2009
03.12

MDCTとSDCTの相違点

 MDCTとSDCTとの違いを少し学生時代に勉強しましたが、はっきり言って全く理解できません。CT考えたヒトおかしいって。。。

 とゆーか、これが元文系の限界なのか…。


 検出器:検出器は体軸方向にシングルスライスCT(SDCT)では1列であるが、マルチスライスCT(MDCT)では多数列となっている。これにより1回のスキャンで多数の画像を得ることが可能となった。また、MDCTを表現するときに「4列」や「64列」などとしているが、列数は検出器の列のことを指しているのではなく、検出器の電流を増幅し、デジタルデータに変換する(A/D変換)Dagital Aquisition System(DAS)の数のことを表現している。

 スライス厚:撮影後に任意にスライス厚を選択することが可能なため、スクリーニングと精査が同時に行える利点がある。また、充分に薄くなったスライス厚は、CT画像を3次元的に捉えることをも可能とした。1度の撮影で得られたすべての画素を、CT値(X線吸収の程度。組織のX線減弱係数の値を、水を基準として表したもの。水を基準の0として骨を1000とし、その間の比重とCT値が直線関係となるように設定されたもの)の3次元行列として捉えるのである。この3次元上のピクセルのことを、特に3次元であることを強調してボクセルvoxel と呼ぶ(volume pixelに由来する)。CT画像のx,y平面での分解能は0.35~0.4mm程度であり、実運用上ではほぼ再構成FOV(水平断での円形撮影範囲)に依存する。また z軸方向の分解能は収集スライス厚で決定されるため、0.5mmスライスを使用することによりx,y,zのどの方向にもほぼ等しい分解能をもつisotropic(等方向性)データを得ることが可能となる。このような撮影条件で収集されたデータを用いれば冠状断、矢状断等でデータを切り出してもアキシャル画像と変わらない分解能をもつ画像として取り出すことができる。任意の方向に十分な解像度を持った3次元のボクセルデータが取得できるようになり、それを記憶・処理できるメモリや処理装置も非常に安価となったため、MPRや心臓CTなどの様々なCTの観察方法が利用されている。

 長軸方向の分解能:MDCTは長軸方向に複数の検出器を有しており、この方向の分解能はスライス厚の評価として一般的に解釈される。MDCTでは1回の回転にて複数のきわめて薄い断層画像が得られる為、従来のSDCTに比べ、長軸方向の分解能が飛躍的に向上した。

 速度の上昇:CTの撮像では、画質を保ちつつ撮像時間をいかに短縮するかが重要となる。すなわち、短時間で多量のデータ収集ができればよいことになる。MDCTの主な特徴は、検出器の改良や任意のヘリカルピッチ(スキャン時の螺旋の単位長さ当たりの巻き数によって、生成される画像の画質は異なる。これを示す指標をヘリカルピッチという)の選択などによる広範囲を高速度かつ高い分解能で撮像することが可能となったことである。ヘリカルスキャンの速度を示すヘリカルピッチは、管球1回転あたりのテーブル移動距離をX線ビームのコリメーション(スライス厚)で割った値に定義されており、SDCTでは通常の撮像で2前後が上限であった。広い範囲を撮像する場合にはヘリカルピッチを1.5~2程度と大きく設定する必要があった。しかしながら、ヘリカルピッチを拡げれば実効スライス厚が増し、それに伴い体軸方向にデータ補間する範囲が広くなり画質が低下した。従って、臨床上使用できるヘリカルピッチには限界があったが、MDCTでは画質を保ちつつ適切なヘリカルピッチの値を任意に選択することが可能である。MDCTにおいては複数列のうち1列分の幅(コリメーション幅)と1回転辺りの寝台移動距離の比をとってピッチ(ヘリカルピッチ)とする方法と、同時収集する合計の列幅(ビーム幅)に対して寝台移動距離の比をとる方法がある。後者はビームピッチとして区別されることが多い。
Beam pitch=寝台移動距離/ビーム幅
従来のpitchに相当するpitchとして(ヘリカルピッチ)=寝台移動距離/コリメーション幅
従って、Pitch=Beam pitch×列数 であり(ビーム幅/コリメーション幅=列数)、
寝台移動距離/回転=Beam pitch×コリメーション×列数 となる(コリメーション×回転=コリメーション幅)。
よって、列数に応じて確実に速くなることが分かる。

 ヘリカルスキャン:クラスタスキャンではテーブルが1スライス分移動して止まり、そこで撮影が行われ、またテーブルが移動するという作業を繰り返すため、全体の撮影に時間がかかる。そして腹部では何回も息止めしなくてはならない欠点がある。対してヘリカルスキャンではテーブルが定速度で動いている間に管球がその周りを連続回転し情報を収集するため、体のまわりをX線がらせん状にスキャンしていくことになる。これにより一回の息止めで上腹部全体をカバーすることができる(例えば動脈相、静脈相といった限られた時間内の撮影をすることも可能)。また、得られる情報が切れ目のないデータであるために、それをもとに3次元画像が作れるという点も挙げられる。データ処理アルゴリズムが複雑となるが、現在のコンピュータではほぼ問題にならない。ただし骨周辺などではヘリカルアーチファクトと呼ばれる特有のノイズが出ることがあり、息止めを必要としない頭部の撮影などでは、従来通りの1スライス毎に寝台を移動させる方式も併用されている。

 解像度:解像度とは、ノイズの影響のない状態でどこまで小さな物体を分離して識別できるかを指す。十分なコントラストの物体の分解能とも言える。CTの場合、線量はノイズに大きく影響すし、ディテクタサイズとビュー数は解像度(分解能)に影響するということを基本とする。しかし、実際は再構成関数と後処理もノイズと解像度に影響する。よって,幅広く対応するために高コントラスト分解能と低コントラスト分解能が定義された。高コントラスト分解能とは、高コントラストな物体に対する分解能であり、ノイズの影響がない場合の分解能=解像度といえる。用途としては、装置の限界の解像度を見る、再構成関数の特性を見るといったことが挙げられる。ちなみに、低コントラスト分解能とは低コントラストな物体に対する分解能を示し、ノイズの影響を見る=ノイズを測る。用途としては装置のノイズ特性(感度)を見る、再構成関数の影響を見るなどがある。

 再構成:再構成とは計測データから数学的方法によって断面を復元することであり、X線CTでは線減弱係数分布を反映した画像が得られる。その元となるデータは、物体に360度から照射したX線がそれぞれどの程度吸収されたかの度合いである。物体内部は部位ごとにX線の吸収率が違うため、そこを通過してきたX線の量は吸収率を合計したもの(の指数)に等しい。そこで、1断面を格子状に分割し、各部位の吸収率を未知数とし、その合計が実際の吸収量と等しくなるように連立方程式を立て、これを解く。CTの画像再構成は、その基本定理からスライス面における円軌道全周方向からのX線投影データが必要である。ヘリカルスキャンはらせん状にボリュームデータを得る方法であり、体軸に直交する断面を得るために必要なデータは一点しか存在しないため、その他の管球位置のデータを補間により求める必要がある。ヘリカルスキャンによって得られたデータを補間なしで再構成すると、データの始点と終点が一致しないため動きによるアーチファクトが生ずる。

 MPR(任意断面再構成):3次元の等方性ボクセルデータが入手できるようになり、CTだからといって「輪切り」で体内構造を観察しないといけない必然性がなくなったため、対象物の任意の方向の断面を再構成して表示することが可能となった。細かい血管の走行や腫瘍の進展などについては1断面のみからでは把握しづらいため、MPRは診断に大きく寄与した。コンピュータ上で良好な3次元画像を得るには、もとのデータの分解能が高いこと、データの連続性が良いこと、画像のSN比が高いこと(ノイズが少ないこと)、の3点が重要である。そのためには、適切なスライス厚と再構成間隔を選択することがポイントである。実際の臨床において一定の時間で撮像する場合、スライス厚を薄くして高いピッチで撮るか、スライス厚を厚くして低いピッチで撮るかの選択が必要である。この場合、対象とする構造よりも必ず薄いスライス厚で撮像することが重要である。その後に撮像範囲でピッチを考えるとよい。画像の分解能は明らかにスライス厚を薄くして高いピッチで撮った方が高いが、アーチファクトは強く現れる。そのため、いたずらに薄くするのではなく、目的とする対象の大きさ、周囲とのコントラストで撮像パラメータを変える必要がある。
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