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2019
09.25

ちょっと恥ずかしかったな…

 名古屋市の覚王山というところにカップケーキの美味しいお店があると聞いたので、「お、じゃあちょっと行ってみるか」と思い立ち、実際にお邪魔してみました。

 お店の名前は、ロンドンカップケーキ名古屋店。本店はなんと遠く石川県の金沢。名古屋はその支店なのです。なぜ名古屋なのだ…?という疑問は置いておいて、電車でGO

 地下鉄の覚王山駅で降りて5分くらい歩くと、見えました、が…。

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 これはちょっと、野郎一人では入りづらいんじゃない…?

 ちょ、どうしよう…と迷って周囲をグルグル歩き回る。しかしここまで来たのだし、でもこのどピンクはなかなか入る者を選ぶよなぁ…。いやーキッツいわ。うー、むむむ。


ていッ


 入ってしまった…。

 あー、ショーウインドウがなんかもう女子!って感じ。アレだな?インスタ映えってやつだなこれは。場違い感ハンパねぇ…。

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 持ち帰りできるのですが、ここまで来たら食べるかという鉄の意志のもと、二階に上がることにしました。

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 Oh, LONDON!(いや、ロンドン知らんけど)

 注文したのはバナナのカップケーキとリンゴジュース。ほらもー、インスタ映えするわー。

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 ケーキはしっとりとしていて、バナナの風味も強すぎず弱すぎず。バタークリームも常温保存O.K.ですが昔の溶けない粗悪なものではなく、口の中に入れたら溶けます。うん、美味しい。見た目だけではないというのがポイントですよね(昔のバタークリームもあれはあれで良いんですけどね。思い出補正もあって)。

 ただ、他にもお客さん(女性ばかり!)がおり目線がとても痛かったので、急いで食べてそそくさと帰りました。ずっと変な汗かきっぱなし。

 ということで、女性にはとっても良いかと思います。野郎は知らん。
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2019
09.20

古い慣習っていうのはなかなか…

 今回は真面目路線でして、Annals of Internal Medicineのせん妄治療におけるEDITORIALを読んでみましょう。EDITORIALって書く人の意見がぐいぐいっと出ているので良い点もあれば悪い点もあるのですが、なにせ短くまとまっているので読みやすい。あとは面白いっていうのもあります。

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Marcantonio ER. Old Habits Die Hard: Antipsychotics for Treatment of Delirium. Ann Intern Med. 2019 Sep 3. [Epub ahead of print] PMID: 31476768


 私(このEDITORIALの著者)が内科レジデンシープログラムにいた30年前は、入院患者さん、特に高齢の患者さんが混乱状態になることは変なことではない、なって当たり前と教えられました。些細なことであり予後にも影響せず、ただただ厄介なものとして扱われていました。混乱状態になれば、ハロペリドール10mgという、”ビタミンH”が投与されたのでした。

 30年経ってどうでしょうか。今は急性の混乱状態はせん妄という病態であり、決して当たり前、正常のものではないということが分かっています。せん妄を同定する標準的な方法すら手にしていますが、それでも、半数以上は認識されないままとなっています。また、せん妄はコモンであり、入院中の高齢患者さんの1/3、そしてICU入院患者さんや緩和ケアの患者さんでは3/4が発症しています。重要なことに、せん妄は、転倒、身体機能の低下、認知機能低下、死亡などの院内合併症を含む短期かつ長期の有害な転帰の強力な予測因子なのです。さらには、せん妄は入院期間を延ばし、退院後の施設によるケアにつながってしまうため、アメリカの医療システムでは年間数十億ドルの費用を拠出することになります。注目すべきは、せん妄が予防可能であるということです。その方法は多岐にわたり、非薬剤的なアプローチなのです。

 こういった進歩があるにも関わらず、せん妄が起こると、私たちは未だに30年前と同じ治療をしがちです、そう、抗精神病薬です。この薬剤治療にも一定の進歩はありました。第一に、ハロペリドールに加えていくつかの第二世代の抗精神病薬が登場しています。これらは副作用プロフィールにおいてハロペリドールよりも優れています。第二に、副作用の発生について私たちはより気を配るようになりました。そのため、開始用量は低めに設定され、患者さんもより細やかにモニターされるようになっています。にもかかわらず、この30年で新しい効果的な治療は生まれておらず、抗精神病薬がいまだにせん妄治療に用いられています(しかも適応外で)。

 せん妄治療の臨床試験は困難を極めるものであり、この雑誌の今号にあるせん妄予防のシステマティックレビュー(Oh ES, Needham DM, Nikooie R, et al. Antipsychotics for preventing delirium in hospitalized adults. A systematic review. Ann Intern Med. 3 September 2019 [Epub ahead of print]. )で述べられている臨床試験よりも非常に難しいのです。まず、せん妄治療では(予防とは反対に)せん妄の患者さんを見つけて試験に組み入れねばなりません。ほとんどがルーティーンのケアでは見つからないので、積極的に探さねばならないのです。次に、せん妄患者さんは同意能力が落ちてしまっているため、試験の候補者を見つけてもそこから同意を得るのが難しい場合もあります。さらには、患者さんは重篤な状態であり、全員にフィットするような治療プロトコールを組むことも困難です。最後に、適切なアウトカムを設定するのも大変なのです。予防であれば、キーとなるアウトカムは明らかであり、それはせん妄の発症です。しかし、治療においては予防よりも明確ではありません。

 これらの難題はありますが、せん妄治療の文献、特に抗精神病薬のものがここ10年で増えてきました。かつ最も大規模な試験がこの2年で発表されています(Agar MR, Lawlor PG, Quinn S, et al. Efficacy of oral risperidone, haloperidol, or placebo for symptoms of delirium among patients in palliative care: a randomized clinical trial. JAMA Intern Med. 2017; 177:34-42.[PMID:27918778]  Girard TD, Exline MC, Carson SS, et al; MIND-USA Investigators. Haloperidol and ziprasidone for treatment of delirium in critical illness. N Engl J Med. 2018;379:2506-2516. [PMID: 30346242])。この雑誌の今号にあるせん妄治療におけるシステマティックレビュー(Nikooie R, Neufeld KJ, Oh ES, et al. Antipsychotics for treating delirium in hospitalized adults. A systematic review. Ann Intern Med. 3 September 2019 [Epub ahead of print].)には特徴がいくつかあります。まず、著者らは米国厚生省公衆衛生局保健政策調査課(AHRQ)の提唱する厳しい基準を使用したのです。そして、ランダム化試験(実薬対照とプラセボ対照を含む)と観察研究の双方を含んで解析しました。また、せん妄治療ではあいまいだった”重大なアウトカム”を定義したのです。それは、認知機能、せん妄の重症度、入院期間、抗精神病薬の不適切な継続、そして鎮静でした(せん妄の持続期間と死亡率は”その他のアウトカム”に含まれることになりました)。最後に、可能な場合はデータをプールしてメタ解析を行ないました。

 このシステマティックレビューでは何が分かったのでしょう? まず、16のランダム化試験と10の観察研究のみが基準を満たしました。その試験は非常に多様であり、患者さんはICUから緩和ケアまで多岐にわたり、投与された薬剤やアウトカムもバラバラでした。重大なアウトカムのいくつかにおいては、利用可能なエビデンスが得られませんでした。

 症状特異的なアウトカムであるせん妄の持続時間と重症度では、ハロペリドールまたは第二世代抗精神病薬とプラセボとの間に有意差はなかったのです。入院期間や死亡率も同様でした。ハロペリドールと第二世代抗精神病薬、そして第二世代抗精神病薬間においてもほとんど差は見られませんでした。これらの薬剤は患者さんを鎮静させるために用いるのですが、プラセボとの間でそれすら有意差が認められなかったのです。

 著者らは、治療グループ間でどのような違いを見出したのでしょう? それは主に副作用であり、抗精神病薬の治療によってQT延長が認められたのです。いっぽうで、錐体外路症状などの神経症状において有意差はありませんでした。また、誤嚥性肺炎など他の副作用は調べられていませんでした。

 著者らは、現時点のエビデンスでは、成人の入院患者さんのせん妄を抗精神病薬で治療することは支持されないと結論付け、さらなる研究を求めています。私はこの意見に賛成であり、これからの研究では優先順位を明確にすべきだと考えます。せん妄だからといって抗精神病薬をすぐに用いて治療するのは止めるべきです。これからは患者さんの状態や環境を考えるべきであり、それは抗精神病薬の利益が害を上回る時、例えば自傷他害の恐れのある患者さんをコントロールする場合や、非薬剤治療が十分に行なえない場合などに限って短期的に使用する時、なのです。こういった特殊な状況で、どの抗精神病薬が最も害の少ないもので、そして、どのように投与すべきなのかが探求されることになるでしょう。

 30年間、私たちを避けてきた実に大きな研究の優先事項があります。それは、短期そして長期のアウトカムを改善させるために、どのようにせん妄をマネジメントするか、です。これには、現在見過ごされている”静かなせん妄(低活動型せん妄)”の患者さんの多くが含まれます。これらの患者さんは、過活動型せん妄で興奮する患者さんと同様にアウトカムが良くありません。私の意見では、患者さん中心のバンドルアプローチが最も成功しそうです。それは、1)早期にせん妄を発見する、2)基礎的な原因を評価し対処する、3)合併症を予防する、4)機能的回復を促す、ということです。その方法が同定、標準化され、かつクオリティ高く、持続可能な方法で提供できることが、次世代のせん妄治療研究の主なフォーカスとなるはずです。

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 という内容でした。抗精神病薬って非難轟々なのですが、それでもせん妄にはながらく用いられていますね。スタッフの人手が足りず、薬剤の力を借りねばならない状況は多々あると思います。また、患者さんが点滴を抜いて辺り一面血みどろ、バルーンを抜いて尿道損傷、なんてこもあります…。転んで骨折でもしたらかなわないので(訴訟も多くて大変なのです)やむなく拘束をするとどんどん筋力も落ちて動かないからせん妄も良くならず認知機能も怪しくなって…、という泥沼化も。うーん。

 ここでは抗精神病薬が挙げられていましたが、日本では古来より(?)鎮静系の抗うつ薬、トラゾドンやミアンセリンなどが用いられていました。国際発信力のなさから世界的には話題にならず、ちょっと悲しい立場。と思っていたら、頑張っている人たちがいました(Wada K, Morita Y, Iwamoto T, et al. First- and second-line pharmacological treatment for delirium in general hospital setting-Retrospective analysis. Asian J Psychiatr. 2018 Feb;32:50-53. PMID: 29216606)。特にトラゾドンは使いやすく、抗精神病薬のような血栓リスクは恐らくないでしょう。ただQT延長はちらほら報告があります。抗精神病薬は明らかに高齢者では死亡リスクになると言われているので、それよりはまだそれが言われていない(はっきりと”無い”とは言えない)トラゾドンが相応の効果を持つのならば、選択肢でしょう。睡眠リズムが乱れそうな入院患者さんに(予防の祈りもこめて)使用するのはアリなのではないか?とも思います。ただ、低用量ではH1受容体阻害がメインなので、それによってせん妄リスクになるような気がしないでもないし、難しいですね。予防に関してはラメルテオンやスボレキサントがエビデンス的には一歩先を行っています。個人的には酸棗仁湯も良いんじゃないかなと思うのですが、どなたか試験を組んでくれませんかね…。

 最後に、これは言っておきたいのですが、精神科はせん妄を治療する科ではございません。よくコンサルトを受けますが、せん妄が治るには基礎疾患の治療と身体的な基盤の回復が欠かせません。基礎疾患が治らない状態でせん妄だけ治せと言われても、それは無理。一時的な興奮を抑える役割を担うのが精神科であり、主科と協同して患者さんをいい方向に促していきたいと思っております。
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2019
09.15

もう院内薬局?

 前に勤めていた名古屋大学医学部附属病院(名大病院)。今では通りすぎるだけとなりました。

 名大病院に限りませんが、大学病院や大きな総合病院の近くにはいわゆる”門前薬局”というのが立ち並んでいます。需要あるところに供給あり、の典型例というかなんと言うか。商魂たくましいですね。

 いくつもあって競合するんじゃなかろうかとヒヤヒヤしているのですが、幸い?なことに名大病院の門前薬局はいずれも潰れることなく営業しています。さすが大学病院。患者さんも多いのでしょうね。ちなみにいま勤務している病院の門前薬局はひとつだけなので、恐らく大繁盛しているはず。診察の待ち時間よりもお薬の待ち時間のほうが圧倒的に長いと患者さんからちくりと言われます(ま、自分に言われても困っちゃうのですが)。



しかし、そんな名大病院の門前薬局に激震が!



 なんと、2019年の秋に…


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 スギ薬局名古屋大学病院店が…!

 ていうかもうこれ名大病院の敷地内です。院内薬局だよなぁ。。。「なければつくる」というのがもはや煽り文句にしか聞こえません。こんなのが出来てしまったら、既存の門前薬局はどうなるのか…!

 他人事ながらドキドキしております。
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2019
09.10

視力はほぼ復活

 8月8日に、ウイルス性角膜炎に罹患しました、というお話をしました。

 1ヶ月を経てですね、だいぶ視力が戻りました。体感的には8割がた回復。眼科で検査をしてもらいましたが、矯正視力も


1.0→0.1→0.7


 という経過。0.1に落ちた時はもうまったく大変で業務に支障が出ていましたが、今はほぼ大丈夫。まだ白色光を見ると周りがぼんやりかすんでおり、ごくわずかに残る羞明のため診察室の中も少し明かりを落としていますが、さほど大きな問題ではない。

 眼科の先生からは「ここからはちょっと長いですよ」と言われました。あと2ヶ月前後は見ておいてください、とのこと。でもここまで戻ればひと安心です。仕事ができないっていうのはもう致命的なので。。。


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2019
09.06

いよいよ厳しい

 7月28日に『お金という現実的な問題』というタイトルで、症例報告(ケースレポート)をしてみようかな?という内容の記事を書きました。

 それからちょっと書いてみたのです。日本語でも良いのですが、どうせならpubmed収載の方が世の中に知れ渡ってくれるので、英語で。あくまで症例報告だしインパクトファクターはまったく気にしていません。

 症例報告をめぐる事情は複雑で、インパクトファクターを重視する雑誌における扱いは悪いです。条件は、本当に「おぉっ!」という報告か、複数例の報告(ケースシリーズ)か、レビューも付けるか、という感じですね。そうでもしないと引用されない、すなわちインパクトファクターが上がらない、ということなのです。

 ということで、ちょっと前まで症例報告は随分とつらい扱いだったのですが、ここに来て”症例報告専門の雑誌”が数多く登場しました。受け皿ができたことはありがたく、別にインパクトファクターを雑誌自体も気にせず、著者も気にせず、というものです。しかもpubmedに収載され大体はオープンジャーナル。みんなに広く見てもらえます。

 ただし、ここからが問題。オープンジャーナルということは著者がお金を払わないといけないというシステムであり、その相場が日本円で10万円前後!



これはキッツいわぁ…(本音)



 そんな掲載料なんて病院出してくれないし…。しかも今の自分の状況だと、何か論文が必要ってじゃあなくて、症例報告するのもホントにただの趣味だから…。「じゃあオープンジャーナルではない普通のジャーナルにしたら?」と聞かれそうですが、そうなると症例報告専門雑誌ではなく一般の雑誌になり、条件がグッと厳しくなる。しかも自分の症例報告は、個人的には面白いんですけど、そんなに目を引くかと言われると「いやぁちょっと…」な感じ。いや、個人的には面白いんですけどね(繰り返し)。

 で、ダメもとでちょっと出してみるかぁ…と思ってインパクトファクター付きの一般雑誌に投稿してみたら、



Editor kickを喰らいました



 ですよねー。もう瞬獄殺ですよ、コレ。Editor kickってね、reviewerまで回らないんです。最初のeditorの時点で蹴られちゃうの。だから出してすぐ返事が来るの。数日以内にメールの件名で”Decision”って来るからまぁ分かりやすいことこの上ない。しかも今回は「姉妹誌に症例報告専門の雑誌があるから、そっちに出してみたら? 論文修正しなくて良いからさ。3週間以内にメールちょうだいね」という内容のお返事付き。



だからその雑誌はお金がかかるんだって…



 正直に「経済的な問題で辞退します」という内容のメールを送りました(恥ずかしい!)。

 どうしようかなぁと考えています。せっかく書いたのでお蔵入りさせたくないし、個人的にはみなさんに知ってもらいたい副作用だし、患者さんも書くことを快諾してくれたし、無駄にはしたくないんですよねぇ。でもお金ないし。。。

 ということで、今のところ

1. いくつか雑誌を変えてみて、下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる作戦(無料)
2. Letter to the editorで募集している雑誌に投稿する(無料)
3. あきらめて大枚はたいて症例報告専門雑誌に投稿する(約10万円)
4. それでもダメなレベルなら日本語雑誌に投稿する(たぶん無料)

 を計画中。

 唸るような症例報告ではないので、やっぱり鉄砲も下手すぎて当たらないような気がしないでもない。でも払うようなお金はない。ということで、簡素ながらも2.を狙っています。いや、しかしこの調子なら4.すら覚束ないのでは…? そんな気すらしてくる。

 果たしてどうなるのか…?

 ちなみに、論文を投稿するにはその雑誌ごとにIDとパスワードが必要で、これがめんどい。すべて統一と言わないまでも、同じ出版社なら同じIDとパスワードで複数の雑誌を跨げるようにしてもらえないだろうか…。自分は著者が一人(自分だけ)なのでrejectでも気が楽なのですが、複数人だと投稿のたびにその先生方も登録しなければならないので大変なのです。
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2019
09.03

何様のつもり?

Category: ★精神科生活
 製薬会社のMRさんとは、(しゃあなしに)お話しすることがあります。自分の病院ではアポイント制ではないので、帰り際に話しかけられるのですが「無下に扱うのもアレだしなぁ」という思いもあってお話をします。もちろん薬剤のパンフレットには目を通しませんし、講演会の案内も断ってますし、渡される文献も基本的には話半分どころか話ミジンコくらいに扱います。製薬会社が渡す文献という時点で、バイアスが入りすぎ。必ず自分でそれに反するエビデンスがないか調べておきます。

 MRさんも自分自身より若い医者を相手にヘコヘコしなきゃいけないので、何だかとてもストレスフルだろうなぁ、と思ってしまいます。だから話しかけられたら丁寧に応じることをこころがけていまして。人に接する時にいい加減な気持ちではいけません。研修医やレジデントで、MRさんに対してタメ口の人もいますが、アレはダメですよ。他職種にはきちんと敬意を持って接することが肝要ですし、それがひいては人を大事にすることにもつながるでしょう。自分たち医者も薬剤がなければやっていけないのだし。「薬を使ってやる」という気持ちではダメ。そこを疎かにする医者はお薬そのものも疎かに扱うことになるのです。

 ただ、カチンとくるMRさんもいます。別に自分のことをどう思っていようが構わないですし、自分も薬剤勉強会ではあえて意地悪な質問をすることがあります。ま、これは研修医やレジデントがいる時に、臨床試験のどこに注意するかを意識しての質問ではありますが。中でも本当にカチンとくるMRさんは、いちおう今まで一人だけ。こんな感じのお話。

MRさん「先生、どうですか、●●は最近お使いになっていますか?」
自分「いやぁ、●●ってこの辺りが使いづらいなぁというのがあって。まだなかなかですね」
MRさん「一例からでも良いので、ぜひ」
自分「そうですね。適応になるような患者さんがいたら検討しときます」
MRさん「先生、適応は待つんじゃなくてつくるもんですよ」



ハァ?



 なにそれ。「適応はつくるもの」って、本気で言ってんの? そもそも”一例”って言い方が好きじゃないけど、その”適応をつくる”ってのは、患者さんを何だと思ってんの?

 これを機に、そのMRさんの信用は失墜しました。ほとんどのMRさん対話術に長けていて、それはブスッとした医者をはるかにしのぐもの。でもその人はダメでしたね…。もちろん対応そのものはそれまでとは変えずに丁寧にしますが、こころの中では「アンタんとこの薬剤は死んでも使わんぞ」くらいの気持ちです(あくまでも気持ち。その薬剤が合うような患者さんなら検討しますよ)。

 医者や薬剤っていうのは、患者さんの生活をちょっと支えるような存在です。ある時期は車椅子にもなり、またある時期は松葉杖にもなり、ある時期はちょっとした絆創膏にもなります。でも、それ以上では決してありません。なのに、「適応はつくるもの」っていうのは、薬剤ありきで、患者さんをそこに押し込めているような気がしてならないのです。患者さんは、薬剤治療のためにいるのではありません。医者は、患者さんがこの先の人生を少しでも幸せに過ごしてもらえるように、薬剤を使うのです。先のMRさんの発言は、それを無視したものに思えてなりませんでした。

 まぁ、ちょっと気にし過ぎじゃない?と言われたらそれまでですが、言葉の端々にその人の態度って何となく出てくるような。
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