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2019
05.27

学会は気が引き締まる、かも

 2019年の6月は、なんと精神神経学会の総会に行ってきます。もちろん(?)発表するわけではなく、開催地が新潟市だからというのが主たる理由。



新潟大学が母校なもので…



 こういうのがないと、新潟ってねぇ、ま、行かないですよね…。だからといって観光するわけではありませんよ。しっかりと講演を聞いてきます。自分は専門医ではないので、ポイントを気にせず聞きたい講演を聞けるのでした。ま、そもそも新潟に観光名所があるかと言われるとゴホンゴホン…。

 新潟は卒業以来一度も行っていません。いない間に大和デパートもなくなりラフォーレ原宿新潟もなくなり日本海タワーもなくなりレインボータワーもなくなり伊勢屋もなくなりひさごもなくなり何とセーブオンもなくなり(39円アイスが…)。2020年には新潟三越もなくなるそうで…(もはや古町がヤバい状況だ)。よし仙は生き残っているのかな? あそこの豆大福は小さくて食べやすくて好きでした(美味しいし)。あ、あと新潟駅に入っていたゲーセンもあるのかしらん。昔はよくそこでヌイグルミを乱獲していたものだ…(遠い目)。プラーカも息してるか?

 ちょっと新潟の空気を吸って、昔を思い出しながら学会に参加しようと思います。時間があれば清水フードをちらりと見て、白山神社にお参りに行って、あわよくばポッポ焼きを、と目論んでいます。クスリのコダマではまだポケットティッシュを配っているのでしょうか。お夕飯はみかづきの(さして美味しくない)イタリアンにしようかなぁ。新潟といえば日本酒ですが、自分はお酒を飲めないので興味なし。でも越乃景虎はちょこっと飲んだことあって、あれはスッキリしていて良かった記憶が。でも結局飲みきれなくて高級な料理酒に変貌しました。

 新潟大学医学部の周辺は、何と住所が”医学町”という名前でして、結構珍しいなと今になって思っています(医学部そのものは旭町通にあるのですが、その周囲が医学町なのです)。すごい呼び名ですよね。医学部と一緒につくられてきた町なのでしょう、たぶん。

 そういえば、以前に「学会なんて何の意味があるのか…」という内容の記事を書きましたが、その舌の根が乾かぬうちにてんかん学会に行き、まとめて勉強するには良いなぁと思いを改め、即撤回したのです。そして、参加するうちに 




自分の完全な上位互換がゴロゴロいる




 ということを思い知るにも、学会は大事なのだと感じました。一人で勉強していると、自分がどの辺りにいるのかが全然見えなくなってしまって、ともすると診察や治療も変な方向のまま誰からも指摘を受けず…になりがち。学会は、他の人の考えに触れる良い機会だなと思います。以前と意見が全く変わってしまった。
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2019
05.22

てんかんって奥が深いよね

Category: ★本のお話
 「最近の精神科医は "てんかん" の勉強をしない!」とよく言われます。自分もレジデントの頃は「てんかんってもう神経内科なんじゃ…?」という意識であり、そんなに診ることがないのでは、と思い込んでいた時期がありました、えぇ。

 しかし、てんかん発作の症状には精神症状もあるぞ、高齢発症のてんかんが意外に多いぞ、などなど聞くにつけ、「これって無視できないのでは…?」という意識にシフトしてきたのであります。

 昔は、てんかんと言えば "三大精神病" のひとつだったのです。統合失調症(当時は精神分裂病)、双極性障害(当時は躁うつ病)、そしててんかん。木村敏先生もてんかんで論文を書いていますね。しかし、てんかんの原因が分かり治療薬も登場し、治療する医者は神経内科へと移行した経緯があります。そのため、現代の若手精神科医は馴染みが薄いのです。

 実際にてんかん学会に入会して学術集会にちらっと行ってみると、今までの不勉強を猛省せねばなるまい、という気持ちに。現在は、てんかんの勉強会に2ヶ月に一度お邪魔して、診療でもてんかん発作を常に鑑別に入れて問診するという優等生(?)っぷり。いやぁ、人って変わるもんですね。

 自分が勉強していなかったために患者さんに不利益が生じていたかもしれないと思うと、やはりここは意識を新たにせねばなりません。そして、勉強しなかった自分の愚を若手の精神科医の皆さんにも犯してほしくない、という気持ちもあります。一度てんかん学会の学術集会に行って勉強してみると面白いのでは?と思います。

 でもって、勉強には本がツキモノ。今回はてんかんを学ぶ人のためのテキストを紹介をします。

 自分は中里信和先生の『ねころんで読めるてんかん診療』や榎日出夫先生の『てんかん診療 はじめの一歩』、小出泰道先生の『はじめてのてんかん・けいれん診療 -上手な説明・コンサルテーションの仕方-』『“てんかんが苦手”な医師のための問診・治療ガイドブック』といった本を導入に読みました。

 そんな中で、精神科医にオススメするのであれば、川崎淳先生の『トコトンわかるてんかん発作の聞き出し方と薬の使い方』が良いかなぁと思っています。若手精神科医へのレクチャーをまとめたものであり、情報もピンポイントです。最初は的を絞った本から入るのが大事でして(特に好きでもない分野は)、それにうってつけではないでしょうか、たぶん。

 ただ、ピンポイントなぶんちょっと情報量としては不足気味。高齢者への言及もなく、そこは手薄と思っておくべきです。最初の一冊として使用して、少し抵抗感を減じてから厚めの本、すなわち兼本浩祐先生の『てんかん学ハンドブック』を読んでいくのが良いと思います。『てんかん学ハンドブック』はもはや大定番であり、しかも2018年に改訂され第4版。自分のこれからのキャリアと本の改訂頻度を考えると、医者人生の中でたぶんこの第4版と最も濃密に関わることになりそうです。表紙も何だかポップな感じ。第2版から買っていますが、第4版で表紙がガラッと変わって何だか分厚くなったし、いろいろすごい。マニアックな世界に浸りたいのであれば、吉野相英先生が監訳をされている『てんかんとその境界領域』でしょう。鑑別のために買って読みましたが、なかなかにディープな感じを受けました。しかもちょっとお値段も高い…(10000円+税)。

 ということで、『トコトンわかるてんかん発作の聞き出し方と薬の使い方』と『てんかん学ハンドブック』の辺りでてんかん診療に厚みを出してみてはいかがでしょうか。
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2019
05.18

さあどっち!?

 ドラゴンクエストのCG映画が公開されるようで、しかもドラクエVを題材にするとのこと。ドラクエVの主人公は作中で最も過酷な人生を歩んでおり、映画にしやすいのでしょうね(注1)。幼少期に父親のパパスを目の前で失い(しかも燃やされて)、そして10年くらいの奴隷生活、からの8年の石像生活。ラストはハッピーだったので報われたなぁという印象。というか、それ以前にパパスが王だった頃から召使いのサンチョがずっと生きていて主人公の子どもが10歳になってもピンピンしていたって、どんな化け物なんや…? ある意味ラスボスか。

 さて、そんなドラクエVですが、何と主人公の結婚相手を2人から選ぶという、今思えば範馬勇次郎が敗北するほどにあり得ないシチュエーションがあります。自分はSFC版しかプレイしていないので、選択肢は姉御肌のビアンカ、そしてお嬢様のフローラ。

 子どもだった当時は迷わずビアンカを選びました。フローラはちょっと登場の仕方が唐突で、主人公が一目惚れをした(はず)ところに感情移入できなかったのです。強制的に死の火山に行く羽目になるし…。「あれ?」という感じで物語が進んでいってしまったのを覚えています。でも今なら「フローラは富豪のルドマンの娘さん…。富豪の、富豪の、富豪の…」ということで、腸内フローラさん!(おい)



もう完全に夢もロマンもないやね…(注2)



 ビアンカは言葉の端々に重さを感じると言うか何と言うか、子どもの頃はその間接的なところが良かったのですが、まぁ、うむ、長年暮らすことを想像するとやっぱりね…。

 このビアンカ対フローラは永遠のアポリアと言っても良く、また”きのこたけのこ戦争”に類するほどに派閥の和解が生まれません。でも、擦れっ枯らしの大人目線ではなく、子どもの頃だったら多くのプレイヤーはビアンカを選んだのでは、と推察しています。

 そのビアンカを選ぶ”象徴”として記憶に残っているのは、結婚相手を選ぶ(つくづく羨ましい)前夜の出来事。

 主人公がビアンカが泊まっている部屋に行くと、ビアンカは起きており


ビアンカ「私はもう少しここで夜風にあたってるわ。なんだか眠れなくて…」


 というセリフ。そして、ルドマン邸に赴きフローラの部屋に行くと、フローラはベッドに横になっており、話しかけると


フローラはよく眠っているようだ


 と出るのです。

 この出来事で、在りし日の自分は意外に繊細だったビアンカの方にぐぐっと向いたわけなのです。しかも設定からして幼馴染で久々の再会であること、父親の介護をしていること、などがあり、エニックス側も「ほれほれ、再会したビアンカかわいそうやろ。選んであげぇや」と言っているようなもの。これは治療者の救済者願望をくすぐる治療関係…ッッ! しかもフローラと結婚した場合、フローラはAIで動くのでプレイヤーが戦闘中に操作できないというデメリットも存在します。覚える呪文はイオナズンがあるから優れているんですけどね。かつ、どちらかと結婚した場合の、もう一方の生活を見てみると…。ビアンカと結婚したらフローラはアンディと結婚してめでたしめでたしなのですが、フローラと結婚したらビアンカはさびしく父親の介護(現代社会の問題ですよね…)。幸いなことに介護の甲斐あって父親は徐々に復活してくれます。良かった良かった。

 これは結構アンフェアな条件ですね、今振り返ると。フローラと結婚した場合、ルドマンから贈り物として2000Gと水のはごろもをゲットできますが、臨床試験として比較するにはビアンカに有利にあらかじめ組まれていると考えて良いでしょう。これは粉飾の疑いあり…?(注3)

 でも、今になってちょっと思うことがあるんです。あのフローラのぐうぐう寝ている様子。あれは



寝たふり…?



 ビアンカのことを知って、自分の恵まれた境遇と比較する。そうすると、フローラは主人公にビアンカと結婚してもらいたいと考えるようになり、それを誰も傷つけないように、誰にも知られないように、寝たふりという振る舞いで主人公をビアンカに向かせたのでは…???



フローラ、できる子…ッッ!



 そういう頭で考えると、前夜にフローラへ話しかけた時の「フローラはよく眠っているようだ」という表記が気になります。



よく眠っている”よう”だ



 seem to なのです…ッッ! おいおい、こりゃあどうするよ。そこまで、そこまで考えていたのかエニックス!

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1) 個人的にはドラクエIVの勇者も、幼馴染のシンシアをデスピサロに殺されて(しかもモシャスで身代わりになって)、仲間が揃うまでのフィールド上のBGMが寂しげな感じも相まって、結構つらいランク上位(はねぼうしは売らない!)。エンディングでは生き返ったのでしょうかね、それともあれは勇者の想像だったのでしょうか。
2) いや、仕事しなくて良いという夢はあるのですが。
3) アブストラクトだけ読むと気づかないパターン。
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2019
05.12

食べる勇気

 同僚から「昨日は子どもと一緒にアンパンマンミュージアムに行ってきた」ということで、大型連休明けにお土産をもらいました。

 アンパンマンミュージアムには明るくない(そりゃそうだ)ので、調べてみたら神戸とか横浜にもあるんですね。同僚が行ったのは、アンパンマンミュージアム名古屋。といっても、所在地は三重県でした…。アレですね、東京ディズニーランド(千葉)みたいな。

 もらったお土産は、"ジャムおじさんのパン工場" でつくられるアンパンマンのキャラクターパン。

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 おー、よく出来てますね。なんと、1個のお値段



310円!



 ま、でもこういうのはプライスレスというかご愛嬌というか、そんなことで。

 では、この感染症的にいかにも怖そうな "ばいきんまんパン" を…。あ、でも高熱で処理(オートクレーブ的な)してるから大丈夫か…?

RIMG1992.jpg

 かわいそうですが、ちょっと割ってみましょう。中には何が入っているのか。パカリ

RIMG1993.jpg



紅芋あん



 おっと、なんだか意外な中身。こんなピンクっぽい色なのか。ん? ピンク色、ピンク色といえば…




セラチアか! 




 ばいきんまん、実はセラチア菌なんじゃないか疑惑が誕生した瞬間でした。

 ちなみにアンパンマンパンのあんは少なめでした。良いの? それで。

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2019
05.02

ゆとりがなくなると

Category: ★精神科生活
 「人間関係でこじれてしまい、眠れなくなった。職場に行くとイライラして仕方がない」という患者さん。

患者さん「上司は色々言ってきてうるさかった。放っておいてほしかったんです。嫌がらせにも思えちゃって」

 この患者さんは、上司とのイザコザがあり、患者さんからは口を閉ざすようになりました。いっぽう、上司は患者さんに声をかけ続けたのです。それが患者さんに対する攻撃のようにも受け取られてしまい、かえって患者さんが上司から離れることになってしまいました。

 こちらからは、今の状態ならそう思ってしまうのも無理はないかもしれないとお伝えしながらも、ゆとりがなくなってくるとお互いに勘ぐってしまって、思っていたこととはまったく違うように受け取られてしまうこともあるともお話。しかし、患者さんはあまりそれについて納得していないようでした。最初から分からせようとするのは医療者側の視点でしかものを見ないことにもなるので、あまり強調せずにそっとしておくことに。まずは患者さんの悩みである不眠とイライラを共通の解決事項として合意しました。

 診察を重ねながら、患者さんの上司に対する意見を聞き「ひょっとしたら上司のかたはこう思ったのかもしれないですねぇ」と少しずつ自分の感じたこともお話。そうしたらついに


患者さん「先生の出してくれた薬で良く眠れるようになって、そしたら先生が言ってたことが分かってきました。この前上司が家に来て、そこで話をしたんです。”○○君には辞めてほしくなくて、それで話をしてたんだ。他の人ならもう諦めてる”って言ってくれて。僕、勘違いしてました。辞めさせようと思ってわざと仕事中も話しかけてくるんじゃないかと思ってました」


 とのこと…! これは話し合いがまさに”人薬”として作用してくれたのだと思います。さらに睡眠をとるようにしてもらうことで、こころに「あ、そうだったのか」と思える”ゆとり”が産まれたこともあるでしょう(これは薬剤の効果かな?)。

 ゆとりがなく焦りのカタマリになると人や自分自身のことを信じられなくなり、言葉や表情のウラを読んでしまいます。何から何までイヤに思えてきて、まさに”坊主憎けりゃ袈裟まで憎い”のことわざ通り。”あばたもえくぼ”なんていうのもありますが、その逆の”えくぼもあばた”とも表現できます。自分も他人も否定的に見てしまうのは、そんなサインでしょう。そういう時はシンプルにたっぷり寝るようにしてもらっています。意外とそれで「あれ? ひょっとしたら…?」と思えるようになることも多く、そこから診察でほぐしていく感じでしょうか。世の中には様々な治療法や治療薬もありますが、しっかり寝て疲れを取ることがやっぱり大事なのでございました。今回の話し合いも、もし眠れない状態続いていて焦りの中で行なわれていたら、ひょっとしたら患者さんが上司に持つ印象も悪い方になっていた可能性もあります。

 患者さんが上記のように語ってくれた診察で、ここぞとばかりに以下のことをお伝えしました。


自分「本当に辞めてもらいたいのなら、私なら無視をします。人が一番つらいのは孤立無援で、それはみんなから存在しないとみなされることだと思います。上司のかたが声をかけるのは、辞めてもらいたいからじゃなくて、つながっていてほしいからだったんでしょうねぇ」


 そしてオマケに


自分「○○さんと上司のかたって、こじれた恋人同士みたいなもんだったのかもしれませんね」


 と付け加え。患者さんは笑いながらも納得したような感じになりました。もちろんずっと仲違いをしたままのこともあり、このようにうまくコトが運ぶとは限りません。しっかりとした話し合いの場が持たれなければ、この患者さんも誤解が続いていた可能性も。でも不思議なもので、動いてほしい時に辛抱強く待っていると、事態って動いてくれますね。この”待つ”っていうのがきつく感じるのではありますが(だから医療者もきちんと寝てゆとりを持ちましょう)。

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