2011
03.03

カロナール無双!

 2011年2月、解熱鎮痛薬のカロナール(一般名:アセトアミノフェン)の処方用量が改訂されました。

 これまでは、日本は一回用量が最大で500mgまで。実は、これではなかなか効かないんです。一般的には体重10kg当たり100-150mgが適切な量なのですが、上限500mgの壁が邪魔をしていました。当院ではカロナール錠は200mgが採用なので、これまでは大体1回2錠、つまり400mgの処方でした。体重が40kgまでの人ならこれでO.K.ですが、それ以上だと思うような効果が得られません。でも3錠にすると600mgになってしまって保険的にマズイ。そもそも一般成人なら体重50kg以上の人が多いので、500mgも効きにくい。

 なので、自分は救急外来で処方上は1回2錠にしておいて、患者さんには「1回2錠飲んでください。でも、効かなかったら3錠まで良いですよ」と伝えていました。この投与量の不条理な上限のせいで「カロナールなんて効かないよ」と思う医療従事者や患者さんが多いのです。

 しかし!これからは大手を振って、体重に合わせて出すことが出来ます。世界標準レベルにやっとアセトアミノフェンも到達してくれました。一番恩恵を被るのは、癌性疼痛の患者さんだと思います。アセトアミノフェンは、十分な量を投与すればNSAIDsに劣らない効果をより安全に得られます。一回量をどんどん上げていくことが保険上でも出来るようになったので、これは嬉しい。もちろん、肝障害の副作用に注意は必要ですが。

 救急外来でも大助かり。診断はもちろん大事ですが、患者さんは痛みや熱をとってほしいというのが訴え。そのためのお薬、NSAIDsではないお薬を、きちんと出せるようになったのは凄い進歩だと思います。新しいお薬も大事ですが、こういう頻用されるものが合理的な投与量になってくれたということは、多くの患者さんが助かることだと思います。早く色んな抗菌薬や向精神薬も十分量使えるように変わって欲しいものですね。

 あとカロナールで贅沢を言うとすれば、アスピリン喘息に禁忌なところを慎重投与あたりにしてもらえれば、と考えています。発作を起こしていなければ低~中等度の用量なら比較的安全に使えますし。初回は経過観察したいところですが。

 ちなみに、自分は今日(2011/03/03)初めて、カロナールの処方量が改訂されたことを知りました。。。知った時はびっくりというか唖然と言うか、いつの間に!?という気分でした。

 でも嬉しかったです。嬉しすぎて、研修医1年次に院内のChartMailで「改訂されたぞー」と送ってしまった…。


内輪:ただし、病名が「急性上気道炎」であれば、従来通りの処方量が上限です。しっかり効かせたい時は「頭痛」や「筋肉痛」などの病名を付けましょう。
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