2011
05.14

ロイコトリエン拮抗薬の実力

 少し前に、COPDの治療薬についての論文を紹介しました。

 COPDと来たら、お次は喘息。ということで、NEJMの新しめの論文。

Leukotriene Antagonists as First-Line or Add-on Asthma-Controller Therapy
N Engl J Med 2011;364:1695-707.

 ロイコトリエン拮抗薬(LTRA)は自分の中では、印象として「どうなのかしら??」という感じでした。あんまり信用していなかったというのが正直なところ。今回の試験は

★長期管理の第一選択としてLTRAと吸入ステロイドを比較する試験
★吸入ステロイドを投与されている患者への上乗せとしてLTRAと長時間作用型β2 刺激薬(LABA)を比較する試験

というもの。かかりつけ医のところで2年間の非盲検的な治療をしています。

 LTRAごときがステロイド様に肩並べようなんざ早い早い、との思いで読んだところ、、、


 結論として、2ヵ月時の時点においてプライマリケア医を受診するような喘息患者では、LTRAはコントローラーの第一選択薬として吸入ステロイドと同等で、また上乗せとしてはLABAと効果が同等であることが示唆されました。2年の時点では同等性は証明できなかったとしています。



 2年では残念な結果でしたが、リアルワールド(良い訳語が思いつきませんでした。実臨床?)における差は微弱でして、アドヒアランスの観点からもLTRAが第一選択薬として遜色ないという点を述べています。

 実地臨床試験の結果の解釈には限界がありまして、治療群間のcross-overとプラセボ群が設定されない点というもの。その限界性を踏まえた上で、やはり今回の結果は驚きとしか言いようがありません。まさかLTRAがこんな実力を持っているとは。。。COPDの時の予想は当たりましたが、今回は大ハズレ...。

 臨床では、最初からステロイドとLABAとの合剤(アドエアなど)を使うことが多いので、今度はそれとの比較なんてのも面白いかもしれませんね。

 ちなみに救急外来では、喘息の鑑別の1つに心不全、いわゆる「心臓喘息」がありますので、疑わしい患者さんでは3音・頸静脈怒張・心尖拍動の外側偏位(これらは陽性尤度比が非常に高いです)を見たり、胸部レントゲンで肺水腫を確認したりしましょう。自分はエコーを活用しております。IVC径を見て、肺エコーでB-lineがびゅんびゅん走っているかどうかを見ましょう。心エコーでは壁運動の様子を眺めます。

 肺エコーは本当に使えるので、是非是非トライしてみて下さい。
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