2009
01.29

まごころを、君に



 「小さな恋のメロディ」は1971年のイギリス映画。

 子どもの透明感のある、些細なことかもしれないけれど純粋な恋を描いた作品です。

 自分はテレビで何回か観ていまして、DVDを持ってはいません。この作品はアメリカと本国のイギリスではあんまりヒットしなかったにもかかわらず、日本では熱狂的だったそうです。

 確かに内容は日本人受けしそうな、あとロンドンへの憧れ、そしてヒロインが可愛かったというのも一因か。。。

 大まかな流れを紹介すると、ダニエルとメロディという11歳の子ども2人がお互いを好きになって、「結婚したい」と言い出します。当然、親や教師は反対。どうしてダメなの?と聞いても全く取り合わず。するとクラスの生徒が皆で2人の「結婚式」を行おうと授業を抜け出す、さてその結末は…?という感じでしょうか。全体的に「子どもvs.大人(Don't trust over thirty!)」という構図。

 好きだから、今一緒にいたいから、だから結婚したい。そんな無垢で透明感のある想いを大人は忘れてしまっています。

 実に下らない、と考える人もいるでしょう。でもこういうPuppy loveに、子どもだからこその本当に曇りのない心が表れている気がしてなりません。ワタクシが最初に観たのは中学3年の頃で、その時はBGMだけを好きになり、作品の良さがあまり分かりませんでした。でも数年前に観返したら、何とも淡く爽やかな映画だな~と、自分にはもうないモノに憧れてしまいました(同時に「年取ったな…」とも実感しましたが)。その映画を彩る、中3時に好きになったBGMはビージーズを中心とした綺麗な歌。特に『若葉のころ』と『メロディ・フェア』は必聴モノです。

 自分はこれをきっかけにしてビージーズを知ったので、ディスコナンバーがメインとなった70年代後半からの音楽、例えば『ナイト・フィーバー』『哀愁のトラジディ』『ステイン・アライヴ』などを聴いた時は


どーしちゃったの!?ビージーズ…


と愕然しました。。。唯一の救いは『愛はきらめきの中に』でしょうか。自分は70年代前半までの、冬の透き通るような寒さの晴れ空を思わせるビージーズの音楽に心酔していたため、ディスコナンバーを歌う彼らを一時期は「あたしのビージーズはこんなんじゃない!」と否定していました(若い頃は柔軟性がなかった…)。そーいえば最近オデッセイのCMで『ステイン・アライヴ』が流れてましたね。

 映画も音楽に負けないくらいの爽やかさが観終わった後に残ります。子どもが観てもそういう感じはしないでしょうが、心に皺が刻まれ、それを化粧で誤魔化し、本当の気持ちを見失ってしまった大人をやわらかく包んでくれそうです。みんな、若葉のころには戻れない。だからこそ、思い出してどことなく清々しい気分になれるのかもしれません。でもそういう感覚と同時に、一種の空虚感と表現できるものが滲出してきてしまうのも事実。昔と今との分断を示唆するような、深い渓谷のような空間。もうあの頃には戻れないんだな、との認識を決定的なものにする隔たり。しかしながら、越えることのできないものが後ろにある、この事実が我々を前に歩かせてくれるのかもしれません。


 最後に、映画の中の有名なセリフを。

Melody: "Fifty years' happiness." How long's fifty years?
Daniel: A hundred and fifty school terms, not including holidays.
Melody: Will you love me that long?
Daniel: Mmm-hmmm.
Melody: I don't think you will.
Daniel: Of course. I've loved you a whole week already, haven't I?

『50年も愛してくれる?出来ないと思うわ』
『出来るさ!だってもう1週間も愛してるんだよ?』

 「今」という時を一生懸命生きる子どもにとって、50年も1週間も同じなのかもしれません。勿論、それでは世の中を生きていくことは出来ません。大人は駆け足の人生のうちにそれを忘れてしまった、忘れざるを得なかった。それが憧れの情景として表れている。

 そんな懐かしい在りし日を、若葉のころを思いながら、観てみては如何でしょう。



 追補:ビージーズの「若葉のころ」の歌詞を見ると、何か2人の将来が不安でなりません。。。
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