか?
質問ばかりですみません。
佐竹dot 2014.04.20 20:36 | 編集
>佐竹さん

あるにはありますが、やめやすさや身体への影響を考慮するとドグマチールが無難と思います。
m03a076ddot 2014.04.24 08:31 | 編集
お返事ありがとうございます。昨日久々にジョギングをそたところ、
久々に空腹感を感じ食事がある程度取れました。
ジョギングなどの有酸素運動はストレス解消効果があるとネットで見ますが、
医学的にも根拠のあることなのでしょうか?
佐竹dot 2014.04.24 14:08 | 編集
>佐竹さん

ありがとうございます。
運動は確たる科学的証拠があるかと言われるとちょっと難しいところもありますが、最近は高齢者の認知機能改善効果やうつ病でも症状改善効果があるという論文がいくつか出てきており、プラスの効果があるのではないかと指摘され始めています。もちろんやりすぎは良くないですが、ご自身で適度な運動を探しながら行なっていくのは良いことだと思います。
m03a076ddot 2014.04.28 08:15 | 編集
管理者にだけ表示を許可する
 
back-to-top