2009
08.08

中耳炎に抗菌薬は...

 初期の急性副鼻腔炎には抗菌薬を投与しないようにする、というのが世界的な流れになっています。日本でも少しづつそのようになってきているハズ。自分は救急で出さないようにはしてますが、抗菌薬への信仰著しい患者さんへは説明をきちんとしないといけません。

 対して中耳炎はどうなのか?ふとそう思ってしまいました。ぽいっとアモキシシリンを出していますが、はたしてそれは愚考であったのか?ちと調べてみようということで。。。

 今回ご紹介するのはみんな大好きBMJから。

Recurrence up to 3.5 years after antibiotic treatment of acute otitis media in very young Dutch children: survey of trial participants. BMJ. 2009 Jun 30;338:b2525. doi: 10.1136/bmj.b2525.

 子供の初期中耳炎に対して抗菌薬治療をすると再発が多くなるよ、というものです。しかも3年以上追跡しているというストーカーっぷり。

 再発したのはアモキシシリン群は63%、プラセボ群は43%であったとのこと。抗菌薬を使うと耐性菌のコロナイゼーションを作ってしまう可能性があり、それが感染を繰り返しているのではないか、というのが説明になっています。

 手術までに至ったのはアモキシシリン群は21%、プラセボ群は30%となっています(この解釈が評価の分かれ目かしら?)。

 中耳炎に関しては前にも色々このような試験がされていて、結果はバラバラ。抗菌薬使った方が良いよ、と言っているものもあり、使っても使わなくっても同じだよと結論付けているものもあり。。。副鼻腔炎もそうなんですけどね。

 臨床屋からすると、どっちが良いんだ!と泣きたくなる状況ですが、慢性の滲出性中耳炎であれば、日本においては漢方も活躍しています。体格が中等なら柴苓湯や、虚弱児なら補中益気湯がメジャー。小柴胡湯加桔梗石膏は嚥下痛や咽頭炎を併発した子に(抗菌薬との併用多し)。初期の滲出性中耳炎なら代表格は小青竜湯で、アレルギー性鼻炎を合併していれば良い適応です。

 個人的には、中耳炎への抗菌薬はやはり患者さんの像を見て決めるべきなのかな、と思っています。子供+中耳炎=アモキシシリン!ではなく、軽症例ならアセトアミノフェンでしばらく様子を見てもらう、重症例・遷延例なら抗菌薬。こんな感じでしょうか。。。
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