2015
09.30

激しさと静けさと

 前回の記事では、経済的な世界旅行を味わってきましたよーというお話をいたしました。

 今回は、栃木県の名所である”華厳の滝”について。世界旅行の翌日、「やはり一生に一度は荘厳な水の形の変化を見てみたいものだ」と思い、見学してきたのであります。日光東照宮にも行ったことがなかったのですが(というか栃木自体が初)、日程の都合上ちょっと難しく諦めました(陽明門が改修中らしいですし)。どちらも日光駅を拠点に行動するので同日に巡ってしまうことも出来たのですが、なかなかタイトなスケジュールになってしまうので、それよりはゆとりを重視。

 ということで、宇都宮駅から日光駅へ。この日光線は12時台は1本も運行していなくてびっくりしました…。13時過ぎの電車に乗ることになり、スタートがちょろっと遅れてしまうことに。

 日光駅は上品な建物。

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 そこから、中禅寺温泉行きのバスに乗ります。いつもなら片道40分で着くらしいのですが、さすがシルバーウィーク、渋滞しておりました。。。日光駅から華厳の滝の間に日光東照宮があるので、そのためにバスが遅々として進まず。日光駅から日光東照宮までは歩いたほうが早いよとバスの運転手さんも話していました。

 さすがに華厳の滝までは歩いていけないので、カタツムリのようなバスに黙って乗ります。我慢していると、ようやくスムーズな流れに。

 こんな道をひたすら走る。

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 ”いろは坂”という、やたらと急なカーブの多いところを通過してようやく到着なのですが、このカーブがやたら大変。なんでも、いろは歌の文字数48字(”ん”を入れて)と同じ数のカーブがあるから”いろは坂”なんだそうです。車酔いしやすいかたは要注意の難所になるかと。

 そして、華厳の滝近くになって再び渋滞。いやはや、結局120分かかってしまい、それはなんと通常期の3倍の時間! すっごく疲れてしまいました。

 料金も結構なものでして、日光駅からだと片道1150円! しかも高額紙幣の両替はしておりません。TOICAやSuicaを使えるのが幸い。

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 くたくたになって到着。標高が1000mを超えているのでとても涼しく、こころの空気が入れ替わるような感じ。

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 日光は”ゆば”が有名なので、どどんとプッシュしていますね。

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 さあ、華厳の滝に向かって歩きましょう。

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 と言っても5分で着いちゃうんですけどね。華厳の滝と反対方向に歩くと、中禅寺湖に向かうことになります。

 あ、着いた。早いなー。

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 ん?

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 まずは腹ごなしかしらね。ゆばコロッケを1つ。

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 ゆばの風味が衣とお芋さんに負けてしまっているかな…。ゆばもそんなに多く入っていないし。

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 ということで、五平餅もチョイス。

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 ででん。

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 ちょっと柔らかめ。もう少しご飯の食感を残した方が五平餅らしさがあるような。あとはタレがもうちょっと欲しいかしら。。。

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 何が本懐か忘れそうになりましたが、滝です滝。

 ここから見えるはず…。

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 おぉっ!

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 見えたっ! すごい流れですよこれは。こりゃ落ちたら助からんですね。藤村操はよく飛び降りましたな…。

 もう少し下って見てみると、おー。

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 すごいすごい。

 ズームで滝の始まりを。

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 この荒々しさ。この流れは普段2トン/secらしいですが、行った当日は台風の影響で4トン/secになっていました。台風ピーク時は60トン/secくらいにまではなったそうですよ。

 やはり、ここまで来たからには華厳滝エレベーターを使わない手はない。このエレベーターで降りることによって、滝のふもとから眺めることが出来るのです。

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 550円を支払います。もちろん往復料金(そりゃそうだ)。

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エレベーターを降りて、地下道を歩きます。

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 来た! みなさん記念撮影中。

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 海外からのお客さんも多かったのです。そう言えば京都の伏見稲荷大社も、自分が学生の時なんて外国の方々はほぼ皆無だったのに、今年の春にちょろっと行ったらもう国際色豊かになっていてびっくりしました。この華厳の滝も例外ではないのでしょう。

 では、前に出て撮影を。

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 おー。上で見るのとは別の迫力。水の流れる音が身体に伝わるのと、水しぶきがかかるのと。まさに”肌で感じる”という言葉通りでした。おかげでカメラのレンズがね…。

 滝の始まり。

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 落ちゆく様を。

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 そして下っていく。

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滝を囲む岩肌もまた雰囲気があるのです。

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 切り立ち柔らかさを感じないところが、滝の厳しさの側面を表していますね。

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 いやー、すごかったです、華厳の滝。周りの人たちも「おー」とか「わー」とか「すごーい」とか。そんな言葉しか出てこなくなるくらい、圧倒されるのであります。滝の音とか、流れ落ちる力強さとか、そういうのは実際に見てみないと分からないんだなと実感しました。

 帰りのエレベーターに向かう途中、メガネにやたらと水滴が付いていることに気づきました。

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 華厳の滝メガネ(水滴)でございますな。

 見終わった後はすっかり冷えきってしまいました。標高が高いので涼しかったのですが、水しぶきに当たったことで肌寒さを覚えたようでして。寒さには強かったんですけどねー、昔は。

それを見透かしたかのように…。

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 すいとん!

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 山盛りですよー。お大根がたっぷり。いただきまーす。

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んまい!


 何やこの美味しさは! 変な工夫をしていない、シンプルさで勝負したおつゆが絶妙や。くどくなくあっさりと、お大根に染みこむ味わい…。

 すいとんも。

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 美味しいわー。

 量もたっぷりあるし、冷えた身体が温まりますなぁ。おつゆも全部いただいてしまった。華厳の滝を見る旅は、このすいとんを食べるためにあったと言っても過言ではない…。

 夏場は例外でしょうけれども、滝を見た後で「寒いな…」と思ったらぜひこのすいとんを。そうお勧め出来るくらいにほんわかしたのであります。このすいとんが”隠れた本懐”であったと唸らせるくらいの実力。まさか滝が調味料的な存在に薄らいでしまうとは…。それほどこのすいとんは美味しかった。家でも作れそうな味なんですけど、それがまた良いんですよね。滝を見た後に食べてください。見る前だとそれほど感動できません、たぶん(力説)。

 さて、温まったところで、中禅寺湖も少しだけ見てみたい。滝とは反対方向に歩きます。

 おぉ、山に雲がかかっておる。

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 歩くことちょっと。広い湖が。これが中禅寺湖でございます。

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 穏やかな湖面。

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 実はですね、この案内板のイラストが示すように、中禅寺湖の水が流れていって華厳の滝になるのです。物静かな水が、あんなに激しい姿に変化するんですねぇ。イラストそのものを見た瞬間に「膀胱と尿道みたいだな」とふとよぎってしまったのは反省です。

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 これが大尻川。

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 湖と滝をつないでいます。この行末が華厳の滝になるのですねぇ。

 実はこの湖の先に二荒山神社中宮祠があるそうなのですが、時間が…。この時点で17時過ぎだったので。。。

 で、帰りのバスはちょろっと渋滞程度。1時間くらいでしょうか、日光駅に戻った時はもうこんなに暗くなっていました。

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 もう一回あれかな、行かないといかんかな、日光は。戦場ヶ原も見てないし…。
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2015
09.25

パスポートは持ってません

 おや?

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 おやおや?

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 おやおやおや?

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エジプト行ってきたんですか!?



 なんと。出不精極まりなく、海外旅行は高校生の時にタイのバンコクに行ったのが最後であり記憶にもほとんど残っていないこの自分が、エジプトですか?

 しかし、こんな写真も撮りました。

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 子どもがやけに大きく見えるような…。目の錯覚でしょうか。しかも画像右上は緑が生い茂っているようにも見えます。

 こちらは決定的とも言える証拠。

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 あらー。

 ということで、シルバーウィークに旅行したのは事実なのですが、行ったのは愛知県から陸続きである栃木県の


東武ワールドスクウェア


 でした。世界遺産や有名な建造物の精巧なミニチュア(と言っても結構大きいです)をドカドカと並べてあるレジャー施設。いやぁ、海外なんて行くわけないじゃぁありませんか。

 と、ここで時間を巻き戻して、東武ワールドスクウェアのちょっと前から。旅行は宇都宮に泊まりましてですね、目的地には宇都宮駅から日光駅へ、そしてそこから日光線で今市駅へ、でもって今度は徒歩で今市駅→下今市駅に行き、鬼怒川線で鬼怒川温泉前に向かいます。最後にそこでバスに乗って5分で到着、と。結構な長旅ですよ。

 日光線でこの列車に。先の台風の影響で時間がずれていました。

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 車窓から。のどかに感じますが、ところどころ稲の一部が倒れており、台風の影響を伺わせます。

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 鬼怒川温泉駅。

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 まさに温泉街ですね。ホテルが立ち並び、奥には山々。

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 なんと足湯があるのです。

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 バスに乗って、到着。いざ入らむ。

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 最初はウェルカムスクェアと言って、誰でも無料で入れるスペース。そこにはミニチュアのミニチュア(レゴ的な)で案内がなされています。

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 とっても寂しげな、マスコットキャラクターによるステージ。初っ端からこの施設の行く末を案じてしまいました。。。何でしょうね、”地方のレジャー施設”を地で行くようなこの閑散とした空気。大丈夫かなぁ。

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 ちなみに、我が生まれ故郷の函館には”こどものくに”という、これまた寂れた小規模遊園地があるのでした。アレはアレで味があって良かったかも、と今になって思い返しています。

 さて、入場料を払って中に。結構お高くて、2500円/人なのです。前売り券があるので、それを使うと多少安上がりかと(コンビニで買えます)。

 このワールドスクウェア、いくつかのブロックに分かれていまして、

現代日本ゾーン
アメリカゾーン
エジプトゾーン
ヨーロッパゾーン
アジアゾーン
日本ゾーン

 の順となっています。それぞれで有名な建築物や世界遺産のミニチュアが並んでいます。

 全部紹介すると恐ろしい数になるので、ほんのちょっとだけチラリチラリと。

 入ってまず現代日本ゾーン。その中でも最初に置かれてあるのが国会議事堂。政治に強い関心を示す東武ワールドスクウェア先生。

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 ミニチュアとは言えナカナカの大きさなのが分かりますね。

 東京駅。奥のビル群も再現。

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 スカイツリー来た!

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 こんな感じで撮っちゃうと、「スカイツリー行ってきたわー」と言われても分からない。

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 自分は実物を見たことがありませんが。。。どうせなら原寸大で作っちゃえば良いのにね(ん?)。

 東京タワーだってありますよ。

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 現代日本ゾーンは、この他に迎賓館や東京ドーム、旧帝国ホテルなどなどがあります。

 お次はアメリカゾーン。ここは有名ドコロをひとつ。

 自由の女神先生。

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 アメリカゾーンには、他にプラザホテル、ワールドトレードセンター、クライスラービル、ホワイトハウスなどなど。

 エジプトゾーンは最初に紹介したピラミッド群とスフィンクス、そしてこちら。

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 アブ・シンベル大神殿でございます。倒壊した像もきちんと再現。

 アップのこの迫力。旅行したとうそぶいても、バレないバレない。

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 エジプトゾーンの次に控えるは、最も世界遺産のミニチュア数が多いヨーロッパゾーン。でもその前にひと休み。

 とちおとめのソフトクリーム。

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 味は薄め。

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 ではヨーロッパ旅行に。

 ドン!

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 サン・ピエトロ大聖堂です。かなり力を入れて作ってますよね。ミニチュアの人の数も多いし。面積も大きいし。

 そして、ノートルダム寺院。

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 すごいとしか言いようがありませぬ。観光客の一人が「めっちゃ忠実だよねー」と感嘆しながら話していましたが、残念ながら自分は実物を見たことがないので、もはや忠実なのかそうでないのかすら良く分かりません…。でも細かさは伝わりますよ。

 みなさんおなじみ、凱旋門。

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 テレビ(水曜どうでしょうのヨーロッパ21カ国完全制覇)で見たのと同じ感じ、としか言えないこの悲しさよ。ま、この施設のほとんどの建造物がそうなのですが…。

 ビッグベン。訳すと”大きな便”です(嘘)。

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 圧巻のサグラダ・ファミリア。みんな「おー」という感じで見上げています。

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 あ、言い遅れましたけど、植え込みは全て本物なのです。こういうところも凝ってますよね。

 他にもヨーロッパゾーンはたくさんありすぎて大変。パルテノン神殿、コロッセオ、ヴェルサイユ宮殿、エッフェル塔、ノイシュバンシュタイン城、パルテノン神殿、バッキンガム宮殿…。うーむ、何がなんだか。

 アジアゾーンに行きましょうか。

 カンボジアからはアンコールワット、そしてその奥には遠い彼方のはずである中国の万里の長城が見えます(カオス)。

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 台湾の高雄龍虎塔。

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 現在、絶賛作成中の台北101が、出番を今や遅しと待っています。

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 2015年10月4日お披露目で、何とその日は記念として入場無料! お近くの方はぜひ足を運んでみてください。

 でもって、こう撮ると、台湾旅行の完成です。

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 アジアゾーンには、他にタージマハル、故宮、莫高窟などなど。

 では最後、日本ゾーンに。しかし、ここまで来ると結構疲れてきて、建造物の脳内容量もいっぱいになってしまっております。

 代表して清水寺。

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 やっぱりミニチュアでも修学旅行生が多いんですね。

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 修学旅行生プラス今年の漢字。

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 あれ、懐かしの札幌時計台じゃありませんか。

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 確か、こんな感じで良く見ますよね(再現)。

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 日本ゾーンは桂離宮や平等院鳳凰堂などを擁する京都に続いて、なんと奈良の建物が多いのです。唐招提寺、薬師寺、法隆寺、春日大社、東大寺大仏殿を見ることが出来ます。むむむ、こんなにあったとは意外(失礼)。「鹿と大仏以外は何もない」とケンミンSHOWで酷評されていたのに。あ、そう言えば法隆寺、春日大社、東大寺は実際に行ったことがありました。また、やっぱりというか何というか、この東武ワールドスクウェアに日光東照宮はありませんでした。まぁ近いから見に行けよ! ってことなんでしょうね。

 ということで、世界旅行とも言えそうな旅は2時間かかりました。いやー、疲れるもんです。

 帰りは施設内で味噌ラーメン。

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 いただきまーす。

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 やっぱり薄いな。。。

 施設の全体像はこんな感じの図になっています。

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 ぐるっと廻って、楽しめました。シルバーウィークでもめちゃくちゃ混んでいるということはなく、ストレスを感じずにいられた一方、集客力は大丈夫かなと不安にもなります(年間30万人前後らしいですよ)。変化に乏しいのでリピーターがあまり…というのがネックのようです。建造物も建て替えが難しいため、老朽化が…。ちょっと交通も不便ですしね。ただ、東武線浅草駅やJR新宿駅やJR池袋駅からだと、鬼怒川温泉駅まで一本で行けます(2時間くらい)。それだと便利かしら。

 個人的には、おみやげとか食べ物とか催し物とかは工夫のしどころがありそう。ご飯はフードコートにして、世界各国の名物を味わえるようにするとか(週替りや月替りとかでね)、催し物もマスコットキャラクターではなく世界規模でね…。おみやげにも力をもうちょっと入れてはいかがかしら。何故か東武ワールドスクウェア特製の”かりんとう”が売っているのです(謎!)。全然ワールドじゃないやんか。。。個人的な意見のさらに個人的な意見ですが、ガチャガチャでいろんな遺跡の精巧なフィギュアなんかがあると面白いかも。自分だったら集めてしまいそうだわ。

 自分はリピートするかどうか微妙(多分しないな…)ですが、存続に向けて頑張って欲しいなと思います。
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2015
09.19

ゲンコツでおサムライさんを殴る?

家族「あれ、今月って何日までだっけ。31日まであった?」
自分「んー、ちょっと待ちん。1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9…だから、30日までや」
家族「えっ、何その数え方?」
自分「えっ」
家族「えっ」
自分「えっっっ…。知らんの?」
家族「えっ、初めてだわー。変だわ」
自分「いやいやいや、日本全国これでしょうよ」
家族「いやー、それは無いわ。”西向くさむらい”は有名だけどね」
自分「えっ…、何やそれは」
家族「えっ…」

 みたいなことが起こったわけです、みなさん。

 小の月か大の月か、というのをどうやって覚えていますか? 自分は


ゲンコツで調べる


 というタイプしか知らないのですが、全国的にはどうなんでしょうね????

 「ゲンコツで調べるって何なんや…」というかたのために、ちょっと説明をしてみましょう。

 まずゲンコツを「ぐっ」とつくります。

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 そうすると、出っ張っている山の部分(黒輪)と引っ込んでいる谷の部分(赤輪)がありますでしょ。黒輪が4つ、赤輪が3つ。

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 そうしたら、第2指から順に、1月、2月、…と数えます。

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 7月まで行ったら、また繰第2指に戻って8月、9月…と数えて12月でストップ。

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 それでその月が大の月(31日まである)か小の月(30日 or 28日:うるう年なら29日)かが分かるのです。

 すなわち、黒輪に当たった月が大の月であり、赤輪に当たった月が小の月!

 これってメジャーではないのかしら…。”西向くさむらい”は


に(2) し(4) む(6) く(9) さむらい(武士の士が十一に分解出来るので、11)


 だそうです。これらが小の月とのこと。ほぇー、これ知りませんでした。。。

 世の中には未知なことがたくさん転がっているんでしょうねぇ。
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2015
09.15

秋づいてきましたよー

 9月も中旬になり、近くの公園ではセミの声が遠のいてしまっています。夜になると肌寒く感じる日も多くなり、セミと交代で鈴虫さんが鳴くようになっております。夏から秋の象徴へ、と言ったところでしょうか。

 こころなしか、晴天を見上げても夏のきつさは感じず、ちょっと爽やかさと哀愁の入り混じった、秋独特の気分にさせてくれます。秋は、夏と冬というはっきりした季節の間の移ろいでもあり、空気にもそれを思わせますね。凛としていながらも、どこかに僅かな陰をまとっているような。

 晴れた日に、ハナミズキと出会いました。

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 花はもちろんすっかり落ちていますが、陽の光を通す葉の透明感が素敵ですね。

 おやおや?

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 実がなっております。鮮やかな茜色。

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 総苞に包まれた蕾も見られ、早くも来春を告げているかのようです。

 こうやって実を介して秋空を見上げると、碧により茜が映えますし、また茜により碧も映えます。

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 実の色も葉の色も、そしてお互いが織りなす陰影も、全体の風景のごく一部なのかもしれません。しかし、代替の利かないたった1つの存在でもあります。ささやかで主張せず、全体の中ではちっぽけなもの。けれども大切な唯一性をしっかりと有している、それが”いのち”なのでしょうね。

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2015
09.11

病院見学をする時

Category: ★学生生活
 学生さんは5-6年生の段階で、研修希望の病院を見学することが多いでしょう。多くは”大病院”や”ブランド病院”に憧れるとは思いますが、看板に惑わされずそこで働いている研修医の先生の活躍ぶりを見てみることが大事。そりゃそうだ、と言われそうですが。中にはわざわざ研修医を試すような質問をする学生さんもいますが、それはあんまりやらない方が良いのでは…と思ってしまいます。

 では、どういったところを見るのか? あくまでも個人的な意見なので外れている部分もあるでしょうけれども、思ったことをいくつか絞って述べてみたいと思います。

 まずは


院内での勉強会の体制があるかどうか、研修医の出席率はどうか


 病院の中には研修医が野放しになっているところも多く、そこでは自発的に勉強する人としない人とで大きく差が出てしまいます。勉強会は病院側が研修医全体の底上げを考えてくれている証拠なので、やっぱりあるに越したことはないですし、それは定期的になされるべきであり、幅広い分野であるべきです。ただし、病院の姿勢として研修医の自発性をあえて重視しているところもあるので、その場合は勉強会がなくても手を抜いていることにはならないでしょう。ちなみに、勉強会と言っても製薬会社主催のものではありませんよ。病院や指導医の先生が行なっているものです。

 また、そこに研修医がキチンと参加しているかどうか。勉強会があっても参加しないような研修医が多い場合、「こいつらやる気ねーな…」とちょっぴり思っちゃいます。ただ、勉強会がなくても猛者が集まるような病院なら、それは問題ないでしょう、たぶん(もともとみんな勉強するので)。こんなこと言ってナンですけど、自分は集まって勉強というのが好きではなく1人で黙々と本を読んでいる方が良かったりします…。ま、人それぞれですよね。

 なので、見学に行く学生さんは、もし見学期間中に勉強会が行なわれているのであれば、ぜひそれに参加してみてください。そこで研修医や教えてくれる先生の活気を感じ取ると良いかと思います。

 さて次は

 
うつ病の研修医はいないか


 いきなり深刻なところを突いてしまいましたが…。これは判別するのは難しいかもしれませんけど、何故か研修中断になってしまっているとか、そんなブラックな空気を感じ取ることも大切です。研修医の4人に1人はうつ病になるとも言われている時代、限界の3歩手前くらいできっちり病院側が配慮をしてくれるか、救急外来の連続で研修医をフラフラにしてないか、というのは要注目。もちろん「忙殺上等!」「救急命!」「うつ病カモン!」みたいな学生さんは話が別でしょうけれども(うつ病カモンはいないですな、さすがに…)。

 ちなみに自分は”ゆとり”が大好きで、忙しいのは体力的に無理です。「あ、自分ってこんなに体力がないのか」と研修中に判明いたしました。実は学生の頃や1年次研修医の頃はチラッと感染症とか総合診療に憧れていたんですが「こりゃムリだわ」と諦めて撤退した既往がありまして。今は日々ぐでたま先生やリラックマ先生のように生きていきたいと真剣に考えております。

 さてさて、3番目は


1人の患者さんをしっかり診ることができるか


 これは大事なポイント。勘違いしやすい学生さんもいますが、診る患者さんの数は多ければ多いほど良いというわけではありません。研修医の中にも「これだけ診た!」「病棟の患者さん全部診てるぜ!」というのを勲章的に話す人がいますが、それが医者としての良さを表すとは限らず、特に病棟で多くの患者さんを担当するのはお勧めしません。上の先生や同僚からは「すごい!」と思われるかもしれませんが、それは本質ではないでしょう。

 数を診るということは、動詞が”さばく””こなす”になってしまいます。病棟という環境では、患者さんは孤立する傾向にあり、それは物理的にも心理的にも、です。それは想像に難くないでしょう。医者はそれを慮る存在であるべきで、”こなす””さばく”からは、それが感じ取れません。研修医というどう足掻いても未熟な存在が、患者さんという1人の存在のためにしっかり悩んで考える。そして患者さんのもとに足繁く通ってお話をしながら状態を診る。そういった時間、空気がとても大切なのです。研修医だからこそ患者さんが話してくれる内容もあるでしょう。1人にかける時間がしっかりあり、その患者さんの持っている疾患を勉強する時間も確保できる。そんな環境であるべきです。

 ”さばく””こなす”様なテクニックが”1人と向き合う”大切な時間を上回るような、そんな味気ない診療を若いうちからするのは避けましょう(あくまでも個人的な見解ですよ)。どうせ研修医が終わったらイヤでもそんな技術は身に付きますから。

 救急外来でも患者さんの数が多すぎると、すべてマニュアル的にしか動けなくなります。「他の病院よりも数は少ないけれど、それだけに考える余地があるよ」というのが良い塩梅でしょう、たぶんね。数が少ないと不安かもしれませんが、1人の患者さんから学べることはとても多いのです。その人の疾患の有病率や典型的な経過、病歴や身体所見の尤度比、必要な検査、不必要な検査、初期治療…。それに加えてその疾患の各種鑑別疾患についても同様に学ぶ。みなさんそれを本気でしているでしょうか。いざそれを実行してみると、本当に時間がいくらあっても足りないと感じますよ。診る前に学ぶ、診た後にも学ぶ、そんな時間がある病院は大切です。

 また、「救急車をうちは断らないですよ」を売りにしている病院もありますが、マンパワーが確保されていればそれは素晴らしいことです。でもそんな理念だけが先行して、スタッフは疲弊している、なんてことも往々にしてあります。学生さんは研修医の先生のみならず看護師さんや技師さんの余裕のあり/なしをそっと見学してみましょう。

 では次にまいりましょう。


研修医を守ってくれる病院か


 ウログラフィン誤投与の事件は覚えているかたも多いでしょうけれども、後期研修医が執行猶予付きではありましたが禁錮刑になった痛ましい判決があります(世界ではありえない判決です)。病院は全く研修医を守ろうとせず、組織全体の体裁を守るために研修医を切ってしまいました。こんな病院は最低です。きちんと守るシステムがあるか、それがとっても大事。研修医のみを犠牲にしてしまうような病院に決して行ってはなりません。

 日本には医者個人を追求する悪しき習慣があり、1人の患者さんでミスをすると、それまでに99人を救っていたことなんか無に帰してしまいます。そんな不条理に対しては病院が盾となり、ミスそのものには組織として患者さんやご家族に誠心誠意謝ることが欠かせません。

 そして、こちら。


時間差で見学しよう


 あからさまに研修医の先生を試すようなことは避けた方が良いとお話ししました。でもどんなものかな…と知りたいのなら、長期計画になりますが5年生の時に例えば春にいったん1年次研修医を見学して、秋か冬にもう一度見学します。すなわち、時間経過で研修医の臨床能力がどれだけ向上しているかを見てみるのです。これだと、研修医を直接試す雰囲気をもたらさず、「春に見学してすごく良かったのでもう一度来ちゃいました!」みたいな流れを与えてみんなハッピー。

 もちろん秋や冬に見学して、春にもう一度行って2年次になった研修医のたくましさを感じるのも素敵。新しく入ってきた1年次研修医に教える姿は少し先の自分かもしれないなぁ、なんて思うかもしれませんね。「半年で研修医がどれだけ変わっているか」というのは1つの目安かも? と考えています。

 そして最後は


みんな仲良しかな?


 研修医同士がギスギスしていないかどうか、2年次と1年次の風通しはどうか。やっぱりそれは共に生活していく上で軽視してはいけません。後は救急外来での看護師さんでしょうか。研修医を虫ケラの様に扱う人がいるところは「ちょっとなぁ…」と思いますし、何も出来ません! みたいなのも「あらら…」と思います。

 研修医の先生の雰囲気が良くて、学生さんが「この病院の短所って強いて言えばどこですか?」と聞いても大丈夫そうだと思える病院がポイント。見学後にちょっと飲み会なんか開催してくれると良いですね。また、小さい病院は学生さんが嫌う傾向にありますが、小規模だからこそスタッフの疎通性が良いところも多いです。そこも大切ですね。

 ちなみに自分が研修医だった頃の研修医同士の仲は、うーん、普通でしょうか(たまーに同窓会しますよ)。でも見学の学生さんを積極的に飲み会に誘おう! と音頭を取ってくれる同期がいて、それは頼りになって良かったなーと思いました。それで色んな話(”ぶっちゃけトーク”みたいな)も学生さんに出来ますし。

 ということで、本当につらつらとここまでお話ししてきました。網羅的ではないでしょうけれども、チェックポイントがたくさんありすぎるのも困ってしまうので、これくらいで。1つでも参考になるのがあれば幸いでございます。
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2015
09.07

米粉か小麦粉か

 名古屋は”ういろう”というお菓子でも有名ですが、”ういろう”そのものは全国の多くの地域で確認されます。山口や神戸や京都などなど。三重県の伊勢でもつくられておりますね。個人的には山口のういろうを食べてみたい(わらび粉が主原料だそうです)。

 名古屋は”大須ういろ”や”青柳ういろう”や”餅文総本店”が人口に膾炙したものだと思います。米粉を使っているのが特徴で、もちもちとした食感。おみやげとして長期保存が可能になっています。

 ただ、ういろうに関しては三重県の虎屋さんの方が好きなのです、実は。近接しているせいか、名古屋でも容易に入手できますよ(名古屋駅なら高島屋や名鉄百貨店にて)。”虎屋ういろ”は米粉ではなく小麦粉が主原料となっていて、そこが大きな違い。

 名古屋の米粉を用いたういろうは、もちもちではありますが、噛んでいると口腔内に絡みつく感じがどうしても出てきます。対して虎屋の小麦粉を使ったものでは、もちもちとしながらも歯切れの良さがあり、食感にも軽さが出ているのでございます。甘さも名古屋のものよりも控えめで上品。そこがポイント。

 虎屋さんは老舗なのですが、結構”攻めの姿勢”を持っており、”スイカういろ”や”メロンういろ”や”バレンタインういろ”など、期間限定でキワモノを繰り出してきます。このチャレンジ精神はナカナカなものですよ。

 自分が特に好きなのが、期間限定で9月いっぱい(?)の”おはぎういろ”です。”小倉ういろ”の間にもち米がサンドしてあり、おはぎを食べているような感覚にもなります。それでいてういろうらしさも忘れてはいません。

 今回は、スタンダードながら黒糖のまろやかな味わいが美味しい”黒ういろ”と、上述の”おはぎういろ”を買ってきました。こんな感じで包まれています。ずっしりとした重みが高カロリーをチラつかせる逸品。

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 開けてみると…。向かって左が”黒ういろ”で、右が”おはぎういろ”です。大きさの比較対象に、マーカーを添えて。

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 おはぎういろ。まさに”おはぎ”ですよね。これが美味しいのです。

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 こちら、黒ういろ。「ビバ黒糖!」というかたに食べていただきたいですね。
 
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 スタンダード中のスタンダード、”白ういろ”も良いですし”抹茶ういろ”も抹茶の香りが広がってナイス。名古屋のういろうは、悪く言えば口の中でのしつこさがあるのですが、三重県の虎屋さんの品々は、それがなくあっさりさっぱり。

 しかし、弱点がありまして、それは賞味期限の短さ。買った日の翌日までなのです…。上述のように名古屋のおみやげとして定着しているものはしっかり包装されており、恐らく加熱も十分に行なっているのでしょう、賞味期限が長いのです。だから簡単に駅で買えてしまうのが長所。虎屋さんのはそういうタイプではなく、出来上がったものを切ってそのまま並べて売っているので、いかんせん期限が短い…。だからたくさんは買えないんですよねー。むむむ。世の中そうそう簡単にコトは運ばない、と言ったところでしょうか。

 虎屋さんのもので長持ちするのは、虎虎焼(ことらやき)というベビーカステラ。はちみつ風味と伊勢茶風味がありますが、この前チラッと見た時はメロン風味という、これまたハイレベルなカステラを送り出していました。”ことらバッグ”に入った2袋セットがお勧めです。

 ちなみに虎屋さんのキャラクターはどこか可愛らしいトラさんでした。”ことらバッグ”にもこの子がデザインされていますよ。

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2015
09.04

あー、間違えた…。

Category: ★精神科生活
 昨日、精神症状への漢方薬の講演会をクラシエさん主催のもとで行ないました。以前に記事にしていた超小規模な講演会のうちの1つです。

 60分喋りどおしで、かつ自分は声がどもりがちでなかなか遠くまで聞こえないと良く言われるため、ちょっと意識して大きな声でお話。そうしたら、帰宅後には喉が痛くなってガラガラ状態に…。いやー疲れました。ツムラさん主催でも同じような話をする予定ですが、それは何と90分ですよ…。こりゃ大変。ちなみに、声を出しすぎてそんな状態になった時は、麦門冬湯を頓服的に飲むと、結構効きますよ。1回2包くらいで。なので、カラオケで歌いすぎてガラガラになった時は、ぜひ麦門冬湯をその日の寝る前と翌日の朝に飲んでみてください。お湯に溶かして染み渡らせるようにするとより良いかと思います。

 さてこの記事は、その講演会でのミスのご報告です。

 ”芎帰調血飲”という漢方薬のお話を少ししたのですが、そこの構成生薬で”香附子”とすべきところを”香”が抜けてしまっていて”附子”と記載しておりました…。全く異なる生薬ですよねぇ。。。

 香蘇散と合わせて出した経験をしゃべっていて、芎帰調血飲のスライド(”香”が抜けている)を見ながら「香蘇散には香附子がありますね。芎帰調血飲にも香附子は入っていますが、、、あれ? あ、入ってませんね。失礼いしました」と言ってしまいました。正しくは、芎帰調血飲にも香附子は含まれており、香蘇散の香附子を上乗せすることで理気作用を強めたと言いたかったのであります。すみませんでした。資料でお渡しした基本的な方剤とその派生処方のところには、きちんと生薬の部分で”香附子”と記載しておりますので…。

 しかも事態は良くないことに、今回の講演は「録画して社内教育で使わせてもらうかも」とのことでした。つまりは、自分のミスが繰り返し流れるということではありませんか(赤面)。ということで、もし役に立つ内容と考えてくださって流していただくのならこちらもとてもありがたいのですが、あのちょっとの混乱っぷりは「むむむ…」と自分でも思ってしまいます。

 よって、何かテロップでも入れてもらうとか、もしくは最後に”間違い探し”的な扱いにしてもらうととっても嬉しいです…(よろしくお願いいたします)。

 また、クラシエさん主催にもかかわらずクラシエさんが扱っていない漢方薬を処方例でバンバン提示したのは、空気を読まない感じがとっても出ていたと思います。四君子湯とか四逆散とか清暑益気湯とか香蘇散とか…。でも、どこが主催でも関係なく出席した先生と患者さんに役に立つ知識を提供(と言うとおこがましいですが)するのが演者の役割と思っております。漢方薬はツムラさんが最大手で扱っている漢方薬も最多なので、どうやってもツムラさんのものが出てくるのはご勘弁。そもそも、どんな講演会でも


製薬会社の宣伝を入れた時点でその講演は聞く価値がない


 という信念はありますが、ただ自分が頑固なだけかもしれません。家族からは「あぁたは一回呼ばれて講演しておしまいになるパターンやで」とからかわれております(ブラックリストに載る的な?)。 講演会の場であからさまに批判するようなことはしませんが、主催の製薬会社のお薬を明確な根拠もなく推奨するのは悪しき行為。話すにしても「今日は○○さん主催の講演会なのでこの薬のことも大人の事情で含めますが~」など、聞く人に強弱が皮肉的に分かるようにすると良いですね。

 ただし、主催する製薬会社のお薬でとても優れていると思うものは、ちょっと説明します。これは企業努力を評価する点と、よりその良さを出席する先生がたに知ってもらいたいという点によります。例として先日の講演会では、補中益気湯という漢方薬であればツムラさんよりもクラシエさんのものが適切だとお話ししました。これは講演させてもらったからという義理のような理由ではなく、補中益気湯の構成生薬が実は両者で異なり、かつクラシエさんのものの方が合理的だと思うためでございます。こういうのは評価に値すべきだと考えます。

 「こいつは融通が効かんなぁ」と思うかたもいるかもしれません。もちろん、話す機会を与えてくれる製薬会社さんにはとても感謝していますし、その気持に嘘偽りはありません。しかしながら、その気持と実際の処方はやっぱりベツモノであり、一線を画すべきだと思います。患者さんという存在を考えるのなら、そこを第一にしてお薬を組み立てる(使わない、という判断も含めて)というのが、医者としてのプライドではないでしょうか。
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2015
09.02

アミトリプチリン適応追加予定ということで

 ”痛み”を抱える患者さんは多く、世界では約3人に1人が慢性疼痛を有していると言われます。自分は慢性頭痛と顎関節症がありまして、最近ちょっと顎の調子がよろしくなくて大きく口を開けるととても痛い…。抑肝散加芍薬あたりが効くかもしれません(?)。そしてその3人に1人のさらに5人に1人(15人に1人)が神経障害性疼痛であるとも言われます。

 さてそんな神経障害性疼痛ですが、最近は慢性疼痛の中の侵害受容性疼痛とスパッと分けられずにスペクトラムをなしているのではないか、とささやかれています(まるでそれは緊張性頭痛と偏頭痛との関係のような)。同じ神経伝達物質・神経ペプチド・炎症性サイトカイン・ケモカインなどが関与し、かつ上行性の経路・そのシグナルを受ける脳部位・下行調節経路も本質的には同じだ、ということのようです(Cohen SP, et al. Neuropathic pain: mechanisms and their clinical implications. BMJ. 2014 Feb 5;348:f7656.)。最近スペクトラム流行ってますね。

 痛みが長く続いてしまうのはなぜなのでしょう。末梢性感作と中枢性感作とが生じ、神経の慢性炎症を引き起こすことがその始まりと維持の要因のひとつではないかと言われています(Ji RR, et al. Emerging targets in neuroinflammation-driven chronic pain. Nat Rev Drug Discov. 2014 Jul;13(7):533-48.)。ちょっと見てみますか。

 まず組織損傷や感染などからマクロファージなどの免疫細胞を動員して、炎症性メディエーターが放出されます。これがCaイオンやcAMPなどのセカンドメッセンジャーを介してPKAやCaMKなどを活性化し、TRPチャネルや電位依存性Naチャネルを修飾。それによって過敏性や興奮性が亢進します(末梢性感作)。炎症性メディエーターはさらに周囲の健常な神経にまで波及し、害を及ぼしてしまいます。その感作を受けた末梢神経は脊髄後角や三叉神経核に到達しますが、その末端からグルタミン酸やBDNFなどが放出され、シナプス後部の侵害受容ニューロンの活動性が亢進します(中枢性感作)。特にNMDA受容体やMAPKの活性化がキーポイントとされ、それには脊髄後角や三叉神経核に存在するグリア細胞と神経細胞とのクロストークが重要な役割を果たします。

 しかしながら、痛みは純粋に生理学的な現象というわけではありません。海馬、扁桃体、側坐核、歯状回、前頭前皮質など、感情や記憶や認知などに関与する脳部位も絡んでおり、それが事態をややこしくしてしまいます。

神経障害性疼痛その0

 ということで、なかなか慢性疼痛への治療は難渋しているのが現状です。ケモカインをターゲットにしたもの、WNTリガンドをターゲットにしたものなどが研究されてはいるものの、決定打がと言える薬剤が出てこないのはもどかしいですね。

 そこで、今回はアミトリプチリン(トリプタノール®)という三環系抗うつ薬(TCA)における末梢性神経障害性疼痛への適応拡大を前にして、慢性疼痛、特に神経障害性疼痛に今使われている薬剤をパラパラっと挙げてみましょう(以前にも記事にしてはいますが…)。

 グループ別には、抗うつ薬(下行調節系への働きかけ+α)、抗てんかん薬(神経の過敏性を抑える)、オピオイド(オピオイド受容体への関与)、カプサイシン(TRPチャネルへの関与)がメインでしょうか。こういった薬剤の効果のほどを見ている図を出すのが早い。主に糖尿病性ポリニューロパシーを対象疾患としています。

神経障害性疼痛

 横の軸にNNT、縦の軸にNNHという表記があります。NNTというのはNumber Needed to Treatの略で、簡単に言うと”何人に1人の割合で、目標とする治療効果がもたらされるか”というもの。NNTが5であれば、5人に1人の割合で効果あり、となります。この値が低いほうが何となく効果は高そうだ、という印象。ただ、何を目標にするのかによってその数値は変わってきますし、あくまでも割合なので、5人に投与したら必ず1人に効果が出るというわけではありません。NNHというのはNumber Needed to Harmの略で、こちらは”何人に1人の割合で、定めた副事象が生じるか”というもの。よって、この値は高いほうが安全性が高そうだ、という印象。

 この図のNNTは痛みが50%改善することを目標に設定しており、NNHは副作用のため脱落してしまったことを副事象としています。

 文献に挙げられている主な薬剤のNNTとNNHを数字に起こしてみましょう。

NNTなど

 どうでしょうか。ちょっと意外な感じがするものもありますが、私たちが治療に用いる薬剤の大まかな性格はこんな感じでした(あくまでもこの文献は複数の報告のレビューであり、各薬剤を同一条件でガチンコ対決させたものではありません)。個人的には漢方薬も使いますが…。

 さて、今回はアミトリプチリンの適応拡大ということでつくった記事。なので、やっぱり使用に際しての注意を促しておきたいところではあります。特に痛みを訴える患者さんは整形外科に受診することが多く、精神科以外の医者がたくさん出すことになるでしょう。

 その前に、今や神経障害性疼痛に頻用されているSNRIであるデュロキセチン(サインバルタ®)、プレガバリン(リリカ®)、トラマドール(ワントラム®やアセトアミノフェンとの合剤であるトラムセット®)について注意点をちょろちょろと。

 これらを最初から結構な量をドカーンと出すクリニックが多いです。以前、某内科クリニックにて、80代のおばあちゃんにいきなりプレガバリン75mg/dayで開始し、かつトラムセット®を6錠/dayで出しているのを発見。自分のところには「ふらふらする」「食欲が出ない」という訴えで来院したのですが、明らかにやり過ぎな処方です。抜いたらその症状は良くなりました。こういうことを避けるために、お薬のことをもっと知って処方する心がけが大切。

 まず、プレガバリンについて臨床的な注意をいくつか。

・腎機能で用量調節を
・開始用量は25mg/day、高齢者なら12.5mg/dayくらいに
・副作用に気をつけて

 副作用には、めまいや傾眠、複視や霧視、肥満、認知機能低下、心不全、浮腫などがあり、ここに挙げたものは覚えておきましょう(稀に重篤な肝機能障害も生じることが報告されました)。大きな問題は投与量でして、これは添付文書の問題もありますが、75mg/dayや150mg/dayで開始してしまうクリニックがあまりにも多すぎます。ふらふらして転んで骨折、というのは避けたいところ。認知機能低下(いわゆる”リリカぼけ”)はよく見られ、認知症と他院で勘違いされてしまっては大変。副作用を知って慎重に少なめから出すようにしましょう。使い慣れていないのであれば、安全だと思える量からゆっくりと、が基本。

 トラマドールについても。

・”オピオイド”であるという認識を
・SNRI的な働きをします
・低血糖や低Na血症のリスクになります

 トラマドールは”オピオイド”です。麻薬処方箋を書く必要がないから気楽に出しているクリニックが多いのですが、この認識をしっかりしましょう。便秘になりますし、眠気も来ますし、嘔気嘔吐も結構起きてしまいます。トラマドールとモルヒネの換算は5:1ですから、トラムセットでは4錠がモルヒネ30mgやオキシコドン20mgに相当するんですよ。この事実を忘れちゃいけません! 本当に必要な患者さんに絞りましょう。また、トラマドールはSNRI的な働きもするため、デュロキセチンと合わせることでセロトニン症候群のリスクにもなります。低血糖と低Na血症のリスクは最近文献で報告されていました(低血糖:Fournier JP, et al. Tramadol use and the risk of hospitalization for hypoglycemia in patients with noncancer pain. JAMA Intern Med. 2015 Feb 1;175(2):186-93.  低Na血症:Fournier JP, et al. Tramadol for non-cancer pain and the risk of hyponatremia. Am J Med. 2014 Nov 22. pii: S0002-9343(14)01034-1.)。

 デュロキセチンは以下に注意。

・躁転のリスク
・嘔気嘔吐の副作用が結構強い
・重篤な肝機能障害や腎機能障害(CCr≦30)があれば禁忌

 副作用は他の新規抗うつ薬と同様ですが、嘔気嘔吐はその中でも強いです。また、整形外科で痛みに対して処方されて躁転してしまった患者さんがいます…。やっぱり”向精神薬”ですから、使うのであれば行動化がないかとか軽躁の既往はないかとか、そういうのを聞いてからにしてください。単なる痛み止め感覚で出さないように。個人的には10mg/dayくらいから始めたいかしら。

 さて、そして今回のアミトリプチリンです。このお薬は昔ながらのTCAで、確かに鎮痛効果は高いです。50mg/day以上ではそれがやや頭打ちになる傾向にあるので、精神科以外ではその投与量を超えて出すのは後述する副作用を考慮するとちょっと怖いでしょうか。でも100mg/dayにしてからいきなり効果が出てきた患者さんも経験しているので、50mg/day以上の投与が無意味というわけではありません。そこで、注意点を少し細かく載せてみましょう。

・抗コリン作用やα1受容体阻害作用が強い
・Ia群抗不整脈薬と同様にNaチャネル抑制作用がある
・躁転力は抜群
・薬剤相互作用も多い

 抗コリン作用やα1受容体阻害作用ですが、前者は頻脈や認知機能低下や身体機能低下、肺炎をもたらします(便秘や口渇など他の作用もあります)。心疾患があれば頻脈は避けたいですし、抗コリン薬による認知機能低下は問題になっています(Fox C, et al. Effect of medications with anti-cholinergic properties on cognitive function, delirium, physical function and mortality: a systematic review. Age Ageing. 2014 Sep;43(5):604-15.  Gray SL, et al. Cumulative Use of Strong Anticholinergics and Incident Dementia: A Prospective Cohort Study. JAMA Intern Med. 2015 Mar;175(3):401-7.)。後者は起立性低血圧を引き起こすため、高齢者や心疾患では注意です。また、Ia群抗不整脈薬と同様にNaチャネルを抑えてしまうということは、QT延長を有意に起こしてしまうのです。QT延長に禁忌が付いているエスシタロプラム(レクサプロ®)よりもはっきりとQT延長させるので(ここ注意)、使用するなら適宜12誘導で確認を! ということで、 大量服薬で死んでしまいます。 あとは、デュロキセチンと同じく行動化や軽躁の既往がないかというのはチェックする必要があります。SSRI以降の新規抗うつ薬よりも明らかに躁転させる力が強いので…。そして薬剤相互作用もとても強いのです。以下の図を御覧ください。

CYP阻害

 アミトリプチリンはCYP3A4以外を広範に阻害します。こういったことを配慮せずにぽーんと処方するのは絶対にやめましょう。多くの薬剤を服用しがちな高齢者では、特に注意です。

 繰り返しになりますが、アミトリプチリンは”向精神薬”です。決して”痛み止め”のような軽い感覚で出さないようにしてください。慢性疼痛への適応が取れたら処方することも増えると思いますが、必ず勉強をして薬剤の特性を学んでから使いましょう。特にアミトリプチリンは上記のような副作用が強いので。

 上記のようなリスクを認識した上で、必要な患者さんに安全な量から開始しましょう。どんなお薬にもメリットの裏側にデメリットがあります。そのデメリットを熟知して、必要だと判断した患者さんに、安全な量から開始を。不慣れであったり投与開始や増量に不安があるのであれば、無理せず慣れているところに紹介をしてください。

 誤解を避けるために言っておきますが、薬剤の危険性のみをいたずらに話すつもりは全くありません。慢性疼痛に対する武器が増えるのは歓迎すべきことであり、自分も上記の薬剤を使います。ただし、その武器のキャラクターを知って使うという大前提を忘れないようにしましょう。
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