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2018
08.25

統合失調症治療におけるcGMPの役割

Shim S, et al. An emerging role of cGMP in the treatment of schizophrenia: A review. Schizophr Res. 2016 Jan;170(1):226-31. PMID: 26706197

 今回は統合失調症治療薬における細胞内経路の可能性を見てみます。初回がドパミン受容体阻害薬、前回がグルタミン酸受容体、そして最後の今回が前回でもちょっと出てきた細胞内経路。

 休暇中に読んだ最後の論文。7月の夏休みはゆっくり論文を読めたし知識の整理にもなったので、良しとしましょう。

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●導入
 統合失調症は人間の感情、知覚、思考、認知機能の様々な面に恐ろしい影響を与える精神疾患です。臨床的な特徴は陽性症状、陰性症状、認知機能症状に分類されます。治療の主流は抗精神病薬による薬剤治療です。第1世代と呼ばれる抗精神病薬の作用機序はドパミン受容体の阻害です。第2世代はセロトニン受容体の阻害や様々な受容体への結合プロフィールを示します。しかし、30%ほどが現在の治療では症状が改善せず、新しい治療ストラテジーが望まれています。
 この10年、種々の研究が行なわれ、統合失調症治療における "受容体依存性" の薬剤治療を超えた作用機序となりうるcGMPの調節が注目されています。このcGMPの合成はグアニル酸シクラーゼ (GC) によって合成されますが、NMDA受容体と一酸化窒素 (NO) によって調節されています。ホスホジエステラーゼ (PDE) がcGMPを加水分解しますが、これがもう一つの調節経路となります。このレビューでは、NMDA受容体エンハンサー、NOエンハンサー、NO阻害薬、PDE阻害薬、cGMPに影響を与える抗炎症薬としてのミノサイクリンの期待される効果を評価していきます。また、cGMPシグナル経路、酸化ストレス、神経炎症に影響を与えるメカニズムについても触れます。

●cGMPとそのシグナル経路の調節
 cGMPは細胞に幅広く分布しています。cGMPシグナル経路のキーとなるセカンドメッセンジャーであり、種々のタンパク質リン酸化に関わるcGMP依存性プロテインキナーゼ (PKG) を活性化します。リン酸化されたタンパク質はシグナルカスケードを開始し、多くの分子や細胞に影響します。cGMPはまたcGMP依存性カチオンチャネルなどの多くのタンパク質を直接活性化します。そして、PDEの触媒部位やアロステリック部位に結合し、ネガティブフィードバック機構によりPDE自身の分解を促進します。cGMPはGCが触媒となりGTPから合成され、PDEによって5'-GMPに分解されます。よって、GCとPDEはcGMPの細胞内濃度を決定する主な調節因子となります (fig. 1)。GCには2タイプが見つかっており、可溶性GCと膜結合型GCです。膜結合型GCは細胞外リガンドによって活性化され、可溶性GCのみがPKGによるシグナル経路や細胞内における他の神経化学的なプロセスに関わります。
 PDEはcGMPやcAMPの加水分解酵素のファミリーです。11のPDEのうち、PDE5, 6, 9の3つがcGMPを選択的に、PDE1, 2, 3, 10, 11の5つは両方を、PDE4, 7, 8の3つがcAMPを選択的に加水分解します。

fig. 1
fig 1

●NO/cGMP/PKGシグナル経路
 NOの活性化には可溶性GCが必要であるため、この可溶性GCはNO感受性GC (NO-GC) と呼ばれます。NOは神経にあるnNOSや内皮細胞のeNOSによってつくられます。NOSは構造的に不活性型であり、NOを低いレベルに保ちます。Caイオンが細胞に流入することで、Caイオンがカルモジュリン (CaM) に結合し、Ca-CaM複合体を形成します。これがNOSを活性化し、そこでL-アルギニンがNOとL-シトルリンに変換されます。NO-GCはcGMP合成の触媒として作用し、cGMPの濃度を劇的に上昇させます。このcGMPが様々なシグナルカスケードに関わる多くの標的タンパク質の活性化をもたらします (Fig. 1)。このカスケードによって神経保護や神経栄養、シナプス可塑性、内皮透過性、平滑筋の弛緩といった作用が生み出されます。NMDA受容体やNOやPDE阻害薬など、可溶性GCを活性化させる因子が統合失調症の新規治療薬となるのではないかと考えられ、研究が進んでいます。

●NMDA受容体を増強すると統合失調症症状の改善につながる
 NMDA受容体の機能低下が統合失調症の病態に関わっているのではないかという仮説があり、この機能を高めることが症状改善につながるかもしれないと言われています。NMDA受容体の非競合的アンタゴニストであるフェンサイクリジン (PCP) やケタミンやMK-801が統合失調症によく似た症状をもたらします。この20年、NMDA受容体エンハンサーを抗精神病薬に付加する試験が行なわれてきました。NMDA受容体グリシン結合部位のアゴニストであるグリシンとD-セリン、そしてグリシン再取り込み阻害薬のサルコシンは様々な症状を改善させることが示唆されましたが、後に行われた試験では結果が一貫していません。
 NMDA受容体エンハンサーが統合失調症の症状を改善させる可能性はありますが、その機序は明確ではありません。有力な仮説として、NMDA受容体の機能を増強するとNO/cGMP/PKCシグナル経路を活性化し、シナプス可塑性や神経保護や神経栄養の作用をもたらすというものです (Fig. 1)。NMDA受容体はNO/cGMP/PKCシグナル経路において大きな役割を果たしていることが知られています。NO合成の触媒をするNOSはNMDA受容体と連結しています。NMDA受容体が活性化することで、Caイオンが流入しCa-CaM複合体が形成されCaMKIIに結合します。その後、CaMKIIはNMDA受容体に連結しているNOSを活性化し、そのNOがNO合成の触媒となります。このように、NO合成はNMDA受容体の活性と強くリンクしており、NOの濃度はNMDA受容体の活性化の後に劇的に上昇します。NOはcGMP合成の触媒となるGCを活性化し、cGMPはNO/cGMP/PKCシグナルカスケードの下流を活性化します。

●NO活性化は統合失調症状を改善させるのか?
 NOが新規の治療ターゲットになる可能性が指摘されています。最近の臨床試験ではニトロプルシドを用いたものがあり、これは体内でNOに変換される降圧薬ですが、一回静注すると12時間以内に症状が著明に改善し、それが2-4週続いたのです。この試験の再現はなされていませんが、非常に期待されるものとなっています (コメント:2016年に二重盲検のRCTが行なわれましたが、残念なことにプラセボと有意差が付きませんでした。Psychol Med. 2016 Dec;46(16):3443-3450. PMID: 27655012)。ニトロプルシドの作用機序はNO/cGMPシグナル経路と考えられています。ニトロプルシドはNMDA受容体の下流を迂回して直接NOに変換され、cGMP産生を刺激しNO/cGMPシグナルカスケードを活性化させるようです。面白いことに、遺伝子の研究によってグルタミン酸伝達とcGMPは統合失調症において遺伝的に大きな比率を占めていることが報告されました。これは遺伝的な因子によってグルタミン酸伝達/NO/cGMP経路の機能不全がもたらされることを示唆しています。この経路が統合失調症の病態に関与しており、cGMPのアップレギュレーションが新規のターゲットになるだろうという私たちの見解と一致しています。

●NOの阻害は統合失調症症状を改善するのか?
 NOの産生を阻害することで統合失調症治療につながる可能性も示唆されています。ミクログリアの活性化は、ニトロソ化ストレスや酸化ストレスや炎症性サイトカインによる神経炎症のプロセスにおいて重要です。統合失調症の酸化ストレス仮説は、遺伝的そして発達的な因子が心理社会的なストレッサーと相互作用をすることでミクログリアを活性化し神経炎症の引き金となり、フリーラジカルを放出するというものです。神経炎症が長引くことでアポトーシスやミトコンドリア機能不全、興奮毒性、その他の神経毒性がもたらされ、統合失調症の病態を担ってくる可能性があります (Fig. 2)。神経炎症反応としてのNOフリーラジカルの形成が統合失調症の神経病理につながり、NOの産生を阻害することが治療となるかもしれません。
 酸化ストレスの理論は動物モデルや独特の抗炎症作用と抗酸化作用を持つミノサイクリンの研究から生まれました。10年の間、ミノサイクリンは脳梗塞、脊髄損傷、パーキンソン病、アルツハイマー型認知症、統合失調症、そして気分障害といった神経・精神疾患への治療可能性が指摘され、探求が進んできています。

fig. 2
fig 2

●ミノサイクリンの動物実験:げっ歯類での炎症モデル
 ミノサイクリンはLPSや3-NPなどによる炎症状態で見られるNO濃度やNOSの発現を減少させます。ミノサイクリンはサイトカインとNOの放出を抑えPKG経路の下流を活性化することで、Bcl-2濃度を高めカスパーゼの発現を抑制します。最近、LPSやGM-CSFを投与されたラットで、ミノサイクリンが自発運動の亢進を抑制し、社会性や新奇物体認識試験やプレパルス抑制の低下を改善したことが示されました。これはミノサイクリンが統合失調症の治療薬として期待できるものと指摘されてます。

●統合失調症げっ歯類モデルにおけるミノサイクリンの研究
 ミノサイクリンの可能性は、統合失調症のNMDA受容体アンタゴニストモデルでも支持されています。
 メカニズムはまだよく分かっていません。ケタミンモデルでは、抗酸化物質のマーカーであるグルタチオンや、フリーラジカルによって産生されるチオバルビツール酸反応性物質の濃度をミノサイクリンが正常化することが示されています。興味深いのは、ニトロソ化フリーラジカルであるNOが発生せずにこの変化が生じたことです。よって、ミノサイクリンはニトロソ化ストレスではなく酸化ストレスをブロックするのではないかということが示唆されます。また、ミノサイクリンは認知機能の改善をもたらす可能性も指摘されています。
 動物実験では、ミノサイクリンがフリーラジカルの形成を阻害し、これが統合失調症の治療で期待されるところです (Fig. 2)。しかし、これらの研究において、ミノサイクリンが炎症の多くの側面をブロックすると示されます。フリーラジカル形成を阻害するのは複雑な抗炎症作用の一部に過ぎません。酸化フリーラジカルはフリーラジカルの多くを占め、ニトロソ化フリーラジカルはNOとの相互作用で生じますが、これはフリーラジカル全体の一部でしかありません。よって、仮にミノサイクリンがNO産生を阻害したとしても、それが統合失調症治療においての大きな効果とは言い切れません。今のところ、NOのダウンレギュレーションがミノサイクリンの抗精神病作用だという明確なエビデンスはないのです。

●統合失調症患者さんにおけるミノサイクリン増強療法
 ここ数年、ミノサイクリン増強療法の小規模な試験がいくつか行なわれ、概ね陰性症状に効果を示しました。メタアナリシスではPANSSの陰性症状サブスケールスコアやSANSのスコアを減少させています。希望の持てるデータですが、スペクトラム診断ではなく統合失調症のみとし、より大きなサンプルサイズで、かつ長期効果を見ていく必要があるでしょう。

●統合失調症治療の有力なターゲットとしてのPDE阻害薬
 PDEは細胞内のcGMP濃度を主に調節する因子です。12のファミリーのうち、PDE5, 6, 9のみが選択的にcGMPを加水分解します。PDE阻害薬が統合失調症治療薬としての可能性を秘めていることが示唆されています。
 cGMPを加水分解するPDE阻害薬のうち、PDE5阻害薬がもっとも研究されています。PDE5阻害薬であるシルデナフィルが、げっ歯類の前頭前皮質や小脳や海馬で細胞外cGMP濃度を著しく高めることが示されています。統合失調症患者さんでシルデナフィル増強療法を見た試験がありますが、有意な効果を示せないものと示せたものとが混在しています。同じくPDE5阻害薬であるバルデナフィルは効果を示せず、PDE9にも親和性を持つザプリナストをマウスに投与した試験ではプレパルス抑制に効果を示していません。
 PDE阻害薬のうち、PDE9阻害薬がcGMPへの親和性が最も高く、新しいPDE9阻害薬のPF-4447943が聴覚ゲーティングやワーキングメモリーを回復させており、PDE9阻害薬の抗精神病薬としての可能性が考えられていました。しかし、線条体への低い親和性や行動面への効果がないことから、PDE9阻害薬は治療候補から外れてしまうようです。

●結論
 cGMPが統合失調症治療の新しい可能性となることが示唆されてきました。この20年、臨床試験や動物実験からNMDA受容体エンハンサーが特に陰性症状に効果的と示されています。NOのプロドラッグであるニトロプルシド、そしてPDE阻害薬はいくばくかの期待ができそうです。これらの薬剤に共通する作用はcGMPのアップレギュレーションであり、それによってcGMPシグナルカスケードが活性化し、神経保護や神経栄養をもたらし、臨床効果を生み出すと考えられます。いっぽう "酸化ストレス" 理論では、抗酸化作用と抗炎症作用を持つミノサイクリンがNOフリーラジカルの形成に関わる神経炎症を阻害して症状を改善する可能性があります。しかし、NOの調節が統合失調症にとって利益になるのか害になるのかは、今のところ明らかではなく、さらなる研究が待たれます。

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 なかなか統合失調症の治療はうまくいかないですね。前回の論文でもありましたが、病期によってNMDA受容体の経路の振る舞いが異なるのでしょう。NOが症状を改善させたりそうでなかったり、うーむ、と唸ってしまいます。うつ病とは異なり増強療法の効果もイマイチはっきりしませんし。ミノサイクリンは確かに使いたいですが、耐性菌の問題や偽膜性腸炎のリスクなどを考えると長期に投与できるものでもないでしょう。

 とはいいながら、自分はミノサイクリンを使用したことがあります。悪化するといつも昏迷状態になる患者さんで、毎回ベンゾが効かず抗精神病薬を使うと悪性症候群になるという人。これまでは昏迷中に肺炎など感染症を起こして総合病院で治療を受け、その感染症が治ると昏迷も良くなっているという経過をたどっていました。で、また昏迷状態で入院してきまして、何も薬剤の選択肢がなかったため、ご家族に説明してミノサイクリンを使用してみました (200 mg/day)。そうしたら疎通が良くなって改善したのでございます。これはお見事!という治療経過でしょうか (自分で言うか)。きちんとまとめて学会で発表すると面白かったかもしれませんね。

 そんなこんなでいろいろ悩みが深まって、統合失調症治療薬の3回シリーズは終了です。
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2018
08.21

統合失調症の創薬:グルタミン酸にはまだ可能性があるか?

Goff DC. Drug development in schizophrenia: are glutamatergic targets still worth aiming at? Curr Opin Psychiatry. 2015 May;28(3):207-15. PMID: 25710242

 前回のドパミン受容体アンタゴニストの論文がちょっと期待はずれだったので、グルタミン酸受容体の方を読みました。NMDA受容体が非常に動的であるというのが分かり、この分野の創薬が難しいというのが実感。治療抵抗性への薬剤はなかなか難しいのかもしれませんね…。

 この論文も全訳ではありません。細かい機序は自分の知識がなくて分からない部分もありまして…。

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●導入
 グルタミン酸シグナルの調節不全と統合失調症との関係性は四半世紀以上研究がなされており、創薬のターゲットをいくつか生み出してきました。グルタミン酸作動性のものが有力でしたが、大規模試験ではことごとく失敗してしまいました。それは、効果そのものがわずかであり、また臨床試験の信頼性が低いということを反映しているのかもしれません。ケタミンチャレンジなど、グルタミン酸作動性の創薬におけるモデルが不適切という可能性もあります。グルタミン酸の伝達は非常に動的であり、使用依存性であり、神経発達の状態に応じて変化するシステムです。NMDA受容体によるCaイオン流入のコントロールは可塑性と神経毒性のあいだの微妙なバランスとなり、それは複雑なフィードバックによってなされ、薬理学的介入の効果を予想するのが難しいのです。加えて、グルタミン酸作動性をターゲットにした薬剤の効果は個人差があり、遺伝的や環境的な影響によるところが大きいとされます。そのため、より一貫した結果を得るには個別化された治療アプローチが必要となってくるかもしれません。そして、記憶固定の際にグルタミン酸作動性の物質は神経可塑性へと働くため、学習を向上させるような心理社会的介入を同時に行なうべきでしょう。ここでは、創薬におけるモデルとしてケタミンチャレンジの歴史を簡単に取り上げ、グルタミン酸受容体の薬理学に言及します。NMDA受容体やAMPA受容体、代謝型グルタミン酸受容体をターゲットにしたこれまでの開発やこれからの方向性も述べていきます。

●ドパミンモデルとケタミンモデルの簡単な歴史
 統合失調症のドパミンモデルは、高用量の神経刺激薬によってドパミン伝達を過剰にすると精神病症状が観察されたこと、そしてD2受容体遮断がその症状を改善したことに基づき、その優位性を示しました。しかし、統合失調症の症状すべてを捉えているわけではないことがすぐに明らかになり、そのモデルに基づく治療は陰性症状や認知機能障害には利益がなく、そして精神病症状も約1/3の患者さんで改善を示せませんでした。陰性症状や認知機能障害の説明として前頭前皮質におけるドパミンシグルナルの二次的な欠損が提唱されましたが、その部位でのドパミン伝達増加を狙った介入は失敗に終わっています。
 対して、1959年の初期、PCP (フェンサイクリジン) がドパミンアゴニストよりも統合失調症の症状をより広く捉えていることが分かりました。1990年までに、PCPとケタミンがNMDA受容体のCaチャネルを阻害することで作用し、NMDAとドパミン伝達の調節不全が絡まっているという新しいモデルが誕生しました。感覚入力の処理にドパミン作動性シグナルとグルタミン酸作動性シグナルが相互作用していると言われ、また、NMDA受容体アンタゴニストの投与により前部帯状回の神経変性が生じることで、統合失調症における神経発達の脆弱性が指摘されたのです。ケタミン投与によっても多くの症状が再現されましたが、PCPの方が統合失調症の症状を再現するには優れていました。ケタミンとPCPはNMDA受容体に加えてD2受容体、ニコチン性アセチルコリン受容体、シグマ受容体に結合するいっぽう、NMDA受容体アンタゴニストとして選択的に働く物質も精神病症状をもたらすことが分かってきました。ハロペリドールで安定している患者さんにケタミンを投与すると精神病症状が再燃するものの、クロザピンでは再燃しにくい傾向にあったのですが、これはNMDA受容体がクロザピンの優れた効果の一部を担い、一般的な抗精神病薬が有効でない症状につながっていることを示すものです。しかし、創薬におけるケタミンモデルの有用性はまだ確証が得られていません。臨床で高い効果を示すD2受容体アンタゴニストがケタミンモデルではあまり有効でなく、ケタミンの効果を弱める薬剤、例えばラモトリギン、mGluR2/3作動薬 (LY35470, LY2140023 monohydrate) 、5-HT2A受容体アンタゴニスト (M-100907)、NMDA受容体グリシン結合部位における作動薬などは大規模臨床試験で一貫した効果を示せておらず、クロザピンが唯一です。ケタミンが創薬のモデルとなるならば、適切なターゲットは不明のままです。ケタミンはNMDA受容体に作用しますが、それが介在ニューロン、錐体細胞、腹側被蓋野のドパミンニューロンのどこかは明確でなく、またクロザピンに関して言えば、効果とNMDA受容体の遺伝子型とのつながりは証明が難しいのです。

●グルタミン酸受容体
 グルタミン酸は中枢神経系において興奮性の神経伝達物質であり、イオンチャネル型とGタンパク質共役型である代謝型の2つのクラスの受容体に作用します。イオンチャネル型はNMDA受容体、AMPA受容体、カイニン酸受容体に分類されます。ほとんどのNMDA受容体は四量体であり、2つのGluN1サブユニットを含みます。このサブユニットはグリシンやD-セリンやD-アラニンといったコアゴニストの結合部位を持ちます。GluN1サブユニットはGluN2A-DやGluN3といったサブユニットとともに四量体を形成しますが、これらはグルタミン酸やアスパラギン酸の結合部位を持ちます。NMDA受容体サブユニットの発現は使用依存性であり、発達の段階や細胞のタイプ、脳部位、シナプス活性の度合いによって変わってきます。GluN2AやGluN2Bは主に錐体細胞に見られ、GluN2CやGluN2Dは介在ニューロンに限局しています。NMDA受容体のイオンチャネルが開口するにはグルタミン酸とグリシンの結合部位がともに占拠されていることが必要です。加えて、NMDA受容体のチャネルはMgイオンによってブロックされており、細胞が脱分極した時に外れます。それゆえ、NMDA受容体は "一致検出器" であり、2つの神経伝達物質による占拠と、AMPA受容体のチャネルや他のイオンチャネル (NaやK)による細胞脱分極とが一致して起こることが必要となります。この他のイオンチャネルの中にはL型Naチャネルなどがあり、最近のGWASによって統合失調症に関連していることが分かってきました。NMDA受容体のチャネル開口はさらにグリシン結合部位の内因性遮断物質、キヌレン酸、ポリアミン、pHによって調節されています。このように多くの物質が関与していることは、Caイオンの流入による神経可塑性と神経毒性のバランスに厳しいコントロールが必要だということを示唆しています。NMDA受容体のチャネル開口によってCaイオンが細胞内に流入することで、タンパク質の発現が促され、シナプス後部で興奮性の電流が比較的長期間生じます。NMDA受容体は、LTP (長期増強) と記憶形成に関与する海馬でのスパイクのバースト、そして注意、感情の強い高まり、新奇性と報酬への反応において特に重要です。
 脳の発達の初期では、急速なミエリン化や神経の分化の際にGluN2Bサブユニットを含むNMDA受容体がGluR2サブユニットを有さないAMPA受容体とともに多く認められます。これら受容体のサブタイプはCaイオンの伝導性を最大化し、受容体の活性化によってシナプス形成を促し、活性化していない細胞のアポトーシスによる除去や刈り込みを防ぎます。しかし、これら受容体は低酸素や炎症による興奮毒性への脆弱性をも高めてしまうのです。脳の発達が進むと、主にシナプスに認められるGluN2Aサブユニットを含む受容体が増加し、神経保護とシナプス増強を担うとされています。GluN2Aサブユニットを含むNMDA受容体はCaイオンの伝達を弱め、グリシンやD-セリンへの親和性が他のNMDA受容体よりも極めて低くなっています。NMDA受容体は非常に動的です。サブユニットが小胞体で組み立てられた後、受容体は細胞表面に輸送され、そこでは足場タンパク質 (postsynaptic density-95など) と結合し、シナプスとシナプス間隙との間を側方拡散によって動き、細胞膜内外を循環します。NMDA受容体は抑制性介在ニューロンの早期の遊走や成熟にも必要です。統合失調症と関わりのあるところでは、発達早期におけるNMDA受容体の活性化はGABA作動性の介在ニューロンでのパルブアルブミンとGAD67の発現を調節します。これらはγ帯域の周期的皮質活動や様々な脳部位の同期性に必要とされます。いっぽう成人期においてNMDA受容体が除去されても介在ニューロンの調節にはあまり影響しません。ケタミンやPCPは主に抑制性介在ニューロンのNMDA受容体に働きかけ錐体でのグルタミン酸放出を促し皮質の興奮性を高めると言われてきましたが、最近はNMDA受容体アンタゴニストによって錐体細胞の発火が直接的に阻害されてしまうことの関係性が示唆されています。だが成人では、ケタミンによってNMDA受容体が遮断されることで、前頭前皮質や海馬でグルタミン酸が過剰に放出されます。それによりγ帯域の自発活動の上昇が見られ、γリズムが乱れ、腹側被蓋野のドパミンニューロンの発火が障害され、結果的に線条体でドパミンが過剰に放出されることとなります。NMDA受容体サブユニットの構造は種々の薬理学的ターゲットになりうるのですが、グルタミン酸シグナルは非常に動的であり活動依存性であるため、効果が非常に予測しづらいのです。

●NMDA受容体関連のターゲット
 NMDA受容体の直接的なアゴニストは神経毒性となる可能性があるため、初期はグリシン結合部位に注目が集まりました。グリシンは血液脳関門を通りづらく、プロドラッグであるミラセミドが最初にテストされたのですが、結果は失敗に終わりました。対して、第1世代の抗精神病薬に高用量のグリシンを付加すると、特に陰性症状に有効でした。グリシン結合部位の内因性アゴニストであるD-アラニンとD-セリンは同様に陰性症状を改善させました。パーシャルアゴニストであるD-サイクロセリンは有効ではなく、クロザピンに付加するとかえって陰性症状が悪化したのです。CONSISTでは、第2世代抗精神病薬へのグリシンやD-サイクロセリンの付加は有効性を示せませんでした。初期の試験の再現に失敗した理由は不明ですが、CONSISTのサブ解析では抗精神病薬が第1世代であった場合、グリシンの効果が示唆されたのです。第2世代はおそらくセロトニン5-HT2A受容体を介しグルタミン酸伝達に影響しているのではないかと考えられました。その後の大規模臨床試験でもD-セリンの効果は示せなかったのですが、血液脳関門を突破できない問題は残っていました。しかし、初期の試験とその試験ではD-セリンの使用量はほぼ同じだったのです。血液脳関門やD-サイクロセリンがフルアゴニストではないことを考慮すると、グリシン結合部位がこれらの試験で十分にテストされたかはよく分からないままとなっています。
 グリシン結合部位を占拠するためのもう一つの戦略は、GlyT1の阻害です。GlyT1は前脳部のグリア細胞に位置し、シナプスのグリシン濃度を相対的に低く保っています (コメント:GlyT1は主にアストロサイトに発現し、シナプス間隙からグリシンを除去する働きを持つようです)。初期の試験では、低力価のグリシン再取り込み阻害薬とグリシン前駆体であるサルコシンの成績が良好であり、D-セリンを凌駕する場合もありました。製薬会社の中にはGlyT1阻害薬を開発するところもあり、そのひとつとしてビトペルチンがつくられましたたが、結局は効果を示せませんでした。そして、反応を予測するようなバイオマーカーは今のところ見つかっていません。
 このアプローチに見切りをつける前に、2つの問題が指摘できます。ひとつは、グルタミン酸調節不全のエビデンスは統合失調症の初期にもっとも強く見られる点であり、疾患の進展に繋がる可能性があるということ。よって、初回エピソードや前駆期への試験が議論されるべきでしょう。もうひとつは、D-セリンはグリシンよりもNMDA受容体のチャネル開口の調節に重要であり、統合失調症においてより中心的な役割を果たしているかもしれないという点です。DAO (D-アミノ酸酸化酵素) 阻害薬のベンゾエートはD-セリンの濃度を上昇させ、陰性症状と認知機能の改善を示しました。しかし、DAOが最高濃度を示したのは小脳と脳幹であり、統合失調症でNMDA受容体の活動が落ちている脳部位ではありませんでした。加えて、DAOは細胞内のD-セリン濃度を調節するのですが、シナプスにおけるD-セリンの濃度は主にAscT (アラニン-セリン-システイン トランスポーター) によって調節されています。抗酸化物質であるグルタチオンの試験は陰性症状がわずかに改善したものが一本と、症状は改善しなかったものの脳波での同期が改善したものが一本でした。グルタチオンはシステインの濃度を上昇させることでケタミンの効果を弱める可能性があります。システイン濃度が高まると、AscTによる取り込みをD-セリンと競合するようになります。別の方法は、内因性のグリシン結合部位アンタゴニストであるキヌレン酸の濃度を下げることです。キヌレン酸はアストロサイトでトリプトファンの代謝によって産生され、炎症の存在下では神経保護の役割を果たすと考えられています。キヌレニンアミノトランスフェラーゼIIを阻害することでキヌレン酸濃度を下げる介入が現在行われています。

●D-サイクロセリンとNMDAサブユニット:選択的ポジティブアロステリックモジュレーター
 D-サイクロセリンの結果は一致していませんが、単回投与では認知機能が強化されており、それは反復投与で消失していました。これはNMDA受容体の内在化に関わるグリシン結合部位の役割を反映しているかもしれません。D-サイクロセリンはGluN2AとGluN2Bサブユニットを含むNMDA受容体のパーシャルアゴニストですが、GluN2Cサブユニットを含む受容体ではグリシンよりも大きな作用を持つフルアゴニストです。GluN2Cサブユニットは主に小脳に局在してますが、前頭前皮質と海馬と視床の介在ニューロンにも認められます。統合失調症患者さんの死後脳を用いた研究では、GluN2Cサブユニットは前頭前皮質で選択的に減少していました。D-サイクロセリンによって記憶や学習が改善したという報告もあり、認知療法との併用でその改善が強まる可能性もあります。そして、GluN2AとGluN2Bサブユニットを含むNMDA受容体への選択的アロステリックモジュレーターが開発中です (コメント:アロステリックモジュレーターは内在性リガンドの作用する部位とは異なる部位に働き、受容体のサブタイプ選択的に結合できるそうです)
 ケタミンモデルからは、あと2つの薬理学的な戦略がもたらされています。ひとつは、GABA作動性抑制性ニューロンのNMDA受容体を阻害することがケタミンの効果において中心的な働きをしているという仮説です。しかし、GABA作動性の介在ニューロンの発火を強める方法は不成功に終わっています。もうひとつは、ケタミン投与後に生じるグルタミン酸の放出増加です。グルタミン酸濃度が過剰になると、ネットワークの同期性が乱れ、神経毒性につながってしまいます。ラモトリギンやmGluR2/3アゴニストはグルタミン酸の放出を抑制し、ケタミンの効果を弱めることが示されています。試験の結果は振るわなかったのですが、メタアナリシスではラモトリギンがクロザピンとの併用で効果を示す可能性が指摘されました。グルタミン酸の過剰な伝達は病初期においてのみ確認されることかもしれず、初回エピソードや前駆期でこのアプローチの試験を行なうべきでしょう。

●AMPA
 NMDA受容体とともに、AMPA受容体はLTPや神経可塑性に不可欠です。チャネル開口によってNaイオンが流入し脱分極することで、NMDA受容体のチャネルをブロックしているMgイオンが外れます。NMDA受容体からCaイオンが流入すると、シナプス後部のAMPA受容体はシナプスを強化し、LTPや記憶形成に重要となります。ケタミンの効果の中にはAMPA受容体に働きかけるものもあります。ケタミンの効果は内側前頭前皮質と海馬でもっとも認められ、ラットの研究では、ケタミン投与で内側前頭前皮質の活性が落ち、それはAMPA受容体アンタゴニストの投与でブロックされました。AMPA受容体のフルアゴニストはけいれん閾値を下げてしまうため、アロステリックモジュレーターが開発中です。しかし、臨床試験では効果を認めていません。

●代謝型グルタミン酸受容体
 代謝型グルタミン酸受容体は、サブユニットの構成によってグループ1 (mGlu1とmGlu5)、グループ2 (mGlu2とmGlu3)、グループ3 (mGlu4とmGlu6とmGlu7とmGlu8) に分類されます。統合失調症の創薬にもっとも関連しているのがグループ1とグループ2です。グループ1はほとんどシナプス後部に存在し、活性化するとCaイオン流入を促します。グループ2はシナプス前部に存在し、神経伝達物質の放出を阻害します。グループ1アゴニストのプロドラッグであるLY2140023はケタミンの効果をブロックしたのですが、臨床試験では有益な結果となりませんでした。代謝型mGlu5受容体はNMDA受容体と同様の局在傾向を示し、同じ足場タンパク質を共有し、NMDA受容体によるLTPを促進します。mGlu5受容体の遺伝子は統合失調症と関係しており、mGlu5ノックアウトマウスは統合失調症と同一の行動を示し、mGlu5とNMDA受容体をつなげるhomerタンパク質をノックアウトしたマウスも同様でした。このmGlu5受容体によって、NMDA受容体がGluN2Bサブユニットを含むものからGluN2Aサブユニットを含むものにスイッチすることが示されています。このスイッチはパルブアルブミンを含む抑制性介在ニューロンの発達や成熟に必要です。現在の統合失調症モデルに関して言えば、mGlu5受容体はミクログリアの活性化を調節しています。mGlu5ポジティブアロステリックモジュレーターはケタミンやアンフェタミンによる効果を改善し、LTPやLTD (長期抑圧) を促進することも示されました。しかし、バイオアベイラビリティの問題から、臨床試験は遅れています。そして、mGlu5ネガティブアロステリックモジュレーターが抑うつモデルに効果を示しており、mGlu5ポジティブアロステリックモジュレーターが逆の作用を示すかは不明のままです。

●細胞内経路
 これからの創薬はNMDA受容体下流の細胞内経路にその鍵があります。NMDA受容体のチャネルが開口すると、Caイオンが流入し、カルモジュリン、NO合成酵素、アデニル酸シクラーゼ経路が活性化します。これはcAMPとcGMPの産生、そしてシナプス可塑性や神経新生に関わるCREB (cAMP response element-binding protein) のリン酸化につながります。NO合成酵素経路は統合失調症に強く関連していると考えられており、複数の創薬ターゲットとなっています。ニトロプルシドを一回静注すると急性期の患者さんで陽性症状も陰性症状も著明に改善したという研究があります。PDE阻害薬もまたcAMPとcGMPの産生を促し、認知機能を改善させる可能性があります。PDE5阻害薬はcGMPを増やして記憶を改善させますが、統合失調症での研究結果は一致していません。ヒトの脳におけるPDE5の濃度がまだ良く分かっていないため、結果の解釈が難しいのです。PDE4やPDE10の阻害薬は現在開発中であり、いくつかは認知機能改善に期待ができます。

●結論
 グルタミン酸シグナルの調節不全は統合失調症で強く示されています。さらに、ケタミンチャレンジによって、NMDA受容体シグナルの急激な調節障害によって生じる統合失調症の症状を改善する物質を同定することができます。残念ながら、ケタミンチャレンジによって同定された薬剤は臨床試験で失敗していますが、これはこの戦略の特異性の低さを示唆しています。クロザピンはケタミンチャレンジの有用性を示す重要な例です。概して、グリシンやセリンの濃度を上昇させてグリシン結合部位に作用する物質は、初期には成功したが大規模試験で失敗しています。これは、治療効果がきわめて乏しいこと、疾患の異質性、大規模臨床試験の再現性などを反映しているかもしれません。グリシンやD-セリンは血液脳関門を透過しづらく、GlyT1阻害薬であるビトペルチンは臨床試験において効果は小さく結果も一致していません。このアプローチを捨てる前に、個別化医療のために病初期やバイオマーカーなどを考慮すべきでしょう。これはラモトリギンやmGluR2/3アゴニストにも言えることであり、これらも効果が小さく試験間でも結果が一致していません。NMDA受容体サブタイプやmGluR5受容体に選択性の高いアロステリックモジュレーターの開発など、新しい方向性の創薬が始まっています。これらは心理社会的な介入と組み合わせることで、神経可塑性を高め学習を促進する可能性があります。そして、NMDA受容体下流の細胞内経路も神経可塑性に関与し、それは興奮毒性のある細胞外のグルタミン酸受容体をターゲットにする問題点を突破できています。グルタミン酸に関わる物質はまだ効果を見いだせていませんが、このアプローチに見切りをつけるのは大きな間違いであり、創薬においてもっとも期待できる分野なのです。この疾患に苦しむ患者さんが新しくより良い治療必要としているのです。

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 以上のような内容です。グルタミン酸受容体へのアプローチは、ちらほらと薬剤を開発中と聞きながらもその後は音沙汰なし…というのを繰り返しているような印象で、難しいんだなぁと思います。個人的には細胞内経路に期待大ですし、ニトロプルシドの論文が出た当時は「へー」と驚いたものです。また、この論文では触れられていませんが、ATP受容体なんかも治療の対象になっていくのかなぁと想像しています。

 ただ、大手製薬会社は向精神薬、特に抗精神病薬の薬剤開発からは手を引いてきているので、これからがやや不安でもあります。もちろん薬剤以外の治療法を手厚くすることを忘れてはいけないのですが。
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2018
08.17

統合失調症治療におけるドパミン受容体アンタゴニスト:現在、過去、未来

Li P, et al. Dopamine Targeting Drugs for the Treatment of Schizophrenia: Past, Present and Future. Curr Top Med Chem. 2016;16(29):3385-3403. PMID: 27291902

 タイトルが面白そうだった上記論文を読んでみましたが、全体を通して特に目新しい内容はなかったです (残念)。筆者らがある薬剤を開発している製薬会社の社員だったので、ややその薬剤の宣伝的な部分もありました。以下は全訳ではありません (薬理的な部分や面倒なところは飛ばしています)。

 英語では "Past, Present and Future" という表記でしたが、日本語訳では "現在、過去、未来" と順番を一部入れ替えました。深い意味はまったくなく、渡辺真知子さんの影響です、たぶん。

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●導入
統合失調症
 統合失調症は有病率が約1%であり、陽性症状、陰性症状、認知機能障害をもたらします。社会機能を損なうため、家庭や職場に参画することが難しくなってしまいます。疾患のメカニズムは不明ですが、ドパミン系の機能不全が関与しており、セロトニン系も重要な役割を担っています。ゲノム研究によって、多くの遺伝子が関わる疾患ということが示されてきています。

現在の治療
 陽性症状は脳内、特に中脳辺縁系におけるドパミン過剰状態、そして陰性症状と認知機能障害は中脳皮質系におけるドパミン過少状態がそれぞれ関与しているとされます。クロルプロマジンやハロペリドールといったドパミンD2受容体アンタゴニストは陽性症状の改善に効果を示してきました。しかし、これら第1世代の抗精神病薬は陰性症状と認知機能障害には効果を示さず、より悪化させる可能性もありました。複数の受容体に結合することから、大きな副作用をもたらすこともあります。ドパミンの神経伝達を調節することは大きなアプローチですが、セロトニン、グルタミン酸、GABA、アセチルコリンなど他の物質も統合失調症の病態生理に関わっていることが分かってきました。これら多くの神経伝達の機能不全のため、1つの神経伝達物質による経路をターゲットにしても十分な効果が上がらないのです。そうではなく、多くに関与することで、陽性症状と同じく社会的な機能不全にもより効果を示すことが出来るかもしれません。

●抗精神病薬の発展
 1950年代にクロルプロマジンが導入されて以来、多くの抗精神病薬が生まれました。化学構造は多様ですが、D2受容体遮断を主としていたのは共通していました。これらは臨床効果や作用機序といった点から、定型抗精神病薬と非定型抗精神病薬に分類されます。定型抗精神病薬の代表はハロペリドールとクロルプロマジンであり、第1世代とも呼ばれます。第1世代は陽性症状を改善するには効果的ですが、錐体外路症状、高プロラクチン血症、認知機能低下といった副作用により限界がありました。これらはD2受容体を強く占拠してしまうことによるとされます。非定型抗精神病薬は、クロザピンなどが偶然に発見されたことから始まりました。クロザピンやリスペリドンなどの非定型抗精神病薬は第2世代と呼ばれ、D2受容体遮断に加えセロトニン5-HT2A受容体を遮断することがその特徴です。これにより錐体外路症状が減少したものの、体重増加や代謝異常が意図せず増加しました。また、アカシジアも依然として多く見られます。クロザピンはもっとも効果的な抗精神病薬ですが、安全性に問題があり、第一選択とはなりません。アリピプラゾールやブレクスピプラゾールはD2受容体のアンタゴニストではなくパーシャルアゴニストであり、第3世代として市場に出ていますが、依然として非定型の1つとして考えられています。シナプス前部のD2受容体に対するパーシャルアゴニスト作用で錐体外路症状と高プロラクチン血症が減少しますが、シナプス後部へのパーシャルアゴニスト作用によってアカシジアが見られ、賭博や性交渉などの衝動的な行為も認められることが分かってきました (コメント:これはD3受容体のパーシャルアゴニスト作用が大きいと思います)。現在、陽性症状のみならず社会機能を改善させ、安全性と忍容性をも向上した薬剤が開発中です。例えばITI-007はセロトニン、ドパミン、グルタミン酸の神経伝達に関与する薬剤です。第1世代と第2世代を軽く復習した後、新しい機序に基づく薬剤候補を述べます。ハロペリドール、クロザピン、リスペリドン、アリピプラゾール、ITI-007の順に見ていきましょう。

ハロペリドールと他の第1世代
 定型抗精神病薬はD2受容体遮断によって作用を発揮します。これらはいくつかのクラスに分類され、クロルプロマジンやレボメプロマジンなどのフェノチアジン誘導体、クロルプロチキセンやクロペンチオールなどのチオキサンチン誘導体、ピモジドなどのジフェニルブチルピペリジン誘導体といったものがあります。ブチロフェノン誘導体というクラスもあり、これには有名なハロペリドールが属します。このクラスに入る他の抗精神病薬には、ブロムペリドール、ピパンペロンなどがあります。ブチロフェノン誘導体は様々な受容体結合プロフィールを示します。ピパンペロンは第1世代の定型抗精神病薬に分類されますが、強力なセロトニン5-HT2A結合能を示し、非定型抗精神病薬に前身とも考えられます。
 これら定型抗精神病薬の中で、ハロペリドールがもっとも使用されます。これは1958年に合成されました。ドパミン受容体とα1アドレナリン受容体に強く結合し、5-HT2C受容体とヒスタミンH1受容体とムスカリンM1受容体への結合能は非常に弱くなっています。ハロペリドールはCYP3A4によってピリジニウムへと代謝されますが、遅発性ジスキネジアはこのピリジニウムの増加が関連している可能性があります。この増加を避けるため、ハロペリドールをベースにした種々の抗精神病薬が開発されるようになりました。

クロザピン、リスペリドン、アリピプラゾールと他の第2世代
 ドパミンD2受容体遮断を主とした定型抗精神病薬と異なり、第2世代抗精神病薬はセロトニン、特に5-HT2A受容体への関与が強くなっています。5-HT受容体への作用は、抗精神病薬の特性とも言える錐体外路症状のリスクを緩和します。
 5-HT2A受容体遮断は中脳辺縁系のD2受容体遮断を強めるいっぽうで、黒質線条体系のD2受容体遮断には関与しません。D2受容体遮断とともに、非定型抗精神病薬の重要な働きの1つと考えられています。
 1960年代に偶然発見されたクロザピンによって、統合失調症の薬理学的治療は第二幕を開けました。クロザピンは抗精神病薬としての効果を示し、かつ錐体外路症状や高プロラクチン血症のリスクが著しく低かったのです。第1世代の抗精神病薬とはプロフィールが全く異なっており、いわゆる非定型抗精神病薬のプロトタイプとなりました。クロザピンをベースにつくられた第2世代抗精神病薬はオランザピンやリスペリドンである (コメント:リスペリドンはハロペリドールからの流れで、オランザピンはクロザピンからの流れで開発されたと思います)。これらの非定型抗精神病薬は薬理学的プロフィールがいくらか異なりますが、ドパミンD2受容体とセロトニン5-HT2A受容体への遮断作用は共通していました。非定型抗精神病薬は2つのグループに分けられます。1つはD2受容体と5-HT2A受容体に軽く結合し、他にも種々の受容体に結合するもので、クロザピン、オランザピン、クエチアピンが代表です。もう1つはD2受容体と5-HT2A受容体への強力な遮断作用を持つもので、リスペリドン、セルチンドール、ルラシドンです。これら第2世代抗精神病薬の中で、クロザピンとリスペリドンが最も広く使用されている (コメント:このように書かれていましたが、日本では異なるはずです)
 クロザピンは非常に多くの受容体に結合します。1961年に合成され、1970年代にヨーロッパで最初に導入されました。しかし、無顆粒球症の副作用で死亡することがあったため、マーケットから撤退しました。体重増加と代謝異常を引き起こし、けいれんや心筋炎といった副作用も認められました。しかし、安全性に懸念があったにもかかわらず、最も効果のある抗精神病薬として1990年にアメリカ市場に再導入され、治療抵抗性統合失調症にのみ使用されることとなりました。オランザピンはクロザピンと非常によく似た構造ですが、無顆粒球症のリスクは非常に低くなっています (コメント:個人的には、クロザピンのこの免疫系への作用が優れた作用をもたらしているようにも思います)
 リスペリドンはドパミンD2受容体とセロトニン5-HT2A受容体への強い遮断作用を持つ抗精神病薬であり、1988年から1992年にかけて開発されました。体重増加、起立性低血圧、鎮静といった副作用は5-HT2C受容体、アドレナリンα1受容体、ヒスタミンH1受容体への高い結合能によります。
 アリピプラゾールは比較的新しい抗精神病薬であり、非定型抗精神病薬の第3グループとなっています。クロザピンやリスペリドンと異なり、アリピプラゾールは5-HT1A受容体とシナプス前部と後部のドパミンD2受容体のパーシャルアゴニスト作用、5-HT2A受容体の遮断作用を持ちます。ブレクスピプラゾールはアリピプラゾール代謝物のアナログと考えられています。ブレクスピプラゾールはシナプス前部と後部のドパミンD2受容体とD3受容体のパーシャルアゴニスト作用を持ち、アリピプラゾールと比較して5-HT1Aへのパーシャルアゴニスト作用、5-HT2A受容体の遮断作用、アドレナリンα1B受容体の遮断作用をより強力に持ちます。カリプラジンはもう一つのドパミンD2受容体とD3受容体のパーシャルアゴニストです。D3受容体の方に高い結合能を持ち、5-HT2A受容体への結合能は弱いとされます。

ITI-007と他の期待される薬剤
 上記のほか、ドパミンや他の受容体を狙った薬剤候補がいくつかあります。例えばITI-007、bifeprunox、zicronapine、Lu AF35700、RP5063です。
 ITI-007は抗精神病薬としての効果に加え、社会機能の改善が期待されています (コメント:この論文では新薬候補の例としてITI-007が出てきますが、これは著者がこの薬剤を開発している会社の社員ということもあるでしょう)。セロトニン、ドパミン、グルタミン酸の経路をターゲットにしています。強力な5-HT2A受容体遮断作用とドパミン受容体の下流であるホスホプロテイン経路の調節作用、そしてセロトニン再取り込み阻害作用を持ちます。ドパミン受容体に関しては、中脳辺縁系と中脳皮質系に選択的に働き、シナプス後部のD2受容体には遮断作用を、シナプス前部のD2受容体にはパーシャルアゴニスト作用を持ちます。また、側坐核など線条体外でドパミンの豊富な脳部位においてNMDA受容体のNR2Bサブユニットのリン酸化を増強することで、グルタミン酸の活性を間接的に調節します。
 BifeprunoxはD2受容体と5-HT1A受容体のパーシャルアゴニスト作用を持ちます。しかし第III相試験で有効性を十分に示せなかったため、開発は終了しています。
 ZicronapineはD1受容体とD2受容体、そして5-HT2A受容体への強力な遮断作用を持ちます。Lundbeck社はLu AF35700を開発したことから、2014年にzicronapineに見切りをつけています。Lu AF35700はD1受容体により強力に結合し、また5-HT6受容体への結合能も高く、第III相試験中となっています。
 RP5063はD2, D3, D4受容体、5-HT1A, 5-HT2A受容体への強力なパーシャルアゴニスト作用と、5-HT6受容体と5-HT7受容体への遮断作用を持ちます。これも第III相試験中となっています。

●ハロペリドール、クロザピン、リスペリドン、アリピプラゾール、ITI-007の比較
 ここでは、第1世代からハロペリドール、第2世代からクロザピン、リスペリドン、アリピプラゾール、そして新薬候補からITI-007を挙げ、比較を行ないます。

受容体結合能
 第1世代はD2受容体への高い結合能が特徴です。D2受容体はアデニル酸シクラーゼ活性とcAMP産生を阻害しますが、ハロペリドールはその受容体を強く阻害します。クロザピンやリスペリドンなどの第2世代もD2受容体への高い結合能を有します (コメント:クロザピンの結合能は弱いです)。しかし、このD2受容体阻害は錐体外路症状や遅発性ジスキネジアといった副作用をもたらしてしまいます。さらに、陰性症状にはあまり有効ではなく、血中プロラクチン値の増加なども引き起こします。
 第2世代は体重増加、2型糖尿病、認知機能障害、鎮静、複視、起立性低血圧、便秘、浮遊感、頻尿や尿閉といった副作用に悩まされることとなりました。これは5-HT2c受容体、H1受容体、α1受容体、M1受容体など様々な受容体に結合するためです。アリピプラゾールは5-HT2C受容体のパーシャルアゴニストとして作用しますが、セロトニンへの関与が強い抗うつ薬を併用した場合、アリピプラゾールは5-HT2C受容体へのアンタゴニストとして作用し、体重増加を強くもたらすことが報告されています (コメント:日本で開発され、欧米では販売されていないブロナンセリンという抗精神病薬があります。これはD2受容体と5-HT2A受容体に強く作用し、他の受容体にはほとんど結合しないシンプルなものです。そのため、体重増加や代謝系への副作用は抗精神病薬の中でもっとも弱いと考えられます)
 ITI-007は抗精神病薬に関連する副作用のリスクは最小と予想されています。認知機能に影響するM1受容体の遮断作用はごくわずかであり、体重増加や代謝系への副作用に関与する5-HT2C受容体とH1受容体への結合能も弱いです (コメント:繰り返しですが、ITI-007を開発している製薬会社の社員が書いているということを差し引きましょう)

動物モデルでの効果
 自発運動の亢進とカタレプシーに対する影響を見てみます。アンフェタミンによる自発運動の亢進は辺縁系のドパミン経路の活性が関与し、薬剤性カタレプシーは線条体のドパミン受容体の遮断に関与しています。抗精神病薬がこれらにどう影響を与えるかを見ることで、治療域の見当を付けることが出来ます (コメント:自発運動の亢進を抑えるのが抗精神病薬の効果で、カタレプシーをもたらすことが副作用ということなのでしょう)
 上記の5つの抗精神病薬のうち、ハロペリドールはアンフェタミンによる自発運動の亢進を抑える力とカタレプシーを誘導する力が最も大きいです。それにより、D2受容体の強力な遮断作用を有することが分かります。カタレプシーをもたらす投与量と自発運動の亢進を抑える投与量の比率は約1であり、抗精神病薬としての作用に必要な量で錐体外路症状をもたらしやすいとされます (コメント:治療用量が副作用の用量でもある、ということですね)。リスペリドンは同様にD2遮断作用が強いものの、自発運動の亢進の抑制はハロペリドールよりやや弱く、カタレプシーをもたらすことも少なかったのです。カタレプシーをもたらす投与量と自発運動の亢進を抑える投与量の比率は約5です。クロザピンとアリピプラゾールもリスペリドンと同様の傾向であり、かつカタレプシーをもたらす力はリスペリドンよりも弱かったのです。カタレプシーをもたらす投与量と自発運動の亢進を抑える投与量の比率は、クロザピンで約10であり、アリピプラゾールで約12でした。これらが運動系の副作用の観点で優れているのは、ひとつには皮質の5-HT2A受容体に作用することであり、クロザピンや特にアリピプラゾールは黒質線条体系に比して辺縁系のドパミン経路にあるD2受容体に強く作用することが挙げられます。さらに、アリピプラゾールはD2受容体へのパーシャルアゴニストであり、運動系の副作用を弱めていると示されています。
 ITI-007はD2受容体への高い結合能を持ち(コメント:と言ってもKi値32です)、自発運動の亢進を強く抑えます。かつ、前頭前皮質ではドパミン放出を増やし、線条体ではその作用を持ちません。線条体のドパミン代謝を強めず、これは線条体におけるシナプス前部のD2受容体パーシャルアゴニスト作用によります。結果として、運動系への副作用は非常に少なくなっており、カタレプシーをもたらす投与量と自発運動の亢進を抑える投与量の比率は約30です。
 第2世代や新薬候補は第1世代の持っていた運動系への副作用について進化を示してきたと言えます。これはセロトニン受容体への作用とドパミン受容体へのパーシャルアゴニスト作用によるところがあります。

治療用量でのD2受容体占拠率
 臨床的に抗精神病薬の効果は、線条体でのD2受容体を少なくとも65%を占拠することで認められます。50-73%の占拠で高プロラクチン血症と、80%以上の占拠で錐体外路症状と関連します。そのため、定型でも非定型でも、運動系の副作用や高プロラクチン血症をもたらすことなく抗精神病薬としての効果を発揮するのは困難です。
 クロザピンを除き、線条体での高いD2受容体占拠率は抗精神病薬の効果に必須と考えられていました。しかし、ITI-007は有効量と考えられている60 mgで占拠率が40%であり、これを考慮すると、決してそうとも言えないことが分かってきました。線条体でのD2受容体占拠率を落とすことで副作用も軽減できます。

効果と副作用
 現在の抗精神病薬間では、効果はわずかな差しか見られませんが (コメント:クロザピンを除き、ですね。クロザピンは最強です)、副作用のプロフィールは大きく異なり、それはどの受容体に結合するかによります。錐体外路症状は特に第1世代の抗精神病薬よく見られる副作用です。第1世代は抗精神病薬としての効果をもたらすには線条体での高いD2受容体占拠率を要し、それが運動系の副作用に結びつきます。クロザピンはそういった副作用が少ないものの、安全性をモニタリングしながら使用する必要があります。また、現在の抗精神病薬は代謝系や内分泌系への様々な影響があります。クロザピンとリスペリドンは特に小児で大きな体重増加をもたらします。アリピプラゾールは代謝系の副作用が少ないものの、アカシジアのリスクが高まります。こういった運動系や代謝系の副作用に加えて、種々の心血管系の副作用が認められます。クロザピンは心筋炎や心筋症を引き起こすことが知られているのです。
 ITI-007は臨床試験において安全性に優れており、体重やプロラクチン値や他の代謝系パラメーターへの影響はプラセボと有意差がありませんでした。運動系の副作用も少なく、心拍数やQT延長や他の心電図パラメーターもプラセボと同様でした (コメント:市販後に予期せぬ副作用が出るのは往々にしてあります。くどいですが、この論文はITI-007の宣伝的なところもあるでしょう)

●結論
 現在使用されている抗精神病薬は陽性症状には有効ですが、その他の症状には効果があるとは言えず、疾患とともに生きる患者さんの心理的・社会的な障害にも手が届きづらいのが実情です。種々の副作用にも悩まされ、運動系の機能かもしくは心機能や代謝か、トレードオフの状態です。心理社会的な機能はわずかしか改善されず、それが早期の治療中断率の高さに関係しています。有効性を保ちつつ忍容性を改善することが、アドヒアランスを高め心理社会的なアウトカムも改善します。ドパミン占拠率の高さが抗精神病薬としての効果をもたらすという考えから離れることが、副作用を減らし忍容性を高めるひとつの戦略です。

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 以上、このような感じの内容でした。いわゆる定型抗精神病薬は、脳内のD2受容体を均一に阻害する傾向にあり、非定型抗精神病薬はその阻害に強弱がつくようになってきた、とまとめられるでしょうか。それをより強めていくのが今後の抗精神病薬の展開なのだと思います。でもそろそろモノアミンから離れた薬剤が欲しいなぁ…。ということで、次回はグルタミン酸関連の創薬についての論文をご紹介します。


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2018
08.14

精神病性障害のレビュー

Lieberman JA, et al. Psychotic Disorders. N Engl J Med. 2018 Jul 19;379(3):270-280. PMID: 30021088

 NEJMで精神病性障害のレビューが出ていたことに気づいたため、読んでみました。コンパクトにまとまっていると思います。遺伝のところは自分の知識がなく、理解がうまく進みませんでしたが…。要所要所を訳したので、細かいところは飛ばしています。

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 PSYCHOSISという言葉は、ギリシャ語の "心が異常な状態" から来ており、臨床では様々な意味で用いられてきました。1980年以前は、生活を十分に送ることができないほどに精神的な機能が障害されている人々に対して使用されていましhた。DSM-IIIが発行された1980年以降、この用語は現実の判断が全体的に障害されていることを示すようになりました。すなわち、自分の内的な経験と周囲の外的な現実との区別がつかなくなることです。
 診断精度を上げるため1994年にDSM-IVが発行されましたが、そこでpsychosisは妄想、厳格、解体した思考、音連合、言葉のサラダ、エコラリア、異常な運動行動といった症状が特徴となる精神障害を指すようになったのです。
 現行のDSM-5において、精神病性障害は疾患ではなく臨床的な症候群であり、主に罹病期間、症状のプロフィール、気分症状のエピソードと精神病症状との関係性、そして原因によって、細分化されています。現在では、psychotic symptom (精神病症状) は認知機能や知覚の機能不全であり、それは主に幻覚妄想を指します。いっぽう、psychotic disorder (精神病性障害) は精神病症状を有する疾患の診断基準に該当する状態を指します (コメント:よって、精神病理学者のいう "統合失調症" と、DSM世代のいう "統合失調症" は異なるのでしょう。そして、精神病理学者のあいだでも "統合失調症" は異なるのでしょうね)
 Psychosis (精神病状態) は3つのグループに分類されます。特発性、他の医学的疾患 (身体疾患) によるもの、中毒性、です。原因が判明しており、それやその結果に対して直接的に治療がなされうるような状態は、特発性からは外れます。この分類は恣意的であり、精神病性障害についての私たちの知の限界を反映しており、研究によって病理的な基盤や原因が判明すれば変更されます (コメント:古くはてんかんが三大精神病のひとつでしたが、原因がハッキリと分かったため外れました。原因が分かったものはどんどん外されていき、結局、精神医学は謎なものを相手にし続けるものなのでしょうね)

●Psychosisの自然史
 最初に精神病症状が出現する年齢と症状の経過は、基礎となる障害によって様々です。統合失調症、双極性障害、精神病症状を伴ううつ病といった、もっともコモンな精神病性障害は20代から30代に発症します。いっぽう、妄想性障害は中年であり、アルツハイマー型認知症など神経変性疾患による精神病状態は老化していく間に始まります。薬物乱用や処方薬による精神病症状、SLEやてんかん発作や発熱など身体疾患 (とそれによる症状や所見) による精神病症状はどの年齢でも起こりうるものです。特発性ではなく二次的な精神病状態 (中毒性や身体疾患によるもの) を示唆する特徴は、機能が急激に低下すること、突然発症、頭痛・てんかん発作・幻視・幻臭・幻触の存在、精神病性障害の家族歴がないこと、です。
 特発性の精神病性障害、特に統合失調症と失調感情障害はたいていfig. 1のような経過をたどりますが、予測が難しく、症状の起こる頻度や数や型は障害によって異なり、また同じ障害でも患者さんごとによって異なります (コメント:統合失調症ひとつとっても、本当に千差万別です)

schz fig1

 精神病性障害の患者さんは様々な併存症や精神病状態から派生する影響を被る可能性があります。特に自殺企図 (生涯有病率34.5%)、物質乱用 (生涯有病率74%)、ホームレス化 (年有病率5%)、被虐待 (3年有病率38%)、暴力 (一般人口と比較してオッズは49-68%)がそうです。

●原因と病理学的特徴
精神病状態における神経伝達物質
 前頭前皮質、線条体、中脳、海馬におけるドパミンとグルタミン酸経路での神経伝達が変化しており、その変化が精神病症状の出現につながっています (fig. 2)。この病態生理モデルは、シナプスでのドパミンとグルタミン酸の過剰がシナプス後部への刺激を高め、それが精神病症状をもたらすという多くの研究に基づいています。GABA作動性抑制性介在ニューロンの欠損とNMDAグルタミン酸受容体の機能低下によって、グルタミン酸とドパミンによる神経系の抑制と興奮のバランスが乱れてしまいます。最近、グルタミン酸の合成や代謝を調節するメカニズム (グルタミン酸デヒドロゲナーゼの欠損) もまた関与している可能性が示唆されています。
 物質誘発性の精神病状態の中には、これら神経伝達物質のメカニズムを理解する際に参考となってきたものがあります。例えば、カンナビノイド-1受容体 (CB-1受容体) アゴニストを含むようなカンナビノイドが精神病状態をもたらし、またそのリスクにもなります。カンナビノイド受容体はシナプスでドパミンやグルタミン酸のトラフィッキングをガイドします。他には、合成カチノンである “bath salts” のようないわゆるデザイナードラッグはドパミンやセロトニンを強力に放出し、同様の精神病症状を引き起こします。
 ある種の精神病状態はセロトニン5-HT2A受容体の刺激によってもたらされます。LSD、メスカリン、シロシビンといった幻覚剤は非古典的な細胞内シグナル経路を選択的に活性化させることで (5-HT2A受容体のbiased stimulation)、使用した者に精神病症状と見紛うような状態をもたらします。精神病性障害の病態生理としてセロトニンや5-HT2A受容体が関与しているように思えます。しかし、その作用を持つ幻覚剤による障害は、アンフェタミンやNMDA受容体アンタゴニストといったグルタミン酸活性を高める精神刺激薬によって引き起こされる障害、そして特発性の精神病性障害とは質的に異なるものです。

schz fig2

fig. 2
ドパミン (青矢印)、グルタミン酸 (紫矢印)、GABA (緑矢印)
統合失調症や精神病症状を伴う気分障害は、海馬CA1部位の細胞へグルタミン酸を放出する神経の過剰な活動から生じると考えられています。海馬でのGABA作動性抑制性ニューロンの欠損とNMDA受容体の機能低下 (赤い☓印) が、これら疾患の主な原因とされています。シナプスでグルタミン酸が増加しても、介在ニューロンが活動を示しません。そのため、GABAの放出が少なくなり、錐体細胞を阻害できず、海馬から中脳腹側被蓋野や線条体側坐核へグルタミン酸がより放出されます。海馬の過活性は線条体へのドパミン放出を促します。それは、直接的には側坐核のレベルで、間接的には側坐核や前頭前皮質に投射する中脳ドパミンニューロンを刺激することでなされます。中脳ドパミンニューロンはさらに海馬への投射を介してドパミンとグルタミン酸の機能不全を促進します。精神病症状はこれらの経路に影響する非特発性の疾患でも生じることがあります。アルツハイマー病では、コリン作動性のシステムが働かなくなり、海馬のグルタミン酸作動性細胞や中脳のドパミン作動性細胞へのコリン作動性の阻害がダウンしてしまいます。


精神病状態の遺伝因子
 特発性の精神病性障害には、遺伝が強く関与しています。統合失調症や精神病症状を伴う双極性障害は一卵性双生児においてある種の遺伝子座 (座位) で約50%の一致が見られます。そして、患者さんの兄弟や親では同じ障害のリスクが一般人口の10-15倍にまで高くなります。精神病性障害の遺伝に特異的なマーカーや様式は同定されていませんが、2つの仮説が提唱されています。ひとつはcommon disease-common allele仮説であり、もうひとつはcommon disease-rare allele仮説です。前者によれば、浸透率の低いありふれた遺伝子が相加的に、そして同じような遺伝子とのepistasis (コメント:非対立遺伝子間の相互作用) によって、統合失調症や失調感情障害のリスクとなります (コメント:第一の仮説というのは、コモンな疾患は、頻度は多いけれども影響の少ない多型が積み重なってできているとするものです。ジャブが積み重なって相手がフラフラになるような?)。後者によれば、まれな遺伝やde novo変異やCNVであり、見られることは少ないいっぽうで浸透率が非常に高いというものです (コメント:珍しい技ですが威力の高い一撃必殺、クロスカウンターのような?)

浸透率の低いコモンな遺伝子変異
 精神病性障害のリスクに関与する多くの遺伝子のうち、信頼性の高いものはごくわずかです。特発性の精神病性障害と関連のある遺伝子のうち、シナプスの神経伝達をコントロールするものがいくつか指摘されており、それは特にドパミンとグルタミン酸の経路に関わるものです。この関連性は現在の神経伝達物質の仮説と一致するものであり合理的ですが、確たるものとまでは言えません。最近の発見では、MHCの座位や補体といった免疫機能に関与する遺伝子が関連性を指摘されています。中枢神経において、MHC分子はミクログリアによるシナプス前終末の刈り込みを通して神経接続の発達を調節しており、神経回路やその機能の形成に影響を与えます (コメント:統合失調症ではシナプスの刈り込みが過剰に行なわれていることが指摘されています。対して自閉スペクトラム症では刈り込みが過少とも言われます)

浸透率の高いまれな遺伝子変異
 精神病性障害に関わるもっともコモンな遺伝子異常は染色体22q11.2の微小欠失です。これは22q11.2欠失症候群 (口蓋心臓顔面症候群やDiGeorge症候群とも言われます) を引き起こし、4000出生のうち1人に見られます。この疾患は心臓や顔面や四肢の異常を伴い、約25%の患者さんは統合失調症の症状や統合失調症様の特徴があり、特発性である統合失調症とはおおよそ区別がつきません。他にも浸透率や集団頻度に関して種々のCNVが報告されています。

精神病状態における神経発達の要因
 出生前の環境負因 (母体感染、薬剤毒性、栄養失調など) への曝露、出生時合併症、出生後外傷、発達の重要な時期における養育不全などが精神病性障害のリスクとなります。エフェクトサイズは小さいのですが、これら環境要因は遺伝要因と相互作用することもあれば、独立して影響を及ぼすこともあります。また、精神病性障害の表現型模写を生み出すこともあります。

精神病状態における自己免疫や炎症
 精神病状態のカテゴリーの中には、自己免疫疾患や炎症性疾患に伴って症状が発露するものもあります。自己抗体が脳の神経伝達機能、特にグルタミン酸系に障害をもたらします。このグループは臨床や研究において注目されています。

自己免疫疾患と精神病状態
 精神病症状はSLEなど中枢神経に影響を及ぼす自己免疫疾患で生じます。SLE患者さんの約30%において、NMDA受容体のNR2サブユニットのエピトープと反応するdsDNAに対する抗体が出現します。そして、実際に精神病症状が出現する患者さんもいるのです。

腫瘍による自己免疫症状
 統合失調症と似た症状は、ある種の自己免性脳炎の特徴でもあります。主に卵巣奇形腫によるものであり、組織内の異所性細胞がNMDA受容体を発現し、獲得免疫がそれへの抗体を産生します。この抗体が血液脳関門を通過し症状を生み出してしまいます。他の自己抗体も精神病状態をもたらすものの、この抗NMDA受容体脳炎ほどには確立されていません。

●診断
 様々な仮説はありますが、診断は臨床的になされるものであり、病歴や言葉、そして振る舞いなどに主に基づいています。画像や脳波、遺伝子型、血液検査などは初回エピソードで身体疾患によるものを疑った時になされます。しかし、精神病状態の個々の診断において、十分に有用なものは存在しません。

画像
 MRIやPETによって、精神病性障害の様々な異常所見が明らかになってきました。しかし、他のバイオマーカーと同様、信頼に足るレベルではなく臨床には使用されていません。

神経生理学的検査
 身体疾患が疑われる初回エピソードでは脳波は考慮されてもいいでしょう。精神病性障害でもある種の異常が指摘されていますが、これも臨床で使用できるものではありません。

血液検査
 梅毒検査は初回エピソードでは推奨されており、また全身性のウイルス感染の後に突然発症した場合、そして特発性の典型例から外れる年齢で発症した場合には、免疫状態も考慮すべきでしょう。

●治療
薬剤治療
 約20の抗精神病薬が米国にはあり、全てがドパミンD2受容体に作用するものです。これらは様々な障害の精神病症状の治療に有用ですが、基礎疾患や薬剤の代謝や排泄などによって有効性は変わります。旧来の (定型、もしくは第1世代) 抗精神病薬は錐体外路症状を引き起こしやすく、新規の (非定型、もしくは第2世代) 抗精神病薬は代謝異常をより来たす傾向にあります。クロザピンは例外であり、錐体外路症状をほとんど引き起こさず、治療抵抗性に対して治療効果を示します。しかし、クロザピンは重篤な副作用があり、それらはけいれん発作 (約4%)、心筋炎 (約1%)、無顆粒球症 (約0.8%) などです。それゆえ、治療抵抗性への使用が主となっています。
 アドヒアランス向上のため持効性注射薬もありますが、臨床的な有用性に関するエビデンスは一貫していない (コメント:内服薬よりも優れているとは言えないとしたメタ解析があります。Schizophr Res. 2017 May;183:10-21. PMID: 27866695)。また、抗精神病薬への様々な付加療法が行なわれてきましたが、有効性は小さく、エビデンスは限られています。そして、同じことが抗精神病薬の多剤併用にも言えるのです。
 D2受容体への親和性を持たずに5-HT2A受容体アンタゴニストとして非常に強く働く薬剤 (ピマバンセリンなど) はドパミン置換療法を受けているパーキンソン病患者さんの精神病症状に有用かもしれません。パーキンソン病患者さんでは、抗精神病薬はパーキンソニズムを悪化させるため相対禁忌です。こういった5-HT2A受容体アンタゴニストは認知症に伴う精神病症状において臨床試験中です。しかし、統合失調症や統合失調感情障害や精神病症状を伴う気分障害などではD2受容体アンタゴニストよりも効果が弱いのです。精神病症状が身体疾患によるものであれば、治療は抗精神病薬の前にその疾患 (発熱、感染、電解質異常、代謝内分泌異常など) を治療すべきです。薬剤、特に抗コリン作用を持つものはせん妄や精神病状態の原因となります。

ニューロモデュレーション
 ECT, TMS, tDCS, DBSといった脳刺激は一定の障害における精神病症状に対して用いられてきました。
 幻聴に対しては有望な治療法とされています。最近ではtDCSが統合失調症の陰性症状や幻聴に効果を認めたという報告があります。
 DBSは現在パーキンソン病と治療抵抗性の強迫性障害に対してFDAから承認されており、治療抵抗性うつ病や特発性の精神病性障害についても効果が検討されています。

心理社会的アプローチ
 特に統合失調症について、SSTが研究されており、他には家族への心理教育も支持されています。また、CBTも幻聴や妄想による苦痛を和らげるとされています。

●将来に向けて
早期介入と予防
 現在の薬剤治療は疾患そのものに切り込むのではなく症状を緩和していると考えられています。しかし、病初期において、統合失調症や統合失調感情障害の初回エピソードの段階で治療することは再発を減らし、知能や機能の著しい低下を防ぎます。よって、構造的なサービスモデルであるCoordinated Specialty Careが治療向上のため進歩してきました。このモデルは薬剤治療と心理社会的治療、そして未診断の患者さんの発見や未治療期間の短縮のためのアウトリーチから成っています。
 NIMHはこのアプローチを前駆期に広げることを考えるようになりました。しかし、ハイリスク状態から発症する患者さんを同定する現行の診断基準では50%以上の偽陽性があり、より良い診断方法が確立されねばなりません (コメント:不必要な治療をしてしまいますし、患者さんやご家族にも大きな不安を与えるでしょう)。そして、増悪するのか、安定や一過性か、もしくは改善するのかなどを見極められる検査も必要でしょう。現在の治療は症状を改善させることは出来ますが、予防には至っていないのです。

画期的な治療
 遺伝子をターゲットにしたものが期待されており、エクソームシークエンスが必要となります。

●サマリー
 Psychosisは、ドパミンとグルタミン酸の神経伝達が調節不全となることで、認知や知覚といった機能が全体的に障害されることを反映しています。D2受容体アンタゴニストは特発性の精神病性障害や神経変性疾患に伴う精神病症状における薬剤治療の主流となっています。いっぽう、他の身体疾患や薬剤による精神症状に常に用いられるわけではありません。かなりの金額が投入されてきましたが、薬剤治療の新しい展開は残念ながらほとんど見られていません (コメント:それどころか、向精神薬の開発から撤退する企業が増えているのです!)。ニューロモデュレーション (DBS, TMS, tDCS) やCoordinated Specialty CareでのD2受容体アンタゴニストを用いた早期発見と介入の戦略は、症状の緩和そして疾患の進行そのものへも影響してくるでしょう。

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 以上です。抗精神病薬の開発は何だか頭打ちのような感じで、いまだにD2受容体アンタゴニストを超えるものは出てきていませんし、ハッキリとした増強療法もありません (メマンチンもしょぼいし、ミルタザピンはどうでしょうか。アロプリノールは少しマシかも?)。このことから、必然的に医療者の興味は早期発見と早期介入に向かっているような気もします。

 今後は、数回に分けて統合失調症の治療薬について記事にしていく予定 (7月の夏休みに読んだ文献を3つ)。
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2018
08.09

そういえば、もりもと先生っていたなぁ

 ここのところずっと暑気あたりで不調でした…。今日も20分ほどお昼に歩いただけでくらくらして頭が痛くなってくるし…。連日38度や39度が続いているので、もう大変です。名古屋からどこかへの移住を本気で考えねばなるまい…。週間天気予報で36度や35度を見ると、「あ!涼しい!」と思ってしまうほど、脳がおかしくなっています。落ち着け、35度でも暑いんだぞ。

 さて話は変わりまして、少し前、新幹線に乗ったら豊橋駅で降りるのをすっかり忘れ、浜松まで行ってしまったという内容の記事を書きました。その中で、大砂丘というブッセを買ったとお話ししましたが、その延長で、



ブッセと言えば "もりもと" の "雪鶴" である



 と豪語しました。みなさん、覚えておいででしょうか。そういう話をしたら食べたくなってしまって、成城石井に赴いて購入。バタークリームとハスカップクリームの2種類です。

 ハスカップはシベリア原産だそうで、日本では北海道に生きております (本州では高山植物としてごく一部)。お菓子関係では三星さんの "よいとまけ" が最も有名だと思いますが、自分はあんまりコレ好きじゃなくてですね…。甘みが強すぎて苦手なのです。もうちょっと甘みを抑えて酸っぱさを効かせた方がハスカップらしくて良いのでは…。

 ”もりもと” もハスカップのスイーツを展開しており、クッキーやらゼリーやらを作っています。その中の一つが、今回紹介する "雪鶴" というブッセ。

 手のひらサイズ。とても地味な包装。

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 開封しても、うーん、地味だな。

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 割ってみますか。

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 特に奇を衒ったところはありませんが、ハスカップの色がとても鮮やかですね。着色料を使わずにこの色。

 味は懐かしいあの味。昔食べたなぁという思い出補正は否めないのでしょうが、美味しい。バタークリームの方はバターの適度な塩分が、軽い甘さのブッセと合います。ハスカップの方はスッキリとした酸味で、さわやか。バター→ハスカップの順番で、両方を半分ずつ食べるのがベストと言えましょう。

 ということで、ちょっと地味なお菓子ですが、美味しいのでお試しを。成城石井で買うと1つ税込みで160円だった記憶。
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