2010
12.10

ヘインズ神経科学という教科書

Category: ★本のお話
 神経科学、というと日本の医学部ではあまり聞きなれないところかもしれません。

 神経解剖や神経生理などなど、神経系全部乗せ!という分野。それを扱った教科書は日本語で書かれたものはあまりなく、あっても分野分野で薄い所が多いです。やはり頼るのは英語の本、もしくは訳書。

 学生の頃は”from neuron to brain”という古典的教科書を図書館でちょこちょこっと読んだ記憶があります(懐かしいなー)。3週間ちょっとで挫折しましたけど。。。

 で、今回紹介するのは「ヘインズ神経科学」。

 特徴は、綺麗なイラスト!そして、その綺麗なイラスト任せにしないできちんと説明してあるところ。親切なつくりです。

 欠点は探そうとして探すと、、、

多著者なので、統合性という点ではどうかしら(これはどの本にも言えます)。
電気生理の説明が少し弱いかもしれませんが、神経伝達の部分は「なるほど!」と思うところすごく多し。自分はもともと電気生理学理解がダメダメなので、それを差し引いてくださいまし。
神経系の発達は、自分には難しかったです。。。その分野を良く分かっていないので、ヘインズを読んでも適正な理解は出来ないのかなと思います。

 こんな感じ?

 他の分野は読んでて面白いと思わせてくれます。

 写真とグラフィックは数ある神経科学の本の中でも一番ではないでしょうか。これだけでも買う価値ありかもしれません。アトラスとしても使えてしまえそうな。。。


 ただし、お高い。。。かつハードカバー。。。


 原著は1万円しないんですが、この訳本は21000円とちょい高めの設定。学生時代にこの値段に手が出るか?と言われると、、、。

 でも日本語はなめらかで、ほとんどストレスは感じません。


 神経興味ないなーという学生さんには、「神経解剖カラーテキスト」とか「イラスト解剖学」の神経の章とか、サクっとまとまった教科書で良いかと。

 将来は神経内科、脳神経外科、もしくは神経の基礎研究!という学生さん。神経解剖、神経生理、神経薬理、アトラスなどなど数冊買うなら、質の高い「全部乗せ」のヘインズも候補の1冊にいかがでしょうか??

 同じ神経科学では、丸善から大御所「カールソン」が出てますし、西村書店からはその名もズバリ「神経科学」が出てます。この2冊とも自分はじっくりと読んでいないので良い比較は出来ません。あしからず。。。ただ、イラスト関連と訳の上手さは「ヘインズ」が一番かなと思います。

ヘインズ神経科学―その臨床応用ヘインズ神経科学―その臨床応用
(2008/12)
不明

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コメント
ヘインズの書評をありがとうございます.とくに訳がわかりやすい,といった評がうれしいですね.私もあの本の美しいイラストが気に入ってエルゼビアに翻訳を持ち込んだものです.しかし,さる大学の「大脳生理学」のテキストには,ベアーズの神経科学,脳の探求を用いましたが,結構,評判は良かったようです.
iwasedot 2011.03.20 11:54 | 編集
>iwase先生 
遅くなり申し訳ありません。私ごときが感想を言うのもはばかられてしまいます。
ベアー先生の神経科学は確かに読みやすくて価格も8000円程度なので、初学者に向いているかもしれません。より上、そして綺麗なイラストで、となると、ヘインズ先生を推したくなります。
神経科学は、一回勉強すrとさらに詳しく、を知りたくなってしまう、不思議な学問だと思います。
コメントありがとうございました。
m03a076ddot 2011.03.21 00:22 | 編集
いつも拝読しているものです。
神経の教科書を読んでいると、「上位ニューロン障害では腱反射・筋緊張の亢進が見られるが、下位ニューロンでは~」といったように、障害が生じると何が起こるのかは書いてあるのですが、何故そうなるのかという理屈が抜けているように感じます。ステップはわかったようなわからないような説明が多いような気がします。

この項で紹介されているへインズという教科書は、そういった疑問にも答えてくれるような教科書なのでしょうか。また、そういう本は結構売られていたりするのでしょうか。大学の生協では売られている本に限りがあり、なかなか吟味できないのが現状ですので、もし教えていただければ幸いです。
なしdot 2011.05.02 19:12 | 編集
>なし さん 
お返事遅れました。連休中でブログ放置してしまいまして。。。
腱反射について、ヘインズは大きく頁を割いていることはしていませんが、ガンマ運動ニューロンと抑制系の経路を絡めて説明しています。他の教科書も、同様な説明が多いようです。
自分の手元にあるのは「神経診断学を学ぶ人のために」という本ですが、基本的な臨床に則って書いてあるので、読みやすいと思います。この本も、ヘインズと同じ感じの説明でした。
m03a076ddot 2011.05.06 13:32 | 編集
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