2015
06.30

名は体を表さない

 紫君子蘭(アガパンサス)が咲いていました。

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 爽やかな色合い。梅雨時の重い空色だからこそ、紫や白が映えるのかもしれませんね。

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 特に紫は下品なきつさがなく、クリアな印象があります。

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 咲き誇る様子も良いですが、こちらは今まさに咲かんとする力強さを感じます。

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 紫君子蘭という名前ではありますが、君子蘭とは全く関係のない種類。見た目がちょっと君子蘭に似ていて紫色なので、紫君子蘭。しかも蘭と言っておきながらユリ科に属するという、変なことになってしまっているお花でした。

 でも梅雨の時期に咲く様子は清涼感をもたらし、こちらをほっとさせてくれますね。
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2015
06.27

もうけもの?

 ある晴れた日。

 おや?

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 何やら古めかしい”銀のさら”ポイントカードが…。

 開くと…

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 おぉ! 全部たまっている。

 そう、これははるかな昔、研修医時代。救急外来で当直をしている時のお夕飯くらいは楽しくというコンセプトのもと、銀のさらでお寿司を注文することがありました。それで付いてきたシールをせっせと貼って、気づけばシールが15枚。たまると注文した金額から3000円offになるのでした。

 そんなポイントカードが長い眠りから開放され…。家の棚の深くから目覚めたのであります。

 問題はですね


そんな前のポイントカードが今はたして使えるのか?


 というシンプルなもの。せっかくなので確認してみましょう。

お店「銀のさら○○店です」
自分「あの、ちょっとお伺いしたいんですけど。全部たまったポイントカードがあるんですけど、これって期限ありますか?」
お店「いえ、期限はありません」
自分「数年前ってレベルではないんですけど、それでも大丈夫ですか?」
お店「はい、大丈夫です」

にやり

 ということで、急遽その日のお夕飯はお寿司に。

 こちらの2品が到着。無事にポイントカードが使え、これで540円くらい。すごく得をした気分。

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 桶の方が雰囲気が出ますが、今回は使い捨て容器に。

 近い!よっしゃー。

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 Yeah!!!!

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 テンションが上がっています。なぜこうもお寿司は人を陽気にさせるのか。

 では、いただきます。

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んまい

 お寿司は美味しいですね。出前だと人件費でやや割高な感じはありますが、3000円ポイントカードの魔力の前では無に等しかったのでした。
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2015
06.22

混沌を味わう

 サーティワンアイスクリームにて、6/28まで”サンキューフォー”なるフェアがなされているということで、訪れました。

 スモールダブルの値段でミニサイズを4つ選べると。かつスモールダブルの40%増量らしいです。実は自分はサーティワンに人生で1度しか行ったことがなくてですね、なんたらサイズとかダブルとか言われてもピンと来ないのでした。

 ただ、あれなんですよね、毎月31日は31%offになるんですよね。サンキューフォーとどっちがお得なのだろうかと思いましたが、4種類選べるというのが大きいのでしょう、たぶん。

 そんなこんなで、近くのイオンに入っているサーティワンで注文してみました。450円也。

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ストロベリーなんとか、ブルーベリーなんとか、大納言小豆、チョコミントの4つ。

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 ぷらぷら歩きながら、ストロベリーなんとかを食べてみます。

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あまい

 あーやっぱりアイスですね(そりゃそうだ)。甘いです。

 このサンキューフォーの短所は、下にあるアイスを食べる時には結構溶けてしまって、結局様々な味が交わったものを食べることになる点です。

 最下層のチョコミントは溶けかかっております。

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 もう大納言小豆とチョコミントが混ざって何か不思議な味わいに。サンキューフォーを頼む時は、混ざっても良いような系統を合わせた方が無難かもしれません。特に下の層は。

 ということで、やっぱり甘いのと、あとはサーティワンのアイスは粘稠度が高いです。たぶん増粘剤を使って量を増やしているんだろうなという食感でした。値段の割にはジャンキーというか、ちょっと舌触りが安っぽいかも? 色んな種類を楽しむのが良いところなんでしょうね。

 で、ぷらぷら散歩が終わってイオンに舞い戻り、コメダでアイスコーヒーを飲んだのでした。豆菓子のしょっぱさが美味しい。

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2015
06.17

臨床のワンフレーズ(13):回り道の景色

Category: ★精神科生活
 精神疾患で社会生活から一時的に離脱せざるを得ない患者さんは非常に多いです。「病気になる前に戻りたい」と患者さんは言いますが、それは以前に”病気の種”で記事にしたように、また病気になる可能性を秘めていることになります。理想的には、病気から気づきを得て、ゆとりを持てるようになること。それを精神科医は患者さんに気づいてもらおうと思って診察します。

 寛解した後も診察は続きます。うつ病を例にとると、寛解後は抗うつ薬を6カ月くらいキープして、何事もないことを確かめてからゆっくり減らすことを行ないます。そこでの診察では、「こんな病気になって、治るまで時間かかって、回り道しちゃった」とポツリと話すかたもいらっしゃいます。当事者にとって病気の期間は苦しく社会からも取り残された感じがするでしょう。

自分「確かに、○○さんが思うような状況ではそう感じるのも無理はないかもしれません」
患者さん「はい。でも治ったし、良かったかなって」
自分「そうですね。あと、回り道っておっしゃいましたけど、実は回り道も大事な役目を持っているんですよ」
患者さん「どんなこと?」
自分「例え話ですけどね。いつも真っすぐ行っている道じゃなくて、少し違った道を通ると違った景色が見えますでしょ」
患者さん「はい」
自分「いつもと違う景色って新鮮で、たまに思いがけない発見も」
患者さん「そうですね」
自分「○○さんの回り道も同じかもしれません。今はそう思えないかもしれませんけど、回り道をした分、きっと色んな景色が見えたんじゃないかなと思います。まっすぐ進んでたら見られなかったその景色は、決して無駄じゃないんですよ」
患者さん「はい。そういえば先生いつもそういうこと言ってましたね(笑)」

 回り道を無駄と思うかどうか。同じ事象でも、見かたが違うとこころに与える影響もだいぶ変わってきます。広義のリフレーミングと言えるかもしれませんね。患者さんには、病気から今後の生きるヒントを学んで欲しい思いを医者は持ちます。回り道をして見える景色もそうでしょう。でもこういった表現を押し付けたら、それは拒絶されるかもしれません(タイミングにもよりますね)。そっと添えるくらいの気持ちが大事かなぁと考えており、折に触れて比喩をうまく使ってお伝えしようと試みています。

 患者さんから「みんなさっさと電車に乗って、自分だけが取り残されちゃいました」と言われることもあります。うつ病治療によって駅で足止めを食らったという表現。それについても自分は「次の電車がもうそろそろ来る頃ですよ。それまでに、他の人が見向きもしなかった、駅からの外の風景を○○さんは眺めてきました。そして、同じく電車を待っている人にも出会いましたね。すぐ電車に乗っていたら、気づかなかったことも多かったかもしれませんね」とお返ししています。

 ただし、患者さんは「病気になって良かった」だなんて思う必要はありません。そして医療者もそれを強要してはなりません。病気で失ったものも大きいでしょうし、その苦痛は当事者にしか分からないものです。そんなセリフを言わせることは患者さんにとって負担になるはず。だから


病気になって良かっただなんて思えないけど、病気をしたことで人生を考えるきっかけにはなったかもしれないな


 くらいのラインを目指して行きましょう。自分の内なる思いとしては「おいこら病気、お前を居候させてやったんだから、出て行く時には何かよこせよ」くらいの貪欲さがあっても良いかもしれませんが、それを患者さんにはお話ししたことはありません。ちょっと侵襲性の高い言い方かなと思ってまして。気持ちとしてはそんな感じなんですが、どうでしょうね。
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2015
06.13

高度のDehydrationはVolume depletionを伴う

Category: ★研修医生活
 この前は研修医勉強会があり、1年次研修医から脱水について質問がありました。そこで、話をしていくうちにタイトルの通り

自分「Dehydrationは高度になるとVolume depletionも伴うよね」
研修医「う…、はい」
自分「だから、Dehydrationでも血清Na濃度がめちゃくちゃ高かったら生食を入れることがあるんだよ」
研修医「Dehydrationでもですか?」
自分「血清Na濃度が高すぎると生食ですら相対的に低張になるでしょ。Volume depletionも伴うし」
研修医「おぉ。でも先生、高度のDehydrationだとVolume depletionを伴うって、どういうことですか???」
自分「お、そこか」

という展開。

 まずこの”脱水”という表現。日本では”脱水”ですが、これはVolume depletionとDehydrationとを含んだ概念です。前者は細胞外液が主に減少していること、後者は細胞内液が主に減少していることを指します。話をする時はそこをハッキリさせて、お互いのイメージする脱水を適合させて進めることが必要。

 その前に、輸液の大前提を2つ。

 1つは、水の出入りは血管内を通して行われる、ということ。経口や輸液による水の摂取は血管内にまず入り、汗や尿といった水の排出も血管内からです。この血管内ので起こる変化が細胞間質や細胞内液にも波及していき、水の引っ張り合いに動きをもたらす、と考えてみましょう。

 もう1つは、水は濃い方(張度が高い方)に引っ張られるというイメージ。例えば、細胞外液が張度をつくるNaばかりでむさ苦しいと、水が細胞内液から引っ張られて来ます。バランスというのをイメージしてみると良いですね。血管内での変化がまず起こり、それによって細胞間質や細胞内液から水を引っ張るか、それらに水が引っ張られるか。

 もちろん、その他にも様々な要因がありますが、まずは上述の2点を押さえます(輸液についてもう少し踏み込みたいかたは、看護師さん向けの雑誌ですが、エキスパートナース2015年5月号の附録『ビジュアル輸液BOOK』を見てみてください)。

 さて、”高度のDehydrationはVolume depletionを伴う”というところの説明。これはお鍋にスープが入っていると想像してみましょう。このスープは細胞外液です。

 そうなると、以下のイラストのように整理できます。

脱水

 イラストの上半分はVolume depletionを示しています。これはスープそのものの量が少なくなってしまった状態。細胞外液、特に血管内容量の減少であり、そのため循環障害が所見として見られ、血圧低下や頻脈や乏尿/無尿になります。熱傷や大手術などの侵襲もそうでして、これはサイトカイン放出につながり、glycocalyxが損傷されます。そうすると水が血漿蛋白とともに血管内から細胞間質に移動して循環障害になってしまいます。血管内容量の低下は有効循環血漿量低下とイコールだと思うかもしれませんが、“有効循環”とは“めぐりの良さ”を示すため、血管内に水が十分にあっても有効循環血漿量低下は起こりえます。代表例は心不全。心臓のポンプ機能が弱まってめぐりが悪くなります。

 イラストの下半分はDehydrationを示しています(お鍋が火にかかっています)。これはお鍋のスープが煮詰まって濃くなっていることを指します。“水の出入りは血管内を通じて行なわれる”という原則がありました。Dehydrationというのはまず汗や不感蒸散(汗以外の皮膚や呼気からの水分喪失)によって、薄い水が血管から出て行くことから始まります。スープを煮た時に出る湯気みたいなもの。ずっと煮ているとスープは少し量が減って味が濃くなりますね。それをイメージ。濃くなるということは細胞外液の張度が上昇することを示し、細胞内液から水を引っ張ってきます。そうなると、細胞内液が減少。これがDehydrationです。スープが濃縮されるため、高Na血症が所見として出てきます(しょっぱくなる)。他には↑Alb, ↑BUN/Cre, ↑UA, ↑Hbなども濃縮の所見ですね。

 特に注意して欲しいのは、今回のポイントである”Dehydrationが高度になるとVolume depletionも伴う”という点。すなわち、スープが煮詰まり過ぎると、スープそのものの量もかなり減っちゃうのでした。

だっすい2

 ということを研修医に話したら、何となく(?)納得してくれた様子。濃縮され過ぎてしまうと、血清Na濃度もぐんぐん上昇して、果ては生食のNa154mEq/Lを超えてしまいます。ここまで来るとVolume depletionも相当なため、バイタル安定のために外液を使うこともあるのです。
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2015
06.10

アイス・ココア

 本日のコメダは、先日にちょろっと話題に出た”アイスココア”(500円)を注文。

 おっきいですな…。アイスココアは”冷たいココア”のことではなく、”アイスの乗った冷たいココア”のことでございました。

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 アイス(ソフトクリーム)をパクリ。

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んまい

 同じ名古屋で比較するなら、スガキヤのソフトクリームよりもちょっとミルク成分が強くて濃厚な感じがします。でもスガキヤのソフトクリームは、ラーメンを食べたあとを考慮して少しあっさりとさせているのかも。ココアに合わせるのなら乳脂肪分が少々高いこっちのアイスの方が良いのでしょう、たぶん。

 で、このアイスココアさんはココアの部分も結構甘いんですが、アイスを食べてからココアに到達するとその甘さが分からなくなります。多分、2つ合わせて結構な糖分なんでしょうね…。たまになら悪くはない、と思います。

 普段はプチ糖質制限してるんです、これでも。ブログの記事を見ているとそうは思えないかもしれませんが…。
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2015
06.07

昔が良かったとは言いませんが

Category: ★精神科生活
 以前勤めていた病院の当直の際、病棟見回りが終わった後に看護師さんと色々とお話をしていました。自分が勤めていた病院は、昔は入院患者さん参加型の様々な行事が行なわれていたとのこと。ちらほらと耳にしてはいましたが、その時はまとまった時間聞けました。

 精神科は何十年も入院している患者さんが稀ではありません(ほとんどが統合失調症)。統合失調症で入院し、家族から連絡が取れなくなったり関わりを拒否されることがあったり、かと言って受け入れ施設もないし…。やむにやまれぬ事情でずっと病院にいる、というか住んでいる患者さんがいます。

 長期入院の患者さんたちにとっては病棟が彼らの世界になっています。そういう患者さんを「自発性が低下している」「陰性症状が主体だ」と果たして私たちは言えるのでしょうか。もちろん疾患による影響や大量に使われた抗精神病薬による弊害も多分にあるんでしょうけど、ずっと変化の乏しい入院生活を続けていたら誰だって自発性は低下するんじゃなかろうか。

 そんな患者さんの楽しみに、病院主催のささやかな行事があったようです。自分はその行事がなくなってから勤めたので詳細を知りませんが、患者さんに昔のことを聞くと、ちょっと懐かしそうに、あそこに行った、楽しかった、と話してくれます。あ、この患者さんこんな良い顔をするんだな、とこちらが少し驚くくらいに思い出話をしてくれることもあります。

 ぶどう狩り、公園へのピクニック、潮干狩り、お祭り…。季節に応じて行事があって、また普段も看護師さんが患者さんと一緒に病院の外に出て映画を観てきた、なんてのもあったようです。長期入院せざるをえない患者さんにせめてもの、ということなのかもしれません。中には医者も一緒に患者さんとコーヒーを飲みに行った、なんてこともあったようです。

 今はそれが全部なくなってしまって、看護師さんも患者さんと病院の外に行くことはできません。もちろん医者もそんなことできません。他の病院がどうかは知りませんが。

 昔の慢性期病棟は、ずいぶんと牧歌的な部分もあったようです。何かそんな要素って実に大事だと思います。患者さんの入院が長期になってなかなか打開策もなく申し訳ない。その様な状況の中で、少しでも患者さんに喜んでもらえたらという思いがあったんですよね。もちろん入院患者さんほとんどが統合失調症だったということもあるでしょう。慢性期の彼らと”ともにいる”ことは、精神科医や病棟スタッフにとって苦になりません。

自分「自分とか家族が入院するなら、そんなゆったりとした部分がある病院って良いですよね」
看護師さん「そうですよね。家族が入院しても良い!って思えるのって大事。 何でも昔が良いわけじゃないですけど、色んな行事がなくなったのはさびしいですねぇ」
自分「今は救急用に改築とかあってちょっと病院全体にゆとりがないですもん。患者さんにも影響しそうで」
看護師さん「そうそう。昔は良く映画も観に行って、お祭りの時なんか女性患者さん浴衣着たんですよ。先生の患者さんの○○さんも着てね。写真もあるんですよ、これ」
自分「あら若い! こんな時もあったのね」
看護師さん「そうそう。今は忙しくなっちゃって」
自分「何か気持ちが休まらないんですよね」
看護師さん「先生バタバタしてますもんね。歩いてる時とか表情険しいよ」
自分「あら、そりゃいかんですな」

 個人的には、患者さんに少しでも楽しみを持ってもらえるような、そんな病院が良いなぁと感じます。もちろん経営も優先しなければならないですし慢性期病棟はあんまり儲からないですし入院患者さんも統合失調症ばかりではなくなりましたし、いわゆる”スーパー救急”に本腰を入れなければ病院がこれからやっていけなくなるのも事実でしょう。でも、お薬だけでなく、病棟内の作業療法だけでなく、そういった行事があるとスタッフにも少しゆとりが出てきて、それが医療にも良い効果を産むんじゃないかと思っています。昔話をしてくれる患者さんの生き生きとした笑顔は印象的で、それの傍証かもしれません。
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2015
06.04

グレーな発達障害

Category: ★本のお話
 本の紹介です。2連投の記事の2つ目。

 2015年6月1日に医学書院さんから発売された、青木省三先生と村上伸治先生が編集された『大人の発達障害を診るということ』

青木先生

 この本は自分の頭のなかをスキっとさせてくれました。大人の発達障害は診断がとてつもなく難しく、精神科医もなかなか困っているところ。明らかな発達障害は幼少期に診断されていますし、大人でも分かりやすい患者さんはいます。しかし、幼少期から学校を何とか過ごしてきて、その後に環境がガラっと変わった、例えば仕事や結婚など、そんな時からあらあら…と調子が悪くなってくる患者さん、そして「典型的な統合失調症にしてはちょっとなぁ…」「典型的なうつ病にしては、うーん…」という患者さんもいます。そんな時に、この本に書かれてあることが役に立つと感じました。

 発達障害そのものも定型発達と連続をなすもので、どこで区切るかというのは社会的な要請によっても異なります。また、発達障害の特徴というのは、小分けにして考えてみれば誰しも持っているものです。そういったところが”診断”を難しくさせているのも事実。

 この本は、”発達障害的なところがあるが、診断してよいかどうか迷うようなグレーゾーン”(3ページ)を対象としています。まさに私たち精神科医が日常診療で「んん?」と考えこんでしまうところにスポットライトを当ててくれました。

 そして、「そうだよねぇ」と納得させてくれた部分が

”発達障害特性は、その人にかかるストレスによって、強く現れたり逆に見えにくくなったりするのである”(7ページ)

 というところ。大人で初めて発達障害を考慮するような患者さんは灰色の領域にいます。その灰色はストレスによって黒にもなり白にもなります。そして、1人の患者さんの中に黒の部分と白の部分をしっかりと探していきます(発達障害らしいところとそうでないところを診ていく)。曖昧さがあるということをまず治療者がしっかりと認めて、そこから進んでいく。この重要さを説いています。

”我々が目指すのは遺伝子の改善でもないし、心理検査の改善でもない。生活障害の改善である”(11ページ)
”どこが発達障害的で、どこが発達障害的でないかを丹念に診ていって初めて本人の特性を掴むことができる”(20ページ)

 発達障害かどうか迷う時は、患者さん自体が”白か黒か”という診断ではなく、灰色の患者さんの黒と白を診ていき、助け合いを考えていくことが大切です。黒の部分は助けてもらい、白の部分は他の人を助けるために。

”予後を決めるのは障害の重さではなく、「助けてもらうパターンを身につけたかどうか」である”(27ページ)

 まさにその通りだと膝を打ちました。

 この本は3部構成で、第2部が症例集になっています。自分の担当した患者さんを思い浮かべながら読むと「レジデントの時に診ていたあの患者さんは灰色の発達障害だったかもなぁ…」と思い出し、後悔することもあります。第1部と第3部を先に読んでから第2部に入っても良いのではないでしょうか。

 自分は大人の発達障害に関しては「理解は広く、診断は狭く」としています。灰色的なところが大きいのだという認識をより強くして

・患者さんをより援助できるように、困っているところを丹念に診る
・患者さんが他の人をより援助できるように、良いところを丹念に診る

 ということをしっかり行なっていこうと思いました。

 ただし、発達障害を診るには注意点があります。特に大人の発達障害を勉強すると、診る患者さんの多くがそのように見えてしまいます。レジデントのうちから積極的に大人の発達障害の知識を入れることは、良いところも悪いところもあるかもしれません。それよりは、例えば統合失調症、例えばうつ病、と言った代表的な精神疾患の典型例を早いうちにしっかりと押さえておくべきでしょうか。

発達障害を知るということは、それ以外の疾患を知ることによって成立する

 とでも言えそうです。代表的な精神疾患の非典型的な経過をたどる患者さんに灰色的な発達障害が潜んでおり、支援によって改善する可能性があります。昔で言う”非定型精神病”には、灰色の発達障害でストレスによって患者さんの灰色部分の多くが黒に一時的に変わってしまった状態も含まれているでしょう。

 この本は、あえて”灰色”を強調しています。「あなたは発達障害だ」「あなたは発達障害ではない」という白黒診断にはなかなかならないという事実。その上で、患者さんの困っている部分を見つけてどのように支援をしたら生活しやすくなるかを考えていく。これが臨床での実感と強く重なり、症例集も今後の診療に有用なものとなっています。代表的な精神疾患の典型例を学び経験した後に読んでみることをオススメします。
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2015
06.04

自殺について学ぶ

Category: ★本のお話
 今回は本の紹介(2つの記事をアップしています)。

 中外医学社さんから2015年5月30日に出た、松本俊彦先生の『もしも「死にたい」と言われたら』

松本俊彦先生

 患者さんから希死念慮を話されたら、患者さんにその危険性があると感じたら…。その時に医療者はどう対応すべきかを分かりやすく示してくれています。各精神疾患の自殺の起こりやすさを対人関係の面で解説し、過量服薬についても述べられており、医療者が安易に処方している事実も隠すこと無く記しています。

”診療において心がけるべきなのは、まずもって向精神薬乱用・依存をつくりださないことである”(96ページ)

 これはすべての医療者が肝に銘じるべきであり、過小評価してはいけないでしょう。

 そしてこの本には、自傷についても述べられています。自傷は患者さんがつらさから何とか逃れるために必死でなされる対処です。その自傷にしっかりと意味があるんだという認証が書かれてあり、しかしながら、ずっと行なっているとそれが効力を発揮しなくなり、希死念慮が頭をもたげてきます。生きるためになされる自傷が”死への迂回路”(60ページ)となっていることを指摘しています。自傷そのものには生きるための意味があります。しかし、それを続けていては死がやってくる懸念もあります。そこを医療者が支えていくという思いが強く出ています。

 松本先生は自傷や薬物依存にとても長けており、読み込むべきと思います。

 希死念慮のある患者さんは、死にたいくらいにつらい状況にいます。このつらさが軽くなるのであれば、生きていたいという強い声なのだと思います。そこを医療者とともに少しずつ取り組んでいければ、その積み重ねは良い結果を産んでくれるかもしれません。

 自分がいちばん衝撃を受けたのは、あとがきです。自殺で有名な橋があり、そこには固定カメラが設置してあり、著者の松本先生はその映像を見ます。飛び降りる人の一部始終が映し出されているのですが、その人が最後まで持っていたものがあったというのです。それは



携帯電話



 その人は最後の最後まで人とのつながりを欲していたのです…。もしそこにメールや着信が来ていたら、ひょっとしたら、と思わざるを得ませんでした。

 死にたい、死にたくない、生きたい。自殺する人は本当にギリギリまで揺れています。そして、つながりを希求しています。私たちの出来る精一杯のことは、人との温かなつながりを、押し付けではなく添えることなのだと実感しました。医療者は、このあとがきだけでも買って読む価値があるでしょう。

 この本の他の良い点としては、とても薄いことが挙げられます。130ページちょっとなので、興味が薄くても読むことができます。自殺に関する良い本でも、ものすごく分厚ければ、興味のある人以外は手にとってくれません。この本は薄いながらも必要な情報を入れて、「もっと勉強したほうが良い」と思わせることに優れています。自殺を学ぶための入門として、患者さんにかかわる医療者にオススメできます。

追記:自傷をしているかた、自傷をしている人にどう接していけば良いのか悩んでいるかた。そういった人たちは、同じく松本俊彦先生の『自分を傷つけずにはいられない 自傷から回復するためのヒント』(講談社)をぜひ読んでみてください。きっと助けになってくれるはずです。自傷に対してマイナスイメージしか持てない医療者も読みましょう。症状の意味を肯定的にとらえ、そこから患者さんと一緒にスタートし、症状を手放せるようになるために支えていける、そんなヒントがあります。
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2015
06.02

ゼリー系も紹介を

 コメダ珈琲店では、季節限定(4/16~夏まで?)で”ジェリコ”という、コーヒーゼリーの飲み物が出されています。アイスコーヒーの中にコーヒーゼリーが入っているという、コーヒー尽くし。黒人霊歌に”ジェリコの戦い”というのがありますが、それとは無関係なのでしょう、たぶん(気になって調べてみたら、ジェリーとアイスコーヒーということで”ジェリコ”でした)。

 このジェリコさん、しかも2015年は、4/16~6/30まではチョコレート味の”チョコナッツ”、そして7/1からはキャラメル味の”塩キャラメル”のジェリコも登場。プレーンが540円、チョコナッツと塩キャラメルが580円となっています。

 あれ、この流れって以前の


チョコノワールキャラノワールと同じでは…


 コメダはこのパターンが好きなんでしょうかね?? 前もチョコラートとキャラメラートっていうウインナーコーヒーも出てましたし。

 そんなわけで、ジェリコのプレーンタイプ。

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 もうちょっと上から。

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 で、こちらがジェリコのチョコナッツ。

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 もうちょい上から。

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 両者ともホイップクリームがてっぺんに飾られています。

 ジェリコの高さは自分が手を広げた時の親指から中指までの距離を上回るか(フライングしてホイップクリームを食べてしまっています)。

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 中にはこのようにクラッシュされたコーヒーゼリーが。

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 ゼリーもコーヒー感が結構あって美味しい。

 チョコナッツの方が少しまろやかな仕上がり。アイスコーヒーの味を楽しみたいならプレーンの方になるでしょうか。涼しいメニューになっておりますが、ホイップクリームがあまり得意でなければ避けた方が良いかも。”クリームコーヒー”や”アイスココア”は上にソフトクリームがうにうにと乗っているので、そちらも何となくお得感がありますよ。
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