2011
03.25

ロキソニン、ついに市販へ!



 私たちがぽいぽいっと処方する鎮痛薬に「ロキソニン(ロキソプロフェン)」があります。NSAIDsの代表格でして、最もポピュラーなお薬。強さで言えば、史上最強のNSAIDsなどと言われる「ボルタレン(ジクロフェナク)」には及びませんが、1錠でそれ相応の鎮痛が期待できるので良く処方されます(自分は安心安全のカロナール派ですが)。

 痛み止め下さいと言われれば、とりあえずビール的な感じでロキソニンが処方されています。

 それだけ患者さんや医療従事者にも慣れ親しんだお薬。それが遂に市販となりました。今まで出ていなかったのが不思議なくらいですが、満を持しての登場という感じ。裏を返せば市販されていなかったからこそ処方での意味があったわけで、これで広く皆さんが持つようになると

Dr.「じゃあロキソニン出しておきますね」
Pt.「はい、ありがとうございます」

という感じから

Dr.「じゃあロキソニン出しておきますね」
Pt.「それ持ってます。もっと良いの下さい」

との返答が出てきそうな...?

 この市販ロキソニンは、投与量は1回1錠60mgです。これは私たちが処方する投与量とほぼ同じ。処方だと最大1回120mgまでO.K.ではありますが、医者も1回2錠飲ませることはあんまりありません。自分が1回120mg飲んでもらうのは片頭痛の患者さんでどうにもならない時くらい。ロキソニン2錠とプリンペラン1A静注の併せ技が効きますよ。プリンペランは片頭痛の嘔気だけでなく頭痛そのものにも効果があり、ロキソニンと併せると相乗効果を発揮。頑固な痛みも取ってくれます。ただ、静注でなければ片頭痛の除痛効果はない、というのがポイント。Evidence Basedなんですよ。

 あと、ロキソニンより強い有名なNSAIDsになると上述のようにボルタレンとなりますが、これは坐薬の形式で尿路結石の痛みに1対1対応のように使われます。50mgがっつり使えば大体の尿路結石は静まってくれます。困るのが、それで良くならない時。尿路結石の痛みは、尿管の蠕動と炎症によるもの。主体は炎症による痛みなのでNSAIDsが適役。しかし、ボルタレンが効かない時は、2つの機序をきちんとブロックしようということで自分は「ボルタレン+ブスコパン」を出してます。こっちはEvidence BasedではなくExperience Basedでしかありませんが、これで治まってくれます。昔々の日本は尿路結石と言えばブスコパンを処方していましたが、比較試験でボルタレンに敗れて第一選択からさようならしてしまいました。ここで復古というわけではありませんが、2人仲良く手を取り合って頑張ろうではないかという感じで使っています。

 他にロキソニンだけじゃ痛みが取れない時は、自分はカロナールさんに出場してもらいます。カロナールの一般名はアセトアミノフェン。この2月からは処方量の上限が1回最大1000mgになったことは自分を喜ばせるものでした。ロキソニンを代表とするNSAIDsは、COX-2を阻害して炎症による痛みを取ってくれます。COX-1も阻害するので胃粘膜障害が起こるのですが、COX-2を選択的に阻害するモービックなどは、救急外来ではほとんど処方しないかと。カロナールは、良く出される割に作用機序が明らかになっていません。脳にあるCOX-3を阻害するのでは?と言われていますが、確定事項ではなく。ただ、NSAIDsとは作用機序が異なるというのは分かっているので「ロキソニン+カロナール」は除痛に関して相乗効果がありそう。そんな気持ちで処方してます。これも申し訳ありませんがExperience Basedです。。。去痰薬の「ムコダイン+ムコソルバン」というムコムコ処方と似た発想。
でもきちんと痛みの原因は考えなければいけません。たとえば「頭痛持ち」の患者さんがいつもロキソニンで治まっているけど今回はなぜかダメ、という時は、ひょっとしたら怖い病気が隠れているかも?と、考えましょう。これは忘れちゃいけません。

 ちなみに本音を言うと、自分はロキソニンよりもブルフェン(イブプロフェン)が好きなのですが、勤めている病院では院内処方がないのでした。NSAIDsの中では最も安全なんですけどね、ブルフェン。個人的な好きさ加減で言うと

アセトアミノフェン>イブプロフェン>ロキソプロフェン

となっています。

 ブルフェンは、NSAIDsではありますが一応子供にも出せることになっています。アセトアミノフェンは子供の喘息のリスクになるんじゃない?と最近言われ始めていて(決して確定ではないですよ)。ひょっとしたらこれから子供の発熱や痛みにはブルフェン?そんな時代が来るのかも。


 何やら話があっちこっち飛んでしまいましたが、つまりはロキソニンが市販されて良かった、という内容でした。深夜にこの記事を打っているので、一貫性の無さはお許しください。。。
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コメント
市販されたんだなー、ロキソニン。
せめて市販の方の名前を変えてくれればロキソニンってばれなかったかもしれないな。アセトアミノフェンも小児用バファリンって名前だからカロナールでも大丈夫な気がする。
たい焼き屋dot 2011.03.25 18:35 | 編集
確かに確かに。名前が変わると分からないかもしれませんね。
いずれにしても市販されたことは患者さんにとって福音となるんでしょうね。胃潰瘍には気をつけないといけませんが。
m03a076ddot 2011.03.27 01:48 | 編集
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