2015
07.30

極論で語るシリーズ

Category: ★本のお話
 香坂俊先生が監修されている『極論で語る○○』ですが、2015年8月の段階で

極論で語る循環器内科
極論で語る神経内科
極論で語る腎臓内科

 が丸善出版さんから出ています。名は体を表すという言葉はあるものの、この本は体を表していないと感じていました。つまりは


極論ではなく原則が書かれてある


 ということなのです。Pro/Conで熱い議論を交わしているような部分にズバッと切り込むようなものではなく、研修医が読んでいても勉強になるような、臨床で外せない知識が書かれてあります。これを「丁寧なつくりだ」とするか「タイトル通りじゃないなぁ」とするか。個人的には、「おぉっ、これを言ったか! 賛否両論あって面白いよねぇ」みたいなのを期待して買ったので、ちょっと肩透かしを喰らった印象。

 でも、実はその肩透かし感は自分の不注意によるものであり、本にはきちんと書かれてありました。『極論で語る循環器内科』の初版まえがきに


この本では、なにはともあれこれを抑えておけばその循環器疾患の実態をつかみやすくなる一言を「極論」としました。


 と記してあったのです。なるほど、そういう意味での極論なのね。自分はタイトルだけでてっきり「どんな目からウロコが待っているのか」と勘違いをしておりました。。。

 特に『極論で語る循環器内科』と『極論で語る腎臓内科』の2冊は本当に診療上の基本的なポイントを押さえてある出来になっており、知っていることが多いです。知識の整理に良いですし、極論という名の原則をフレーズで示しているので印象をつかみやすいと感じました。

 ただ、循環器内科の方はちょっと「あれ?」って思うような部分も。例えば第10章ではSan Francisco Syncope Ruleですが、原著論文をそのまま踏襲しています。このRuleは他の論文で結構ボロクソに言われているので、それも記載しておかないとちょっと危ないかも。同じく第10章のコラムでは”ほとんどのてんかんがそれ以前に、例えば幼少期などに、神経内科などですでにてんかんと診断されているということです”と書かれていますが、ここも実は違うのです。高齢で初発のてんかんは意外に多く、側頭葉てんかんが認知症的に見えてしまうこともあり、また認知症患者さんにもてんかんは合併しやすいことも知られています。精神科医として注意を促しておきたい部分。

 腎臓内科の方は教科書的なイメージを持つと良いかもしれません。輸液の項目は柴垣有吾先生の本と同じような展開になっていますね(あとがきでフィードバックを受けたと書かれていますし)。自分は「Starlingの法則って実はちょっと古いんだぜ」的な引き込む展開を期待していましたが、それは先述のように極論の意味を取り違えていただけでした。。。教科書として必要なところをしっかりと丁寧に追っているなという感じ。

 このシリーズの中で最も著者の色が出ているのが神経内科でしょうか(極論というよりは”心得”みたいな印象ですが)。経験から滲み出てくる大事なメッセージがほとばしっており、『極論で語る』シリーズの中ではこの神経内科が最も熱意を感じて好きです。

 今後のシリーズで出る分野があれば、まさに極論的な、ある方面にカドが立つくらいの本(いわゆる”トンデモ本”とは違いますよ)であっても、それはそれで面白いと思います。評価は分かれるでしょうけれども、極論なんだから分かれて当然くらいのポジションを確立するのも良いかもしれませんね。とは言え、その極論も文献と経験に裏打ちされたものであるべきですが。

 ということで、『極論で語る』シリーズは、循環器内科と腎臓内科は研修医の先生が読んでも実に勉強になると思います。特に腎臓内科はそうでしょう。神経内科は、実際に神経疾患の臨床に携わっている若手の先生がたが読まれてみると良いのではないかと感じました。
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2015
07.28

暑い時は冷たいものが欲しくなる

 コメダ珈琲店の夏と言えば、やはり”かき氷”が主役に躍り出てきます。

 ノーマルタイプとミニタイプの2つに分かれております。コメダで”ノーマル”は大盛りをイメージすると良いかもしれませんが、コメダのかき氷もかつてのような大盛り感は無くなってきた模様。しかしノーマルはやはり大きめだと思います。

 注文したのは、2015年の新フレーバーである”はちみつレモン味”のミニタイプ(500円)です。ミニなだけあって、コメダにしてはそれほどオラオラと威圧してくる感じはありませんね。

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 しっかりと熱々のコーヒーも注文。特にノーマルを頼んだ場合、ホットコーヒーはセットにしておいた方が良いかと思います。そうじゃないと敗血症ばりの悪寒戦慄が…。

 何とも涼しげ。この画像だけでちょっと体温が下がるかも。

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 スプーンを入れると、シャリッと。

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うむ、んまい


 ひんやりと、シャリッと、そしてスッと消えるかき氷。氷の削り方によって様々な食感をもたらしてくれる変幻自在さがあります。台湾のかき氷である雪花氷はふわっと感を極上にまで高めたものですし、日本の縁日はジャリッと感を地で行くもの。どちらも夏の象徴。

かき氷の味に思い出を乗せて、と言ったところでしょうか。子どもの頃にかき氷を食べたあの情景と重なってきて、それが大人にかき氷を注文させる一つのきっかけなのかもしれませんね。

 今回のはちみつレモン味は、レモンの清涼感とはちみつの優しい甘さも相まって、実に美味しくいただきました。

 しかし、調子に乗って食べていたら…



寒ッッ!



 こういう時は、用意していたホットコーヒーを飲むのだ。この周到さが常連である証(?)。

 ごくごく

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熱ッッ!




 寒いだの熱いだの忙しいなおい…。
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2015
07.25

平賀源内の怨念

 2015年7月24日は夏の土用丑の日(8月5日もそうですね)。皆さん、鰻は食べましたか?

 しかし、鰻さんは価格がネック。蒲焼きは2000円近くするものもあり、なかなか手が出ません。しかも、東京に出かけて諸事情あり出費も多かったため尚更です。買い物かごに入れようかと思いながらもやめてしまいました。

 悔し紛れに考えてみると、表面の香ばしさとふわっとした食感もさることながら、結局はあの蒲焼きのタレが美味しい要素満載のような。ナスの蒲焼きなんてのもあるくらいですし、タレそのものをご飯にちょいちょいとかけて食べても十分に美味しい。

 ということで、やはりこの人にお出ましいただくしか無い。

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 みんな大好き、蒲焼さん太郎先生でございます。

 ”蒲焼さん太郎”って言うくらいですから蒲焼きです。しかも太郎ってことは長男ですよ(焼肉さん太郎とか酢だこさん太郎とかもいますが)。これをどうするか、が大きな考えどころになるでしょう。カットしてご飯に乗せて食べても美味しいことは実証済みですし、サラダに添えても意外にO.K.という万能選手ではありますが、今回は未体験にまで足を伸ばしたい気もします。

 で、日本には鰻を使った料理に”うまき”があることを思い出しました。これを作ってみようかしら。

 まず、蒲焼さん太郎を2枚冷凍庫に入れて、凍ったところで揉み潰します。

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 そこまでは良かったのですが、玉子は残念ながら2個しか在庫がなく、かつ我が家には卵焼き用のフライパンもなかったのでした…。まぁ”うまき”モドキなので細かいところは良いかしら。みりんとおだしとお砂糖を少し入れて卵液の味を整えます。

 で、卵液を2回に分けて入れますか。1回目をじゅーっと。そして、蒲焼さん太郎(破片)をパラパラと。

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 カメラで撮っているうちに熱が随分と入ってしまったのはご愛嬌。というか不思議なくらい美味しそうに見えないですね…。

 で、2回目を入れて何とかひっくり返してなんやかんややって、そい!

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 うー、玉子が足りなかったからボリュームが…。ちょっと焼き過ぎだし…。しょうがないしょうがない。

 ちょっと割って中を見てみましょうか。チラッ

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蒲焼さん太郎(破片)を発見しました!




 はい、ご尊顔はこのような。

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 確かに蒲焼さん太郎(破片)がしっかりと確認できます。

 肝腎のお味は、蒲焼きっぽさが鼻の奥をくすぐり、脳内に風景が浮かんできます。残念なのは、鰻のふわっとした食感がなく、あの蒲焼さん太郎先生の持つ魚肉シートの噛みごたえが前面に出てしまっていることでしょうか(そりゃそうだ)。

 玉子焼き自体は少し甘めでおだしの味も出ており、こっちは満足。

 いやー、やっぱり本物のうまきはさすがですね。蒲焼きのタレのみならず、食感がとても重要だということを再認識いたしました。8月5日の2回めの丑の日は、おとなしくうなぎパイでも食べようかしら。

 ちなみに、蒲焼さん太郎は冷凍するとパリッパリになって美味。もちろんノーマルモードの魚肉シートを噛みしめるのもそれに引けを取りません。
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2015
07.21

夏バテの漢方と言えば?

 漢方の世界では、夏バテの漢方といえば”清暑益気湯”が代表例です。もちろんこれだけではありませんが、あくまでも例として。”清暑”だなんて、まさに名前も夏を思わせますね。

 この方剤のどの作用が夏バテ向きなのか、口訣(決まり文句)として「夏バテには清暑益気湯」と覚えても悪くはないんですが、せっかくなので構成生薬を見てみましょう。漢方は生薬を勉強すると方剤の特徴が見えてきて応用が利くようになります。

 清暑益気湯の生薬は以下になります。

人参 朮 麦門冬 陳皮 黄耆 黄柏 当帰 五味子 甘草

 ちょっと1つ1つ簡単に追ってみましょう。

 人参は補気作用が強いため、消化管の機能を回復してくれます。また身体を潤わせる作用も持ちます。

 朮は本来であれば白朮とすべきところですが、清暑益気湯をつくっている唯一のメーカーであるツムラさんが蒼朮としているため、エキス製剤では蒼朮のものしかありません。白朮は自汗を止めて利水作用を持ち、下痢も軽くしてくれます。蒼朮はむしろ汗を出して身体の余分な水分を出す方に向きます。補気という点では白朮の方が強いとされます。

 麦門冬は熱を冷まし身体を潤わせ、空咳を軽くします。

 陳皮はミカンの皮でして、気管支や消化管の中の余分な水分を発散させる作用を持ちます。嘔気嘔吐を抑えて、痰が多い時は喀出を容易にしてくれます。

 黄耆はだらんと弛緩した筋肉を引き締めてくれ、汗を止めて身体のむくみも尿にして出してくれます。消化管の機能も補います。

 黄柏は清熱薬と言って、消炎解熱作用を持ち、身体を乾燥させる作用もあります。

 当帰は補血作用を持つため、漢方で言う血(けつ)の不足を補います。血液の巡りを良好にし、気と血が相まって臓器を元気にします。

 五味子は汗を止めることで身体の乾燥を防ぎます。いっぽうで、寒による多量の痰を散らしてくれます。

 甘草は様々な生薬を調和してカドを取ってくれます。消化管の機能も回復してくれ、身体を潤わせる作用も持ちます。

 これら生薬を総合すると、熱を冷まして必要な水分の喪失を防ぎ、消化管の機能を助けてくれます。夏バテでは身体に熱がこもってしまって汗も出て水分が逃げていき、また胃腸が弱ってしまいますね。それらにうまく対処できていると言えましょう。ただし、冷房に負けてしまったような状態には全く向きません。

 もちろん夏バテのみならず、もともと陰虚(血虚+熱)傾向の患者さんに使うこともありますし、身体を乾かす方剤とセットで用いて、その乾かし過ぎを防ぐという使い方もします(半夏厚朴湯合清暑益気湯など)。

 生薬の足し引きで考えると、この方剤は補中益気湯から柴胡と升麻と大棗を除いて、麦門冬と五味子と黄柏を足したものと表せられます。


清暑益気湯=補中益気湯-[柴胡・升麻・大棗]+[麦門冬・五味子・黄柏]


 ということは、印象として補中益気湯の補気作用に麦門冬湯の滋潤作用を乗せたような感じでしょうか。ただ、升提作用(筋肉の引き締め効果)は補中益気湯よりも弱くなっており、細かいですが抗炎症という点では柴胡と黄柏という違いもあります(散寒解表・疎肝止痛 vs. 清腸止痢・利湿退黄)。

 しかしながら細々としたことは覚えきれず情報量も多くなるため、この方剤は身体を冷まして潤わせる補気剤なのだな、と認識しておくと良いでしょう(自分もほとんどそのレベルで覚えています)。名前で「夏に使うんだな」というだけではもったいない。
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2015
07.19

日帰りうつ病学会

Category: ★精神科生活
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 以前お知らせしたとおり、7/17はうつ病学会にちょろっと行ってきました(もともと学会が嫌いで行かないタチなのですが、諸事情により行かねばならなくなり…)。ちょうど台風が来ており心配しましたが、午前中は雨風ともに強かったものの午後からはそれも消退してくれました。しかし疲れました、さすがに。日帰りとはいえ自宅に着いたのは日付が変わっておりましたので。

 そんなうつ病学会は、京王プラザホテルで行なわれたのであります。東京駅から新宿駅に出て、西口から徒歩5分。

 まずはこちら、東京駅っぽさが存分に出ているポスト。

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 そして新宿のモード学園コクーンタワー。

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 モード学園って変わった建物ですよね。名古屋のモード学園もスパイラルタワーズと言って、ねじれてます。デザイン系の学校だから建築物にも気合いを入れているのでしょう、たぶん。

 ビル8階に爪をかけているゴジラさん(@TOHOシネマズ新宿)。もうちょっと遠めで撮った方が良かったですね。

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 でもって、こちらがうつ病学会会場。

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 中に入ると各セッションの会場は撮影禁止だったので、ちょっとホテルっぽい雰囲気があるところを写真に収めました。この2枚。

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紛れもなくトイレですね



 何を撮っておるのだというお言葉も出てきそうではありますが…。でもホテルのトイレって綺麗だからつい。

 それはそうと、今回の学会という名の旅行、ちょっと目論んでいることがあり、こちらですこちら。

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おや?

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おやおや?

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おやおやおや?




ゲーセンですね




 自分の中では、旅行とゲーセンはセットになっておりまして、いつもクレーンゲーム(UFOキャッチャー)をするのです。夏が来たらセミが鳴くように、ピザ用チーズを少し使って冷蔵庫に入れておいたらカビが生えるまでその存在を忘れてしまうように、旅行に行ったらゲーセンにお邪魔する。これは風物詩的でもあり、世の中の理でもあります。

 新宿駅近くには3店舗あり、タイトーステーションが南口と東口、新宿スポーツランドというところが東口。これらを行ったり来たりしていました。ま、今回は実質これで歩きすぎて疲れたんですが。。。

 そしてゲーセンに行くということは、そこでお金を使うということと等価。また、旅行ではご飯代がどうしても高くなり、それでもお金を使ってしまいます。今回はゲーセンに集中したかったため(?)、お昼ご飯は学会のランチョンセミナーを利用させてもらいました。よしよし、これで節約や。

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 そして学会プログラムを見ると、17時50分から”イブニングセミナー”なるものが。「ひょっとしてこれはお夕飯も出るのか? もしそうならそのお金もゲーセンに回せるのでは…」という期待をしておりましたが、出てきたのは

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 ホテルのバームクーヘン2切れ。「あーそうか、懇親会に参加する人たちも多いからここでお夕飯は出ないよねぇ」と納得するもちょっと残念。いずれにしてもこのバームクーヘンをお夕飯代わりとして、それで浮かせたお金もゲーセンに使うのであります。ちなみに、最近はこういうセミナー(製薬会社提供)でお昼ご飯が出ることについて、処方に影響を与えて好ましくないのではないか、とも言われています。「お弁当くらいで処方は変わらない」という人もいれば、「いやいや、変わるよ」という人も。いずれにしても、聞く側はセミナーの内容を冷静に眺める必要があります。自分は、処方に影響する以前に頭の中はゲーセンになっておりますが…。

 そして、節約してまで勝負に挑み、取れたものは…。チラッ。

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 おー、ナカナカなものですよ。帰りの新幹線、早めに乗り込んだため周囲に人がほとんどおらず、すばやく釣果を撮影。

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リラックマのビッグタオルケット(60×160cm)
コリラックマのねぶくろぬいぐるみ(ファスナーを下ろすとコリラックマが出てきます)
アカマルぬいぐるみ(生前のジバニャンですね)
パンツを履かない黄色い変態(蜂蜜依存症のヤツです、ヤツ)


 黄色い変態がかなり大きい。これとコリラックマとアカマルは新宿スポーツランドにて、タオルケットはタイトーステーション新宿南口にて。いやぁ、満足しました。いくら使ったか計算するのは無粋ですな(この4点の中で一番取るのに苦労したのが、タオルケットであります)。

 しかし、最近のゲーセンは箱に入っているフィギュアが多いですね。皆さん取ろうと頑張ってますが、見ているとちょっとすごいお金かかりそうな感じ。結局はこういうぬいぐるみで、かつ取れそうなものに絞ることとなります。あ、でもそういえばジバニャンとコマさんの箱に入ったフィギュアは取りましたな。しかしお金かかった記憶が…。

 そして今回、大きなぬいぐるみが2つ取れたので、帰る時は荷物がすごいことになりました。嬉しいけど大変。自宅へのおみやげも必要最低限になってしまった。

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ラスクショコラテ ミルク&シーソルト
東京カラメリゼシューケット


 の2つ。東京といえば”東京ばな奈”ですが、家族から「ちょっと食傷ぎみ」とのご意見をいただいたため、趣向を変えてみました。いかがでしょうか。

 まずはラスクショコラテのご尊顔を。

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 開封しましょう。

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 食べてみると、想像の範囲内の味。でもサクッとした食感、そしてミルクチョコレートの甘さ、お塩のしょっぱさ、それらがうまく調和しています。良いんじゃないでしょうか。

 お塩を使ったスイーツは、味に複雑さ・奥深さを提供します。ブロナンセリンではなくてオランザピンの持つ効果のような、様々な受容体に結合する、そんな奥行きを感じさせますね。個人的に、”塩スイーツ”の原点は豆大福だと思っており、あんのやわらかな甘みと、えんどう豆のホロッとした食感としょっぱさ、このめぐりあいが絶妙。京都では出町ふたばのものが有名ですが、食べてみたところ、あんがこしあんだったんですよねぇ。自分は「豆大福には粒あん」派でして、ちょっとふたばさんのは残念でありました。。。

 そして、次は東京カラメリゼシューケット。

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 ビリっと開けると

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 ちっちゃなシューにカラメルをまとわせております。

 カラメルの部分がカリッとしていて、シューはさくっと。味としては”揚げずに焼いてつくった白砂糖のかりんとう”をかなり軽い食感にしたものに近いでしょうか。家族はこちらの方が美味しいとのことで、「止まらないわー」と言って一人でほとんど食べてしまいました。なんと。

 ふむ、ここまでの記事を見ていると


東京に行ってゲーセンで遊んでおみやげ買ってきただけ


 と思われたかもしれませんが(自分も何だかそう思ってしまった)、もちろんきちんと学会には行きましたよ! ポスター発表の時間もきちんと会場にいましたよ! セミナーにも参加しましたよ! そこはちょっと強調しておきます、念のため。ま、本懐はゲーセンだったりしますが…。
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2015
07.16

ショートケーキはケーキの基本

 家族が「患者さんからアンジェリーナっていうケーキ屋さんのショートケーキもらったんだけど、すっごく美味しかったわー」と。

 ほぉ。ショートケーキはシンプルながら、スポンジと生クリーム、そしてそれらとの苺の水分や酸味との相性が問われるものであります。お蕎麦屋さんでいうざる蕎麦、ラーメン屋さんでいう塩ラーメンのような奥深さを持つ、とでも言えましょう。この形式のショートケーキは日本独特のタイプらしいです。で、会話の続き。

自分「今まででベスト?」
家族「うむ」
自分「おー、そうなのか」
家族「あ、でも今までショートケーキって殆ど食べてないけど」
自分「なんなんやそれは…」
家族「いや、実家の近くのケーキ屋さんがすごく不味かったから…」

 ということで、多少の公平性を期すため、高島屋に入っているメジャーなケーキ屋さんでショートケーキを買ってきました。

 向かって左はグラマシーニューヨーク(GRAMERCY NEWYORK)、向かって右はアンリ・シャルパンティエ(HENRI CHARPENTIER)のもの。

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 それぞれアップしてみましょう。グラマシーニューヨークは直方体になっております。

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 アンリ・シャルパンティエはクラシカルな印象です。

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 実際に食べてもらったところ、グラマシーニューヨークはちょっとどうかな…という感じであり、どちらかと言えばアンリ・シャルパンティエの方が美味しくてアンジェリーナに近い、とのこと。

家族「やっぱりアンジェリーナが上だわー」
自分「マジか! そんなに美味しいの?」
家族「うん」

 自分も今回買ったケーキをちょっともらいましたが、確かにグラマシーニューヨークの方はこれといって特徴がなく、無難すぎる味。ちょっとスポンジも水っぽくなってしまっており、クリームも一般的なレベルを超えておりません。調和が取れていないというか何というか。言ってしまうとコンビニ的な感じすらします。

 アンリ・シャルパンティエはクリームの肌理がより細やかであり、優しい味わい。クリームが主張しすぎず、苺との相性も良いです。

 しかし、こうなると所在不明ですがアンジェリーナさんのケーキが気になりますな。デパ地下でチェーン展開している高価格設定のお店よりも、地元にあるちょっとした洋菓子屋さんの方が美味しいというのは、結構経験しています。そういうお店にスポットライトが当たってほしいなぁと思います(たまに大ハズレを引くこともありますが…)。もちろん、デパ地下系のお店はどれもあまり外れがなく無難にまとまっているという利点もありますね。

 ちなみに、今回はショートケーキのみならず、他にも2つばかり。

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 アンリ・シャルパンティエではミルクレープを。

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 グラマシーニューヨークではピーチタルトを。

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 自分はミルクレープが好きでして、今回も美味しく頂きました。ピーチタルトも桃の瑞々しさが高得点。グラマシーニューヨークのケーキはまま食べていますが、味よりも見た目の華やかさを楽しむ傾向が強いかと思っています(あくまでも個人的な見解)。

 豆知識ですが、グラマシーニューヨークは”ニューヨーク”という名が付いているものの、れっきとした日本の洋菓子屋さんであり、しかも愛知県。ということはつまり”グラマシーアイチ”なのでございます。ニューヨークが本店だと勘違いしている人も多いですね。丸信製粉というところがつくっておりまして、キース・マンハッタン、ジョトォ、バズサーチも同系列。イメージ戦略と言ったところでしょうか。

 アンリ・シャルパンティエは芦屋発祥のお店から始まりました。ティラミスで有名なシーキューブも同じ系列であり、ここのティラミスは美味しいですよ。
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2015
07.14

暗くなるまで待って

 7/11の土曜日、仕事の帰り。鶴舞公園がぼんやりと明るかったので、光に誘われる蛾のようにふらふらと寄ってみました。何が行なわれているんでしょうね。

 夜の鶴舞公園はお昼とは異なり凛とした静けさがあります。噴水塔もライトアップされていて浮かび上がるよう。

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 足の裏がかゆい少女の像も光り輝いております。バックに名大病院。

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 ぼんやりと明かりがともっていたのはこれでした。

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 どうやら保育園の夏祭りのようです。子どもたちも浴衣を着て、可愛いですね。ほのぼのです。

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 せっかくなので夜の公園を撮ってみました。

 胡蝶ヶ池。湖面がまさに鏡。

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 柳の木も夜は別の顔をしております。雰囲気出ますね。

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 ちょっとした石橋もやはり格好の良さが際立ちます。影が良い役割でございます。

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 そんな寄り道をして、自宅に帰りました。
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2015
07.11

おら、東京さ行ってくる!

 タイトルの通り、7/17は東京に行ってきます。コマさんいるかしら。

 なぜ行くかというと、7/17-18にかけて”うつ病学会総会”という学会が東京でありまして、何の因果か参加せねばならなくなり。。。学会ってほとんど行かないんですけど(2年に1回行けば良い方)、事情があると話は別になってしまいます。うーん、出来れば家に閉じこもっていたい。というか本来なら金曜日と土曜日は仕事があるのです。

 ちなみに、ホテルの予約をギリギリまで忘れておりこれから探すのも面倒くさいため、日帰りとしました。お金の節約にもなりますね。

 というか、学会での発表は学会員でないと出来ないってのはちょっとやめてほしいですよね。。。学会員であるということは、年会費を上納せねばなりません(バカにならんのです)。精神科は学会員のみ発表が許されるというのが残念ながら結構多いんですが、他の科はそうでないのもありますよね、確か。もっとオープンであってほしいなと思います。

 そもそも日本は学会の数が多すぎるのでございますよ! ポスター発表が少なくて主催者側が困って演題募集期間の延長を繰り返すくらいなんですから、もういっそのこと統廃合してスッキリすれば良いのに…。そうしたら質の高い演題が集まってくれるんじゃないでしょうか。そして学会員じゃなくても発表できるようにすれば良いのに。この発表のためだけに年会費を払うのも何だかなぁ。つまりはあれや、



カネやな! カネが欲しいんやろ!(←下品)



 ま、学会の運営も大変なんでしょうね…。

 もはや愚痴しかない記事になりましたが、7/17はサッと行ってお金払ってサッと帰ってきます。
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2015
07.08

鵜呑みにしない、自分で考える

Category: ★研修医生活
 7月某日に行なわれたシオ○ギさんのwebカンファレンスは、呼吸器感染症でカルバペネム系を使う時についてのお話。もはやタイトルからして不安な香りが漂うという素敵なカンファです。

 研修医の時にこの会社のwebカンファを観て、随分と偏った内容で演者の先生がドリペネム(フィニバックス®)をぐいぐい推しておりました。その時も肺炎の治療でしたが、色々と前半はグラム染色とか培養とかの話をしておきながら、後半は


演者「ま、肺炎の治療はペネムで良いと思います」


 と、前半をぶっ壊すような発言。何とか製薬会社の宣伝を入れなければならないため、ヘアピンカーブ的な話の展開で苦しさが伝わり、研修医とICTの先生方で失笑した記憶が強烈に残っています。その時の演者の先生の名前も覚えており、それ以来うかつに信用できなくなってしまいました…。

 他のは分かりませんが、この製薬会社が提供する抗菌薬のwebカンファレンスはいつも「ちょっといかがなものか…」思います。某日の内容もご多分に漏れないものだったようで、シオ○ギさんはもうちょっとうまくやった方が良いんでないかい?と他人事ながら心配してしまいます。

 こういうのってむしろ製薬会社と演者の先生に悪いイメージしか与えないのでは…。昔ならいざしらず、今の時代こんなひどい宣伝で騙される研修医もいないでしょうし(と思いたい)…。これで信じてしまう研修医はよっぽど人が良いのか勉強不足なのかどっちかでしょう。

 後輩曰く、某日のwebカンファでは”研修医は肺炎球菌性肺炎をペニシリンで治療するのがスマートだと洗脳されている”とか”誤嚥性肺炎ににはアンピシリン・スルバクタム(ユナシン®)のみならずカルバペネムも十分に考慮されるべき”とか、ここまで言ってしまって大丈夫かしら…というちょっと悲しい内容。

 いやいや、肺炎球菌性肺炎ならペニシリンが最も合理的ですし、むしろ演者の先生が製薬会社に洗脳されているんじゃない? とも皮肉の1つでも言ってやりたい気分。ペニシリンという最も古くて狭域の抗菌薬で肺炎球菌性肺炎の患者さんが治っていくという経験をすることが、研修医のこれからの感染症治療にとってかけがえない事柄になると思うのですが。というか肺炎球菌と分かっているならペネムなんかよりもペニシリンの方がシャープに効くでしょう。誤嚥性肺炎にもなぜペネムがどんどん出るのか…。もちろん全てにおいてペネムを絶対使わないということはないでしょうけれども、ドリペネムはその中でも使わない部類になります(Kollef MH, et al. A randomized trial of 7-day doripenem versus 10-day imipenem-cilastatin for ventilator-associated pneumonia. Crit Care. 2012 Nov 13;16(6):R218.)。ドリペネムの講演をするのなら、FDAが適応としている複雑性腹腔内感染症・複雑性尿路感染症にとどめておくのが製薬会社も演者の先生も痛手を受けずに済むのかもしれません。もういい加減、肺炎にドリペネムという宣伝はやめましょうや。

 しかしながら、確かに製薬会社はお薬が売れないと会社が傾いてしまい、新たなお薬の開発も出来なくなり、そうなると医者側も困ってしまいます。最悪は倒産して社員の皆さんやご家族が路頭に迷う。だから宣伝するのは無理もないことなのです(”会社”ですし利益をあげないと)。ということは、「製薬会社が提供するものは基本的に宣伝が入っているかも?」という当然の認識を医者側がすべきでしょう。なので、あんまり「webカンファで勉強しよう!」とは思わない方がむしろ良いのです。少し予防線を張っておいて、一歩退いて眺めておくべき。宣伝を見つけられたら、「よしよし、自分は勉強してるな」と確認するようなテスト感覚でいましょう。

 製薬会社を叩くよりも、自分たちが正しい勉強をして惑わされないようにするのが大切なことでしょう。それを今回のwebカンファは若い先生がたに示してくれたのだと思います。シオ○ギさんと演者の先生は自ら身体を張ってそのことを教えてくれたんや。
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2015
07.03

もう少し深いところに

Category: ★研修医生活
 今の研修医は物知りだと思います。鑑別疾患もまずまず挙がりますし、最低限の検査項目も押さえてくれています。そこは頼もしく、自分が研修医だった頃よりも色々知ってるんじゃなかろうか、とも感じます。

 しかし、何というか、もう一歩進んだところに触れてこない印象はあります。鑑別疾患をパーッと挙げるのは良いんですが

自分「じゃあその鑑別が挙がる理由は?」
研修医「え? このマニュアルに」
自分「何か機序とかで共通点があるとか?」
研修医「うーん」

 というような。疾患の特徴は

自分「この疾患はどうだろう。悪化すると痛みに特徴が出てきそうだね」
研修医「え? そうですか?」
自分「どんどん周囲に波及するということは?」
研修医「うーん」

 もう一歩踏み込めないもどかしさ、とも言えるでしょうか。診断を付けても

自分「どんな理由でその診断? この疾患を弾いたのは何か思うところあった?」
研修医「あ、この検査で」
自分「この検査が陽性だった時は検査後確率どれくらい? 一発でRule inできそう?」
研修医「うーん」
自分「もし陰性だったら次はどうしてたかねぇ」
研修医「うーん」

 自分の若い頃を見ているようだなぁと思いながらも、最近は特に応急処置的な覚え方をたくさんしている研修医が多いでしょうか(漢方で言うと口訣を大量に覚えているだけの状態?)。もちろん最初はマニュアル的な暗記で良いんですけど、有機的なつながりを持たせるには、ちょっと面倒でしょうけど病態生理や解剖学的な部分を思い浮かべて、さらにそこから診断の総論的な、自分はOS(基本ソフト)って表現しますけど、その部分を整理していくと様々な症候でも原則的な考え方が見えてくるんじゃないかなって思ってます。もしろん最後は各論的な知識がモノを言うところは大きいですが。

 やはり、鑑別に挙がる疾患そのものを掘り下げるというところがまだ出来ていないのかもしれません。主訴から鑑別が挙がり、それぞれのポイントとなる症状と診察項目と検査項目を覚える、というレベルでおしまいになっていると、疾患たちの顔つきがなかなか見えてこない。1つの疾患についても横断的な知識になっており、幅・流れを持たせた典型的なヒストリーを頭に入れる必要はありそうです。


ある疾患を診断するには、その疾患そのものをまず知らねばならない。そして、それ以外の鑑別疾患を知ることで違いが浮き彫りになる


 と言えると思うのです。精神科も同じで、統合失調症と診断するには統合失調症自体の厚みを知って、かつそれ以外の精神疾患を知ることでやっと”統合失調症”が浮き上がってきますでしょ。”診断”そのものについても


診断をするには、診断の仕方を知らねばならない


 と表現できましょう。この2つを意識しておくことが大切。

 マニュアルに書かれてあるのはそこが薄い。もちろん厚くしたらマニュアルではなくなるので、例えば腹痛ならベタですけどCope先生の『急性腹症の早期診断』を3回くらい読むとか。病態での裏付けをしっかり記載した重みのある本は必要だと思います。そういった疾患ごとの顔つきを知り、同時並行で診断そのもののOSを学んでいく。すると、”らしさ””らしくなさ”がより明確になり、次にどういうアクションをすれば良いかが少しずつ分かってくる、と自分は思っています。ただ、研修医1年次からSapira先生の本を読む必要は全くないでしょうけど…。診断に至る思考過程、つまりはOSについては、かなり難しいですが、頑張って『Learning Clinical Reasoning』を読んでみても良いかもしれません。この本は脳天を貫かれるような衝撃があります。和訳を岩田健太郎先生がなさっており、『クリニカル・リーズニング・ラーニング』という題名で出されています。和訳でも難しいですけどね…。でもこれを何回か繰り返して読むと、診断とはどういうものかがつかめてくる。そうするとゾクゾクしてきますよ。1年かけてじっくり読んでも構いません。

 ティアニー先生のパールをまとめた本もお手軽に知識が入るので人気がありますが、良いところ悪いところがあると感じています。パールは重厚な病態生理や病理学的な思考を勉強した後に定着させるもの、もしくはパールを見て「おぉ!」と思ったらその背景をしっかりと学ぶべきものであり、その手順を踏まずパールだけを覚えてそこでおしまいになったら、それは単なるプラスチックのエセ真珠になってしまう恐れがあります。パールも使いようかなぁと思いますが、はてさて(パール自体に罪はありませんよ)。

 研修医自身でそういったことに気づくのはとても難しいでしょう。自分も研修医が終わってから振り返ってみて「あぁ、ああいう風にすれば良かったのかな。あの時はただガムシャラにやってただけだったなぁ」と感じています。今は良い意味で肩の力が抜けたのかしら。

 疾患の病態生理に基づいた理解、診断推論のOS、そして最後に忘れてはならないのはカルテの書き方。研修医の勉強度合いを調べるには、本棚を眺めるのではなくカルテを見るのが一番。カルテから患者さんの状態が浮かび上がり、研修医がどう考えてそう判断したかなど、時間経過を含めて透けてくると素敵。マニュアル的な知識のみで対応をしたカルテはのペ~っとしている印象で、平面的というか動きを感じません。

 換言すると、静的なカルテではなく動的なカルテを意識する、ということ。ただし! 「美しく書くのか」とか「たくさん書くと良いよね!」というのは違います。往々にしてそれは自己満足になりがち。他人が見ても「おー。論点がはっきりしていて分かりやすい!」と感じるように、しっかりと基本枠組に則り、その中で書くことが大事です。まとめる力、プレゼンする力の基礎になると思いますよ。電子カルテで何ページにも渡り1つの記事をダーッと書くのはちょっとどうなのかな…と。こっちは見る気がしないですもん。

 ”明日すぐ使える知識”も大切でありそれを求める気持ちもとても良く分かります。医学書もその系統が随分と多くなっていますが、ちょっとアンチョコ的ですよね。しかしながら、通奏低音のようにじっくりと根底で響く智慧を手に入れることも忘れてはならないでしょう。

 そんな偉そうなことを話しながら、自分が研修医2年次の頃のカルテはやや崩壊気味でしたし、疾患の深いところまで勉強できていたわけではなかったのでした(おい)。
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