2016
04.27

臨床のワンフレーズ(15):失敗も大事

Category: ★精神科生活
 患者さんはとても失敗を恐れます。以前に記事にしたように、症状がありながらも行動することの大切さをお話していきますが、そこで大きな障壁となるのが「失敗したらどうしよう」という考え。

 患者さんは萎縮してしまっています。これまでの生活を踏まえると確かにご尤もなことであり、否定すべきではありません。しかし、失敗せずに出来るようになる物事なんてないのです。そこは叱責や強制にならないように強調していくことが求められましょう。

 例えば、キーボードのタッチタイピングだってそうでしょう、補助輪なしの自転車に乗れるようになったのもそうでしょう、算数の問題を解くのもそうでしょう、立って歩けるようになったのだってそうですよ。『スぺランカー』を最初からノーミスでクリアできる人なんていません。何かしらワンランクアップするためには、失敗が積み重なって成功に届くようになっているものです。

自分「○○さん、自転車って乗りますか?」
患者さん「乗りますよ」
自分「ちょっと思い出して欲しいんですけど、補助輪なしの自転車って一発で乗れるようになりました?」
患者さん「いや、そんなことはなかったです。練習して」
自分「ふらふらして転びながらを繰り返して乗れるようになりましたよね」
患者さん「はい」
自分「今やろうとしている行動も同じですよ。最初は失敗します。それは予め言っときます」
患者さん「そうなんですか。ちょっと怖いです…」
自分「失敗したって良いんですよ。最初からうまく出来るような人はいませんから。練習や失敗なしに自転車乗れる人なんて逆に怖いですわ」
患者さん「そうですよね(笑)」
自分「で、失敗も大事です。失敗って貴重なデータの宝庫なんですよ。そこから次に活かすような姿勢が大事。言い方はアレですけど、実験するようなこころがけで取り組みましょう」
患者さん「分かりました」
自分「せっかく失敗するんですから、それを活かさない手はないですよ」

 失敗して、そこから軌道修正をかけて…。それを繰り返したその果てに上手くいくようになります。なかなか最初は難しいので、患者さんの動機が下がらないように、医療者は支援し続けていきます。

 かつ、失敗を活かすためには、患者さんにデータとして分析してもらい、自ら修正するのをお願いすることでもあります。患者さん自身が最大の治療者であるという意識を持ってもらうことで、主体性が芽生える。そうなることで、自身で調節が出来るようになって治療の終結が近づきます。仮に医療者が転勤になったり病気になったりで担当医が変更になっても、患者さんの動揺は少なくなるように思ってもいます。
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2016
04.24

精神科志望の研修医は何を勉強すべき?

Category: ★研修医生活
 ありがたいことに、精神科を志望してくれる研修医が一定数います。理由は色々あるでしょうけれども、若い力が入ってくれるのは心強いものです。個人的には、ちょっと文系的な、言葉に興味がある人とかだと更に嬉しくなっちゃいますが。やっぱり精神科医は言葉のプロですからね。

 そういった人たちから「研修医のうちに、どんな勉強をすれば良いですか?」という質問もあります。今回はそれについて、周辺のことも交えての記事。前にも何回かしたような記憶もありますが。

 その前に、精神科医になったら何を最初に学ぶべきか。それはやはり、今の時代はお薬(向精神薬)の勉強だと思います。新鮮で変にクセの付いていないまっさらな状態のうちに、良質なテキストで学ぶのが良いでしょう。そうすると、例えばベンゾジアゼピン系をぽんぽん出さないとか、離脱症状に配慮するとか、そういったところへの気づきが出てきます。もちろん継続的な服薬が必要な患者さんもいるため、「すべての向精神薬は悪だ!」という極論はそういう患者さんを愚弄していることになりかねません。一部のコトバに偏らないようにしましょう。極端な情報を発信する人からはビジネスの香りがしますね…。

 こういうお薬の勉強や文献での勉強は「頭でっかち」と非難されがちですが、若手は経験では絶対的に不足しておりそれは覆せませんから、その分きちんと本や文献を読んで知識を入れるのは、患者さんを診療するにあたっての礼儀でもあると思うのです。経験も少なく、知識も少ないのではダメダメですよね。最初は頭でっかち(この言葉を”知識先行”という意味で用いています)でも良いのです。経験は必ず付いてくるので、そのために知識を最初は身に付けておきましょう。つまりは


頭でっかち上等!


 の心意気やで。焦らず、教科書や文献で正しい診断や治療の”型”をしっかり学んでおきましょう。”習うより慣れろ”ではなく、”習って慣れろ”的なイメージを。

 そして、生活習慣の改善、つまり”養生”を治療の第一義とするように心がけること。さらには”処方しない”という選択肢も用意しておくべきです。特に昨今の精神科外来は一昔前のような”疾患同士の比較”というよりは”健常との比較”にシフトしてきています(その境目もファジィというのは論を俟たないものです)。だからこそお薬が効きにくいですし、処方せずに養生をお願いする術も意識しましょう。その養生には個別性がありますから、必然的に患者さんの生活を聞く事にもなります。それは大切な情報。

 しかし、そういったことは精神科医になってから! 研修医のうちは仮に精神科志望であっても、というか精神科志望だからこそ、”身体疾患の勉強”をして欲しいと思います。精神科医になったら精神疾患に否が応でもどっぷり浸かるわけですから、そうなる前は身体疾患のお勉強を。つまりは普通の研修をするべきでございます。これは自分が医局の教授から教えられたことでもあります。実は、自分は研修医2年次の時に「精神科をたくさん選択してスタートダッシュをしよう!」と目論んでいたのですが、教授から「研修医のうちにしっかりと身体を診ておきなさい」と諭され、かなりローテする期間を減らしたのでした。

 身体疾患の中には精神疾患の大事な鑑別となるものがあります。しかし、他科から「精査したけどうちの科じゃないから」と言われて精神科に来た患者さんに対して精神科は「じゃあ精神疾患として治療しよう」と考えて身体疾患を今一度調べ直すことを忘れてしまうことがしばしば。


”精神科の患者さん”というラベリングがいったんなされてしまうと、それはなかなか洗い流せないものなのです


 以前にも記事にしましたが”精神科医こそ身体疾患を鑑別する最後の砦”でもあります。そのためにもしっかりと研修医期間中に基本的な考え方(診療のOS)を習得。精神疾患だけ勉強すれば良いというのではいけませんよ。その鑑別となる身体疾患への目配せを怠らないためにも、研修医のうちは身体疾患の勉強をして身体疾患を持つ患者さんに接しておくのが求められるのです。論理的に考える技術を身に付けるために、やっぱり欠かせません。事前確率や尤度比を冷静に見つめて診断に至るその考え方は、すべての医者が知っておくべき知識でございましょう。「尤度比って何?」という精神科医がいまだに多いのは悲しいことです。

 そして、鑑別となる身体疾患の勉強だけで済ませてはダメでして、いわゆるコモンディジーズの診断や治療に用いるお薬の特徴をも知っておきましょう。精神疾患を持っている患者さんの身体疾患の治療にとっても役立ちますし、他の病院で処方されたお薬の特徴を知っておくことで、患者さんの一見すると症状悪化と思われた状態が実は相互作用によってもたらされたものだと気づくこともできます。

 自分は高血圧症や脂質異常症や2型糖尿病といったコモンな疾患の治療をしてますし、よく出会う感染症の治療も。特に感染症はとんでもない抗菌薬を使う医者も多いので、自分で勉強して治療した方が良い時がとても多いのです。。。蜂窩織炎にレボフロキサシン(クラビット®)を1ヶ月出す皮膚科医とかいますからね…。あとは第三世代セフェムや経口カルバペネムをぽいぽい出す医者も「むむむ…」と思ってしまいます。それよりは自分がしっかりと診断して抗菌薬も選んで治療。もちろん自分では手に負えない状態であれば、それはお願いします。何でもやろうとするのは、単に自分の自己愛を満たしたいだけになってしまい、患者さんをその延長として見ることになりかねません。

 ある程度であれば自分で治療するのがストレスもなく、患者さんの服用するお薬も分かります。そして精神疾患以外のちょっとしたところに手が届くと、患者さんの信頼度も実はアップ。患者さんの身体に目配せをすることで、実は精神科的にも良い作用になっているのです。こういうのは、臨床研修制度を経験している若手の医者の強みだと思いますよ。もちろん、他の病院で妙なお薬を使われて相互作用で大変な目に遭うのを避けたいという思いもあったりしますが。こっちでリチウム(リーマス®)出しておいてるのを知っているのに向こう(開業医さん)でロキソプロフェン(ロキソニン®)を180mg/dayで定期的に出されてリチウムの血中濃度が…なんてことは稀じゃないのでした。。。向精神薬の知識って精神科以外はかなり乏しいのです(精神科医で乏しければ失格です)。同様に、「精神科医は向精神薬以外は何も知らねぇんだな」という誹りを受けないためにも、コモンな身体疾患で頻用されるお薬については最低限知っておかねばなりません。患者さんが高血圧症でACE阻害薬を服用していたら、やっぱりリチウムは軽々と処方できないでしょう。心房細動でワルファリン(ワーファリン®)を服用していたら、フルボキサミン(デプロメール®/ルボックス®)は積極的に出せないでしょう。

 何だか愚痴になってしまいましたが、何を言いたかったんでしたっけ…。そうそう、精神科志望であっても、研修医のうちは精神科ばっかり勉強するんじゃなくて、身体疾患、特に精神疾患との鑑別になる身体疾患の診断、そしてコモンディジーズの診断と正しい治療が出来るようになっておくことが欠かせないということでした。診断推論って大事。

 研修医のうちから精神病理学の難しい本を読んだり、精神分析のちょっと摩訶不思議な本を読んだり、言語学を学んだりする必要はないですよ。それは精神科医になってからちょっとずつで結構です。研修医のうちは身体疾患を「これでもか!」というくらいに勉強してくださいまし。”今”に浸ってその中でもがくことこそ、将来の原石。

 それでも何か…という研修医の先生には、医学書院さんから出ている姫井昭男先生の『精神科の薬がわかる本』をオススメします。この1冊をきちんと読むだけでもだいぶ違いますし、精神科以外の先生方みなさんも是非読んでみてください。そして、精神科医になったらすぐに『The Maudsley Prescribing Guidelines in Psychiatry』を買いましょう(2016年3月の段階で第12版が最新)。この本は最強の薬剤処方のガイドラインです。
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2016
04.22

久々なんですよ

 ゲームセンターにお散歩がてら顔を出してみました。

 そこで、このいかにも「獲って下さい!」と叫んでいそうなコリラックマを発見。

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 誰かが途中で諦めたのでしょうが、これはやらざるを得ない。決して自発的なわけではなく、コリラックマが呼んでいるから、仕方なく(?)です。英語で言うなら、mustではなくhave toとしての”~しなければならない”なのです。

 せーい。

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 500円でゲット。

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 久しぶりだったので、ちょっと遠近感やアームの開き具合で2回ほどミスをしてしまった。。。

 コリラックマを手に入れたとなると、奥のリラックマ的な子も気になります。

 そぉい。

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 こっちは700円にて。

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 合計1200円。もうちょっと経済的に獲得出来たなぁとやや反省です。日々の鍛錬を怠っていたからな…。

 で、帰宅して並べてみました。

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 比較対象は、ガチャガチャで見かけるぐでたま先生の”おきあがりたくないこぼし”のばぶちゃん。

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 高さは3cm弱。可愛い。

 このリラックマもどきのクマさんは、新しいお友達だそうでして。

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 ”チャイロイコグマ”と言うそうです。へー、そんなキャラが登場したとは知らなかった…。名付け親はキイロイトリだそうでして。コリラックマは上手く発音できないので、「こぐまちゃん」と呼ぶとのこと。

 ついでに、リラックマの鏡もゲット。

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 今回行ったゲームセンターでは型落ち景品のところにあったので、少し前に登場したものなんでしょうね。200円で手に入れたため、結構おトクかなと思っています。ちょっと台が薄いプラスチックでちゃちいのですが、リラックマの可愛らしさがそれを補って余りある活躍。

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 何か説明しがたい台なんですよ、型落ち景品の台って。こう、ボタンを押しっぱなしにしてういーんと棒が上がって、タイミング良くボタンを離すと、景品の入っているスペースに棒が入っていって景品を押し出すという感じの。「あんまりうまくいかんやろ」と思ってトライしてみたら2回で穫れてしまった感じなので、写真にその様子を収めなかったんですよねぇ。残念。

 この鏡、裏面がその役割を果たします。

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 久々に大きいぬいぐるみを獲って、良い気分でございました。最近はクレーンゲーム(UFOキャッチャー)で大きめのものを狙わなくなりましたからね…。小さいぬいぐるみが積まれている雪崩式はたまに遊びますが(ゲットしやすいので)。

 ちなみに、もうテーブルの上が混沌とし始めているのはご愛嬌です。
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2016
04.16

安心できること

 精神病院には、長年ずっと同じ処方であったり多剤大量となったりしている患者さん(入院外来問わず)がいます。かつ、ちょっと不調な時があれば抗精神病薬をその時に上乗せされ、落ち着いてもそのまま。そして担当医の変更がもちろんあり、そうなると新しく担当となった医者は薬剤歴を見て「この薬を新たに入れたのは何のためだ?」と分からなくなることも。「もし切って悪化したら大変だな…。安定していたのがそれで崩れるのも患者さんに悪いし…。何かしらの必要性があって入れてるんだろうな…」と考え込むと、昔々に増量されたり開始されたりした薬剤を減量中止するのも気が引ける…。そんなことが往々にしてあります。患者さんの今ある生活を崩したくない、と思うのはごもっともなのです。例えばハロペリドール12mg+プロペリシアジン60mg+クロルプロマジン100mg+レボメプロマジン50mgなんてのも昔々の患者さんでは目にします。おそらくはハロペリドール主剤なのでしょうけれども、ちょっとブレたり不眠が続いたりした時に鎮静をかけるために他の薬剤をプラスしたのかもしれません。もしくは、減量しようと思って減らしたらリバウンドか再燃かによって症状が悪化して慌てて主剤を戻して鎮静系の他剤を加えたか? また、抗精神病薬にちょろっと抗うつ薬が噛まされていることも。これは抑うつになった時期があり、その時に抗うつ薬を入れたんだろうなぁと思わせる処方。そしてその状態を脱した後もそのままになり、担当医も幾度か替わり減量中止せずにそのままになっておるのでしょう。複雑な処方は、昔の担当医の遺産と言えるかもしれません。

 しかし、多剤が絶対的に悪いわけではなく、そうでないと何ともならない患者さんも実際にいるでしょうし、医者も最初から多剤にしたくてそのようにするってことはありません。それを考慮せずに「多剤にするのは薬漬けだ! 廃人にしようとしてこんなに出している!」と非難をするのはちょっと違うのかなと感じます。医者は、薬剤歴に悪戦苦闘の歴史を感じ取るのです。ただ、手順を間違えなければ減らせる患者さんもおり、いっぽうそれに消極的な医者がいるのも事実。減らすことで心血管リスクや誤嚥リスクを下げられますし、意欲も出て来るかもしれませんし、錐体外路症状も軽減でき、そうなると併用されている抗コリン薬も減らせて認知機能低下も改善できる可能性だってあります。

 そして、こういう患者さんの薬剤を減量する時、かなりの慎重さが必要。長年の処方でドパミンやヒスタミンなどなどの受容体がアップレギュレーションされているため、少しの減量が相対的に大きなダメージになることがあります。退薬性ジスキネジアを出してしまうとかなり治療が難しくなる、とも聞きます。受容体のアップレギュレーションという知識があるのとないのとでは、薬剤の使い方にかなり違いが出るのではないでしょうか。若手の精神科医はぜひこれについて学んでみてください。

 自分は何回か減量で手痛い目に遭っており、それはすなわち患者さんに不利益を与えてしまったことにもなります。安定している患者さんにゆらぎを与えるのは医者として本当に申し訳ないという気分になり、減量せずにそのままキープにしたいという人情も十分に理解可能。しかし、減量の向こう側に患者さんのより良い生活が思い描ける時は、決心して取り組みたいと思っています。

 ということで、最近は超安全牌として例えばハロペリドールであれば0.1mgを1-2ヶ月というような、かなり長丁場でちょこちょこと減量しています(患者さんによりますが)。ベンゾジアゼピンも統合失調症患者さんに投与されていることは多々あり、かつこのお薬は統合失調症患者さんの攻撃性に関与している可能性が示唆されてもいるため(Fond G, et al. Medication and aggressiveness in real-world schizophrenia. Results from the FACE-SZ dataset. Psychopharmacology (Berl). 2016 Feb;233(4):571-8.)、不必要だろうなと考えられる場合にはじわじわ減らします。もちろん「減らしても良いよ」と言ってくれる患者さんを対象として行なっておりますよ。

 このように微量で減らす時、いつも支えてくれているのは調剤する薬剤師の先生。結構面倒だと思います、粉でごくごく少量にするのは。しかもそうするのは1人の患者さんではないですし。錠剤しかない薬剤も粉末化でちょろちょろと。こちらは処方をオーダーするだけなのですが、実際につくってくれるのは薬剤師の先生。いやはや、いつもいつもスミマセン。この場を借りて御礼を。

 で、話は薬剤師の先生のことになるんですが、病院の持つ力は薬剤師の先生が担っている部分が相当に大きいと思っています。特に精神病院では多剤大量を是正する方に舵を切っていますから、そのやり方を薬剤師の先生が提示してくれるとか、後は相互作用の理解もそうですね。薬剤師の先生に十分な知識があるからこそ、医者は安心して処方できるという側面があります。

 そこで、偉そうなことを言ってしまうのですが、薬剤師は”薬剤”師なので、やはり薬剤に関してプロフェッショナルであってほしいと感じています(気分を害されたらスミマセン)。もちろん日本にあるすべての薬剤を把握することは無理なので、精神病院であれば向精神薬への十分な知識とそれ以外の薬剤(特に相互作用と副作用)について迅速に調べる情報収集能力が必要。薬剤に関して医者よりも数段上の知識を持つのが薬剤師の先生でしょうし、そうあるべきだとも考えています。医者もそれに負けないくらい勉強する必要はありますが(何せお薬を選んで処方するのは医者なので)。例えば桑原秀徳先生のような薬剤師の先生がどーんといてくれたら、こちらも大船に乗った気持ちで向精神薬を処方できそうな気分。それだけ薬剤師の先生の力は大きいのです。

 自分は疑義照会をたくさんかけてくれたり、患者さんの他院処方薬を教えてくれたりする薬剤師の先生を信頼しています。相互作用や、他にも疑問に思うところがあればやっぱり意見がほしい。それが患者さんへの安心安全な処方につながります。しかしながら、医者の中には疑義照会を鬱陶しく思う輩もおり、薬剤師の先生もなかなか大変なようです。”自分のやり方”が変に身に付いてしまった医者はそれを崩されるのを嫌うため、そうなると薬剤師の先生が疑義照会をしても突っぱねてしまう。それでは患者さんのためになりませんし、薬剤師の先生も次から「触らぬ神に祟りなし」的な対応になってしまうかもしれません。「疑義照会なんてかけてくるな!」という傲慢な医者は淘汰されてほしい、とひっそりと思ってしまいます…(ひっそりですよ、ひっそり)。患者さんの生活を考えたら、薬剤師の先生と手を取り合った方が良いでしょうに。自分の信条を優先してしまうのは、お薬どころか患者さんを置き去りにしてしまいます。それっていかがなものかと。これは精神科に限らず、どの科でもあること。知識に関しては、常に風通しを良くしておくことが求められるでしょう。色んな知見やトレンドを手に入れるのは、流行を追いかけるためではありません。ブラッシュアップすることで、新しい地平が見えてくると思うのです。それに対して眼を瞑ってしまえば、歩みを止めることになるでしょう。自分の持つ知識は絶対ではないのです。常に素足であることが望まれますよ。

 ということで、特に若手の医者は、薬剤師の先生との意思疎通を十分にしてほしいなと思います。そして繰り返しにもなりますが、若手の薬剤師の先生は薬剤のプロフェッショナルを目指してたくさん勉強してほしいなと感じています。「は? 医者なんかに薬の知識で負けるわけないっしょ」的な気概で。特に精神科医は専門外の分野にやたらめったら弱い医者も多いので、適切に指導をしてくれるとホントに助かります。

 若手の医者や薬剤師の先生は、これからの医療を担う人たち。自分の知識が絶対ではないという自覚は、若手の大きな武器です。向精神薬の使い方もそうですし、抗菌薬の適正使用もそうです。これからの時代をつくっていく人たちが協力して、より良い医療を目指して知識に対して貪欲であってほしいなと思います。
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2016
04.13

えらいこっちゃ…

 現在、お部屋の整理中。居間にはテーブルが導入され、だいぶ居間らしくなってきました。テーブルとテレビって、お部屋にないと何となく締まってこないような。あるとホントに”居間”って感じになってきます。

 そして、自分の部屋の本棚を久々に片付けようと発奮しました。本棚に収まりきらず床に散乱していたので、いらない本を処分して新たに入れ直そうという算段。

 で、出し入れを色々としてみた結果…

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むむ!?



 なんだか手が付けられなくなってしまった…。あれ、何でだろ。。。てか、こりゃひどいな。かえって状態が悪化したような印象。

 うーむ、これは詰んだな。本も積んでますし(ん?)。これでも200冊くらいは処分したんですよ、実は。そしてあーでもないこーでもないといじってみたのですが、気がついたらこんな状態。

 もはやこれ以上やる気も無くなって、現在この状態でしばらく熟成(≒放置)されています…。あと1つか2つくらい本棚買わないとダメかなぁ。画像を見て、こりゃ入るわけないやんかと思ってしまった。明日起きたら片付いてないかな…。

 ちなみにですね、居間にも20冊くらい転移しています(おい)。テーブルには必要なもの以外置かないように決意したはずなのに。。。1週間も経たずに本が積まさってしまったよ。テーブルの上には、他に頭痛薬(イブプロフェン)と補中益気湯(コタローさんの)とコメダ珈琲店の豆菓子とワセリンとスプーンと印鑑と何故かガムテープが置かれています。もー片付けるの苦手だわー。
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2016
04.10

花粉なんてね…

 春は花粉症が辛い季節、のようです。

 ”のようです”とは他人事みたいに聞こえるかもしれませんが、自分は花粉症ではなくてですね。

ある人「先生って花粉症ですか?」
自分「いや、花粉は大丈夫ですよ」
ある人「えーうらやましい。私ひどいんですよー」

 なんていう会話がこの時期はなされることが複数回。うらやましいうらやましいと言われますが


ハウスダストとダニで、鼻なんて一年中つまってますわ


 花粉なんてね、時期が限られているでしょ。こちとら年がら年中、開かずの間のような鼻なんじゃ。そんな心の声があるにはあるものの、発言しないようにしています。「花粉症じゃないなんてうらやましー」と言われた後にポロッとそう返したら「あ、すんません…」となって空気が微妙な感じになったことがあります。

 自分の鼻閉ピークは大学生の頃でして、せっせと耳鼻科に通っていたにもかかわらず全く鼻呼吸が出来ず大変でした。細かい味の違いが分からなくなりますし(あんの甘さもクリームの甘さもチョコの甘さも同じに感じる!)、ワサビのつーんとした辛さにめっぽう強かったですし(鼻が詰まっていると揮発性の辛さを感じない!)、朝起きたら口の中がカラッカラでしたし(舌と上顎が張り付く!)。名古屋に来てだいぶ良くはなりましたが、それでも両方の鼻でスーッと思う存分呼吸が出来ることはまずありません。いつもムズムズしてて予期せぬ時に鼻水がひどくなりますし、眼だって痒いし。「こういう時は大好きな漢方で何とかしたら?」と思うかもしれませんが、色々試してみたもののイマイチでございまして。何でこういう時にうまくいかないのだ…。自分は小児喘息はあったしアトピー性皮膚炎だったし今もアレルギー性鼻炎だし血液中の好酸球は白血球の18%くらいを占めるし(!)。アレルギーの申し子のような存在か。これで花粉症にでもなったら…と恐れ慄きますが、一年中調子が悪いから花粉症になっても気づかなかったりして。

 ちなみにうちの医局の教授は花粉症がひどいようでして「この時期はIQが50下がる」とおっしゃっています。でも知識の泉みたいな教授のIQは50下がってもちゃめちゃ高そうな気がせんでもないですが…。

 とはいえ、期間限定だからこそ苦しい、というのもあるのでしょうね、花粉症の方々は。一年中鼻がダメダメだとそれがデフォルトになるので、鼻が開通してモゾモゾしていない方が新鮮だったりします。しかしながら花粉症のみなさんは、平生は鼻に関して問題がないので、花粉症のこの季節が非日常的で耐え難いのでしょう、たぶん。ちなみに、ワセリンを鼻腔にしっかりと塗っておくと、花粉をワセリンがブロックしてくれてかなり楽になるようですよ。眼も痒い方は、眼の周りにも塗ってみてください。眼を軽く閉じて、その上からまぶた周囲に塗ります。「眼に入ってしまいそう」と思ったそこのあなた、大丈夫です。ワセリンはとても安全で、眼に入れても怖くありません(眼軟膏の基剤になっているくらい)。ハウスダストやダニでもO.K.だと想像しているんですが、さすがに一年中こんな症状なので、年間通してワセリンを塗り続ける気概はなく…。ちとめんどい。

 なんかこういう記事を書いていると鼻がムズって来ますね…。夏場に良く経験する”蚊がいると分かっただけで何となく身体が痒くなる現象”と同じような。
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2016
04.07

岡崎の桜

 今日の雨で名古屋の桜は大打撃を受けてしまいました。ピークが過ぎた頃に追い打ちを喰らってしまった感あり。

 さて先日、同じ愛知県は岡崎市に行ってきました。岡崎公園の桜も綺麗だそうでして。

 名鉄に乗り、東岡崎で下車。しばらく歩くと、到着です。

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 この川の名は…

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 乙川と言います。桜の装飾が随分と華やかですな。

 この川沿いに桜が咲いておりまして。

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 この先に屋台や岡崎城があるのですが、ちょっと寄り道。

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 岡崎の有名な和菓子屋さん。”和泉屋”さんでございます。店内で食べることも出来まして、何とおでんもあるそうです。

 ショーケース。

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 いくつか買って、屋台のあるところまで歩きます。桜を背景に菜の花。

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 おー賑やか。平日なんですけどね。

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 この辺りで食べましょう。まずは…

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 このお店の看板商品、みたらし団子! 少し平べったい形で、1本75円と低価格。

 いただきます!

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んまい!

 
 ちょっと温かくて、焼いた香ばしさが何とも言えない。タレの色から想定するよりも味わいは濃くないです。コシよりも柔らかさを重視したタイプのみたらしだと思います。とっても美味しい、うん、美味しい。いやー、美味しい。素晴らしい。

 お次はいちご大福。白あんですね。いちご大福には白あんがいちばん合うと思っています。色合い的にも良いですし、味もよりクセの少ない白あんのほうが苺の酸味とフィットします。

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 よっしゃー。

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んまい!


 このふわっふわ感が素敵。メレンゲを入れているそうで、それがこの食感に寄与しているんですね。

 よーしよしよし。最後はこちらや。

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 桜シュー。どれどれ、サクッと。

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んまい!


 全部美味しいじゃないか! お花見が本懐なのかそれともこっちが本懐だったのか…。花より団子、とは本当に良く言ったものでございます。

 ちょっと屋台をお散歩。

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 あ、ぐでたま先生! お勤めお疲れ様です!

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 リラックマもいらっしゃる。

 おや…?

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 広島風お好み焼きか。。。

 あれ??

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 いつの間にか500円玉と交換で手中に…。先ほどの土手に戻って食べますか。

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 うむ、んまい。

 いやー、お腹いっぱい。食べるのはこのくらいにして、散策を。岡崎城に向かって。

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 岡崎公園の桜は特に夜桜が有名だそうです。

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 欄干が見えてきました。

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 渡る。

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 川を見おろす桜も素敵ですね。

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 よし、岡崎城に着きました。こちらは龍城神社(たつきじんじゃ)の手水舎。

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 拝殿。

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 枝垂れ桜、松、そして岡崎城。

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 上から眺めてみます。

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 後は降りて、川沿いをぷらぷらと。

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 この辺りはちょっと山崎川っぽいですね。

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 桜を歩く人々。

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 橋脚から垣間見る桜もまた。キャンバス的な。

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 サトザクラとソメイヨシノ。

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 最後は遠くから岡崎城を仰ぎましょう。

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 岡崎公園はそんなに騒々しくなく、屋台もちょうどいいくらいの数。川沿いは静かに見ることもできて、鶴舞公園と山崎川の良い点をピックアップしたような。しかも美味しい和菓子屋さんもあるし…。
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2016
04.04

花見は人見

 2016年のお花見は、鶴舞公園の夜桜にしました。4月3日に行きまして、ちょうど満開。名古屋であれば、鶴舞公園と山崎川が有名でございます。仕事の帰りに寄ってみましたよ。

 あらかじめお断りしておきますが、自分のデジカメは大昔のもので、夜景の撮影に向かないという致命的とも言える欠点があります。少しでもブレるとダメダメでして、何回も撮り直してマズマズなものを挙げておりますが、ちょっと「うーん…」という感じの画像になっているものも。。。ネジも外れてきてるし(!)、買い換えないと。

 さて、鶴舞公園に行くと、お、やってるやってる。

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 会場の内部に。皆さん楽しそう。

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 明かりの効果が著しく、ピンクが強い。

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 少し辺縁部に。

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 ちらっと名大病院が…。

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 あんまりピンキー過ぎない方が自然な色ですね。

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 音楽堂。

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 噴水塔。

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 鶴舞公園のお花見は宴会色が強く、対して山崎川はまさに”花見”で桜を見ます。どちらが好きかは人によって異なりますね(このブログでは両方を記事にしています)。

 ただ、今年の鶴舞公園はかなり賑やかというか、悪く言えば騒々しさが増している感じでした。特設ステージが出来ていて、大音量でライブが行われており。若い人はノリノリでございましたね。名大病院がすぐ近くにあるので、入院患者さんは大丈夫かしら…と思うくらいの音。去年まではもうちょっと静かだったような。

 そして、屋台も充実。「あれ? こんなに多かったっけ…」と思うくらいにたくさんあったのです。

 焼きそばは定番。

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 名古屋の屋台といえば、たません。ちなみに新潟市の屋台では”ポッポ焼”が地元特異的なモノです。

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 横手やきそば、みたらし団子、五平餅。

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 大阪道頓堀から、”くくる”というたこ焼き屋さんも出店。

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 長崎からは”角煮バーガー”が。

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 他にもたくさん。随分と大規模になったものです。

 で、例によって食べてきました。

 まずは焼きそば。屋台の焼きそばって美味しいですね。雰囲気も味の1つ。ぎゅっと詰まっている感じもまた。

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 ”くくる”さんのたこ焼き。これは映りが良くないなぁ。画像からは美味しそうに見えない。

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 味はとっても良くて(かなり美味しかった)、やっぱり大阪だからでしょうかね?

 自分の中では定番と化している、みたらし団子と五平餅。ちょっとブレてますね、画像。
 
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 何と焼きたて! お団子系って、焼きたてというだけでものすごい付加価値がありますよね…。んまかった。

 画像では何だか良く分からない物体に見えますが、角煮バーガーです、これ。

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 角煮まんじゅうにパリパリの皿うどんとレタスとチーズを挟んだもの。バーガーよりもシンプルに角煮まんじゅうを食べた方が美味しかっただろうなぁ、という味でした。角煮そのものはホロホロと柔らかくて美味。

 いやー、食べた食べた。でも、ものすごく人が多くて色んな音がして、とっても疲れました。「賑やかさも好きなら鶴舞公園、静かに桜を見たいなら山崎川」という位置づけは以前から変わりませんが、特に今年で顕著になったような。

 ということで、その後は千種イオンのコメダ珈琲店でミルクコーヒーを飲み、ふーっと一息ついて家に帰ったのであります。

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 4/4の朝は雨が降っていて、桜が少し散っていました。しっとりと濡れた桜は艶っぽくて良いですよ。通勤途中に撮った一枚。

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 これを撮っていて電車に危うく乗り遅れるところでございました…。

 桜が終わると、名古屋ではイチョウやハナミズキが芽吹く頃。イチョウって新しく出てきた葉っぱがとてもキュートで、形はあの扇型なんですけどちっちゃいのです。見かけたら葉っぱに要注目でございます。
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2016
04.01

おうちでねよう!

Maltese F, et al. Night shift decreases cognitive performance of ICU physicians. Intensive Care Med. 2016 Mar;42(3):393-400.

 夜勤明けのICU医師は、どれだけ寝ても翌日の認知機能が落ちてしまう。そんな臨床感覚にフィットした論文です。関係者界隈では、少し前に話題になりましたね。

 睡眠は、量(睡眠時間)も大事です。例えば、徹夜をしてしまうとほろ酔い期~酩酊初期の注意力ほどしかないということも示唆されているんですよ(Dawson D, et al. Fatigue, alcohol and performance impairment. Nature. 1997 Jul 17;388(6639):235.)。そして、睡眠時間が短いとこころにゆとりがなくなってしまいます。些細な事にイライラしたり、そんな自分に嫌気が差したり。疲れやすくなり、さらには抑うつにも関係してきます。統計的に日本人は睡眠時間が他の国と比べて短いようですし、みんながあと1-2時間長く寝られたら、日本社会も今ほどはギスギスしなくなるのかなぁと考えています(甘い?)。最近は揚げ足取りや自分と意見が異なる人への攻撃が強いように思います。みんなもっと寝よう! 人間は人生の1/3を睡眠に使っているのだ! それだけ大切なんですよ!

 しかも悪いことに、日本社会は「睡眠時間が短い=よく働いている」というような風潮。普通の勤務時間よりも残業した時間が重視されるのは何なんでしょうね…。そういう人って、2時間の残業と4時間の残業を比べて後者が2倍働いたと勘違いしております。勤務時間を8時間とすると、2時間残業すると合計10時間。4時間残業で合計12時間。10時間と12時間を比べたってアナタ



たかだか1.2倍じゃあないか



 1.2倍程度でそんな偉そうな顔をしてもらっても、ちゃんちゃらおかしいですな。時間の無駄としか言いようのない会議なんて早く終わらせて、普通の勤務時間である8時間を最大限に使って怒涛のごとく働いて、終わったらパッと帰って家族との時間をつくって寝るのが本来だと思うのです。そうでないと、ゆとりのなさや焦りがどんどん膨れ上がってしまいますし、それが今の社会の閉塞感でもあると思うんですよねぇ。残業しないと終わらない仕事量を持っている人も多いことは存じておりますが、仕事中の時間と帰宅後の時間の両者をうまく使って、睡眠時間をひねり出すのも養生の1つですよ。

 こちらから見て明らかに睡眠不足でぐったりしている人でも「いや、私は睡眠時間が短くても大丈夫なんです! 若い時からずっとこうでした!」とおっしゃるかたがいますが


若い時とは違うんやで…


 10代や20代前半ならまだ頑張れたかもしれませんけど、もう、ね。そうじゃないんだから…。と言いたくなるようなことが多い。睡眠の重要性を自覚せねばなりません。もちろん若くってもしっかり寝ること。よく寝ると勉強も結局は身に付くのです。

 そんな睡眠ですが、やはり質も重要でございます。一番上に掲載した論文がそれを表していますね。自分は研修医の時、当直で運良く起こされずに6時間くらい寝られても、翌日はどことなく疲れが残っていました。やっぱり、寝ていても何か落ち着かないんです…。そばにPHSがあるというだけでアカン。起こされるんだろうなぁという思いで寝るというのもアカン。それ以外でも、例えばホテルの宿泊なんかがそうかもしれません。しっかり寝てもどことなく家で寝るのと違って「よく寝たなぁ」という感じが薄い。やっぱり慣れたところでぐっすりと寝るのが良いんだなという、当然といえば当然ですが、とっても大事なこと。それを示してくれたのが今回の論文なのでしょう。こういう研究って良いですね。お金を使って生物学的マーカーを調べるのも素敵ですが、身近なところを調べるのがクールだと思います。

 当直明けは頭が働かず、ミスを起こしそうになってヒヤリとした医療関係者も多いと思います。自分が研修医の頃は直明けでも1日働くことが当然でしたが、病院によっては仕事をさせなかったり半日で帰らせたり。それが適切であり、安全のためにもしっかり休んでもらうことが大事でしょう。そんな時に「オレが研修医の頃は休まず働いたもんだ。最近の若い奴らは…」と言うような上級医はダメダメです。患者さんに何かあったら大変ですし、貴重な研修医をヘロヘロにしてしまってもいけません。上級医が自ら「オレ直明けだから帰るわー」「有休使って休むわー」と示してくれると、後輩はありがたいですよ。「あ、休んでも良いんだ、休ませてくれるんだ」という気分になれます。

 ということで、今日から新年度、新学期になりましたが、学生のみなさん、社会人のみなさん、家で十分寝ましょう! 身体にゆとりを、こころにゆとりを。これが生活を乗り切る術でございますよ。
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