2009
02.22

あなたの進む道は?

Category: ★本のお話
「ねえ、お願い、ここからいったいどっちへ行けばいいのか、教えてくれない?」
「そりゃ、どこへ行きたいかってこと次第だね」と、ネコが言いました。
(「不思議の国のアリス」より)


 アリスのように「何科に行けば良いんだろ…」と悩むことの多いポリクリ学生や研修医の先生方。

 学生は全ての科を一通り大学で学びます。そこから科を決めるのですが、学生のうちから「コレ!」と決まるのは小数派のようで、「ん~、コレは無いな。あとは、コレとコレとコレ、どれにしよーかなー」と悩みながら研修医となり、そこで決めるというのが多数派。大体は内科系or外科系に大まかに分けて、そこから詰めていくことが多いようです。

 自分は「精神科!」と今でこそぎゃあぎゃあ喚いていますが、実は4-5年の頃は違いました。千葉大の生坂政臣先生や音羽病院の松村理司先生、カリフォルニア大のTierney先生の存在を知って本を読んでいくうちに

総合診療医って良いかも!

と、今の考えと完全に逆の方を向いていました。

 日本に出来てからからまだ日の浅い総合診療医。彼らは一体何をするのか?

 一口に医師といっても、ご存知のように脳外科医や産婦人科医など、専門は細かく分かれています。その専門医をスペシャリストと言います。対して総合診療医はジェネラリストと呼ばれ、患者さんの主訴に対応する第一線で働くヒトビト。専門医への単なるツナギと思われがちですが、ジェネラリストは自分で解決可能な疾患ならば治療まで対応し、専門医レベルの疾患であっても初期診療までをこなす、何でも屋と言える存在かもしれません。飛行機の中で「お医者様はいらっしゃいませんか!?」と言われても手を挙げられる数少ない(?)職種の1つ。まだ人口は少なく、重要な存在だと考えています。

 自分は神経内科が大好きでして、この科は特に病歴を重視し、そこから絞っていく作業が実に興味深いのです。そしてジェネラリストはその病歴聴取のワザを他科まで広げたような印象があり、まさに医者!っていう感じに憧れていました。だから病院見学も総合診療の教育で名を馳せる音羽病院を最初に選んでいました。

 Tierney先生は「診断する際に重要なことは3つある。それは病歴と病歴と病歴!」と仰っています。それくらい、病歴は大事。かのOsler先生もこのような言葉を遺しています↓

"If you listen carefully to the patients, they will tell you the diagnosis."

 良い言葉ね。。。

 それがどうして精神科に…と言われると、色々あったとしか言いようが無いのですが。。。でも精神科でも他科疾患は大事!きちんと鑑別できるようにならないと。しかも自分は小児を含めたリエゾン希望。

 とにもかくにも、ジェネラリストの思考や振る舞いというのは、どの科へ進むにせよベースとなってくれるものではないかと思います。大事なのは病歴。その病歴を重視し診断に漕ぎ付け初期診療までこなしてしまう彼らは医師の原点とも表現できそうです。

 先日記事にした、腰痛ですぐ画像は意味がないという論文。それも病歴重視を物語っていますね。


 ということで、総合診療に興味の沸いた方、この本がオススメ。ポケットサイズで200ページ足らず、お値段2310円!安い!(何かの通販みたいだな…)

 「ジェネラリスト診療入門」と書かれていますが「レジデント入門」と言っても良いくらい、研修医のOSになってくれそうな気がします。マニュアル本ではなく、全体的な心構えを教えてくれる感じ。

 ちなみに著者の田中和豊先生は「問題解決型救急初期診療」「問題解決型救急初期検査」を書かれた先生です。この「臨床の力と総合の力」は、レジデントになる前に読んでね、と仰っていましたので、国試の終わった6年の皆さん!いかがでしょーか(決して宣伝目当てで記事を書いたわけではありませんよ…)。


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コメント
たびたびこんにちは。
面白そうですね、読んでみたいです!
私は少し前に一般向けの免疫の本を読んでいてとても興味が沸いて、何冊か同じ方の本を読んだのですが、どこの先生かしら?と思ったら新潟大学の先生でした。安保徹先生です。
もっと色々勉強してみたいことは沢山…

先輩は海外の書籍も英語で読まれたりもされるんですか?医学生なら普通ですか?論文は英語だし語学は必須ですよね?
あおdot 2009.02.22 18:51 | 編集
免疫は楽しいですね。安保先生は随分と型破りな理論を打ち出していて面白いと思います。堅苦しくない本だと、小安重夫先生の「免疫学はやっぱりおもしろい」が読みやすいですよ(ちょっと高めですが)。後は多田富雄先生の本も色々あります。

洋書で勉強する人は残念ながら少数派。特に新大は少ないようですね…。自分は英語力を廃れさせないように読んでいるのですが(あおさんの仰るとおり、読まされる論文は英語だらけなのでその訓練にもしています)、洋書にも欠点があります。
やはり和書に比べて読む時間がどうしてもかかるので、非効率的な感は否めません。特に最初の内は医学英語を覚えるのにいっぱいいっぱい。ですから、全てではなく、好きな科目に絞って洋書を読むというのが良いかも知れません。

でも、英語は必ず役に立ち、読んで損はないと考えています。後は自分の時間との兼ね合いでしょうか。学生生活を勉強一色、というのも彩りがないですからね…。
m03a076ddot 2009.02.22 19:59 | 編集
大変ですよね。私はハリーポッターですら、読んでみようとしたけどすぐに挫折してしまいました。笑
安保先生の本は本当に面白かったです。先輩の薦め下さったのもいつか読みたいです。
でもまずは入試を通らないと医学を勉強する資格が与えてもらえませんので…頑張ります。
あおdot 2009.02.22 20:30 | 編集
そうですね。でも英語も「慣れ」だと思います。コツコツやれば、気が付くと読めるようになっているかと。
そういえば前期試験ももう間近!!!頑張ってとしか言えないのが歯がゆいのですが、根性一直線で無事合格されるよう、祈っております -人-
m03a076ddot 2009.02.22 21:43 | 編集
ありがとうございます(>_<)頑張ります!
あおdot 2009.02.22 21:47 | 編集
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