2014
03.30

春の鶴舞公園

 ここ数日は歩いていると桜が咲いていたので、3/29の土曜日は名古屋の鶴舞公園(つるまこうえん)に行って来ました。1909年につくられた、名古屋初の公園です。晴天とは言いがたかったですが、晴れていたのでまずまず。一応、この公園は”日本さくら名所100選”に選ばれています。名古屋市ではこの公園の他に山崎川が選ばれており、ここの桜はまさに圧巻。

 鶴舞公園はお花見客やコスプレをする人が多く、そういった形で楽しむ感じ。山崎川はそういうことを禁止しており純粋に桜を見る感じ。分業がなされていますね。

 さて、いざ公園へ。この公園、春から初夏にかけて様々な花が咲き乱れます。梅、桜、椿、チューリップ、花菖蒲、杜若などなど。

 その日最初に眼にしたのは乙女椿。非常に可憐なお花です。

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 アップ。まさに乙女という名前がふさわしい、やわらかなピンク色。上品ですね。

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 近くに落ちていたので、手にとってみました。1つがこれくらいの大きさです。

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 歩くと、桜が見えてきました。良い感じに咲いておりますね。

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 根元には幼い桜も成長してきております。

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 屋台もしっかり。これぞお花見という名のお祭りですね。

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 お花見のお客さんたち。春のひとときを楽しんでおります。夜になると提灯に明かりが灯り、夜桜も楽しめます。

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 近くのファミリーマートもお店前で屋台的な何かを商魂たくましく開いてます。おでん販売中。

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 歩を進めていくと、落ち着いた景色。しかし先には名大病院が…。

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 面白い形の桜発見。ものすごいカーブを描いています。

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 別角度から。幹もねじれている様に見えますし、どうやったらこんな感じになるんでしょうね。

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 お花見用のスペース(広場?)から外れると、いわゆるお花見客がいなくなるので桜や春の公園を楽しむ人たちが多くなり、何となくこちらも落ち着いて眺めることが出来ます。この辺りもコスプレをする人が結構おり、”進撃の巨人”や”銀魂”の登場人物の格好をしている人たちが多数。みんな楽しそうにわいわいとしております。

 桜のアップ。空の青色と白い桜の花びらがよく合いますね。

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 菖蒲池にかかる八ツ橋。京都のお菓子である八ツ橋とは異なっております。伊勢物語に出てくる三河国の八橋がモデルとのこと。この菖蒲池は今は田んぼみたいな感じですが、6月頃すごく綺麗になりますよ。

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 そこにかかる桜。

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 路を登って行くと、明らかに頭上注意な桜発見。何人を病院送りにしたのだ…。

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 最後は椿。こちらは落椿ですね。椿は花ごと落下するので潔いと言われますが、首が落ちるというようなことも連想させてお見舞いなどには禁忌です。

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 見上げるとその椿さん。

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 というような感じで鶴舞公園を後にしました。意外と疲れるんですよね、ぐるっと廻るの…。
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2014
03.28

静かなる威厳

 さて、今回は東山文化の集大成である銀閣寺(慈照寺)へ行ってみます。

 バスに乗って行き、哲学の道をぼーっと通り、ここにたどり着きます。

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 さていよいよ。銀閣寺垣で順番待ち。ここからして「来たぞ来たぞ!」という感じ。いつものことながら混んでいますね…。

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 入ると大きな向月台(こうげつだい)がまず目を引きます。180cmもあるそうですよ。何のためかは諸説ありますが、ここに座って月を眺めただなんて風流なものも。

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 おー、と思って横を向くと、そこに銀閣があることに気づきます。「あ、こんなところにいたのね」という感じ。でも眺めていると、決して派手ではないですが重厚な存在感。

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 進んでいくと、銀沙灘(ぎんしゃだん)と向月台と銀閣の3つ全てが見渡せます。銀沙灘は月光を反射させる役割があり、それで本堂を明るくてらしていたとも言われます。素敵でございますね。

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 てくてく歩くと、池に大内石があります。大名が献上した名石だそうです。今回は何とその上に鳥さんが佇んでいました。

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 洗月泉。画像には写ってませんが、一筋の滝が落ちています。ここにある石にお金が投げ込まれるようになった理由は分かりませんが、皆さん石に乗るようにと投げておりました。名前からして、この洗月泉も月に関係があるんですね。泉に映った月をさざ波で洗うだなんて言われています。ぴかっと明るい太陽ではなく、儚げな光を持つ月とこの銀閣寺は相性が良いなと思います。ここに投げられたお金がひょっとしたら月のように見えてくる、かも?

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 竹もいいですなぁ。青く真っ直ぐに伸びることから、清い植物と言われます。

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 椿がちょうど竹柵の仕切りのところに腰を落ち着けていました。

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 階段をよいしょよいしょと登って裏山にて。ここは撮影スポットですね。

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 苔がとても綺麗です。

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 帰り道。ぐるっと後ろから。苔むす銀閣寺は浮世とは離れた幻想的なところでした。

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 何回か行ったことがありますが、やはりこころが落ち着きますね。画像にはありませんが、他にもたくさん綺麗な風景が銀閣寺には存在します。静寂と美とを融合した、稀有な名所。
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2014
03.25

アトラクション付き

 3月末に1泊2日で京都に行って来ました(”ぷらっとこだま”にて)。

 体力がなく疲れやすいのであまり弾丸的なことはせず、平安神宮と銀閣寺と八坂神社と花見小路くらい。

 今回はその中の平安神宮を画像で振り返ってみます。以前にもアップしたことがあるので、簡単に。

 相変わらずの大きな鳥居でございます。

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 應天門。ここから中に入ります。

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 広いですね。奥に外拝殿と、向かって右に蒼龍楼が見えます。画像にはありませんが、向かって左に白虎楼があり、ここから神苑に入ります。

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 以前にアップした平安神宮の記事はここで終わっていたのですが、今回はせっかくなので神苑にも行くことにしました。1人600円を払います。10000坪もある日本庭園四季折々の化粧を見せてくれますが、春は枝垂桜がとても綺麗でございます。しかし、行った時はさすがに時期が微妙。人も少なく、おかげでゆっくり廻れましたが。。。

 とは言え、梅が迎えてくれました。

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 つくしもおります。

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 池と松の景色が良いですね。

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 こ、これは…。

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平安神宮版SASUKEかっ!?



 臥龍橋と言いまして、ホイホイと渡っていきます。失敗したら池にドボン。なんとかクリアしました。

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 クリア後に振り返ってみる。

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 ポツポツと梅が咲いています。やっぱり季節が中途半端でしたね。多くの花がつぼみの状態でした。

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 こちらは泰平閣。くぐるとゴールは間近です。

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 立派な松。

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 見上げると、枝分かれしている勇壮な様がそこにはありました。

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 そしてゴール、と。

 今回はSASUKEもあり、面白かったです。人が少なくてがらんどうとしていましたが、それもまた良し。
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2014
03.19

さくさくっといただく

 当直中はちょっと小腹が空いて何か欲しくなります。大体はチーズを食べるのですが、とある日は切らしてしまっておりました。

 そういう時は机の中をガサゴソっと探してみると何か見つかるものです。

 100円のお菓子がいくつか出てきました(良くコンビニで売っているやつ)。「コーンチョコ美味しいよねー」と思いながら色々見た結果、今回はコチラ。

 ランチパックの派生品というか副産物というか、2012年誕生の”ちょいパクラスク”でございます。フレンチトースト味。

ラスク1

 発売以来、頻回に購入しています。量としても多すぎず「小腹空いたな」という時に活躍。しかも100円という手頃なお値段。ちなみに自分はこの味が一番好きで、次点に味わいミルク味が入ります。ただ、気分次第でこの順位は変動しますが…。

 工場とかだと、パンの耳は捨てる場合に”産業廃棄物”になると聞いたことがあります。何かオオゴトな印象ですね。ちなみに”おから”もそうです。おから美味しいけどねー。いろんな料理に使えますよ。ハンバーグなんかのかさ増しにもなるし、何と言っても煮ると美味しいし。

 で、このフレンチトースト味のご尊顔。

ラスク2

 食べてみるとやはり




んまい




 抜群の安定感。ということで、この”ちょいパクラスク”はパンの耳を一躍スターにのし上げたエコ商品でございます。しかも美味しいというのが大きなポイント。炭水化物だからあまり摂らない方が良いってのは分かってるんですが、ついつい。
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2014
03.16

覚書その10~ご家族とのお話

Category: ★精神科生活
 ここまで患者さんとのやりとりをお話しして来たんですけど、覚書の最後としてご家族とお話しすることを持ってきました。苦しい“あいだ”を調整するには、やはりご家族の協力なしには難しいこともあります。精神分析では治療者と患者さんの1対1で行われますが、支持的に接するのであれば、こちらも環境への働きかけをした方が良いような気もします。短い外来診療ではなかなかご家族と話す時間もとれないんですけど、とれる時があれば会っておくに越したことはない、と思います。

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 患者さんへの支持、そして理解していこうという姿勢が治療者にとって第一歩というか入口になるということをこれまでお話ししてきましたが、その入り口から導かれるものとして、家族面接について境界例の患者さんを思い描きながら短く。格式張った“家族療法”なんてものではなく、一般的な治療者にも行える“常識的家族療法”を提唱した下坂幸三先生のお考えに則ってお話しします。

 当然の事実をまず1つ。

ご家族は患者さんと毎日接している

 このことだけからも、ご家族の重要性というのは理解できるんじゃないかしら。面接では家族を労い、親ならその顔を立てて、ご家族の持つ保護機能を損ねないようにします。そのために下坂先生はこの様な言い方をされていました。

「治療者はたかだか一回五十分の面接、親は毎日、二十四時間の接触、治療者には患者さんのごく一部分しか分かりません。ですから親御さんのご本人への応援の方がはるかに強力です」(下坂幸三.心理療法の常識.東京:金剛出版;1998)

 治療者は患者さんとのみ話していると、ついつい患者さん側についてしまうこともあります。特に境界例とも言われる患者さんの口からは無理解で残酷な家族に感じられてしまい、治療者は無意識の中に“患者=被害者 家族=加害者”という構図を作ってしまいがち。患者さんのことをご家族に理解してもらって全て受け入れるようにきつくお説教してしまう治療者も実際にいます。でも、患者さんの全てを受け入れるなんて、そんなんムリムリ。ご家族は患者さんの奴隷じゃありません。しかも、患者さんの語る“現実”は、往々にして本当の現実ではなく、空想も入り混じっています。精神分析の言葉で“心的現実”なんて言われていますね。これは私たちの記憶だってそうです。昔の記憶というのは味付けされがち。心的現実はあくまでも心的現実としてとどめておくことが大事になってきます(鵜呑みにもしないしばっさりと否定もしない)。そのためには、家族面接は大きな力を発揮します。家族の在り様を具体的に把握できるでしょう。色んな角度から細かく見ることが出来るというのが大きな利点。

 原則として、ご家族みんなに平等にお話を聞いて、キーパーソンになる人物(若い患者さんなら殆どの場合はお母さん)にはちょろっと多めの肩入れをします。この姿勢で、患者さんとご家族のそれぞれの考え方を聞きましょう。その中では、みんなの考えにどれくらい差があるのかな?というのを探していきます。それぞれの考えを“なぞって繰り返す”ことで、それぞれの理解がどこで一致していてどこで食い違っているのかが分かってきます。

 その上で、患者さんの持つ症状や行動というものの意味をみんなに考えてもらいます。そうすることで、患者さんがご家族の立場をイメージしてみたり、ご家族が患者さんの立場をイメージしてみたり、そういう時間を持つことになります。多くのご家族はゆとりがなくなっていて、相手の身になることや自身の考えすら客観的に考えることが出来なくなっています。みなさん、とらわれてしまっている。なので、診察室という環境、そして治療者という存在のもとで、しっかりとその時間をつくることもとても重要だと思います。その中で、治療者は症状や行動のプラスの側面を、押し付けないくらいで少し強調。コーピング、対処行動としての意味をお伝え。どんな物事にもプラスの面とマイナスの面があります。患者さんやご家族が一方に偏っていたら、もう一方の情報を治療者からそっと差し出してみましょう。同じものでも、見る角度が違えば眼に映る像も異なってきます。『“症状”を考えてみよう』の回で示した陰陽の図ですね。プラス面を伝えた後で、どうやっていけば良いかという解決方法をみんなで考えていきます。この際、特に行動化が問題となって家族も責任のなすりつけ合いになっているのなら、システムズアプローチの得意とする広義の“外在化”というテクニックが非常に役立ちます。行動化の原因を家族や本人に一切求めず、他のものにシフトさせます。それにより、家族は責任の重さが緩和されて、本人も自分のせいじゃないと納得。みんながそれぞれの状態を客体化して見ることが出来るようになり、“別の原因”に立ち向かえるようになれて、家族の“あいだ”が抜群に良くなります。そこまで詳しく説明するのは自分の守備範囲をかなり越えてしまうので、興味のある方はぜひシステムズアプローチ、特に東豊先生の本をご参照あれ。

 “治る”ということがそれぞれどういうイメージかを知るのも必要ですよね。行動化の多い患者さんだと、行動化が収まってきたら次に来るのは“抑うつ”です(ここはクラインを勉強すると理解が深まります)。曲がりなりにも行動が少し緩んで自身の内外の事情を見る目が現実的になってくると、抑うつ的になるのは当然っちゃ当然。精神医学的には治療の進展ではあるんですが、患者さんとご家族からすると「全然良くなってないわ!」という不満が出てくるでしょう。そしてご家族が患者さんにそのことを責めてしまったら、患者さんは崩れてしまいます。治療者は、その不満を認め、その上で「これは一歩進んだ状態なんですよ」と丁寧に親切にお伝えする必要があります。どうなるか分からないって言うのは、患者さんもご家族も疑心暗鬼になってしまいます。“治る”ロードマップを適宜示しておくということが必要になってきましょう。この“抑うつ”の時期が治療者含めてみんな苦しい。

 そして、回復しつつある状況に患者さんが向かっていく時がまた大変。患者さんは症状を発動して苦しい“あいだ”を何とか安定化させようとしているところもあります。ということは、その症状がなくなっていくということを恐れている場合もあります。症状があったからこそ“あいだ”で位置を獲得できた、でもそれがなくなっていく、普通になっていく、私はどうすればいいんだろう、そんな不安が渦巻いてくる時期でもあります。このことは、かなりの配慮が必要になりますが、ご家族にもちょっと知ってもらう必要があるかと思います。直接伝えたら「家族を困らせて楽しいのか!」みたいな状況になってしまいかねないので、オブラートに包んで。ご家族用の本も読みやすいものが出ているので、そういうのを読んでもらうのも良いですね(あらかじめ治療者は読んでおくことが大前提)。

 まとめると、調子が良いとか調子が悪いとか、辛いとか楽になったとか、そういった身近なテーマだからこそ、しっかり話し合うということが抜けてしまいがち。家族間で食い違っていることは往々にしてあります。そこに治療者が参加して、差があるという事実を認識する、みんなの共通理解にしていく、こういったことが重要になっていくんだと思います。境界例に限らずどのような疾患であっても、みんなで違いを見つめて理解していく姿勢や疾患の大まかな経過を考えていく姿勢というのは、それだけで大きな治療的な意味合いを持ってくれます。

家族面接

 これまで自分は「現在の苦しい“あいだ”の調整もしましょう」という風にお伝えしていましたが、その中にはこのご家族との関係性も含まれています。でも、ご家族の方を変えようとしすぎて責めちゃうのはいけません。その行為は患者さんと治療者が濃密な2者関係に陥っていることを露呈するものだと思います。みんなの考えの差を検討して、それぞれがそれぞれの立場を考えられるようになること、これが肝要。

 ご家族という特殊な人々の集まりが患者さんの支えになります。家のみんなは不器用かもしれないけれど、患者さんに良くなってほしいと思っています。「もっと悪くなーれ♪」と思うご家族はおりません。ご家族の思いに嘘はないんですから、彼らの心を安定させて、潜在的な良い機能を高めることが重要。治療者というものは、ご家族に対して礼儀を守って、その苦労に思いやりを持って、みんなを尊重して協同治療者として扱い、応援していく。これが私たちの役割だと下坂先生は示しています。格式ばった家族療法ではなく、常識的な家族療法を知りたいという先生は、下坂先生の本を読んでみることをお勧めします。

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 ということで、自分を含めた若手精神科医の覚書として10回にまとめてみました。精神病理とか精神分析とかはあんまり見向きされなくなってきてると思いますが、それらを薄めてみると日常臨床にもスッと応用できそうな気がしてきます、たぶん。また、今回の覚書が若手精神科医(特に1-2年目)の答えだとは思っていません。あくまでも今の自分が思っている1つのスタイルであり、自分のクセもかなり出ていると思います。参考になるところが少しでもあれば幸いで、つまみ食いしてもらえたら、と考えています。
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2014
03.13

褥創の治療をひっそりと

 入院患者さんの褥創(床ずれ)を治療することがあります。

 今勤めている病院は寝たきり患者さんはほとんどいない(はず)んですが、外来患者さんが家で倒れていて発見された時には前胸部や膝に褥創をつくっていることがありました。訪問看護のスタッフさんが運よく見つけてくださって、総合病院で身体的な治療が済んだ後にかかりつけの当院に。褥創は残っておるので引き続き治療を行なうことになります。

 やっぱり患者さんがたも高齢化が進んできまして、身体面にも強い配慮を常にしておかなければならないなーと感じた場面。倒れたって聞いた時はびっくりしました。

 で、褥創はできるだけ自分で治療しようという考えを持っています。黒色壊死組織があると「うーん…」と思ってしまいますが、それ以外なら非専門医でも頑張ってみる。

 何故かというと、研修医で大学病院にいた頃、形成外科とか皮膚科とかに治療を任せることがあったわけでございます。するとゲーベン®クリームにソフラチュール®とか、残念な治療がなされるのでありまして…。他の創傷や熱傷でも消毒がっつり+ユーパスタ®にガーゼとか、こりゃまた凄いのが出てきます。

 当然のことながら褥創にゲーベンやイソジンガーゼを埋め込むような治療法では良くならなくて、業を煮やした先輩がラップ療法(開放性ウエットドレッシング療法)に切り替えたところ治ってしまったという過去があります。それを見た自分は結構感動しまして、褥創のラップ療法(開放性ウエットドレッシング療法)と創傷/熱傷の湿潤療法を勉強しました。

 自分は精神科医とはいえ医者なので、基本的な部分においてやっぱり研修医レベルは出来ていたいものであります(負けず嫌い?)。そんなこんなで、褥創治療もその1つ。治っていく過程はやはり良いものです。

・消毒? いえいえ、しませんよ。
・洗浄? 水道水で十分ですよ。
・手袋? 未滅菌でO.K.
・ゲーベン? そんなもの使いません。
・お風呂? どうぞどうぞ、入ってください。

 壊死組織を柔らかくするためにワセリンを塗って、その上にオプサイト(フィルムみたいなもの)を貼ります。そしてその上にガーゼを多めに乗せます。これは浸出液を吸うため(浸出液が多いと紙おむつの吸水力に頼ります)。オプサイトを貼ったら閉鎖になるんじゃないの?と思うかもしれませんが、ワセリンが広がるのと浸出液が出るのとで意外に剥がれやすくなります(ほぼラップの代わり)。要はほどよい湿潤環境とガーゼが直接傷に触れないようにするため。

 看護師さんの中には「オプサイトを貼ってその上にガーゼ? ガーゼを貼ってその上にオプサイトじゃないんですか?」と聞くかたもいますが、ガーゼを傷に直接貼るのは乾燥をもたらして、かつ傷とくっついて剥がす時に痛い。

 で、壊死組織が柔らかくなったらこまめにチョキチョキと除去。これで浸出液の流れが良くなります。概して感染は”異物”や”液たまり”があると発生しやすいので、それを避けます←ここ重要

 それを繰り返してると、良性の肉芽が出来てきます。よしよし、と思いながら治療を続けると治るのでございますよ。

 あとは自分が漢方屋であることも活かして(?)、十全大補湯を飲んでもらいます(2-4包/day)。褥創のある患者さんは気虚と血虚の両方(気血両虚と言います)が絡んでいると解釈できるので、これを飲んでもらうと治りが早いような…? そんな気がしています。ちなみに漢方薬にも塗り薬があって、その名も紫雲膏と言います(紫色)。でもこれは夏井睦先生がご自身で人体実験をして、皮膚を傷つける作用があると仰ってます。だから使わない。高いし。

 ということで、研修医の先生は褥創のラップ療法と創傷/熱傷の湿潤療法は勉強して下さいまし。まだ否定的な意見を述べる先生もいますが、やっぱり違いますよ。でもやるからには正しい知識でやりましょう。「要は濡らしときゃ良いんだろ?」みたいな安易な考えでやると失敗します。

 褥創なら鳥谷部俊一先生の本、創傷と熱傷なら夏井睦先生の本を。そして、医療者じゃなく一般のかたもいわゆる”キズやヤケド”の治療に詳しくなっておく必要があるかと思います。それには夏井睦先生の『キズ・ヤケドは消毒してはいけない―治療の新常識「湿潤療法」のすべて』という本を読んでみてください。目から鱗でございますよ。

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2014
03.08

そんなに効くのか?

 ラメルテオン(ロゼレム®)はメラトニンアゴニストという部類の睡眠薬で、睡眠リズムが崩れてしまった患者さんに処方することがあります。いわゆる睡眠相後退症候群て名前のついたものですね。この場合は就寝前に飲んでもらわず、寝る2-3時間前に服用してもらうことが多いでしょうか。普通のいわゆるザ・不眠症みたいなタイプにはなかなか効きが悪いなぁと思っており、自分が飲んでもピンピンしてました。ただ、効く人には効くみたいで、持ち越しが生じてしまった患者さんも実はいます。そんなことがあり、自分は1錠(8mg)ではなく0.5錠(4mg)から処方することが多いです。

 あんまり効いた感じが無いもんですから普段は「こいつ仕事してんのかなぁ…」と訝しがっている自分も、スパッと効いた時は


アンタ仕事してたんだねぇ…


 としみじみラメルテオンを眺めます。依存性もなく、大きな副作用もあんまりなく、安全性は高いというのが評価できますね(頭痛やめまいは副作用の中でも多めでしょうか)。

 さてそんなちょっと性格の分からないラメルテオンですが、何と高齢者のせん妄”予防”に著しい効果を示したという論文が出ました。

Hatta K, et al. Preventive Effects of Ramelteon on Delirium: A Randomized Placebo-Controlled Trial. JAMA Psychiatry. 2014 Feb 19.

 せん妄の”治療”に有用だと言う報告はいくつかありまして、確かに軽度のせん妄には悪くない選択肢だと思っています。ただコンサルトを受けるようなせん妄をラメルテオンで何とかしようとはちょっと思わない感じ。

 そしてそのせん妄の予防というのはなかなかうまくいかないのが事実。原疾患のコントロールやせん妄誘発薬剤のチェック、環境因子の改善など以下のことを頑張ってみます。


☆せん妄予防のためのポイント
低酸素:適切な酸素投与。
感染:早期治療、いらないルート類は外す。
認知機能低下:部屋の明るさ、具体的な事柄(日時や場所など)を入れる、家族の面会、好きな音楽をかける。
脱水:適切な血管内容量を保つ。多すぎても少なすぎてもダメ。
便秘:しっかり出してやる。多少下すくらいでもO.K.
不動化:早期の離床を促す。
疼痛:適切なマネジメント。非言語的な部分での評価が重要。
感覚障害:眼鏡、補聴器など。
睡眠障害:物音を必要最低限に、睡眠中の処置は避ける。ベンゾや抗ヒスタミン薬以外での睡眠。
多剤併用:意外な相互作用あり。シンプルに。
低栄養:適切な栄養療法を。



 とはいえ、「せん妄になる患者さんは何をどうしてもなる」みたいな印象が漂ってしまいまして…。とはいえせん妄というのは後の生命予後や認知機能にダメージをもたらすことが分かっているので、やっぱり予防できたらしたい。

 ICUで予め少量のハロペリドールを流しておくと予防につながったという研究もありますが(Wang W, et al. Haloperidol prophylaxis decreases delirium incidence in elderly patients after noncardiac surgery: a randomized controlled trial. Crit Care Med. 2012 Mar;40(3):731-9.)、心機能の低下した患者さんにハロペリドールを流しておくというのもちょっと気が引ける。ハロペリドールの静注はQT延長を起こし、Torsades de pointesの危険性が高まります。

 そんな中で、今回のラメルテオン。副作用の少なさから、予防に効果的であるのならやっぱり期待してしまいます。論文では、65-89歳の患者さんに服用してもらってます。n=67と少なめなのはご愛嬌。また、やってみると分かるんですが、せん妄の評価ってそのものが結構難しいんです。だから今回の試験が完全なblindではないというのもやや突っ込まれるところでしょうか。

 で、そんなことはさておいて、論文中のKaplan-Meier曲線を見てみましょうか。

ロゼレムせん妄
(クリックで拡大)

 凄いなおい…。

 こんなに効いちゃうんですか??? 劇的としか言いようがなく、これだけの綺麗に出ちゃうとかえって勘ぐってしまう様な…。でも製薬会社のfunding(資金提供)はないんですね。このラメルテオンを作って売ってるのは悪名高いタケダさんだから、資金提供があったら一気に疑いが強くなってもおかしくなかったですが。これで完全にblind化されていたらホントに「おぉ~」って思ってました。

 せん妄予防に有用な薬剤がなかなか乏しい現在、ちょっと期待してしまう様な内容。考慮してみても良いかもしれませんよね。ただし、ラメルテオンはCYP1A2で代謝されるので、これを阻害するフルボキサミンは併用禁忌になってます。他にはケトコナゾール、マクロライド系、フルコナゾールといった薬剤もCYPの関係で併用注意になってますので、感染症の治療をされる際は配慮を。
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2014
03.05

流行を追いかけろ!

 流行というものには無頓着です。そんなめんどくさいことはしたくないし、体力が続かないというデメリットも。だから若者でオシャレなファッションを追求してる人を見ると「元気あるなー」って思っちゃいます。

 しかし、そんな自分も今回ばかりは流行をキャッチ! はい、こちらです↓


インフル1


 インフルエンザ(A型)になってしまいました…。

 2014年3月1日は病院の日当直だったんです。前日からちょっと喉の調子がおかしくて、秘書さんと「やっぱPM2.5が舞ってますねー」と話しておりました。

 3月1日の朝も何か咳が出て身体がだるくて「風邪ひいたかしらね…。PM2.5は濡れ衣だったか」とややユーウツ。記事だけアップしてソファに横になっておりました。しかし事態は悪化していき、同日お昼前には寒気、寒気、寒気。毛布にくるまっても寒くて寒くて。そんな中で患者さんの電話対応をしておりました。

 お昼すぎに「ご飯食べてなかったな…」と思い食堂へ行こうとするも、寒さとあまりの倦怠感に自分で驚き。ご飯も全然入らなくて、ちょっと病棟に寄って体温計を貸してもらって測ると38.4度。「こらあかんわ…」と観念して医局でダウンしてました。この時点で頭には”インフルエンザ”という文字が揺らめいていましたが、まだ「まさかね…」と疑心暗鬼。

 ここで「あ、そうだ。せっかくだから診てみるか…」とinfluenza follicle(インフルエンザ濾胞)を人体実験的に、かつ後学のためにも探すことにしました。使えるものは使いましょう、せっかくインフルっぽいんだし。

 Influenza follicleという診察所見は、インフルエンザ患者さんの喉の奥にイクラの様な濾胞が出来ているよというもの。(Miyamoto A, et al. Posterior Pharyngeal Wall Follicles as Early Diagnostic Marker for Seasonal and Novel Influenza. General Medicine. 2011; 12: 51-60)。感度特異度ともに90%以上!とされています。追試が必要だとは思いますが。

 そんなこんなで、よっこらしょと起き上がり自分で鏡の前で口を開けてみると…。こんなんでした。お見苦しいものでスミマセン。

インフル濾胞0

 あー、この赤いイクラっぽいのがインフルエンザ濾胞だろうか…? 意外と判定が難しいような。

インフル濾胞

 もうちょっと数を診ないとダメですね。。。「うーん、これかなぁ…」と思いながら確定には至らず(頑張ってケータイのカメラで撮影しました)。こんなことしてると何だか余裕があるように見えるかもしれませんが、本人はかなり力を振り絞ってやっております。

 そんな診察モドキをした後も夜まで何とか頑張りましたが、ふらふらとトイレに行く途中、看護当直さんに出くわすと

看護師さん「わ、先生どうしたんですか」
自分「あ、ちょっと風邪がひどくて…」
看護師さん「何か死人が歩いてるみたいですよ」
自分「すっごくだるいんですよね…」

 という会話。医局に戻ってしばらくしたら

看護師さん「先生、キットやりましょう」
自分「インフルですか…」
看護師さん「陽性なら他の先生に代わってもらいましょう」
自分「そうっすね…。病院に撒き散らしたら大変ですよね」

 で、検査したら見事にA型陽性になり、その日の20時くらいからは別の先生に代わってもらいました。しかし帰り道もまた辛かった…。

 あと、これを処方してもらいました。

インフル2

 イナビル®ちゃんです。

インフル3

 こんなちっちゃいのが2つ入ってまして、吸入タイプでちょっと甘くて苦い。2つ吸うだけでO.K.という簡単なもの(10歳未満なら1つ)。

 これを吸って後はカロナール®で凌いで生きていました。。。3/4になってようやく解熱したので、3/7から勤務再開予定です。

 インフルエンザなんていつ以来?? 小学生か中学生くらいでしょうか。こんなに倦怠感が強いとは。。。この寒気を伴った様な苦しいだるいのが、インフルエンザの特徴といえば特徴。ちなみにインフルエンザ診断のエビデンスについては、1つ記事を設けています(コチラ)。

 今日はだいぶ楽になってこうして記事や頂いていたコメントへの返信も打てましたが、まだだるさが残っていてお布団の中でほぼ1日じゅう過ごしたのと何故か下痢になっているのとで、くすぶっている感じ。

 流行はやっぱり追うもんじゃないですね。。。
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2014
03.01

机を挟むべきか否か?

Category: ★精神科生活
 以前勤めていた病院の外来診察室。

診察室1

 で、こちらが今勤めている病院の外来診察室。

診察室2

 どちらも電子カルテなのは時代の流れでしょうか。若い医者はブラインドタッチ(和製英語なんですって!)が出来る人が多いので、別に「紙カルテじゃないとダメ!」ということはありません。自分は電子カルテのほうがスピードも速いし楽だし。紙カルテは自分の字も時間が経つと読めなくなりますし、他人の字になるともう暗号ですよ。医者は字の汚い人が多いかも、と思ってます(自分含めて)。

 「パソコンの画面ばっかり見て患者さんの方を見なくなる。だから電子カルテ反対!」というのではなく、だったらブラインドタッチの練習をしてみてはいかがかと。それくらいの努力はしても良いんじゃないかなと思います。年を取ってくると確かに新しいものを練習するのは厳しいかもしれませんが、自分の医療の質を上げるには練習練習。電子化の方向は避けられないので、反対運動を起こしてもなかなか厳しいような気もします。こういうのは多くの医者を敵に回しそうで怖いですが、ブラインドタッチの出来る若手の特権(?)として言ってみました。気分を害されたらスミマセン。

 ま、それは良いとして、今回の着眼点は2人の間にある


机の存在


 です。

 以前勤めていた病院では、患者さんと診察者との間に机がありませんでした。しかし、今勤めている病院では、それがあります。

 あんまり気にせんなぁという先生もいるかもしれませんが、精神科では診察室の構造そのものがちょっと気になる。自分は机を挟まない方から臨床を始めたこともあり、当初は机を挟むタイプが妙に落ち着きませんでした。何となく”壁”や”距離”を感じてしまいます。

 今はずいぶんと慣れまして、逆にあった方が落ち着く。診る患者さんの数が多いと、机があった方が疲れが軽い印象でございます。何となく境界としての役割を持ってくれるんでしょうね。自分で意識して距離を考える必要性が薄らぐので、疲労感の軽さに結びつくのかも。

 ただし、患者さんの層にもよるかもしれません。カーンバーグ的な境界的人格構造の患者さんを診察するなら、この机があることで少し距離を置くことが出来る気がします。悪い意味での巻き込まれが少なくなるような? あと、統合失調症の患者さんならもちろん机があった方が侵襲的ではないでしょう。

 あと、純粋に物理的な距離を取ることが出来るというのもあります。精神的に興奮状態の患者さんを診察する時は、やっぱり机があった方が良いなと思います。以前勤めていた病院は割りと平和だったのかも。

 そんなこんなで、今回は机の存在について考えてみました。 
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