2018
02.28

攻めの虎屋さん

 "ういろう" と言えば、名古屋を想像する人も多いでしょうか。ちなみに自分が初めて ういろう" を知ったのは、南国少年パプワくんの登場人物 "名古屋ウィロー" からでした。でも京都とか山口とか、結構いろんなところで ういろう" はあります。

 自分が好きなのは、三重県は虎屋さんの"ういろ" です。名古屋に住んでいながら三重のものを推すとは何ごとぞ…! と思われるかもしれませんが、こればかりは仕方ない。

 虎屋さんは大正十二年創業の老舗ではありますが、季節に応じてかなりキワモノをつくることでも有名。"メロンういろ" とか "七夕ういろ" とか、何だか見た目もすごいものを繰り出しています。もちろん定番のものもあって、美味しいんですよ。定番モノだと、"栗ういろ" が好き。

 前にも記事にしましたが、期間限定では "おはぎういろ" がベストと思っています (記事はコチラコチラ)。ぜひ食べていただきたいのですが、残念ながら虎屋さんのういろは日持ちがしません。買った日を含めて二日くらいなんです。いやぁ、残念。

 名古屋にはいくつかういろうをつくっているところがあり、そこでは米粉をメインに使用しています。しかし、この虎屋さんのものは小麦粉。これが大きな違いで、名古屋のは必要以上にもちもちというかぐちゃっとしてしまっていて、絡みつくんですよね…。甘さもくどいし。虎屋さんのものはもちもちですが "サクッ"ともしており、歯切れが良いのです。甘さも透き通っていまして。まるでルーラン®のような (え?)。

 で、今回は春限定の"桜餅ういろ" を買いました (570円)。こしあんのういろ、そして桜餅風味のもち米、桜葉のういろ、というまさに桜餅っぽいういろ。

 見た目はこんな感じです。下からこしあん、桜餅、桜葉、となっています。

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 では、食べてみましょう。いただきます。

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 あー、これは



薄味の桜餅だ…



 味が結構薄めですね。もち米部分は桜餅っぽい。こしあんと桜葉のういろ部分が薄めになっています。この薄め、実は大助かりでして、このういろは先ほど申し上げたように日持ちしません。よって、量を食べねばならないのでした。味が濃いと少しで満足するため、ちょっと薄味にしてくれていると有難い。

 個人的には、ハーフ&ハーフのようにしてもらって、2種類の味を楽しめるようにしてくれるととっても良いんじゃないかなと思います。もしくは、半分で売るとか。1人で1つの味を1本食べるのは大変なのです…。

 お近くにお越しの際は、虎屋さんの "ういろ" をぜひ買ってみてください。初心者には定番モノをオススメしておきます (もしくは "おはぎういろ")。

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2018
02.23

臨床のワンフレーズ(24):恩返しをしましょう

Category: ★精神科生活
 うつ病患者さんの休職については、患者さん自身が後ろめたさを持ってしまうことがあり、そこをうまくお話できればなぁと思っております。「私が休むとみんなに迷惑が…」「休むと会社が回らなくなります…」というのが多いですね。「あぁた一人休んだくらいでダメになる会社なんて、そもそも体制に無理があるんや」と言いたくなるのですが、さすがにそれを言っちゃあオシマイよ、ということで、こころの中でブレーキが働きます。精神科医の中には逆におどけて「へぇ!!君がいなけりゃ回らないだなんて、そんなにすごい実力があるの!?」と話す医者もいるみたいですが、まだ経験の豊かではない自分が言うとよろしくないだろうなぁと想像しています。

 患者さんの自尊心を傷つけずにどう休職を促すか、というのが精神科医のウデの見せどころ?かもしれません。これという正解は無いのだと思いますが、自分は以下のように言うことが多いと思います。

自分「今の○○さんの状態だと、ここはしっかりと休んだ方が良いんじゃないかなぁと私は思うんですけど」
患者さん「…でも、休むとみんなに迷惑がかかってしまうので」
自分「確かにそういうお気持ちは無理もないかと思います。そこで実際この1週間の調子を伺いましたが、頭がうまくまとまらなくて、お仕事をするのもつらい状態だと感じました。ですから、ここは休みましょう!そうすると回復も早くなって、結果的に早くお仕事がうまくできるようになると思いますよ」
患者さん「そうなんですか…」
自分「ここは撤退する勇気を持ちましょう。今は休むのが仕事とお考えください」
患者さん「はい…。分かりました」
自分「会社のかたに迷惑をかけているというお気持ちは確かにあるでしょう。ですから、良くなったら恩返しをしましょう。そのために今は休むことがとっても大事になりますから。急がば回れとも言いますし」
患者さん「はい…」

 生活が苦しくなるレベルのうつ病になると「迷惑をかけている」という気持ちから逃れられなくなります。そこはこちらがどう言っても患者さんに残るので、それはもう認証してしまったほうが良いでしょう。その上で、患者さんに出来ることは何かを示します。そのための言葉が「撤退する勇気を持ちましょう」と「休むのが仕事です」の2つ。微かでも良いので踏ん切りを持ってもらうために、撤退する勇気を持つようにとお伝え。そして、仕事への親和性が高くなっている状態には、休むことそれ自体が仕事だとお話しします。

 そして、迷惑をかけているという気持ちを利用 (?) して、「良くなったら恩返しをしましょう」と自分は言っています。迷惑をかけていると思っているのなら、その負い目があるのなら、改善した暁にはその恩を返そうではないか、という気持ち。

 そうすると患者さんは休職に少し前向きになってくれます。かつ、改善して復職するという時には「誰か他の社員がうつ病で苦しんでいたら、ぜひ助けてやってほしい。それはうつ病を経験したあなただからできることなのだ」ともお伝えします (恩返しの一部)。そうすることで、患者さんの役割、しかもその人にしかできない役割が生まれます。

 会社で頑張っていた患者さんがうつ病で休む時、そして会社に戻る時。この節目はとても大事にしたいところですね。今回のワンフレーズは "恩返し" の部分を取り上げましたが、"撤退する勇気" や "休むのが仕事"、そして "他の人が苦しんでいたら助けてやってください" というのもとても重要です。
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2018
02.19

学生時代をどう過ごしてきたか

Category: ★学生生活
 国試関連の記事を挙げたついでということで、学生時代はどうやって生きていたんだろうかと思い出してみました。

 再三再四お話ししているように、自分には友人と呼べるほど親しい人がいなかったので、社交的とは程遠い生活でございました。他者と遊びに行くということもなく、だってその相手がいないんだから…。京都には一人で旅行をしていた記憶がありますよ。でも仮に友人がいても、一人で行動するのが良いですね。だって誰にも気兼ねしなくて良いし、歩く速度も他人に合わせる必要ないし、興味のある所だけ行けるし。これは今でもそうなんですけれども。

 なのでどう勉強していたか、ということになろうかと思います、自分の学生時代は。これも反面教師として扱っていただきたいのですが、自分はかなり好き嫌いが強くてですね、興味のあるものはマニアックに勉強するのですが、やる気の湧かないものは合格スレスレでもまぁ別に良いやろというスタンスでした。頭の良い学生さんは違いますね、優等生というか何というか。なぜこんな教科に力を注げるのだ…!と思ってしまうほど、すべてをきちんと勉強します。これはホントに脱帽。飽き性の自分には真似できないのです。そんなんだから成績は安定しませんでした。

 自分の大学は成績を

・不可:59点以下 (追試になる)
・可:60-69点
・良:70-79点
・優:80-89点
・秀:90-100点

 という分け方にしており、これは多くの大学がそうだと思います。自分は2年生の時に発生学という試験で不可をとりましてね…。疫学では61点という冷や汗の通過で、他もギリギリのものと優と秀とが入り混じる、なんだかものすごい乱気流に巻き込まれた飛行機のような成績だったと記憶しています。

 そのマニアックな勉強が功を奏したのが神経解剖という科目。脊髄視床路などの走行をすべてイラストで描けるくらい暗記しており、教科書もバッチリと読み込んで、試験でも用紙いっぱいにびしっと走行を描きました。それで高得点を取ったのです! 確か98点! すごい!(自画自賛) 他には組織学かな? 前期と後期とで分かれていて、前期は点数がそうでもなかったのですが、後期の点数が何だか良かったように覚えています。合わせ技で合格!みたいな。

 マニアックがボテボテの内野ヒットみたいになったのが神経生理でした。制限時間いっぱいまで解答用紙を埋め尽くすくらいに勉強で得た知識を書いて「これは神経解剖の再来ではないか」と自分では満足していたのですが、フタを開けてみると確か点数が75点くらいだったかなぁ。70点台というのは覚えています。これはですね、回答がマニアック過ぎて基本的な知識(加点式で加点対象となる部分)が非常に乏しかったというのが後に判明いたしました。こういうこともある、というかこんなのが多かった…。免疫学も自分の好きな科目で結構勉強したんですが、あんまり点数には響かなかったような。記憶が薄いということは凡庸だったんだと思います。

 そういえば、ウイルス学では担当教官が2人でして、1人の配分が少し大きかったのでそこばかり勉強してもう1人の方はほとんどスルー。当然解答用紙は真っ白になって時間も余るので、せっかくだからと思い、ある球技の大会決勝においてこのタイプの戦い方をする人が別のタイプの人に勝ったのはなぜかということをいろいろと考察しながら書きました(バカ)。教官の教授からは「面白かったよ。点数にはならなかったけど」と言われ、そりゃそうだわなと。

 臨床科目はどうだったか覚えていないんですよね…。落ちなかったから受かってはいたんですが。眼科とか皮膚科とか整形外科とか麻酔科とか放射線科とか、あんまりやる気がないものが多くてその部分は点数が悪かったんでしょうね、性格から言って。放射線科では「とにかく分からなかったら "1回2Gy計60Gyを照射" と書きなさい」と教官の先生から言われ、その通りにして白紙を避けたらヒヤヒヤの合格でした、そういえば。麻酔科なんて試験あったっけ? 全く覚えていない。

 基本的に自分は講義を聞かずに、買った教科書で勉強するタイプ。これはよろしくありません。多くの場合は講義ベースで問題が出てくるので、持っている教科書で触れられていなかったり記載の弱いところが試験に顔を出すことも。そうなると手も足も出ない。「こんなん知らんなぁ」と愚痴を言っても「え、これ講義で話してたよ。出すって言ってた」とか「先輩の講義プリントに書いてあった」とか言われてしまうわけです。他人の講義プリント(試験対策プリント:略称シケタイ)はとっても貴重で、自分も回ってくる分はゲットして興味のない科目はそれだけ目を通しておしまいにすることもありましたが、友人のネットワークを持っている人は違った! 種々のものをどこからともなく手に入れて、効率よく勉強していたのであります。あっぱれ。

 そんなこんなで、あんまり凸凹のある勉強をしていると落とすこともあるので要注意、ということでした。そして、持つべきものは友である、ということです。試験対策のための表向きの友人でも構いません(おい)。みんながやる勉強をその通りにやれば、平均なのです。そうすれば大きなミスは少なくなるはず。中には過半数が落ちる試験もありますが、それはそれで仕方がない。受かる方がマイノリティなのだ! こういう平々凡々とした取り組みが、国試の合格につながるでしょう。みんなと同じことを同じようにやれば偏差値50となるはず。そうであれば国試で落ちることはありません。

 でも、医者になったら何かに特化してそれをトコトンやってみるのも大事。学生と医者とでは姿勢が若干異なってくるような気もします。自分が精神科で何とかやってこられているのも、勉強することが絞られたからなのかもしれません。
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2018
02.17

国試後はどんな生活でしたか?

Category: ★学生生活
 国試の記事をこの前アップしたため、せっかくということで国試後から研修開始までの期間どう過ごしたか? ということについて。昔々に記事にしていたような気もしますが。

 国試が終わったら卒業旅行と称して海外に行く人が多かったように思います。しかし、前回の記事の通り自分には友人がいなかったので、卒業旅行なんてシャレたものに行くこともなく…。金銭的な面からも旅行はちょっと大変だと思っていたので、経済的にひとりで過ごしていたのです。

 でもねぇ、やっぱり根が真面目なんですな (自分で言うか)、国試が終わってからは「研修に備えて勉強をしよう!」と、感染症と輸液の勉強をしていたんですよ!!!! すごいでしょう。今の自分なら絶対に寝てるか喫茶店でぼーっとしてます。

 抗菌薬と輸液の知識は学生の時になかなか身に付きません。臨床の講義で微々たる回数の感染症学を勉強してもあまりイメージが湧かないというか (今の学生さんは違うかも)。そもそも自分の大学で感染症のみを扱った講義ってあったっけ? 覚えていないなぁ (あっても覚えていないようなものだった?)。輸液もほとんど講義なんてなかったように記憶しています。なので、最低でもこの2つはきっちりと勉強しておいて損はない、と考えておりますよ。でも4月になったらものすごく大変なので、この期間は勉強せずに遊んだ方が良いと思います、はい。

 自分は感染症の勉強をLANGEの『Infectious Diseases: A Clinical Short Course』でした記憶があります。もう試験からは解放されていたので、英語でも追われず自分のペースでゆっくり読めました。ゆっくりじっくりでも30日あれば通読できまるようにつくられています。ただ、Amazonで調べてみたら2013年版が最新のようで、ちょっと古くなってきたかな? 日本語で入門だと矢野晴美先生の『絶対わかる抗菌薬はじめの一歩』が良いでしょう。「あれ、2010年の本じゃないか!」と思うかもしれませんが、増刷時にきちんとアップデートしてくれているという親切さ! もうね、1-2日ですぐ読めてしまいます。1冊目に最適。できるだけ新しい増刷分を買いましょう。確認できる限りでは、2018年2月の段階で第14刷が最新かな? すごい売れてるなぁ、ロングセラーだ (羨望)。

 輸液は電解質から理解せねばなりませんが、自分はなんだったっけ、確か柴垣有吾先生の『より理解を深める! 体液電解質異常と輸液』を読んだような記憶。張度という考え方をしっかりと紹介してくれている本です。今でこそ張度はメジャーですけど、当時は日本で柴垣先生の本以外はきちんと記載されていなかったように思います (自分が読んだ本の中だけですが)。ただし、輸液関連はスターリングの法則が実は成立しない (glycocalyxの存在) というのがもう定説になっており、そこはこの本でカバーできていない部分。輸液に必要な部分のみを知りたいのであれば、同じく柴垣有吾先生の『輸液のキホン』という超薄い本でしょうか。ここでもスターリングの法則で説明されていますが、すでにこの法則は古くなっているというのは先述の通り。でも今は須藤博先生の『Dr.須藤の酸塩基平衡と水・電解質』など、電解質や輸液で読みやすい本も増えましたね。良いことです。

 結局は本の紹介になってしまったフシもありますが、自分は研修が始まる前にこういった領域の勉強をしていたのでございます。でもたくさん遊べるのも国試と研修のあいだだけかもしれないので、楽しい思い出をつくるのも欠かせないのでしょう。ということで、勉強はちょっと置いておいて、たくさん遊びましょう! 国試お疲れさまでした。
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2018
02.15

国試勉強は大変だ

Category: ★学生生活
 学生の皆さんは医師国家試験が終わってひと息付いたでしょうか。今回はいつもよりも1日短い2日間で行わたんですね。でも自分は3日間やったという記憶がありません…。今更ではありますが、昔の国試勉強中のことを思い出したので、少し記事に。

 国試は合格率が約90%なので、王道の勉強をすることが大事でございます。クエスチョンバンクとイヤーノートというやつですね。中には「そんな詰め込むようなの要らないわ」と言って独自の勉強をする学生さんもいます。もちろん力のある人はそれで受かるので「すごいなぁ」と思うのですが、中には「ハリソンとカレント読んでるし」という学生さんが国試に落ちることもあって、それはそれで何だか悲しい出来事。奇をてらわずに行きましょう!

 90%が合格するとは言いましたが、何もしてなければもちろん落ちます。言い方を変えると、みんな超勉強して90%の合格率に乗せる、となるでしょうか。だからこそ外れたことはせずにしっかり標準的なことをしましょう。上述したクエスチョンバンクとイヤーノートですが、 "クエスチョンバンクは3周しろ" と言われております。あんなのを3周だなんて大変だなぁと思いますし、これを達成するには "一人で勉強せずに友人と複数人で取り組むこと" が重要とも言われます。あとは、国試浪人は合格率が50%くらいとも言われますね。やはり1年を通じてモチベーションを保つのは大変なのでしょう。

 裏を返せば、不合格の明らかなリスクファクターは、 "クエスチョンバンクとイヤーノートをやらない" "一人で勉強する" "国試浪人" となります。

 自分は国試に合格してこうやって医者稼業を行なっておりますが、合格偏差値は50台前半 (53くらいだったかな?) でして、実にその他大勢的でした。特に抜きん出ていることもなく…。頭のいい人はさすがで、60超えは当たり前という感じ。合格した後になって色々と知ったのですが、やはり自分は結構危ない勉強方法だったようです。

 まず、クエスチョンバンクは平均して1周弱だった。特に麻酔科とか精神科とかはあまり手を付けなかった…。メジャーでも1周くらい。つまりは飽き性なのですが、これはいけません! でもイヤーノートには鬼のように書き込んでいました (弁解)。当時のイヤーノートは保管してあるなぁ、思い出として。

 そして、これが痛いのですが、一人で勉強していた、ということです。残念ながら自分には友人と呼べるような人がおらず、他のみんながグループで勉強している中、一人で…。お誘いもなく、かと言って自分から仲間に入れてと言うようなコミュニケーション能力もなく…。学生6年間何をして生きてきたのかと。。。そんな輩が今は精神科医で患者さんとコミュニケーションを行なったり講演会で喋ったりでございますよ…。人って変わりますね。

 自分一人で勉強すると、どうしても苦手な分野は手薄になり、クエスチョンバンクも濃淡ができてしまいます。かつ生来の飽き性から同じものを何周もだなんて強制されない限りやらない。合格したから良いものの、もし不合格なら笑えなかったですね…。

 ということで、友だちをつくるのは大事、というメッセージでした。そんな簡単につくれていたら苦労しねーよ、というツッコミが昔の自分から聞こえてきそうだ。今でもねぇ、一人が好きなんですよ…。
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2018
02.11

豊橋限定と言えば

 愛知県は豊橋市にちょっと用事があって出かけた時、ブラックサンダー関連商品が多いことに気づきました。

 その中で買ったのが、ブラックサンダーあん巻きという商品。これは去年 (2017年) 11月の画像で、4個入り (480円)です。今は4個入りのパッケージが変わりましたね。

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 ブラックサンダーは有名な駄菓子ですが、豊橋にその工場があるとのことで、一気に豊橋銘菓になった感があります。特に最近はその要素が非常に強くなっていますね。

 そして、"あん巻き" というのは知立市でも藤田屋や小松屋が有名ですが、小麦粉で作った生地(薄いホットケーキのような)であんを巻いたものです。豊橋市ではお亀堂というところが老舗のようで、それも銘菓の様子。個人的には、お亀堂のあん巻きは生地がもちもちで良いのですが、その生地自体も結構甘みが強くて、 "あんも甘い、生地も甘い" というのでちょっとくどさを感じます。かと言って藤田屋だと保存料が入っていて、かつ懐かしのサッカリンが甘味料として加えられているというレトロ感。サッカリンってイメージが良くないですね。健康への影響は一時期騒がれていた影響でしょうか。でもって小松屋は大量生産しないというメリット兼デメリット。

 銘菓としての地位を急速に築きつつあるブラックサンダー。そしてお亀堂のあん巻き。これらが合わさったのが、"ブラックサンダーあん巻き" なのです。しかし、あん巻きという名称ではあるものの原材料にあんが使われていません。完全にブラックサンダーに喰われてしまっている。また、原材料にはそのまま "ブラックサンダー" と記載されているのがウケる。

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 サイズは、お亀堂の他のあん巻きと同様に小さめ。これくらいが飽きずに良いかもしれません。お馴染みの雷マークも。

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 ちょっと皮をめくってみると…

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 これは…めくらないほうが良かったかな。。。何かアレっぽい。道端に落ちてたら勘違いする自信がある。

 気を取り直して食べてみると、確かにザクっと、あのブラックサンダーの食感があります。そりゃそうだ、ブラックサンダーをそのまま使っているんだもの。

 残念なのは、やっぱり皮自体が甘すぎるというところでしょうか。皮の甘さをもっと控えめにすると、ブラックサンダーの甘さがより際立っておいしいと思います。それはお亀堂の他のあん巻きにも言えることなのですが。あと、これは仕方がないのですが、時間が経過するとザクザク感が消えていきます。水分を吸っちゃうんでしょうかね。

 豊橋市ってあまり行くことがないとは思いますが、何かの用事があれば買ってみても良いと思います (新幹線のこだまも停まるし)。最近は2個入りも売られているので、一人でも食べやすいのではないでしょうか。
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2018
02.07

臨床のワンフレーズ(23):ともにある

Category: ★精神科生活
 患者さんは症状へのとらわれが生じており、症状から脱しよう/症状を打ち消そうともがくことで更に症状を産み、それに苦しむというループにはまっています。これを何とかしたいなぁということで、色んなフレーズを使って新しい ”気づき” を患者さんに得てもらえるように自分は働きかけています。

 症状を見つめることができる、というのが目標で、お薬は症状を少し軽くして患者さんがそれと距離を持てるようにするために用います。”あばれ馬”を少々落ち着かせる様なイメージでしょうか。そうすると付き合いやすくなりますよね。決して症状をゼロにするために用いるわけじゃあないんです。でも一番苦しい時はやっぱり少しでも楽になりたいのが人情で、そんな時に「さあ症状を見つめましょう」と言われても「いや、ちょっとそんなのいいから…」となるでしょう。お薬はそういう時に役立つものですし、やっぱりこういうのはタイミングが重要。

 患者さんに上記の様なループを説明すると「気を逸らせばいいんですか?」「気にしないようにするのがいいんですか?」と質問を受けます。しかし、これも症状にとらわれていることになっているような気がします。往々にして、気を逸らそうとすると/気にしないようにすると、かえって気になるという結果になってしまいます。「気にしちゃいけない、気にしちゃいけない…」と思えば思うほど…、なのです。それらがすぐに成功していれば精神科の病院には来ていないわけで、受診しているということは、気を逸らそうとしてもダメだった、気にしないようにしてもダメだった、からでしょう。患者さんは手詰まりになり、受診という行為に至ります。もちろん、お薬で症状が軽くなって気を逸らせるようになったり気にしないようにできたりすることもあり、それはそれで良いことです。

 受診するまでに患者さんは様々なトライをしています。それが残念ながら功を奏さなかったので、病院に来る。となると、私たち精神科医としては、新しいものの見方に気づいてもらうことが一番の仕事になるでしょう。それが、症状と戦わずに見つめるという視点 (前述のように、その視点の提供にはタイミングがあります)。少し前の流行歌ではないですが、日本的な表現の ”ありのまま” ”あるがまま” を考えてもらうことになります。ちなみに、レリゴーさんが流行っちゃってから ”ありのまま” が使い古されて手垢にまみれ陳腐な感じがしてしまって、診察でこの言葉を出すことがなくなってしまいました…。むむむ。

 ということで、私たちは色んな物事や感情と ”ともにある” んだ、ということに気づいてくれないかなと思って診察をします。これまでのワンフレーズでもお伝えしたように、症状そのものは決して悪いものではない。それにとらわれなければ、症状は症状にならないと考えています。とらわれるからこそ、症状になりえる。症状と ”ともにある” 感覚を得てもらえれば、とらわれから少しずつ抜け出せるのかもしれません。少々宗教じみていて患者さんによっては「ん?」と思うかもしれませんが、自分は外来時間が少し余裕のある時、こんなエクササイズをすることもあります。

自分「○○さん、ちょっと眼を瞑ってみてください」
患者さん「こうですか?」
自分「そうですね。そうやって、少し静かに。沈黙の時間が流れるように」

・・・・しばし沈黙・・・・

自分「実は、色んな音が聞こえてきませんか?」
患者さん「そうですね、聞こえます」
自分「隣の診察室の声とか、パソコンの音もそうですね。あとどんな音がありますか?」
患者さん「外で車が走る音?」
自分「そうですね。音以外だと、例えば○○さんは呼吸をしているから、肺が膨らんでしぼむという感覚も」
患者さん「あ、そうですね。あります」
自分「もちろん診察室で眼を瞑って黙っているという少し不思議な感覚も」
患者さん「そうですね(笑)」
自分「ま、このくらいにしましょうか」
患者さん「はい」
自分「もっと長く続けていれば、同じ姿勢で座ってお尻や腰が痛くなる感覚も出てくるかもしれんですね」
患者さん「はい」
自分「で、何が言いたいかというと、私たちって色んな事とともにあるってことなんです。普段は気づいていないけれど、たくさんの事が起こっている」
患者さん「そうですねー」
自分「○○さんの感覚もそうですね。無数の身体の感覚やこころの感覚が起こっていて、それとともにある」
患者さん「はい」
自分「だから、○○さんの不安な感覚も、本来ならばともにあることだと思うんです」
患者さん「あー、なるほど…」
自分「でもいつの頃からか、それを否定して、とらわれてしまっている」
患者さん「うーん」
自分「ともにあることを振り払おうとしても、それは消え去りはしないんじゃないかしら」
患者さん「そっか…」
自分「そのとらわれをほぐして、不安とともにある、見つめることがとても自然なこと。そう思います」
患者さん「そうですね…。今まで不安を消そう消そうとしてました…」

 と、周囲の音から始まって、身体感覚や感情なども実は現在進行形で起こっていることであり、私たちと ”ともにある” ものだという気づきを実感してもらいます。それは自然なことであり、とらわれが生じると不自然になっていきます。症状それ自体は敵ではなく、ただただ ”ともにある” もの。それを確認してもらって、見つめる練習を少しずつ取り入れていく。すると、硬いとらわれが徐々に雪解けになっていくでしょう。決して一度ではうまくいきません。そんなに人間は器用ではないので、練習練習。1日に10分でも良いので、毎日練習してみるのが大切なのです。

 練習には、症状があるというのを認めたうえで行動をするというのも含まれますし、上記の様なエクササイズを自宅でやってもらうのも効果的だと思います。今ここでの世界の蠢きとともにある、そんな感覚を得てもらうのがポイントでしょうか。
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2018
02.03

研修医の先生に読んでもらう論文をいくつか:その2

Category: ★研修医生活
 以前、『研修医の先生に読んでもらう論文をいくつか』と題した記事を書きました( →コチラ)。そこで紹介した論文はWernicke脳症への注意と抗菌薬関連脳症とRestless Legs Syndromeについてでした。

 自分の勤めている病院には、たまに前期研修医の先生がやって来ます。研修している病院に精神科がなく、その科のローテの期間だけうちに来るというシステム。その間は前の記事にあるような論文を読んでもらっているのですが、今回は何と精神科2周目という奇特?な研修医がおり、ちがう論文を探すことになりました。

 ただし、2周目ということもあって精神科に少し慣れていると想定し、もう少し予診や初診の陪席を頑張ってもらおうということになりまして。よって、論文を読んでもらう時間はそんなに多くなくなったのであります。

 ということで、2本用意しました。どちらもNEJMのレビューですが。

・Marcantonio ER. Delirium in Hospitalized Older Adults. N Engl J Med. 2017 Oct 12 377(15) 1456-1466. PMID: 29020579

・Schuckit MA. Recognition and management of withdrawal delirium (delirium tremens). N Engl J Med. 2014 Nov 27 371(22) 2109-13. PMID: 25427113

 テーマは


"2つのせん妄"


 です。いずれも精神科以外でもお目にかかる超重要な病態。1つはフツーのせん妄、そしてもう一つは振戦せん妄 (離脱せん妄) です。薬剤的な対応が異なるため、しっかりと押さえておきましょう。ここではこの論文の概要を記事にします。決して逐語訳ではなく部分部分の拾い訳なので、ご了承ください。あと、少しですが註として自分のコメントを入れています。

 まずは上の論文、"入院中の高齢患者さんにおけるせん妄" です。

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 せん妄は注意と覚醒の障害であり、急速に進展し、かつ動揺性です。種々のメカニズムの最終共通経路であり、急性心不全と似ており "急性脳不全" とも言えます。入院中の高齢患者さんに非常に多く見られ、短期予後や長期予後と強く関連しています。

 せん妄は「暴れて大変!」というイメージかもしれませんが、それは25%とされています。多くは低活動型で静かな状態の時があります (註:この低活動型は本当に見つけにくいです…)。低活動型はより予後が悪く、それは部分的にはあまり認識されていないことによるのでしょう。せん妄の重症度には幅があり、より重症であればより経過が悪くなります。

 リスクファクターは2つのグループに分類されます。基盤となるbaselineの部分と、誘発因子となるacuteの部分です。前者には高齢、認知症 (臨床的に認識されないことが多いので注意)、身体能力の衰え、併存疾患などがあり、他には男性、視覚や聴覚の障害、抑うつ症状、MCI、検査データ異常、アルコール乱用も関連しています。後者は薬剤 (特に鎮静系、抗コリン作用を持つもの)、手術、麻酔、強い疼痛、貧血、感染症、急性疾患、慢性疾患の急性増悪などです。基盤の部分が多ければ多いほど、より少ない誘発因子でせん妄に至ってしまいます。

 以前は、せん妄は一時的なものであるとされていましたが、決してそうではありません。いつ発生してもおかしくなく長引くこともあり、合併症や入院期間の延長のリスクにもなります。また、死亡リスク、施設入所、認知症の発症にも関連しています。

 せん妄は見逃されやすく、診断はCAMや4ATなどを使用しましょう。認知症、うつ病、その他の急性発症の精神疾患は重要な鑑別診断でもあり、かつ併存もします。せん妄と診断された場合は、迅速で適切な評価が必要です。要因は一つと限らないので、Table 3のDELIRIUMのゴロ(上の Evaluate and treat common modifiable contributors to delirium の部分)に従ってすべての要素を調べるべきです。

せん妄Table3

 非薬剤的な介入については、医師、看護師、他の医療者、そして家族によるあらゆる視点からのケアが重要です。既に投与されている薬剤の調整は可変的な要因の中でもっともコモンなものであり、その対応もTable 4に示されています。

せん妄Table4

 環境要因や合併症の予防/管理も重要であり、それはTable 3の残りの部分に記載されています。

 せん妄の行動面の治療は薬剤が使用されるものの、有益性を示す十分なエビデンスがなく有害性が指摘されているため、
非薬剤的な介入が不可欠となります。患者さんの受傷リスク低減のために身体拘束が行われることもありますが、実際は受傷が多くなることが示されています。よって、拘束はゼロに、そうでないにしても最小限に留めるべきです。ICUでは拘束せざるを得ない時もありますが、常に受傷リスクをモニターし不必要と判断されれば速やかに解除すべきです(註:マンパワーがあれば…。それのない状況で頑張ると他の患者さんに割く時間や手間が取られるという現実的な部分があります)。

 薬剤治療は、患者さん自身が苦しみそれを言葉で安心させることが出来なかった場合、行動が患者さんや周囲の人々にとって危険である場合には必要かもしれません。ベンゾはアルコールによるせん妄やベンゾの離脱せん妄の時など特殊な場合に使用され、多くの場合は抗精神病薬が用いられます(註:日本では伝統的にトラゾドンなどの鎮静系抗うつ薬を用いることがありますね)。しかし、抗精神病薬はせん妄の期間や重症度を軽減せず、ICU在室や入院の期間も短縮せず、死亡率も改善しません。よって、使用するのであれば、その場の興奮や幻覚妄想を軽減することと薬剤による過鎮静や合併症を天秤にかけるべきです。効果はどの抗精神病薬も似たり寄ったりですが、ハロペリドールが最も鎮静が少ないもののEPSの発現が多く、クエチアピンがその逆となっています。反応には個人差があるため、どの薬剤を選ぶにしても低用量から開始すべき。追加するのであれば、目標達成まで30-60分毎とします。せん妄が長引く時は頓用ではなく定期服用とすべきですが、これも拘束と同様に可能な限り早期に中止しましょう。

 予防については、訓練されたボランティアが働きかけるものやコンサルテーションを用いたものなどがあり、いずれもせん妄の減少に成功しています。向精神薬の減量もこの2つの重要な側面です。予防における薬剤の有効性は確立されていません。抗精神病薬による予防は有用性を見いだせておらず、メラトニンやその薬剤であるラメルテオンはせん妄発症を減少させるかもしれませんが、はっきりとしたエビデンスに乏しいのが実情です (註:オレキシン受容体拮抗薬のスボレキサントがせん妄予防になるという論文が出ていましたね。追試待ちでしょうか)。

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 非薬物的介入を重視せよ、というのがこの論文のもっとも言いたいことだったかもしれません。そのためには人手がほしいなぁというのが自分の本音ではありますが…。抗精神病薬は低用量から開始することが大事で、論文ではハロペリドールの初回投与が0.25-0.5 mgとなっており、最大で3 mgでした。EPSもさることながら、特に静注だとQT延長も怖いですしね。オランザピンの最大が20 mgなのに対しクエチアピンの最大が50 mgと記載されていたのはちょっと「??」な気もします。鎮静ということを考えても、この用量比較だとオランザピンのほうがかなり鎮静がかかるのでは…。半減期も長く、自分はせん妄にオランザピンを第一選択では使用しません。

 次に、下の論文が『振戦せん妄 (アルコール離脱せん妄) の理解と管理』です。

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 アルコール使用障害患者さんのうち50%がアルコールを減らすもしくは中止する際に離脱症状を経験します。そのうち3-5%が大発作、せん妄、もしくはその両者を経験します。アルコールはベンゾやバルビツレートなどと同様にGABAの放出を速やかに促しGABA-A受容体に働きかけ、シナプス後部のNMDA受容体活性を阻害します。何度もアルコールに暴露すると、脳は受容体やその他のタンパクを変化させてアルコールに適応していきます。そうするとアルコールの効果は落ち、以前と同様の効果をもたらすにはより多くの量が必要となってしまいます。その後にアルコールの血中濃度が落ちると離脱症状が生じ、それには不眠、不安、心拍数や呼吸数の増加、体温や血圧の上昇、手指振戦などがあります。エタノールは作用時間が短いため、血中アルコール濃度が落ちてから8時間以内に症状を認めることが多く、72時間ほどで最大となります。そのままアルコールを摂取しなければ、5-7日で過ぎていきます。

 アルコール離脱症状の経過と重症度は厳格にモニターしなければなりません。CIWA-Arが用いられており(Table 1)、8点以下であれば軽度でありベンゾを使用することはほとんどありません。8-15点では中等度であり、ベンゾをある程度用います。15点を超えるようなら重度であり、けいれんや振戦せん妄を避けることが重要となります (註:これは1回やってオシマイではなく、4-8時間おきなど経時的にチェックします。あと、意識障害があると適切な評価ができません)。

離脱せん妄Table1

 振戦せん妄の診断基準はせん妄とアルコール離脱症状に分けられます。後者は、長期大量飲酒状態から急にやめるもしくは減らすこと、そして、8つの症状 (自律神経の過活動、手指振戦、不眠、嘔気嘔吐、一過性の幻覚、精神運動興奮、不安、全般性の強直間代発作) のうち少なくとも2つがアルコールを減らした後に見られることとなっています。振戦せん妄はアルコール離脱症状が出現してから約3日で始まり、1-8日もしくはそれ以上続きます (大抵は2-3日)。振戦せん妄で入院している患者さんの約1-4%が死亡しますが、適切にそしてタイムリーに診断され治療されれば、死亡率は低下するかもしれません。高体温、不整脈、けいれんの合併症、併存する疾患によって死亡することが多いとされます。

 振戦せん妄を発症するであろうと予想されるのは、CIWA-Arが15点を超える時(かつsBP>150やHR>100の時に多い)、離脱けいれんを最近経験した(20%に見られる)、振戦せん妄や離脱けいれんの既往、高齢、ベンゾやバルビツレートなどの不適切な使用、身体疾患 (電解質異常や血小板減少、呼吸器疾患、心疾患、消化器疾患など) の併存の場合などです。予防は、併存疾患や離脱症状を見つけて治療することがベスト。治療の目標は焦燥をコントロールし、けいれんのリスクを下げ、受傷や死亡リスクを下げることです。診察と検査によって併存疾患を同定し治療することで、より状態が悪化するのを防げるかもしれません。ケアはせん妄の時と同様のことを行なうべきですが、静脈路は確保しておきましょう。ただし、経静脈的治療の際には注意すべき点があります。例えばグルコースを投与する際にはWernicke脳症やチアミン欠乏による心筋症を避けねばならず、アルコールによって一時的に心機能が落ちていることもあるため輸液を過剰にしないことも重要です。チアミン (経静脈的に500 mgを30分以上かけて1日1-2回、3日間) とマルチビタミンは推奨されていますが、マグネシウムをルーチンで投与することは支持されていません。Wernicke脳症が疑われた場合はチアミンの投与量をさらに上げ (経静脈的に500 mgを1日3回、5日間)、加えてマルチビタミンの非経口投与が推奨されています (註:チアミンの適切な投与量は実際のところはっきりしていませんが、自分もこんな感じの量を入れています)。

 振戦せん妄の薬剤治療の主流はベンゾです。ベンゾの中でどれが良いかは不明ですが、ここでは半減期の長いものとしてジアゼパムが、短いものとしてロラゼパムが挙げられています (註:自分もこれらを使うことが多いです。肝機能障害があればやはりロラゼパムでしょうか)。投与量は患者さんによってかなり異なり、桁外れの使用量となることもあります (註:この文献では、最初の2日間にジアゼパム2000 mgという量が記載されていました! まじ…?)。その他の薬剤も離脱症状には使用されますが、振戦せん妄に対するデータは欠けています (フェノバルビタール、クロメチアゾール、ミダゾラム、カルバマゼピン、オクスカルバゼピン)。高用量のベンゾに反応しない患者さん (特に挿管されている時) は、プロポフォールが使用されます。0.3-1.25mg/kgで、上限を4mg/kg/hr、48時間までとします。他にはデクスメデトミジンがあり、上限を0.7μg/kg/hrとして使用されます。これは心ブロックがあれば使用できず、血圧や心拍数を注意深くモニターしなければなりません。これらはベンゾよりも研究されていないため、危険性を常に考えましょう。

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 振戦せん妄は "起こさないように徹底的にリスク管理を!" ということなのだと思います。自分のいる病院ではアルコール関連の入院も多いですが、CIWA-Arが最初に低くてもドンドン急激に上がっていく患者さんが実に多く、そうなると後手に回ることもあります。そのため、大量かつ長期の飲酒であれば、8点以下でも入院後にまずはベンゾを服用してもらうことが多いです。可能な限り振戦せん妄を起こさないようにするのが大事。ICUのある総合病院なら違うのかも?

 このような内容の論文2本でした。薬剤的な介入がまったく異なるので、対比させて覚えましょう。どの科でも役立つ内容でございました。今回、自分は研修医の先生を2日間担当することとなっています。1日目はこれらの論文で、もう1日は少し論文を探しておこうかな?
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