2009
03.16

オゾンはカラダに悪い?

 オゾン層は危険な紫外線から我々を守ってくれています。現在、オゾン層破壊が大きな環境問題と化しており、テレビなどでも頻繁に取り上げられているのは周知の事実。また、エアコンなど家電では、オゾン発生装置が付いているものも多く、殺菌・消臭効果が謳われています。

 このように、オゾンは「良いもの」としての認識が強いのですが、2009年3月12日のNEJMに、こんな論文が出ていました。


Long-Term Ozone Exposure and Mortality



 実は、オゾンって身体に良くないんじゃない?という報告。以前からオゾンの健康被害は色々言われていたみたいですね。

 ちょっとその論文を眺めると…

 単一汚染物質モデル(single-pollutant models)では、PM2.5とオゾンの濃度は、どちらも心肺疾患による死亡リスク増加と関連している(PM2.5はparticles that are≦2.5µm in aerodynamic diameter:つまりSPMの中でも粒径2.5μm以下の微小粒子のこと)。

 二種汚染物質モデル(two-pollutant models)では、PM2.5は心血管系疾患による死亡リスクの増加と関連しており、オゾン濃度は呼吸器疾患による死亡リスク増加と関連している。

 オゾンによる呼吸器疾患が死亡原因とされる推定相対リスクは、オゾン濃度10 ppbあたり1.040(95%信頼区間1.010-1.067)で、この死亡相関は共役要因・統計モデルの種類補正を行っても強いものである。

 結果として、PM2.5の濃度を勘定に入れると心血管系疾患による死亡リスクとオゾンとの因果関係はつかめなかったものの、呼吸器疾患での死亡リスクはかなりの上昇が認められたよ。

となっています。これは、昨今の家電の流れに一石を投じるものではないでしょうか。

 一時はマイナスイオンがもてはやされていましたが、あんなの全く意味ないと分かれば今度はオゾン。何かとプラスアルファが好きな家電業界と我々消費者。もっと科学の眼を以て、根拠をしっかり求めていかねばならないですね。特に健康被害が生じるのであれば尚更。軽視すべきではありません。

 それを言えば化粧品のコラーゲンなんかも無駄のカタマリ。日本人はマスメディアの無知な報道も手伝ってコラーゲン信仰著しいですが、あんな巨大な分子が皮膚を通ったら恐ろしいですよ…。塗ったところで軽い保湿作用がある程度。なら口から摂ったら良いじゃん!?となりますが、コラーゲンは一度分解されると再びコラーゲンに戻りにくい性質があります。また、タンパク源としても非常にアンバランスで宜しくない。普通に偏りのない食事をするのが一番ってことです。ちなみにヒアルロン酸も良い結果が出ていません。

 もっと国民がしっかりしないと、マスメディアに踊らされるに良いだけ踊らされます。医師不足の問題だって取り上げられ始めたのがつい最近ですもん。それまでは全て「たらい回し→医者が悪い!」という単細胞的発想で医者の責任ってことになってましたし(特に毎日新聞は医者の敵!)。新聞やニュースは、そのまま鵜呑みにしないことが大事ですね。中立的なのではなく、それぞれの思想・組織に基づいて報道しているということを忘れてはいけません。
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コメント
前の大学で、大気汚染に関する授業を取っていたんですけど、オゾンもSOxなどと並んで教科書に有害物質として並んでいた記憶があります。
排出規制があったような、なかったような…(いい加減な記憶ですが)
高校生のときに、オゾン層が薄くなって困るなら地上で合成して打ち上げればいいのに!って思っていたんですけど、大学で、オゾンが活性酸素で有害と知ってショックを受けたことがあります。笑

マイナスイオンは私もずっと疑問でした。正体が何なのか、ネットで探してみてもよく分からなくて…

健康ブームで変なサプリメントもいっぱい出てますしね。
あおdot 2009.03.16 11:31 | 編集
そーなんですよね。
オゾンは光化学オキシダントの内の1つ。光化学オキシダント全体の環境基準はありますが、オゾン自体は労働衛生上の許容濃度くらいしか個別での基準はないと、公衆衛生の授業で習った覚えがあります。温室効果もメタン並みという意見もあるくらい。
問題の1つは、日本のマスメディアがオゾンの悪い点を全く報道しないことだと思います。オゾン礼賛主義が国民に刷り込まれてますしね。。。アメリカさんは数年前からオゾン規制に躍起になっているようですが、いつもその真似をしたがる日本の腰は今回重いようです。。。
何でも多すぎるのは良くない、という好例かもしれません。
遥か彼方のオゾン層なら厚くなってほしいものですが。。。
と、ここで一句。

このオゾン 遠きにありて 思うもの

パクりも甚だしい…。
m03a076ddot 2009.03.16 17:36 | 編集
あ―光化学オキシダントか―。サブノートでそれにオゾン入ってるの見て驚いたな。
コラーゲンも有り難がってる連中見ると「アホス」って思うわ。教えてやりたいよ。
たいやき屋dot 2009.03.17 04:03 | 編集
マスコミの影響ってホントに大きいですよね。
ぜんぜん関係ないんですけど、近所のおばさんが、「核酸」を健康のために飲んでいる、と言っていて、カプセルで1ビン1万円もするものを私たちにも売りつけようとしてくるんです…
なんかマルチ商法みたいで迷惑なんですけど、もう信者みたいで、不健康な人がいれば「核酸飲まないから悪い」とか言う始末なんです。
が、そもそも核酸って体内にたくさんあるもんですよね?外部から接種する必要なんてあるんでしょうか?
あおdot 2009.03.17 22:33 | 編集
>たいやき屋さん
ですね。テレビの言うことを真に受けてどーすんだ…、と思います。もうちょっと考えて欲しいですね。
サブノートは確かに「オゾンかよっ!?」っていう具合でした。いやはや、怖いものです。
m03a076ddot 2009.03.18 12:57 | 編集
>あおさん
核酸は確かに加齢と共に生合成が落ちるようです。しかし本当に核酸サプリが効果あるなら、臨床でそれなりに使われても良いはず。それに代謝疾患を持たない正常な日本人成人が核酸不足でコモンな疾患になるというのは、少なくとも学生は聞いた事がありません。生合成が落ちるのも、単に成長が終わって身体が核酸を要求する量自体が減ったとも考えられます。
バランス良く食事を摂っていれば、サプリの出番はせいぜいCaくらいでしょうか。。。
誇大広告といえば、クロレラなんかもそうですね。聖教新聞には「お祈りをしたら腫瘍が消えました!」という、アホすぎる記事が載ってたそうですし。信者って怖い…。

結局、イワシの頭も信心から、という諺が全てを表してくれている気がします。
m03a076ddot 2009.03.18 13:43 | 編集
代謝のペースが全体的に落ちるし核酸の生合成も落ちるんですね。

万病に聞くらしいです…生活習慣病からリウマチまで…

プラシボ効果は間違いなくあるんでしょうね。
あおdot 2009.03.18 14:12 | 編集
おぉ、まさに万能薬…。
良くチラシなんかでこーゆーのを見ますが、プラセボどころか完全なる捏造ということが多いみたいです。
そりゃあ、そんなに簡単に治ったら現代医学なんて発展してませんよね。。。
m03a076ddot 2009.03.19 01:10 | 編集
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